前回のあらすじ
偵察に許可はいらん
以上
雲一つない快晴の空、この暑さは気候なのか人の熱気なのか…そんな感じで体育祭が始まろうとしていたのだが……
「さぁ!!やって参りました。今年も体育祭の季節がやってきた!!!肉体言語のぶつけ合いだ!!!踊れ踊れ!!!!!」
「今年もなるべく怪我人は少なくそして皆さんの力を発揮できるようにしてもらいたいですね。」
「………」
「というわけで自己紹介をしていきましょうか。どうも皆さんマイク越しにおはようございます。実況の2年Cクラス、シゲ﨑マツルです。」
「皆さんおはようございます。解説の体育教師、岡藤ヒロシです。」
「えーどうもツッコミ席の1年Dクラス、黒凪絢都です。よろしくお願いします。」
「さぁみなさん揃い踏みということで「まてまてまて待て待て待て!!」はい?どうかされましたか黒凪さん。」
「普通に話が進んでいますけど…なんですこれ?」
俺は本部のテントで謎の席に座らされているであった。確かに茶柱先生から聞きましたよ、出走表を渡したときに「当日に本部テントで体育祭を過ごしてもらう」と言われたわけだが…ツッコミ席ってなんだよ…
「なんですって…ツッコミ席ですよ?聞いたことあるでしょう?」
「ねえよ。あることが常識だと思うなよ。」
「いやあるでしょう。オリンピックでもあると古事記決まっているはずです。」
「古事記にそんなこと書いてあるわけねえだろ。そして先輩、オリンピック見たことあるんすか?実況席、解説席、ツッコミ席って一ついらねえだろ。」
この人と俺は生きている世界線でも違うというのか…まあ俺は転生してきたから違うと言えるけど…
「おや?担当教師から今日のことを聞いていないのですか?」
「いえ、本部テントにいてもらうことは聞いてましたけど…この『ツッコミ席』ということは聞いてなかったですね…」
「そうですか…申し訳ございません。私の連絡不足ですね。」
「いえ別に謝らなくても大丈夫です。」
岡藤先生が深々と頭も下げて謝罪してくるが、そこまでの謝罪は求めてはいない。俺の中ではもうこのイベントも楽しむかなんていう心境に至っているからだ。
「そうですね。じゃあ切り替えて参りましょうか。」
「切り替えが早いっすね。」
「ええ、謝罪は済みましたし、許しは得ましたので。」
「本人の前で言うべきではないと思いますよ。」
こんなやりとりのせいで先程の謝罪が随分と軽くなってしまう。あまり話したこともなかったけど体育の岡藤先生ってこんな人だったんだ…
「そういえばこれって毎年やっているんですかね?」
「ええ毎年やっているみたいですよ。去年も私は実況をやりましたし。」
「そうなんですね…ちなみにツッコミ席は去年は誰がやっていたんですか?」
「去年は、もう卒業した先代の生徒会長さんでしたね…話によるとその人は一年の時からツッコミ席でツッコミをやっていたみたいですよ。」
「そうですね。先代生徒会長もなかなかに鋭いツッコミをお見舞いしてくれましたからね…ただあの人は卒業の時に謎の一つを解明できなかったことを嘆いていたのが今も記憶に残っていますね…」
「そうなんですね……ちなみにそのなぞって言うのは何なんですかね?」
「生徒会のピコピコハンマーはいつからあるのかというものです。」
「そこそこどうでもよかった。」
こんなことを毎年やっていることに少しばかり驚愕してしまう。
しかし先代の生徒会長はツッコミ側だったのか……もしこの学校で出会うことが出来たのであればお互いの苦労話を共有出来たのかもしれないな…
生徒会のピコピコハンマーの謎か……気が向いたら俺も調べてみるか。
「さて、まずは校長先生のあいさつですが…黒凪君、校長先生の横に立っていてください。」
「挨拶の邪魔になりませんか?それ」
「いいえ大丈夫です。毎年ツッコミ席の人と校長先生でやりとりをしていますので。」
「それ挨拶か?」
もはや挨拶という名ばかりの漫才ではないのだろうか…だがもう行くしかないみたいだ。
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「それでは校長先生、開会のあいさつをお願いします。」
「はい、校長です。」
「…えー黒凪です。」
「二人合わせて……校長と?」
「黒凪です。」
「よろしくお願いします。」
「コンビ名を思いつかないんだったらやめとけ。」
よくわからない状況だな。俺は今校長と横並びで朝礼台とかいう校長が話すときに使う台にいる。
本当に漫才をするしかないんだな…
「いやあ今日は快晴ですねぇ。」
「まあそうですね。体育祭日和ではあるでしょうね。」
「だから今日はみなさんに大切な三つの袋について教えていきたいと思います。」
「それ普通結婚式だろ?」
打ち合わせもしてない漫才だが何とか形にはなっているのかもしれない。現に周りを見ると下を向いて笑いをこらえているような生徒もチラチラと見える。
「それではまず一つ目は……給料袋です。」
「初っ端から俺らに関係ないものがきたな。それ重要なのはあなた方でしょうが。」
「それでは二つ目は……胃袋です。」
「……それは今日だけじゃなくて毎日大切なものなのでは?」
「そして三つ目ですが……三つ目ぇ…なんでしたっけ。」
「嘘だろあんた。そこはすっと出せよ。」
「もう喉元まで来てるはずなんですけどね…なかなかに飲み込めませんね。」
「思い出そうとしてるのに何で呑み込もうとしているんだよ。吐き出せよ。」
「ちょっと黒凪君、思い出すまで場を繋いでくれない?」
「漫才みたいな状況で場をつなぐなんざ聞いたことがないですけど?」
「いいから、あと八時間くらいで思い出せそうだから。」
「日が暮れるわ。だいたいそういう三つの袋の最後は堪忍袋とか言っておけばいいでしょうが。」
「うーーん…………ポリ袋じゃダメかな?」
「それ大切か?」
「普段使いには困らないよ。」
「体育祭の話してんじゃなかったのかよ…そもそもこんな三つの袋の話なんて必要なかったでしょうが。というかその話が終わったんならもういいんじゃないの?」
「いや、私にはまだ言うべきことがある。」
まだあんのかよ。はやく開会の謎漫才を終わらせろよ。
「それでいったい何を言うんですか?」
「それはね君についてだよ黒凪君。」
「俺ですか?いったいなにかありますか?」
「君はどうしてこの台に立っていて私の横に立っているんだい?」
………
「あんたが呼んだからに決まっているからだろうが!!」
「なんだねその態度は?私が誰だかわかっていないのかね?!」
「校長だと分かったうえでこういう態度をとっていますよ!!」
「それにさっきから私の話に随分否定的じゃないか。」
「ツッコミという役割でしょうが!!あんたらが決めたんでしょうが!!!」
「私は君みたいな若者が増えると思う嘆き悲しみたくなりますよ。」
「老害が言いそうなことをいうんじゃねえよ!」
「むっ私がお爺さんだというのかい黒凪君?そんなわけないだろう。」
「じゃああなたは何歳なんですか?まさかの30代とか言いませんよね?」
「55歳だよ!!」
「おじいに片足ツッコんでいるおっさんじゃねえか!!!」
「何を言うか。私はまだまだ若いぞ。その証拠に見なさいこの頭の毛量を。」
「別に、髪の毛だけが若さの指数になるわけじゃないでしょうよ若くして髪の毛がなくなる人もいれば老いても、髪の毛の色が抜けるだけで量があまり変わらない人もいるでしょうよ。」
「ああ、あの理事長みたいにですか。」
「あの人は違うだろ。あれは銀髪でしょうよ。」
「あんなもの白髪とかわらないでしょうが。」
「あんた今、銀髪と銀髪好きを敵に回したぞ!!!」
「そんなのいるわけないでしょう!!」
「いるだろうが多様性なめんな!!!たとえこの学校内にいなくても世界中を探せばたくさん「はい俺銀髪好きだぞ」手上げて主張しなくていいんだよ!!!」
気がついたら喧嘩漫才に変わった状況で自分の性癖を暴露してきたやつがいるが黙ってろ。
「だいたい銀色も白色の延長線上みたいなところあるでしょうよ。」
「拡大解釈が過ぎるだろうが。」
「ア〇ミカが言ってたぞ、白はすべてに通ずると!!」
「そんなこといってねえだろ!!!アン〇カが言ったのは白は200色あるってことだよ!!」
「一緒のようなものだろうが!!」
「どこが一緒なんだよ!!イカレてんのかてめぇ!!」
「ギャルみたいな喋り方している校長がイカレてないと思うなよ!!」
「開き直るんじゃねえよ!!!というかなんであんな喋り方しているんだよ?」
「話題の中心になる以外に何があるんだよ!」
「バズリ目的なのかよ!!あんなもの数分しか持たんぞ!!」
「じゃあなんですか校長はバズってはいけないんですかぁ!!!」
「そもそも式典のあいさつでバズることを考えんじゃねえよ!!!!別のところで頑張れよ!!!!」
「別のところってどこだよ!!!」
「そこは考えろよ!!!この学校内での配信するとかそういうのがあるだろうがよ!!」
「私の配信になんの需要があるんだよ!!」
「じゃあバズること諦めろよ!!!」
「はぁ……はぁ……もう校長は疲れました。」
「俺も疲れましたよ…なんで競技もやってないのにこんだけ疲れなきゃいけないんですか……」
「はぁ…もうバズることは諦めます。」
「あぁ諦めるんですね。」
「これからは校長の生活というのを掲示板に投稿してたくさんの方からグッドをもらうことだけにします。」
「バズること諦めてねえじゃねえか!!もういいよ。」
「どうもありがとうございました。」
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二人してお辞儀をしてあいさつ(漫才)が終わった。聞いていたみんなが拍手を送る……本当に何なんだよこれ……
「いやー黒凪君よかったよ。どうだい?校長と一緒に笑いのてっぺん目指してみるかい?」
「いえ結構です。」
「しょぼんぬ…でもわたす諦めへんで。」
そう言って校長は去っていった。校長の素がわかりません。
「いやーこれを見ていると、体育祭が始まったなって思いますよ。」
「えっ…岡藤先生、これ毎年やっているんですか?」
「ええやっていますよ。ツッコミ席を担当している人と校長との漫才。もはやここまでくるとこの学校の伝統だね。」
「そんな伝統なくなってしまえ……」
改めて思うこの学校、大丈夫か?国が運営しているんだよな…?
俺の心は不安なまま体育祭は始まるのであった。
あとがきというには何かが足りない。
もはや謎でしかない体育祭の始まりです。こういう事をしようと前から考えていたんですがどうもネタのクオリティが…まあ体育祭はまだ始まったばかりなのでこれから挽回していきましょう
次回もお楽しみに。
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