前回のあらすじ
第三種目終了
以上
「さあ、お次の競技は女子限定の玉入れだあああ!!玉入れは上のカゴに入る玉を見るか、下の頑張る子たちの持つ二つの玉を見るか、これが悩ましいところだあああああ!!!」
「あんた一回黙った方がいいと思うよ。」
男子の棒倒しが終わり、女子の玉入れとなったが……この先輩をどうするべきか…
「玉入れは昔からある由緒ある競技ですからねぇ。」
「玉入れに由緒とかあるんですかね…」
「さてそんな玉入れにコツがあるとしたらそれはどのようなものだと思いますか黒凪君?」
「確か……全員で一斉に入れたりしたら玉がぶつかり合って結構入りやすくなるとか…あとは役割分担して玉入れ担当、落ちた玉の回収担当とかに分かれるとかじゃないですかね?」
「……正解ですよ黒凪君。」
「めちゃくちゃ落ち込んでじゃねえか。」
聞いといて落ち込むなよ…なんか俺が悪者みたいじゃねえか…
「黒凪君…あとは任せましたよ。」
「何をですか…岡藤先生、まだまだ体育祭はこれからなんですから…」
「私は今から退職届を出してきます。」
「思ったよりも深刻だった!?落ち着いてください岡藤先生!」
「私の心は強化ガラスなんです…」
「まあまあ余裕あるだろあんた。」
「そして、黒凪君の言葉はレスキューハンマーなのです。」
「なんで俺が岡藤先生特攻みたいなことになってんすか。」
「さあお二人さん試合が始まりますよ!!」
変なやりとりの中、競技が始まる。
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「さあ解説は置いておいて、玉入れの試合が始まった!!赤組が勝つか!?白組は勝つか!?それはまあどちらでもいいが私はこの光景を長く見ていたい。」
「せめて自分の組は応援しろよ。」
そんなこんなで始まった玉入れ。男連中が見ているのは玉入れか玉入れをしている女子か…まあ間違いなくこの実況は女子しか見ていないだろう。愛里をそういう目で見るのなら…何か手はないだろうか……
「?」
ふと俺の足元を見ると生徒会から貰ったピコピコハンマーが置いてあった…いや何故?生徒会に置いたと思ったら気がついたら自室に置いてあり、自室に置いてあると思ったら今自身の足元に置いてある…こいつに意志があるのか…?
まあいいか。とりあえず武器は手に入れたのだから後は何かしでかしてしまう前に実況を止めればいい。
「いやあ今年の子はとても可愛い子ばかりですねぇ…目の保養になりますよ。」
「あのーシゲ﨑先輩、そろそろその辺で…」
「一番の保養と言えばあの子ですね赤組の佐倉愛里さんですねあのもはや完成されたようなグラビア向き肉体…」
ドゴォ!!!
何かヤバイ発言をしそうな気がしたからハンマーでシゲ﨑先輩をぶっ叩いた。なにか会心の一撃が出たような気がしたが…まあ気のせいだろ。ピコピコハンマーなんだし。
「えぇ、実況が気を失ったので変わりに俺が実況をしたいと思います。」
「あの…黒凪君。それは?」
「はい?ピコピコハンマーですが?」
「その…なにか特別な材質が?」
「?ピコピコハンマーなんですからプラスチックとかでしょう?」
「そ、そうですか…そうだね…」
「?」
岡藤先生は何が言いたかったのだろう…まあいいか実況に入るとしよう。
「さあ赤組も白組も見たところ、投げる人と球拾いの人に分かれてますし、投げる時も一斉に投げていますね。なんだか自分の言ったアドバイスを取り入れているようでうれしい限りございます。」
「本当は、私のアドバイスだったんだけどねぇ…」
「何か言いました?」
「いえ何もございません。」
「そうですか……さあどちらも地面に落ちている玉がかなり少なくなってきました。これはなかなかの接戦ですね。」
「全ての玉が入ったことなんてありません…もしかしたら今回はそういったことが起こりそうですね。」
「たかが玉入れされど玉入れ、手に汗を握る試合になってきました…うお危ねえ」
実況をしていたらなぜか白い球がこちらに飛んできた。何事かと飛んで来た方向を見たら、Cクラスの伊吹澪がこちらの方を見ていた。おそらく彼女が犯人なのだろうと分かったがなぜそんなことを…というか何か顔が赤いような……
「~~~~~~~~~。こ、このヘンタイ!!!」
「……なにか抗議を受けたような気がしますがヘンタイしか聞き取れませんでした…しかしなぜ俺はヘンタイと呼ばれたのでしょうか…俺の発想力では伊吹選手に遠く及ばなさそうです。」
もしかしたら実況として「玉」を連呼していたから何かを連想してしまったとかか……脳内ピンクは想像力豊かですね。
「さあ、伊吹選手の混乱により白組の陣形が崩れつつある状態だ。それを赤組はものにできるのだろうか。できればここで棒倒しの失点を取り戻してくれ!」
「君も意外に私情を挟むんですね……」
岡藤先生に何か言われたような気がするが気にしない。そして玉入れは伊吹の混乱もあり赤組の勝利となった。
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「さあ続きましての競技は綱引きだあああああああ!!!!」
「…シゲ﨑君肉体の方は大丈夫ですか?」
「ご心配には及びません岡藤先生!!何か重い一撃をくらったような気がしますが。どこにもケガがないので問題ないでしょう!!おそらく私の興奮のしすぎで気を失ったのでしょう。」
「そうですか…まあ君がいいのなら私は特に何も言いません。」
「?」
そんなやり取りが聞こえてくる。先輩あの時の記憶を失っているのだろうか…まあ無傷ならいいや。
「よっしゃ!ふん縛って行くぞおおおお!!!」
「何を縛るつもりなんだよ須藤…確かに縄だけどさ。」
自陣に引っ張るための縄なんだよ。
「ふん縛るためのコソ泥でも用意した方がいいか?」
「用意せんでいい。というか綾小路よ、用意できるものかそれ?」
「…縛って欲しい願望がある奴になってもらおうか。」
「そういう願望があったとしてもそれは麻縄とかでやるものだろうが。」
こんなデカすぎる縄で縛って欲しいなんて奴はいない……よな?
「さて…とりあえず棒倒しの失点は女子が取り戻してくれたとはいえ、このまま負け続けるわけにもいかない今回で汚名返上したところだ。」
「そうだな。情けないところを見せるわけにもいかないからな…やるぜ赤組!!」
「うん、みんなを焚きつけているところ言うのもあれなんだが…お前も棒倒し敗北の原因の一人だからな須藤。」
なんか雰囲気あともうちょっとで勝てたみたい感じになりそうなんだが全然だからな。お前が抜けて平田も抜けて…Dクラス攻撃のこの字やってないようなものだからな。
「ところで黒凪。」
「なんだ葛城?」
「綱引きの掛け声はどうする?」
「……『オーエス』でいいだろ。」
「なぜだ?」
「な、なぜ?」
そこに疑問を持ちますか普通…おおかた『オーエス』じゃなくて『有栖』とでも言うつもりだったのだろうか…
「別に『有栖』でもかまわんだろ?」
「かまわんだろじゃねえよ!こういうのはシンプルイズベストなやつでいいんだよ。」
「伊豆はシンプルでベストな観光地なのか?」
「唐突に変な変換をして入ってくるんじゃねえよ!!」
「うむしかし…」
「とりあえず最初の試合は『オーエス』だ。いいな葛城。」
「あ、あぁ。」
綾小路のボケを受け流して葛城に手短に指示する。とりあえず今回は勝たないとな…
そんなこんなで始まった第一試合。フォーメーションに気を配り、クラスで綱を引くタイミングを練習してた成果もあってか滑り出しは順調である。
『オーエス!!オーエス!!オーエス!!』
みんなと声をそろえて綱を引く。少しずつだがこちら側に引き寄せられている。このままいけば第一試合は赤組の勝ちだ。こんな時に考えるのもあれだが、ふざけた世界線とはいえ青春を謳歌しているなと思える。
いかんいかん、こういう勝ちが近づいている時ほど油断してはいけないものだ。集中しないとな…
『あ・り・す!!あ・り・す!!あ・り・す!!あ・り・す!!』
……集中しないとな。気にしたら負けだ。ただ、とりあえずこの試合が終わったら話をするしかないかな。
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綱の中央がこちらの陣地に入って事で第一試合は赤組の勝ちとなった…勝ったんだけどな…息を整え、汗をぬぐう。そして葛城に問う。
「なあ葛城。俺は言ったよな?最初は『オーエス』でいくと?」
「あぁ、言っていたし、聞いていた。」
「まあ勝てたからいいんだ。いいんだけどさ…なんか違うだろ?」
「いや違わない。」
「えぇー…」
そこまではっきり否定しますかね普通。確かにただの口約束をしただけだし、破った時のペナルティも何も言ってなかったけどさ…えっ俺が間違っているのかな…いやそれはないな。
「だいたい『オーエス』も『ありす』も同じものだろ。」
「違うでしょ。日本語という意味では同じだけどさ…」
「そもそもの話だが黒凪。」
「なんだよ?」
「オーエスとはなんだ?どういう意味だ。」
「それは…意味までは知らんけど昔からある掛け声だよ。」
「じゃあありすとはどういう意味だ?」
「それは知っているだろ。あんたらの妹の名前だろうが。」
急にどうした?哲学的な話でもするのだろうかこいつは。
「何故お前に妹がいない?」
「俺はAクラスではないからな。」
「Aクラスは赤組で黒凪のDクラスも赤組だ…つまりお前たちもAクラスだということだ。」
「いやそうはならんやろ…」
「そしてAクラスであるなら黒凪もまた有栖の兄であるということだ!!」
「その暴論はまかり通らないよ。」
「ダメか。」
「ダメだろ。」
本当にどうしてそうなる…妹を布教したいのか…いや妹を布教するってなんだよ。というか本当の妹ですらないけどな。
「もうすぐ試合が始まるな…黒凪どうする?」
「聞く必要あるか?葛城。好きにやったらいいじゃないか。」
第二試合が始まる直前そのようなやり取りをする。そして位置に着く。
「これをとったら綱引きは俺達赤組の勝ちだ…みんな…勝つぞ。」
『おおおおおおおおお!!』
気を引き締めて第二試合に臨む。
『あ・り・す!!あ・り・す!!あ・り・す!!あ・り・す!!あ・り・す!!』
相変わらずAクラスはありすコールでやっている。なんだか先程よりも引っ張る力が強くなっているような気がする…
フォーメーションを替え、盤石な布陣になった白組をものともせず引っ張り続ける
「クッ、なんだてめぇらのその掛け声は?!どうしてそれで力が出せる?!」
「それはな龍園…俺たちがお兄ちゃんだからだあああああああ!!」
「そんなふざけた理論、認められるかあああああ!!!」
納得のいく答えは得られず、根性と怒りで抗い続けている龍園。彼の意地と言うべきかはわからないが綱は引っ張られることはなく拮抗状態になった。改めて思ったが龍園もなかなかの力持ちなんだよな。
「クソっ!あと少しだってのによ。」
「白組だって勝ちたいのは同じなんだ。」
「なんとかならねえのか黒凪!?」
「無茶言うな須藤。そんな今この瞬間だけパワーアップなんて不可能だよ。」
「クソー…俺たちはどうしたら強くなれる!?」
先程は意外とすぐに勝てたこともあってか少しずつ焦りを感じている須藤。だがどうしようもないだろう。俺はそう思っていた。
「よしこうなったらみんな『オペレーション:ラブストリーム』だよ!!」
「いやなんだそれは!?」
「よしわかったぜ平田!!」
「何がわかったんだ須藤!?」
一ミリも聞いた覚えのない作戦名にただただ困惑している俺なのだが、周りの雰囲気を感じるにみんな理解しているようだ…なんで理解できたん…
「いいか黒凪、ストリームとは人や物、出来事の流れや考え方の動向などを差す言葉で…」
「言葉の意味を聞いたんじゃない!!!」
綾小路の斜め上発言にツッコミを入れつつ平田の作戦がどのようなものか様子見る。さて何が始まる。
「よしみんな、好きなモノを各々に叫ぶんだ!!!」
『おおおおおおおおお!!』
「おー…はぁ?」
これが平田の言う『オペレーション:ラブストリーム』だというのか……いやもう何でもいいや。どうにでもなれ。
「バ・ス・ケ!!バ・ス・ケ!!バ・ス・ケ!!バ・ス・ケ!!バ・ス・ケ!!」
「まあお前の掛け声はそうだと思ったよ須藤!!」
「ラーブ!!ラーブ!!ラーブ!!ラーブ!!ラーブ!!ラーブ!!…
フフフ絢都君。僕の掛け声は予想外だったかな?」
「予想通りすぎて何のコメントもねえよ洋介!!!」
「さ・つ・き!!さ・つ・き!!さ・つ・き!!さ・つ・き!!さ・つ・き!!」
「それ言うのはいいけどテントに戻ってから変な空気になるなよ池!!」
「ご・ざ・る!!ご・ざ・る!!ご・ざ・る!!ご・ざ・る!!ご・ざ・る!!」
「お前は自分のアイデンティティの方かよ外村!!一番予想外だったわ!!」
「3.14159 26535 89793 23846…」
「お前本当にそれが好きなのか綾小路?あとそれいつ引っ張てるんだよ!!!」
本当に好きな掛け声になったことにより誰も『オーエス』と言わなくなった。
『あ・り・す!!あ・り・す!!あ・り・す!!あ・り・す!!あ・り・す!!』
そこにAクラスも混ざりまさに混沌である。
「本当にこれで勝てるというのか!?」
………
「判定の結果、第二試合の勝者赤組!!よって一年の男子綱引きは赤組の勝利である!!!」
勝った……
いやなんで!!!!
あとがき「オーエスってフランス語の「oh hisse(オーイス)」から由来しているんだって。」
皆さんお久しぶりです。やめたわけでもお亡くなりになったわけでもないのでご安心を…
仕事の忙しさは一旦落ち着きましたので次の投稿は……10日以内にでも頑張ります。
次回もお楽しみに。
他ヒロインというIFルート…見たいのは?
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