平和?な玉入れ混沌の綱引き
以上
「さあ次なる競技は障害物競走だあああああ!!」
もはやこの実況にも慣れてきた現状、そんなことよりもコースに準備された障害物に注目をしている。
「さあ岡藤先生!!コースの解説をお願いいたします。」
「はい任されました…ではコースの解説に入ります。」
少し咳払いをし、呼吸を整えた岡藤先生が解説をする。
「まず一つ目は網をくぐるところから始まります。なお網のゾーンでは潜りきるまでの間、係りの者がスポーツチャンバラの小太刀で妨害をしてきますのでみなさま早めに脱出できるように頑張ってください。」
「その妨害いります?」
道理でさっきから準備した係りの人がとどまっているなあと思っていたよ。なんだか普通の障害物よりも難易度が上がってない?
「えぇ、多少痛みを背負っても前を向き前進してくれるようにという思いで毎年やっています。」
「ちゃんと加減はするんですよね?」
「……えぇ、彼らもプロのはずです。ちゃんと仕事をしてくれることでしょう。」
「明後日の方向を見ずにこちらを見て話してくれませんかね岡藤先生。」
あの係りの人たち何回かやらかしているでしょ。でなければこんな反応にはならないはずだ。不安を覚えたが次の解説でもしてもらおう。
「さあ岡藤先生次はなんですか!!!」
「えぇ、次は平均台です。渡り切ったら次へ進んでも構わないですが、落ちたらもちろんやり直しです。バランス感覚が非常に重要になります。」
「…」
実況と解説の元気なやり取り。だが俺は平均台の周りに配置されているものがどうしても気になっていた。
「あの、岡藤先生。」
「はいどうされました?」
「あそこに置いてあるボールはなんですか?」
「なにってバレーボールですよ?中学でも見たことはあるでしょう?」
「いやまあありますけど……じゃああの大砲みたいなものは何ですか?」
「あぁ、あれはバレーボール砲です。」
「バレーボール砲」
バレーボール砲…あの大砲みたいなのにバレーボールを装填して発射するというようなやつなんだろうな…ただあそこにあるということは。
「あれを使って渡る人たちを妨害します。」
「だろうと思ったよ。もしかしてだがそのボールに当たって落ちたら…」
「もちろんやり直しですよ。」
「障害物競走難易度高すぎないか?」
「これくらいの難易度オセアニアじゃ常識ですよ?」
「オセアニアにもこんな競技ねえだろ。風評被害が過ぎるわ。」
なんだろう…俺たちは雑技団にでも入るための訓練をしているのか……というかこれ女子にもやるのか?
「この妨害って女子でもあるんですか?」
「ええ、ただ少し優しくなりますよ。」
「なんか不安だなぁ…例えばあの平均台のところはどうなるんですか?」
「あそこはバレーボールの代わりに卓球ボール砲を使います。」
「そっちの方が威力ましてねえか?」
当たる点が局所的になって当たり所によってはやべえことになりそうだが。
「ただ、卓球ボールが壊れたら卓球部の顧問からの説教と、新しい道具のためにポイントを支払わなければならないのでその覚悟ある者のみが打つことが出来ます。」
「…それ場合によっては妨害なくならないか?」
「まあ、そういう年もあるでしょう…」
「なら最初からいらなくないか?」
俺自身はまあいいかとなっているが愛里がダメージを受けないならそれに越したことはない。
「まあ、そこは…そういう妨害で先に進めなかったものワイン片手に笑みを浮かべて見る教師もいますので。」
「いやいや仕事中でしょうが。というかこの学校の教員のなかに愉悦部いるのかよ!!」
「えぇ、なにせ私も入っていた時期がありますので。」
「えー……ろくな大人がいねえじゃねえか……」
「黒凪君。他の教師のことは嫌いになっても私のことは嫌いにならないでくださいね。」
「元ネタ的に逆なんだよそれ。」
もうここまででお腹いっぱいだが障害物競走はまだ続く。次の説明に入ってもらおうか。
「次に待っているのは、タイヤ転がしです。」
平均台を越えて置いてあるタイヤ。三つのタイヤが横にくっついて一つとなっている状態だあれなら真っ直ぐ転がすことは容易であるだろう。
「手で押しても構いませんし、上に乗って転がしても問題ありません。」
「やっぱり雑技団でも作ろうとしてます?」
「そんなこと……ないことないことないことないことないですよ。」
「どっちだよ。」
「さあ岡藤先生続きましては!!!」
「タイヤ転がしが終わればあとは走ってゴールとなります……この競技を見ると、もうすぐ体育祭も終わるのかとしみじみとした気持ちになりますね。」
「まだ中盤だよ。」
「わかりますよ岡藤先生!!たとえるのならモン〇ンでパッケージのモンスターと戦えるようになった時に終わりを感じる感覚と同じですよね!!」
「いやそれまだまだ遊べるだろう。ただの通過点だろ。」
「と、いうわけで一年からなので黒凪君。寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!」
「いってらっしゃいだろ。」
そんなこんなでまた送り出される。この障害物競走…結構キツくないか?
───────────────────────
順番待ちをしている状況、定期的に前方から聞こえてくる叫ぶ声。
「うわっまた落ちた。」「いてぇ!!」「へぶっ!?」
「もうだめだぁ…おしまいだぁ」「痛いですって先生!!」
…軽く地獄絵図が出来ている気がする。
「ふっ、なるほどここが
「何を言っているんだお前は。」
そんな俺の隣にはCクラス金田…こいつ中二病患者だったのか。
「ふっしかし、我々ならこのような地獄でも平気だというものだ。そうであろう、Dの
「俺を巻き込むな…」
これならアルベルトのほうがまだマシだった気がする。
「何というかCクラスもまた個性的な奴が多いのだな。」
「それどのクラスに対しても言えることだからな神崎。」
そんな俺の逆サイドは神崎である。ようやくマトモな奴が隣に来たな。
「この学校は随分と厳しい競技をするんだな。」
「雑技団を育成に力を入れてますと言われたら納得されそうではあるな。」
「ふっどうであれ我々は
「「……」」
金田の発言に沈黙が生まれ、俺と神崎は金田に背を向けてコソコソ話を始める。
「おい、あいつなんとかしてくれよ神崎。」
「俺に言わないでくれ。というか何故俺なんだ?」
「そりゃあ同じ白組だからだろうがよ。」
「そんな理由でか!?ああいう変わり者の相手は黒凪の専売特許だろ?」
「いらねえよそんな特許!!というかこの学校は変わり者しかいないだろうが。」
「お、俺はまだマトモな方だろ?」
「マトモな方ではあるが学年一の美少女のメイド化を受け入れてる時点で君も大概だからな神崎。」
「あれは受け入れたんじゃない!!」
「ふっ、
何やら金田が言ってきた。よくわからないが俺も混ぜろと言うようなニュアンスであるのがわかった。
何故理解できたか…わからん。
「そろそろ俺たちの番だ。」
「そうみたいだな…そろそろ一位を取りたいものだな。」
「ふっ、
「なんだか絶妙に情けない技だなそれ。」
そうして俺達の番がやってきた………
最初の網潜り、解説ではスポーツチャンバラの小太刀での妨害ありとあったが俺たちの番の時にはなかった。何故なのかと潜り終わり平均台へと向かう時に振り返ってみた。
そしたら一名、竹刀を持っていた奴がいて他の人たちがそいつを止めていた。
「離せ!!学年一のマドンナをメイドに侍らせている奴に、グラビアアイドルと付き合っている奴がいるんだ!!竹刀でちょうどいいだろう!?」
「何が丁度いいんだ!!」「お前のそれは嫉妬だよ!!」「学生にそんな感情をぶつけるな!!」
……周りの大人はマトモでよかったと思う。
本当に。
次の平均台のゾーンにやってきた。バレーボール砲が渡る選手を狙い撃つ。このまま渡ろうとしても俺も狙い撃ちされるだけだなと少し考える。
すると後ろからやってきた金田が平均台に乗り、真ん中くらいで立ち止まった。
「ふっ、私の魔力にひれ伏すがいい!!」
何をやっているのだろうか……そう考えていたら
「全員、発射。」
「グフッ!!?」
一斉に撃たれたボールに耐えられず平均台から落ちた。あっ今がチャンスだと思いすぐに乗って平均台を渡った。
そしてタイヤ転がしでは特に問題もなく、ゴールまでの徒競走の時に後ろから金田の声が聞こえてきた。
「唸れ、私の『右回転敵前逃亡脚』!!」
………そんな声が聞こえてきたけど、金田が俺よりも前に出ることはなく俺は初めてこの体育祭で一位を取れた。
「ぜぇはあ……」
「あー金田、一応聞いておくが大丈夫か?」
結構土まみれでボロボロになっている金田を心配する。彼がいなかったら俺も平均台でダメージを受けていたから多少感謝はしている。まあだけど勝負だから仕方ないけど。
「ふっ、私の『右回転敵前逃亡脚』で逃げ切れなかったのはあなたが初めてですよ。」
「……なんだって?」
何度か頭の中で反芻してみたがちょっとよくわからない。ニュアンスとしては、自分の秘奥義が通じなかったのは俺が初めてだとでも言いたかったのだろうか…まあなんでもいいや。
「あー…その右回転敵前逃亡脚というものはすごいんだな。」
「流石はDの
「いや見抜けたわけではないが。」
「ただこれには欠点があってだな…」
「俺の話聞いてくれ。」
「秘奥義を発動して3秒で息が切れるのだ。」
「それは君の体力のなさ原因だろうよ。」
障害物競走はなんとか終わりを迎えることが出来た。なお女子の部では妨害の人たちが束になって星之宮先生を抑えつけていた。
大変だな大人って。
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「さあ次なる競技は二人三脚です!!互いに息を合わせ、速さの最大公約数が求めることが出来た選手が勝つことが出来るような競技です!!互いに最速を目指すことより妥協して気張って行きましょう!!」
そんな実況が飛んでいるわけだが……
「ノン。私たちが目指すは美しいパーフェクトだとも。」
「美しさと完璧さを両立させようとしないでくれ…」
俺の相方である高円寺は何処吹く風といった具合に自分らしさ全開である。しかし何故俺が相方なのか…
「なあ高円寺。なぜ俺なんだ?最速なら綾小路でよかったのではないか?」
「ふむ…その意見は尤もだが、さすがにあのゴーイングマイウェイさは私はノーサンキューなのだよ。」
「お前それ…マジで言っているのか?」
「あぁ、大マジだとも」
「えぇ……」
高度なギャグかなんかだと思っていたのだが…我が道征くのは君も大概だと思うんだけどなぁ……いやこの世界線は、誰もが我が道行っているか。
「さてブラックボーイ、何処を結ぶのだっただろうか?」
「脚だよ。お前も須藤と同じボケをするんじゃねえよ。」
「それは私が決めることだねぇ。あと二年はこするつもりでいるとも。」
「お前…この学校の体育祭で毎回言うつもりなのかよ。」
「あぁそうだとも。だから君もバリエーションを増やしておくんだねぇ。」
「えっ?俺が増やすの!?同じボケにあと二通りのツッコミを考えろと?!そして毎年俺はお前の相方なのかよ!!」
「そうだとも。これは決定事項なのだよブラックボーイ。これは高円寺コンツェルンが設立した時から決まっているのだよ。」
「設立した時なんざ俺もお前も生まれてねえだろ。」
「御曹司ジョークだとも。抱腹絶倒しただろ?」
「今度、眼科に行くことを強く薦めるよ。」
淡々とした感じで結ぶ俺。どこを見たら笑ったように見えたのか…
「だが相方として頑張ってくれたまえよブラックボーイ。来年も再来年も。」
「マジか……」
この変人に毎年付き合わされることになることが本当に決まってしまったな…だが高円寺はまだマシな部類か。
「さて高円寺、掛け声とかどうするつもりだ?」
「それは必要なことかな?」
「必要だろうよ。」
「安心したまえブラックボーイ。君はただ己の限界を超えるだけでいい。」
「何気なく言うが、それってそう簡単に出来ることじゃないからな。」
「私はパーフェクト。君はレジェンドだろ?」
「意味が分からない……」
「さあ、駆け抜ける時間だ。ブラックボーイ、君も先頭の景色を堪能するといい。」
「堪能できるといいな……」
そうして俺達の番がやってきた。高円寺は俺がいるということを忘れたと思えるくらい自分のペースで走り始めた。
おそらく俺がこけたとしても気にせず走り続けるだろう…それが嫌だから俺は高円寺の脚の速さに合わせることに必死だった。
この時の俺は本当に己の限界を超えていたのだろうと思う。須藤にも綾小路にも勝てない俺が高円寺の速さについていけていたのだから。
結果は当然一位であったが先頭の景色なんて堪能できるわけもなく、自身の肉体を休め呼吸を整えることに必死であった。
「ぜぇ……はぁ……」
「ふむ、やはり私は美しいね。ブラックボーイも私の次くらいには美しいねぇ。」
「ぜぇ……はぁ……」
「どうだい?景色は堪能できたかな?」
「出来るわけねぇだろ!足の回転に意識を向けていたわ!!」
「ふむ…だがこうして先頭になれたのだ。誇り給え!」
「そりゃどうも……」
「ここを卒業するまではよろしく頼むよ。」
「マジで言ってんのかよ…」
「人は人生において何度も限界を超えないといけないときがあるものだよ。」
「そんな人生があるならそいつまだ余力残しているだろうし、限界値をもうちょい上だろうな。」
そんなこんなで残りの時間は高円寺と人の限界について話しているのだった。
ただ、そのせいで愛里の活躍を見逃しかけて怒られたのは言うまでもない。
あとがき、それと便座カバー
間に合ったか!?(多分間に合ってない)
というわけでどうも作者です。これほどまでに体育祭で話を伸ばしているのは俺くらいではないのかななんて思う今日この頃。それでもこのスタイルは替えるつもりはないんですけどね。
独り言のようなものですが、ようマジというアプリで佐倉愛里のSSRピックアップが少し前にきたわけですが…あれ最高ですね!!
そしてレアリティNのキャラで中学時代の櫛田が出てきたときはおどろきましたね…みーちゃんとか朝比奈先輩とかでも良かったんじゃないかなと思っていますが…まあいずれ来るでしょう。
では…次回もお楽しみに。
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