どうしてこうなった!?よう実!!   作:田舎狩人

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前回のあらすじ

障害物競走はほぼ雑技団だし、二人三脚は限界超えた
以上


第46話 肉体よりも喉を酷使する体育祭 その6

「さあ、次なる競技は騎馬戦だああああああ!!下にいる馬役が上の人を支え、相手の鉢巻きを取り合うバトルロイヤル…しかし私は疑問に思っているんですよね。あのフォーメーションを見ても馬にも見えないし、馬に跨る騎士とかに見えたことが無いんですよねぇ…

まあそれはさておき、男は度胸、女は愛嬌、オカマは最強!!ということで皆さん頑張ってくださいね!!」

 

「もう言いたい放題じゃねえかなあの実況…」

 

 

 

慣れてきそうでやっぱなれない実況を耳に競技場まで足を運ぶ。さすがにこの競技は危険が伴うからなのか特別なルールや妨害みたいなものないみたいだな…いやなくて当たり前なんだが…

 

 

 

「黒凪、お前も大変だな。」

 

「言うほど大変に見えるか?三宅。」

 

 

 

同じチームである三宅と合流する。ツッコミ役という席はあれど俺個人としてはもはや誰かにツッコミを入れるということがもはや日常になりつつあるので特に気にしてはいないが…

 

強いて言うなら愛里の隣に入れないことが嫌だなと思う事かな…あぁこんな考えをしていたらツッコミ席から逃げたくなってきたな…

 

 

 

「こっちでは波瑠加のやつが佐倉を煽って喧嘩になりそうなのを止めるのが大変なんだ…」

 

「そっちの方が大変じゃねえか!」

 

 

少しやつれているというか、疲れているような表情していた理由はそれだったのか…本当にこの世界線だと長谷部と愛里は喧嘩するねぇ。喧嘩するほど仲がいいのだろうか…

 

 

「あの…黒凪君。」

 

「どうした沖谷?」

 

 

 

少し悩んだように俺たちに合流してきた沖谷京介。さてあまり交流のない彼だが何を悩んでいるのか。

 

 

 

「黒凪君。僕はオカマになった方がいいかな?」

 

「うん、あの実況は無視していいぞ。というか一朝一夕でなれるものじゃねえから。」

 

 

 

言っちゃああれだがしょうもなかった。まさかあの実況のセリフに惑わされる奴が現れるとは。

 

 

 

「よし沖谷。オカマになってみたらいいんじゃないか。骨は黒凪が拾うから。」

 

「お前とんでもないキラーパスをしやがったな三宅!」

 

「えっえー…わかったよ。」

 

「お前もやる気なんかい。」

 

「コホン……冗談じゃないわよぉ…」

 

「ただボン〇レーのセリフ行っただけじゃねえか!」

 

 

 

まあ確かにオカマと言われたらで連想しやすいキャラクターではあるけども…というかなかなか競技が始まらないな。

 

 

 

「絢都君!!」

 

「どうした洋介?」

 

 

少し慌てた様子で平田がやってきた。まあ何かあったのは確かだろうな。

 

 

 

「高円寺君を見ていないかい?」

 

「高円寺……そういやいねえな。」

 

 

 

平田に言われるまで高円寺がこの競技場にいないことに気づいていなかった。原作を知っているだけにいないのが普通というような認識でいたのかもしれない。この世界線ではちゃんとして一位をもぎ取っていたのにな。

 

 

 

 

「このままだとこちらのチームが一組少なくなるよ。」

 

「だからと言って探す時間ももうないだろう。」

 

 

 

今までの待ち時間は不参加の選手を待つあるいは探す時間だったのかもしれない。だがそれをしなかった以上もうどうしようもない。このまま一組いない状態で騎馬戦をやるしかないだろうな

ぁ…

 

 

 

「ハッハッハッハッハ安心したまえ。私は帰って来たとも。」

 

「高円寺君…!?」

 

「遅かった…なあああああああ!???!!?」

 

 

 

俺と平田は高円寺の方を向きただただ驚愕する。何故ならば奴は黒い馬に乗ってやってきたのだから。そしてうまく手綱を使い馬に指示してゆっくりと俺たちの元までやってきた。

 

 

 

「こ、高円寺君。こ、この馬はいったい…」

 

「騎馬戦には必要なものだろう?」

 

「どこの高校生が本物の馬使って騎馬戦するんだよ。」

 

「私がいる!!」

 

「うるせー。」

 

 

 

いや男子高校生とか一回は考えるようなものだよ。騎馬戦を本物の馬でやったらとかそんな妄想を。それを現実にする奴がいるとは思わないじゃん。

 

 

 

「というかこの馬は何処からやって来たんだよ?」

 

「フッフッフ…ブラックボーイ。今日になる前にヒントはあったのだよ?」

 

「いやヒントって…」

 

 

 

俺は少し考える。準備期間なんてこいつとそこまで話したわけではないが……まて高円寺は一度どこかに電話をしていたな…まさか!?

 

 

 

「高円寺…これがお前の言っていたお楽しみというやつか?!」

 

「イグザクトリーだよブラックボーイ。」

 

「なんてやつだ…」

 

 

 

馬をここに連れて来るために色々と準備をしていたのは予想外すぎるなぁ…外部への連絡は不可能ではあるがそれをポイントで購入すれば…いや購入できるものなのか?これは…

 

いや出来なければ『なんでも購入できる』という言葉が嘘になるわけだし、かといって外部への連絡と馬をレンタルにかなりのポイントがかかっているだろうし…

 

 

 

「高円寺…いったいいくらかけたんだ?」

 

「野暮なことを聞くものじゃないよブラックボーイ。」

 

「そっかぁ…じゃあいいや。」

 

 

 

まあ高円寺が満足しているならそれでいいや。

いやまてこれで騎馬戦やるのか?無理じゃね?

 

 

 

「クククッなるほどなぁ御曹司様はそんな手札を持っていたわけか。」

 

「おやドラゴンボーイ何用かな?」

 

「どうした龍園、早く持ち場に戻れよ。」

 

「…なんか冷たくねえか黒凪。」

 

 

 

うるせぇ、お前のクラスの連中の相手に疲れているんだよ。

 

 

 

 

「まあいい…だが残念だったな高円寺、お前が今日ここでそうすることを知っていた。」

 

「おやそれはそれは素晴らしいねぇ。」

 

「どうせ、準備期間の時の電話を盗み聞きしていたんだろうよ。」

 

「…なあ黒凪、俺のセリフを取るんじゃねえよ。」

 

「あっそいつは失礼しましたねー。」

 

 

 

俺の言葉が図星だったようで苦虫を噛み潰したような顔をする龍園、そんな奴の出鼻を挫いてばっかだがまだ何かあるようだ。

 

 

 

 

「ふっまあいいだが黒凪、俺が何も対策をしてないとでも思ったのか?」

 

「いや対策って……何をやるつもりなんだ?」

 

 

 

流石に俺には予想がつかなかった。馬の対策ってなんだろうか…あちらも馬一頭用意するとかか?

 

 

 

「馬でも用意したのか?いや流石に無理だろ。」

 

「確かに本物の馬は用意できてねえな。だがそれに匹敵出来るものは作り上げた!」

 

「そうか…待て作り上げたとはなんだ?」

 

「見せてやれ野郎ども!!」

 

 

 

そう龍園が叫ぶと白組の陣地から段ボールで出来た馬たちがやってきた。ただ作られているのは馬の上部分だけと言うべきか…脚は人の形をしているので全身に茶色のタイツを着た誰かが中に入っているだろうとすぐにわかる。

 

 

 

「なあ龍園…これって」

 

「本物に対抗するのは段ボールの馬だ!これが俺達力作の『ハリボテエ〇ジー』だ!!」

 

「やめとけお前!!」

 

 

 

あれは公式のおふざけであって真に受けるべきものじゃねえよ。そもそも曲がれねえだろそれ…

 

 

 

「さて行くぜお前ら。」

 

「うっ!!」

 

「下の奴呻いたぞ。」

 

 

 

勢いよく乗った龍園だが、急のことだったからなのか下の奴がダメージを受けたみたいだ。足がぷるぷるしている…まあ仕方ないだろうな。騎馬戦は馬役が三人だがこのハリボテだとしたは二人しかいない以上、負担はデカくなっているからな。

 

 

 

「さあ戦いを始めようか!!」

 

「いいねぇ。私の『クーフパェト』でお相手しようではないか!!」

 

「『クーフパェト』がその馬の名前なのか…うん?文字入れ替えたら『パーフェクト』じゃねえか!!」

 

 

 

ウマにまで完璧を求めるのか…まあいいか、というかこの試合はどうなってしまうのか…

 

 

 

 

「えぇー解説の岡藤です。皆さんにご連絡があります。」

 

 

 

いきなり岡藤先生からの連絡にみんな本部テントに注目する。なんの連絡だ。

 

 

 

「ただいま教員での協議の結果、一年男子の騎馬戦は両者失格とさせていただきます。」

 

 

・・・・

 

 

 

「「なにいいいいいいいいいいいいい!!!」」

 

「いや当たり前だろう。」

 

 

 

何故いけると思ったのか…結局俺たちはどちらも無得点の状態で終了した。改めて考えるとあの時の待ち時間は協議の時間だったんだな…

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

「さて午前の部である全員参加の競技も最後となりました200メートル走です!!100メートル走もやったのにやる必要があるのかと考えてはいけない!!無駄なものなんて何一つないんだからね!!

えっ?それだと『もったいない』という言葉は生まれてないだと!?人の上げ足を取るんじゃない!!」

 

「誰も何も言ってないんだよ…」

 

 

 

というわけで午前の部最後の競技である200メートル走だ。これが終われば昼休みでようやく愛里と過ごせるわけだが…

 

 

 

「やあブラックボーイ、風を楽しもうじゃないか。」

 

「オウ、隣人サン。オヤ?リジウムサンデシタカ?」

 

「クククッ黒凪、さっきは残念だったが今回はそうはいかねえからな。」

 

「おう、黒凪ってやっぱ人気なんだな。」

 

「……よろしく頼む。」

 

 

 

「悪夢だ…」

 

 

 

 

高円寺に龍園にアルベルトにBクラス柴田にAクラス鬼頭ときた。なんで身体能力抜群のやつらしかいねえんだよ…これはあれだな。俺が最下位になることは確定事項なんだろうなと思う。

 

 

 

 

「はぁ…今回は流すかぁ…」

 

「ノン、ブラックボーイ…それはナンセンスだよ。いつだって全力で華麗で、それでいて美しくパーフェクトであるべきなのだよ。」

 

「それを常日頃できるのはお前だけなんだよ。一緒にするな。」

 

 

「リニアサンハ運動ハ凡人デスカラネ…ゲームデ言うトコロノ『ガメオベラ』デスネ?」

 

「それを言うなら『強制負けイベント』だろうよ。あとあれは『ゲームオーバー』って読むからな。そして凡人であるというわかりきったこと言うんじゃねえよ、俺は普通の奴なんだから…あと俺はモーターカーじゃねえから!!」

 

 

「クククッ黒凪……ここで言うべきセリフはなんだぁ?」

 

「委ねんじゃねえよ龍園!!なければ沈黙を選べばいいだけじゃねえか!!あれなのか黙ると発作でもおこるんか!?」

 

 

「なんかおもしれえな。まるで吉〇新喜劇みたいだな黒凪。」

 

「こんな低クオリティなボケとツッコミの応酬を一緒にするんじゃねえよ!!あちらに失礼すぎるだろうが!!」

 

 

「……苦労しているな黒凪。いつかコーヒーを奢ってやる。」

 

「お前意外といい奴なんだな鬼頭。もうまともな奴にしか見えないぞ。」

 

 

 

そうして俺たちの出番となった。奇跡なんてものはそう起きることもなく凡人たる俺には異次元レベルのやべえ奴らに敵うこともなく結局俺は最下位となった…まあまだそれはいい納得は出来る…だが…

 

 

 

「おやブラックボーイ、随分ゆったりと走るんだねぇ。」

 

「お前が速すぎるんだよ!!」

 

 

 

なんかムカつくコメントをもらってしまった…改めて考えるとなぜ俺は二人三脚の時こいつについてきてたのか…それがわからない。

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

こうして全員参加競技の午前の部がすべて終わり、昼休みとなった。本部テントではお弁当が配布されていてだいたいの人はそれをもらいに行っている。

 

 

 

「絢都。一緒に食べよ♪」

 

「あぁ、日陰にでも行こうか。」

 

 

 

ようやく愛里と過ごせる幸せを噛みしめて誰もいない、涼しめるところを探している。

 

 

 

「あの辺とかどうかな?」

 

「そうだな。誰もいないしゆっくりできそうだ。」

 

 

 

それに何かあったとしても誰も来ないだろう。先程愛里と合流する前に平田からこんな言葉を告げられた。

 

 

 

「絢都君、君は愛を補充するんだ!何他のことは気にしなくてもいいよ。僕たちが不落の陣を築くからね。」

 

 

 

…まあ、気を使ってくれていることはわかるが、そこまで仰々しく言わなくてもいいだろうに。

いやあいつの場合…何かやりそうな気がする。

 

 

 

「どうしたの?」

 

「いや何でもない。」

 

 

 

平田のことで思考が飛んでいたがまあ気にしなくてもいいだろう…何かあればまた平田が愛を語るだけだからな…一回あいつの愛の語りでも聞いてみようか…いややめておこう宇宙ネコにしかならないだろうから。

 

 

 

「じゃあ食べよっか♪」

 

「そうだな。」

 

「私、お弁当…作って来たんだ。」

 

「奇遇だな。俺も作って来たんだ。」

 

 

 

日陰に入り、俺も愛里も手に持っていた荷物を取り出してお互いがお互いの為に昼ご飯を作って来ていた…二人して少しぽかんとして、互いに笑う。

 

 

 

「同じことを考えていたとはな。」

 

「そうだね…ねえ絢都は何を作ってきたの?」

 

「俺はサンドウィッチを作って来たな。ジャムサンドに卵、レタスなどいろいろとな。」

 

「そうなんだ…私はおにぎりを作ってきたの。サケやウメなどいろいろと具材をいれてね。塩もちゃんとふってあるから。」

 

「まさかジャンルが分かれるとはな」

 

 

 

俺が洋物で愛里が和物である。俺は食べやすさを配慮して、愛里は塩分補給を出来ることを意識したのかもしれない。どちらも互いのことを考えた結果だろう。

 

 

 

「さてどちらからいただこうか。」

 

「おにぎりをサンドウィッチで挟めば解決しないかな?」

 

「多分しないな。混ぜるな危険だな。」

 

 

 

その発想は要らなかったぞ愛里よ。

とりあえずおにぎりを俺がサンドウィッチを愛里が食べる相手が作ったものを食すという形に落ち着いた。

 

 

 

「ふぅ…落ち着くな。」

 

 

 

お茶を飲んでふとつぶやく。なんだかんだ今日はいろんな奴に振り回されたからこういう時間が心に染みるというべきなのだろうか。ただ俺のこの言葉を聞いて愛里は吹き出した。

 

 

 

「どうした愛里?」

 

「いやwwwそのwwなんだか絢都がおじいちゃんっぽくてwwww」

 

「おじいちゃんかぁ……愛里さんや飯はまだかの?」

 

「ぶふぅwwwもうおじいちゃんったら昨日食べたでしょ?」

 

「今日の分はねえのかよ。」

 

「あははは。」

 

 

 

俺がふさげ、愛里もボケ返して俺がツッコむ。何というか俺は根っからのツッコミ気質なのかもなんて頭の片隅で考える。

 

程よく吹くそよ風に心地よさを覚え、この時間がいつまでも続いてほしいとさえ願う。まあ無理なのはわかりきっているが。

 

 

 

「絢都は昼は二種目参加するんだよね?」

 

「あぁ、借り物競争に愛里と二人三脚だな。」

 

「うん…大丈夫かな…私足遅いよ?」

 

「気にしなくていいんじゃないかな。俺が合わせたらどうとでもなるものだからな。」

 

「そういえば高円寺君とも絢都が合わせていたんだよね?」

 

「あれは高円寺が我が道行ったからそうせざるをえなかったわけだが…」

 

「…なんか嫉妬しちゃうな…」

 

「御曹司に嫉妬するなよ…」

 

 

 

しかし推薦競技に二つも参加することになるとは俺自身も予想外だったな。参加するなら借り物競争だけかと思っていたが、平田の熱弁により男女混合二人三脚にも参加することになった。

 

『絢都君と佐倉さんが参加しなかったら誰が参加できると思っているんだい!?』なんて言われたのだがいや別に誰でも参加はいいだろうとは思ったが、平田の圧がすごかったので首を縦に振るしかなかった。

 

 

 

「さてもうそろそろ昼休みをおわるな…」

 

 

そんな一言を呟き俺は自分の荷物を片付け、本部テントに戻ろうとしていた。

 

 

 

「絢都…」

 

「なんだ?」

 

「…ん。」

 

 

 

呼ばれ愛里の方を見ると少し寂しそうな表情で両腕を広げていた。俺は周りを見渡し誰も見ていないことを確認すると、愛里に抱きしめた。

 

 

 

「ねえ絢都。来年はあの仕事断れない?」

 

「どうだろう…来年に期待の新人としての一年が入ってきたらなんとかなるだろうが…」

 

 

 

このツッコミ席を毎年やっている以上、俺みたいなツッコミ適性のある新入生が来なければ俺が三年間あそこに座ることになるだろう。

 

 

俺はだれかいい人材が来てくれないかなと祈りながら昼休みギリギリまで愛里と熱い抱擁をし続けた。

 

 




あとがきと言われましても…

ようやく全員参加競技が終わりました。ここまで時間をかけ過ぎたような気がしますが、書きたいことはかけているので自分的には満足しています。

今のところあと3話ほどで体育祭編が終わるかなと思います。

次回もお楽しみに。

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