前回のあらすじ
馬が来てビリになって昼飯デート
以上
昼休みが終わり俺は一度本部テントに戻ることになった。推薦競技も一年生から始まるから俺がこの場にいる必要はあるのかなんて考えたが、三席の人間が揃ってないといけないみたいな暗黙の了解でもあるのだろうと考えるのを止めた。
「さあ、みなさまお昼はしっかりいただきましたか!?これからは推薦競技の時間でございます!!我こそはと自ら進んで競技に臨むものばかりでしょう!!参加するものはいついかなる時も諦めない不屈の闘志を!!見るものは惜しみない拍手お願いいたします!!!」
「ドンドンドン、パフパフ。」
「岡藤先生、それ口で言うものじゃないと思います。」
「いいですねぇ…この三人の連携も高まって来たのでこれからもトリオで頑張っていきたいものです!!」
「俺としては今日で解散を望んでいるんですが…」
「いいですね。トリオでならグランドスラムも夢じゃないでしょう。」
「テニスにトリオのジャンルねえよ。せめて上〇漫才大賞とかでしょうよ…いや目指さんけどな!!」
なんだかんだでノリに乗せられている気がするがもう気にしても仕方ないことだ。
「さて推薦競技の始まりはあ~~~~~~借り物競争だああああああああああ!!!お題をめくり指定されたものを誰かから借りてゴール前の教員に確認してもらう。これだけだが何が起こるかわからないからこそ面白い!!!そこがマグマ味噌なんですねぇ!!!!」
「なんですか?マグマ味噌って…」
「お題は簡単なモノからルナティック級に難しいものもあるので気を付けてくださいねみなさん!!!それと借りた物はちゃんと返すように、借りパクはいけないぞ♪」
「なんだろう…真っ当な注意なのにウザさを感じました。」
「さて解説の岡藤先生。この競技における注意点やコツはなんでしょう??」
「……えっなんでしょうね…」
「考えとけよそこは!!!」
「黒凪君。」
「なんですか岡藤先生。」
「考えるな!感じろ!」
「それ今云う事じゃないと思いますよ。」
「……黒凪君。」
「なんですか?」
「シャルウィダンス?」
「踊らねぇよ!」
このグダグダ具合でよく連携出来ていると思ったな。さて俺はそろそろ競技場に向かうとしますかね。
「おや黒凪君、もしかしてこの競技に参加するのですか?」
「そうですよ。」
「そうですか…陦後▲縺ヲ繧峨▲縺励c縺」
「行ってきま…待て!?いまなんと発音した!?!」
シゲ﨑先輩の文字化け発言に戸惑いながらも俺は本部テントを後にした。
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借り物競争…引いたお題次第で順位が簡単に変動する最も運要素が絡んだ競技だろう。現にあまり足が速くない池が運動靴というお題を引いて一位となった。俺もあれくらいの簡単なお題を引きたいものだ。
「借り物競争…なあ黒凪、借りパク競争じゃだめだったのだろうか?」
「どうした綾小路?お前倫理観を可燃ゴミと一緒に捨てたか?」
「安心しろ黒凪。借りた物は使っていた本人以上に有効活用させてもらうさ。」
「そうか。とりあえず君が間違いをする前に警察や教員からお説教をもらうべきだと思うぞ。」
「大丈夫だ問題ない。」
「そう思っているなら問題しかないぞ」
俺の前に走る綾小路がとんでもない発言をしてきたがいつも通りな感じなのでそのまま流すことにする。
「この競技において何が一番簡単なお題は何だろうな?」
「それは、誰でも身につけているようなものだろうな。さっきの池みたいに靴なら朝からずっと履いているわけだからな。」
「じゃあ逆に一番難しいお題は何だろうな?」
「それは…なんだろうな。色の指定、形の指定とかそういう付属の条件がついたものとかじゃないかな?」
「はっ浅いな。」
「……」
なんだろ…すっごいイラッと来たな。確かに知識の量とかそういう方面で見るなら俺は綾小路よりも浅いだろうけどな。
とりあえず深呼吸してこいつにも答えを聞いてみるとするか。
「じゃあちなみに聞くが綾小路よ。お前は一番難しいお題はどんなものだと思っているんだ。」
「…概念?」
「それは何処から借りて来るんだ?」
「……理事長の力を借りたらワンチャンある…かも?」
「理事長はドラ〇もんじゃねえからな。」
理事長が何でもできると思うなよ。なんだと思ってんだこいつは…
「じゃあもう少し難易度を下げるなら…実印とかか?」
「貴重品なんざ誰が貸してくれると思う?」
「ちぴちゃぱ先生だったらわんちゃん…」
「自分たちの担任を某ミームのノリっぽく呼ぶんじゃねえよ。」
こいつはこの競技に参加すべきではなかったのでは?さっきから発想が危ないぞ。
「よしオレの番がきたようだ。黒凪、俺の借りパクを見といてくれ。」
「パクるな返してやれ。」
そう言って綾小路はスタートして一番のりでお題の紙をめくった。そしてお題の紙をじっと見ている。あの感じはおそらくハズレを引いたのだろうな。後続の人たちがやって来てもお題をパスすることなくずっと固まっている。
そのままビリだった奴までもがお題の紙を持った瞬間に同じクラスだったり、おそらく同じ部活の先輩のもとへ行っていたりする。それなのに綾小路は未だに動かない。
何をしているんだあれは…ハズレならお題をパスすることもできるのになぜしないのだろうか…えっ寝てるなんてことないよな?
そしてようやく動きだした綾小路はCクラスの所へ行き、山田アルベルトを連れ出してきた…どんなお題なん?そのまま教員の判定をオッケーをもらいなんとかゴールしていた…あとでお題を聞いてみようっと。
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というわけで俺の番が回ってきたわけだが…やはりお題の引きによって全てが変わる競技である以上、もはや簡単なお題を引けるようにと祈ることしかできないな……
まあなるようになる…か。
「位置について、よーい」
合図が鳴り、お題の元へと走る。みんな横並びで走っているため勝てるかどうかが本当にお題の引きによるものになってしまったと感じる。
自分のレーンのお題に到達してめくる。頼む!!当たりのお題来い!!!
そう念じながら引いたお題は・・・
・・・・・・ん?
……………………………………………………………んん?!
待て待て待てなんだこれなんだこれなんだこれ!?!?
いやいやいやいやまて落ち着けどうすればいいのだこれは!?
概念じゃねえか!!なんてツッコミは今は置いといて…何を借りてきたらいいんだよこんなもの……
他のみんながパスをしたり各々、誰かか借りようとしているなか一人悩み続けている…何か解決策はないかと俺はほとんどいない自分のクラスのテントをみる。するとそこで見ていた愛里と目が合う。
その時に脳裏に電流が走ったような気がした。そして何か正解を見つけたような気がした。
俺はすぐさま愛里の所へ行った。
「愛里、俺と一緒に来てくれ!!」
「うん。いいよどこまでも絢都と共に歩いていくよ♪」
「歩いていると今は間に合わないから…よいしょ!!」
俺の発言に何か違う意味の返事をされたような気がしたが今はスルーして愛里をお姫様抱っこをしてゴールまで向かう。お姫様抱っこをした時女子から黄色い悲鳴が聞こえたりしたが気にはならかったが平田がうなずきながら拍手していたのはツッコミを入れたくなった。こんな時も愛を見て満足してるんじゃねえよ!!
あとお前「やはり…」とか何か聞こえたが本当になんて言ったのかめちゃくちゃ気になるんだが…
そんなこんなで他の人よりも先に判定員であるAクラス担任の真嶋先生の元にたどり着いた。
「黒凪、お題を確認させてもらおうか。」
「はい…俺のお題はこれです。」
そう言って俺は愛里抱っこしたままお題の紙を渡した。愛里は自分の手を俺の首に回していて降りる気配がないのでこのまま抱っこをしている。
そして真嶋先生は、俺のお題を見た瞬間に眉間に皺がより、とても困惑していた。そりゃ判定に困るだろうなとは思う。
「黒凪、その…同じクラスの佐倉愛里に何か伝説があるのか?」
「愛里にというよりかは俺たちにあるという形ですね。」
そうおれが導き出した伝説とは…やはり入学初日にしたあの告白である。あの日のことはもはや一年生の中では知らぬものがいないものとなっている。定期的に掲示板を見てはいるのだが、伝説を残すスレ的なものが毎月あって執念を感じていた。
そんなことはどうでもいいがもしこれを真嶋先生に説明しないといけないと考えると少し面倒ではあるが仕方ないと思い、簡潔になるよう頭の中でまとめていた。
「黒凪と佐倉の…いやある程度のことは茶柱から聞いてはいるが…」
「なら僕が詳しく説明いたしましょうか?真嶋先生。」
「平田君!?」
「お前いつからいたんだ…」
気がつくと平田が真嶋先生の背後から肩を叩いて登場した。さっきまでクラスのテントにいたはずなのにいつ来たのか……まあそれはいいか、ただこいつが語るとなると…多分長くなるぞ。
「平田か…わかった。他の者がその伝説をよく知っているならこのお題を認定しよう。」
なにかを感じ取ったのか真嶋先生は、すぐさまお題を認定して俺の一位が確定した。真嶋先生…いい選択をしたと思います。ここで認定をしていなかったら平田と愛里が長時間猛抗議をしていたであろうと予測できる。
「やったあ!!絢都大好き!!!」
認定されたことを一番に喜んだ愛里が俺の頬に口付けをしてきた。少し恥ずかしいがなるべく表情を保つことを心掛けた。
平田…ニマニマするんじゃない!!
「とりあえず俺は並んできますね。」
「えっ私、絢都から離れる気はないよ?」
「……いいですか真嶋先生?」
「まあ…いいだろう。」
真嶋先生が許可を出したことによって男子の部が終わるまでの間は一緒に入れることが確定した。なんだか真嶋先生に申し訳なくなってきたな…
「さあ平田も戻るんだ。」
「わかりました…ですが先生。」
「どうした?」
「体育祭が終わり次第時間をもらいますよ。そこで彼らの伝説を知ってもらいます。」
「い、いやしかし、体育祭の片付けなどがいろいろと…」
「ポイントは言い値で払います。」
「……あぁわかった。」
あはれ真嶋先生、平田の語りからは逃れられないようだ。
そうして俺の番が終わったわけだが最後に綾小路のお題を聞くために綾小路の元へ向かった。
「なあ、綾小路。お前のお題は何だったんだ?」
あれからいろいろと考えてみたけど結局答えはでなかった。『外国からの留学生』というお題であればうちのクラスのみーちゃんでもよかったし、『他クラスの友人』とかは……こいつに友人がいるかなんてわからないからなんとも言えないが…
ともかくこの答え合わせをするまでは俺の中では借り物競争が終わってないも同然である。
「オレのお題か…これだ」
「どれどれ…はっ?」
綾小路から渡された紙には『パリピ同盟』とだけ書かれていた………なにこれ?
「なあ綾小路…なんだこれは?」
「オレもわからん。」
「……なんでアルベルトを選んだんだ?」
「なんで……なんか…乗ってくれそうだったから。」
「そうか……そうかぁ…」
俺はいろいろと言葉が浮かんでは消えて言葉を出そうとしたが何も出てこなかった…そして最終的にこう結論付けた。
この競技自体がハズレだったかもしれない…
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俺たちの番が終わっても二年や三年生が残っている以上、俺や綾小路レベルのハズレが当たる人もいるだろう。もし来年も同じのが使われるなら覚えて対策や解答例を考えておくのがいいのかもしれないな。
「コーヒーが…飲みたくなってきたねえ。」
「勝手に飲んだらいいんじゃないですかね岡藤先生。」
シゲ﨑先輩もこの競技に参加しているので現在、実況席が不在の状態が出来上がっているわけだが、基本どちらも実況をしようとしないのでただの雑談になっている。
「借り物競争はいかがでしたか?伝説の黒凪君。」
「そうですね…競技自体がハズレなような気がしましたね。それと次言ったらピコピコハンマーでドゴォ…ですよ。」
「ピコピコハンマーから出せる音ではないと思うのですが…」
そんないらぬ応酬をしていると見知らぬ女性の先輩が俺の元までやってきた。
「黒凪君。ごめんだけど一緒に来てもらえるかな?」
「あっ…はい。」
何かしらのお題なのだろうと思い即座に立ち上がり先輩の後をついていくことになった。しかし俺が該当しそうなお題か…まさかこの人のお題って伝説じゃないよな?
「先生、私のお題はツッコミ席の生徒です。」
「うむ…認定。」
なるほど。そのお題なら確かに俺しかいないな。なんとかこの見知らぬ先輩を一位に出来てよかったかな…ただ
「ごめんね黒凪君。私白組なのに一位を取っちゃって。」
「そこ考えないようにしてたので言葉にしないでください。」
問題はこの人が白組だったということだな。まあ敵に塩を送るのはしょうがないと思おう。俺は悪くねえとは言わないが、競技を円滑にするには誰であれ、そのお題に合うのが俺だと言われたら誰であれ共に行くことを了承するわけですが…
「黒凪、すまんがついてきてくれ。」
「桐山先輩お疲れ様です。では行きましょうか。」
今度は知っている先輩が来たわけだが、またまた俺が当てはまるお題ですか……まあ考えるのはいいやなんでもありなのがこの借り物競争だから考察するだけ無駄なんだ。
「先生、俺のお題は『次期生徒会長候補』です。」
「えっ?俺それで連れてこられたの?初耳なんだけど。」
「うむ、認定。」
「そこすんなりと認定するんだ。」
ここで認定されたということは俺は次の生徒会長を決めるための選挙に立候補が決まったような気がするんだが…とりあえず桐山先輩の話を聞くとするか…
「あの桐山先輩。」
「頼む俺の…最後の希望よ!!」
「セリフすっ飛ばし過ぎじゃありませんかね?ともかく…いつから考えていたんですか?」
「君が自分のクラスの生徒を連れてきた時からだな。」
「随分と速すぎやしませんかね?俺あの時入ってなかったんですよ。」
俺が綾小路と堀北を連れてきた時…確か愛里の親衛隊問題が解決して生徒会長から相談を受けた日につれて行って…あの日が初対面だったはずだがそんなことを考えていたんだなこの人は。
「まあ立候補はしますけど、なれるかどうかはわかりませんからね。」
「安心しろなんとかする。」
「不正しようってわけじゃないですよね?」
「大丈夫だ。そんなことをしなくても…」
「?後半が聞き取れなかったのですが何か言いましたか?」
「いや何でもない。とにかく生徒会長になってあのこんとn…あのおもn…いや生徒会の未来を頼むぞ。」
「あんた全部俺に背負わせようとしてないか?」
混沌とか重荷とか聞こえましたけど…桐山先輩とはあとで話すべきことがありそうだ。
・・・
「さあ二年の部が終わり三年生の部になりここの三席がちゃんと揃いましたね!!!黒凪君私の活躍を見てくれてたかな??」
「あっ何も見てなかったすね。」
「そうですか…」
帰ってきたシゲ﨑先輩は目にみえてわかるくらいに落ち込んだ。アニメだったら負の青いオーラ的なものがあるだろう。
「……ちなみにお題は何を引いたんですかね?」
「おおっとそれ聞きます!?聞いちゃいます!!?」
「あっ面倒になったのでいいです。」
「……」
またもや負のオーラ全開になったがもうスルーすることにした。もう競技は始まっているのに実況が息をしてない。
すると岡藤先生からメモが渡されて「君が実況して。」とのこと。俺がやるのかよ…
「えーっと…知らん生徒が~お題をひいて~なんか借りて~今ゴール。」
クソみたいな実況である。こんな実況をしたら『やはり実況は私しかいないようですね!!!』とか言って復活するかと思ったんだがな…うーん失敗だな。
「黒凪、来い。」
「ウィっす。」
三年生はないかと思っていたが生徒会長がやってきた。はてさて今度はどんなお題なのやら…
「お題は『後輩』です。」
「よし、認定。」
……なんか簡単なお題じゃね!?これなら俺じゃなくてもよかったような…
「あの生徒会長。」
「なんだ?」
「なんで俺にしたんすか?」
「一番最初に思いついたからだ。」
「あのお題ならあんたの妹でもよかったでしょうよ。」
そういうと段々と目が見開いていった。その発想はなかったんかい。
「何故教えてくれなかった?」
「そこは自分で気付くべきでしょうが。」
「そうか…これが試合に勝って勝負に負けるというものか…」
「あなたの場合はただ自分自身に負けたでもいいような気がしますけど…」
「ところで話は変わるが黒凪が生徒会長に立候補するとはな。」
「そうですね俺も初めて聞きました。」
「南雲と選挙で戦うことになるとは思うが…悔いのないようにな。」
「はい。」
「そしてもし君が勝ったら俺の政策案を検討してみてくれ。」
「あっはい。検討はしますね。」
この人が言う政策はおそらく妹のための云々とかいうやつだろう…桐山先輩、この処理を俺に任せるつもりなんだろうなぁ。俺が生徒会長になったらどうにかして桐山先輩をこき使うことにしよう。
そんなことを考えながら俺はツッコミ席に戻った。
なお今回の借り物競争で俺的MVPは『やべえ女』というお題に対し、星之宮先生を連れていった名も知らぬ先輩である。
あとがきがレベルアップ?
してませんどうも作者です。
文字化けのところは変換メーカー的な奴で『いってらっしゃい』が変換されたものになっているはずです。
ちなみに借り物競争の時に平田が黒凪を見て言ったセリフは
「やはり君の愛は僕の目指すべきところなんだね」と言ってました。
次で体育祭終われるかな…
次回もお楽しみに。
他ヒロインというIFルート…見たいのは?
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堀北鈴音
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櫛田桔梗
-
軽井沢恵
-
長谷部波瑠加
-
椎名ひより
-
伊吹澪
-
一之瀬帆波
-
坂柳有栖
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その他