前回のあらすじ
全競技終了です
以上
全ての競技が終わり、俺にとっては肉体よりも喉に疲れが来る体育祭がやっと終わりを迎えた。
先にいろいろと結果を伝えると組でいうと赤組の勝利であった。これはまあわかりきっていたことである。いくらこの世界線がふざけているとはいえ、堀北生徒会長や南雲副会長のスペックは原作と同じである。
そしてうちのクラスでいうと、綾小路も原作以上の実力を出してくれたし高円寺もちゃんと参加していたからな。
そして一年の学年別のランキングで言うなら…
一位 Cクラス
二位 Bクラス
三位 Dクラス
四位 Aクラス
となった。
Aクラスは全体的に運動よりも学力派な生徒が多いから良い結果を得られなかった結果だろう。Dクラスも高円寺の参加があったとはいえ運動の出来る奴、出来ない奴の格差がすごかったので致し方無い。
なのでこの結果は必然であったのだろう。
さて学年別の結果だがまずはポイントの配分を振り返ってみよう。まず負けた組は-100cptであり、得点により学年別のランキング結果は
一位は+50cpt
二位は変動なし
三位は-50cpt
四位は-100cpt
となる。
それらを踏まえるとこうなる…
Aクラス 1000-100=900cpt
Bクラス 918c-100=818pt
Cクラス 662-50=612cpt
Dクラス 433-50=383cpt
各クラスマイナスである。今回の体育祭は特別試験というより、一つの思い出作りと考えた方が精神的に楽になる。
そしてあとは閉会式が終わりのを待つだけだと思っていたのだが…
「えぇー、全ての競技が終了し、君たちはまた一つ成長したと言えるでしょう。全力を出せたり、悔いのないようにできた人たちは来年は更なる高みへ、そうでなかった者たちは来年こそ頑張ってほしいものです。
これを持ちまして体育祭の閉会式を終了とさせてもらいます。
作 校長。読み手ツッコミ席の黒凪絢都……」
最後にこんな仕事が残っているとは聞いてなかったなぁ…まあ言われてもないんだけどね。
最後くらい自分のクラスの所に戻れるかなと思っていたらリレーが終わってすぐ校長から挨拶の紙を渡され「読んでちょ。」と言われたかな…言い方が腹立つな。
そしてこのメモの最後にこう書かれていた
『読み切ったら「ってなんで俺が読んでいるんだよ!!」とツッコミを入れながらこの紙を破り捨てること。』
ツッコミの指定もされるのか…まあいいや仕事を終わらせるとしよう。
「ってなんで俺が読んでいるんだよ!!!」
ビリっと破り捨てる、そのタイミングで上級生は拍手をする、これも恒例行事なのかよ…こうなったら本当に来年の新入生からツッコミ役を探さないとな…誰かいい人材が入ってくれないだろうか…
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「さてみんな、今日は早めに就寝してちゃんと疲れをとるんだぞ。私からは以上だ。」
一度クラステントに集合して茶柱先生の軽い挨拶を聞いて解散となった。解散するや否や平田はAクラスのテント…いや真嶋先生の所に行った。これから真嶋先生は愛の語りを聞くことになるんだろう…お疲れ様です。
しかしこのクラスのテントに終わってから来ることになるとはな…
「よく来たな黒凪、貴様がここに来るのを待っていたぞ。」
「どうした急に?なぜ魔王口調をやろうと思った綾小路。そしてやるのならもう少し感情をこめろよ。」
「というわけでこのテントの使用代を払ってくれ。」
「頭のネジでも外れたか?病院の診察くらいは慈悲で出してやろうか?」
「ポイントくれるならケバブを買ってくれ。」
「なんか安上がりになったな。というかそれくらい自分で買え。」
「いやあの機材。」
「やっぱり頭のネジ外れてんな。」
相変わらずの綾小路とのアホなやり取り。なんだかんだ原作よりもフレンドリーになったというべきか…そういえばここからの原作イベントはどうなるのだろうか…
「ねえ、綾小路っている?」
そんなことを考えていたら神室がやって来ていた。なんだ普通にあるのか…だとしても原作通りにはならないだろうという確信がある。
「あぁ、彼が綾小路だ。」
「俺を指さすんじゃねえよ。お前だろうが。」
何かの面倒事を察知したのか。俺を綾小路(影武者)に仕立てようとする綾小路(本物)。
「いやそっちは黒凪でしょ?何回も会っているから知ってる。」
「そうなのか…黒凪、他クラスに側室がいるのか?」
「この場合綾小路の口を縫ったら俺が罰をうけてしまうのだろうか…」
「なんか大変ね。」
なぜか神室に同情された…
「ともかく綾小路はついて来てほしいんだけど。」
「あぁ…わかった。」
「行ってら。」
「黒凪も一応来てほしいんだけど。」
「俺もかよ。というか一応なのかよ。」
俺必要なのかな。とは考えたが同行すれば原作にあったあのイベントを見れるからいいかと思いついていくことにする。ただ…あれがどう変わるんだろうな……
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というわけでやってきました特別棟…随分と歩いた気がする。あまり会話もないまま俺と綾小路と神室という関わりのない三人でただひたすらに歩いた。
「どこまで歩くのだろうか。」
「もうすぐよ。」
「そうか…黒凪、疲れたから負ぶってくれ。」
「断る。」
「…抱っこでも構わないぞ。」
「背負い方の問題じゃねえよ。というか子供か貴様は。」
誰が同じクラスの同性をおんぶとか抱っこしたいと思うよ。
「まだ未成年だから実質子供だな。」
「四捨五入したら、もう20になって大人だ。」
「…それは、黒凪にも言えることだろう…というか暴論じゃないか。」
「暴論も悪くないかなって思うようになって来たよ。」
「…あんたら本当に仲いいね。」
会話に参加してなかった神室からなんだか呆れられたような目を向けられた。特に
気にしてはいないけど…仲いいか?これ
そして歩き続けた先にようやく坂柳が見えてきた。そして神室は俺たちを置いて坂柳の元まで走っていった。案内役を放棄したなぁ…まあここで目的地なのだから問題はないんだけどな。
「ありがとうございます。お姉ちゃん。」
「ううん、有栖に頼まれて不可能なことなんてないのよ。」
「それは頼もしいですね…あの…今抱きつくのはやめていただいてよろしいですか?」
「ごめん!?強かった?痛い所はない?今から病院に行く?」
「いえ大丈夫です。そこまでの痛みはありませんので。」
「本当に些細なことでもあったら私に言ってよね?有栖の身に何かあったら…私…私…」
「あの…わかりましたから…それと少し力が入って来ていますから。」
俺達は何を見せられているのだろうか…シスコンの姉って今の神室みたいな奴のことを言うのだろうか…
「なあ黒凪、帰っていいと思うか?」
「気持ちはわかるが用が終わってないお前は帰っちゃダメだろうが。」
本当に自由人だね綾小路は。この世界線では高円寺よりも自由という言葉が似合うようになっているな。
「では神室お姉ちゃんは、少しの間ここから離れていてくれませんか?」
「えっなんで?」
「そのあまり聞かれたくないことなので…」
「いやよ。私有栖と離れたくないんだけど。」
「この話し合いが終わったら一緒にご飯を食べるのも構いませんので…どうか少しだけ「いや!!」えー…」
坂柳としては神室を何としてでも引き離したい、けど神室は坂柳と離れることが嫌であるという。あまりにも意固地な神室にどうしようかと悩んでる坂柳に俺は助け舟を出すことにした。
「なあ神室、逆転の発想をしてみないか?」
「なによ、逆転の発想って?」
「俺たち…坂柳の用件が早く終われば、その時間は君の時間に充てることが出来るだろう。だからここで坂柳から一時的に離れてこの用件を終わらせることこそが最適解とは思えないか?」
「……ねえ黒凪ってもしかして天才?」
「そんなことはないが?」
神室の表情はまさに目から鱗が落ちたようなものであった。天才と呼ぶべきは俺の隣の奴だったり、あなたの隣にいる人を差す言葉であろう。
「だけど…なぜあなたは残っても問題ないの?黒凪は一応って感じだからあなたに用件なんてないんじゃないの?」
神室は新たな疑問を俺にぶつけてきた。確かに神室は離れて俺が残るのは不満なのだろう。俺もなぜ呼ばれたのかわからないし、残っていい理由もわからないが…まあ納得できる理由を絞り出すとしよう。
「そうだな…まあ抑止力じゃないか?」
「抑止力?」
「俺の隣にいる奴は…言っちゃああれだが変態だ。」
「変態…」
「そう彼女がいながら他の女子に目移りしかける色欲の権化だ。」
「色欲の権化…」
「黒凪……オレは恨まれるようなことをしたのか…」
俺の言葉に神室は視線が鋭くなるし、綾小路は困ったように俺を見るが気にしないことにする。まあ言い過ぎ感はあるけど、過去に櫛田のハニトラにかかっているから事実も含まれているからね。
「そんな奴が君たちAクラスの麗しの妹と対面するんだ。何をしでかすかわからないだろう。」
「そうね…」
「だからこその俺だ、俺がここに呼ばれたのは坂柳なりの保険なんだろうさ。」
「……なるほど。わかったわ。私は離れるから監視はお願いね。あとなるべく早めに終わらせてね。」
なんとか納得してくれたようだ。坂柳の複雑な表情と綾小路の視線が俺に突き刺さるが気にしない。
「できれば40秒で終わらせてね。」
「そんなちょっぱやな支度時間で話し合いは終わらんとは思うが…まあ早めには終わらせるようには努めるよ。」
「お願いね。」
そう言って神室はこの場から去っていった。ようやく話が進むな。
「さて何から話しましょうか…」
「オレは君のことを知らないんだがな。美少女のことは一度見たら忘れないのにな。」
「えぇ、知らなくて当然です。私が一方的に知っているのですから。」
「そうなのか…ストーカーというやつか。」
「お前さあ…」
「ふふっよいのです黒凪君。」
俺が何か言おうとしたが坂柳に止められた。確かに一方的に知っているという発言をそういう風に解釈することはできるけど…まあいいや。
「私は坂柳有栖と申します。以後お見知りおきを。」
「オレは綾小路清隆だ…一方的に知っているのなら自己紹介は不要だとは思うが。」
「最後の一言は余計だぞ綾小路。」
「ふふっよいのですよ。生意気なくらいがちょうどよいのでしょう。」
「…ん?」
今の発言はどういう意味なのだろう。気にはなるが俺の疑問で時間を使うのもあれだからスルーしておこう。
「それでオレにどんな用があるんだ。」
「ふふっ…綾小路君、姉が欲しくありませんか?」
「えっ?」「はっ?」
俺も綾小路も目が点になっていたと思う。いきなりどうした坂柳有栖。頭がおかしく…原作から比べたらまあまあおかしかったわ。
「ふふっ喜びのあまり声が出ませんか。」
「いや驚きで声が出てねえんだよ。」
「黒凪君、貴方はもうツッコミ席の業務を全うしなくてもいいんですよ。」
「あの席なくともツッコミはやっているので気にするな。」
本当この世界は俺からしたらどうしてこうなったと言いたくなるものばかりなのでツッコミばかりの毎日ですよ。
「さて綾小路君、返答はどうです?」
「えっオレは…」
「まて、坂柳。」
あまりの展開というか問答の速さに押されている綾小路を一応助けるべく待ったをかける。
「綾小路はAクラスの事情を知らないし、まずはそこから話したらいいんじゃないか。」
「そうですね。そうさせてもらいましょう。」
これでどういった思考の末にこうなったのかは知れるだろう。しかしAクラスはなんだかとんでもない家族計画でも建てられているのだろうか…
「まず私は今現在Aクラスの皆様の妹をやっております。」
「そうなのか。」
「改めて聞くととんでもないワードだな。」
「兄や姉の皆様は甲斐甲斐しくお世話をしてもらってます。」
「まあ見た感じ高校生とは思えない小ささしているな。」
「お前さぁ…倫理観とともにデリカシーも捨てたか?」
「よいのですよ黒凪君。」
綾小路のノンデリ発言を諫めようとするも坂柳に止められる。そういうことを言われたら普通ムカつくと思うのだが今の坂柳は菩薩のような心の広さと言うべきか。
「そんな生活を続けていた日ふとこんな欲望が私の中に生まれたのです。」
「ほう、それはいったい?」
「私も姉の立場になってみたいというものです。」
「…なるほどな…」
よくわからんが、まあ自分に兄や姉がいたらそう思うこともあるの…かな?
「それは、Aクラスの人たちに頼めばよかったんじゃないか?」
「いいえ流石にお兄ちゃんやお姉ちゃんの姉になるのは私の主義に反します。」
「主義なんてあったのか…」
「そこで他クラスから私の弟あるいは妹になってくれそうな方を探しました。そしてそこであなたの存在を知り考えたのです。常識も知らない生意気な弟を愛せてこそ姉だと。だからこそあなたという存在が一番私の中の弟像にぴったりなのですよ綾小路君。」
「……」
「なるほどな。」
生意気な弟を愛せてこその姉か…だから坂柳は綾小路のノンデリ発言を流していたのか。ここで綾小路はどのような選択をするのだろうか…まあどちらを選んでもクラスには問題ないから俺はこの場を見守るしかないけどな。
「あなたの事情…過去のことについては知っています。なのであなたが家族愛に飢えていることも理解しています。」
「…」
「そこで…そういえば黒凪君は彼のことをどのくらい知っているのですか?」
綾小路に語り続けていた坂柳がこちらに向く。なんか俺がいるせいで話を遮る形になってしまって申し訳ないな。
「深い事情は知らない。真っ当な教育をされずに育ち、親父と仲たがいしているということも知ってるというか俺もこいつの親父から目の敵にされている。」
「なるほど…彼のお父上との確執は後日聞きたいですね。」
「あんたの親父でもある理事長に聞いた方が早いとも思うがな。」
「では父も交えて話しましょうか。」
「マジかよ。」
それはそれで面倒事になったような気がするがまあいいか。そして坂柳はまた綾小路の方に向き直った。
「あなたの家族があなたを愛さないのなら、私が愛しましょう。温もりを知らないというのなら私が教え伝えましょう。私が姉となりあなたは弟。それで家族という温もりを知るのです。」
「……」
なんだか坂柳がプロポーズをしているように見えるな。まあ一部プロポーズとしておかしいと思えるところはあるけれど…さて綾小路の答えはいかに……
「お…」
「お?」
「オレより身長の低い姉っていうのはなんか嫌だな。姉を名乗りたいならもう少し背を伸ばすべきじゃないか?」
「………」
「…おまえさあ……」
ノンデリここに極まれりといったところか。ほら坂柳も笑顔のまま固まっているじゃないか。
「ふ、」
「?」「?」
「ふふっ…ふふふふふふふ。」
「え、えーっと。」
「さ、坂柳?」
悲報、坂柳有栖壊れる。こんなところAクラスのメンツに見られたらヤバくね?最悪綾小路を犠牲にしてでも生き残る手段を考えるべきか…
「なるほど綾小路君のお気持ちは理解できました。」
「さ、坂柳…えーっと弟の生意気は許すんじゃないのか?」
「ええ、ええ許しますとも、ですが度が過ぎれば矯正するのも姉の務めなのですよ綾小路君。」
「助けてくれ黒凪。」
「俺を頼るな。」
ここぞとばかりに俺にしがみつく綾小路。頼む俺を巻き込むんじゃねえ。
「姉の顔も三度までなのですよ。」
「仏様と同じなんだな。」
「知っていますか黒凪君。姉は徳を積むと仏に近しい存在になれるのですよ。」
「えっなに?今新しい宗教の話してます?」
そんなやり取りをしている時綾小路は一歩、二歩と後ろに下がっていた
「…こんなところにオレは居れない。帰らせてもらうぞ。」
「そのセリフ回しはアウトじゃね…いや早いな!!」
死亡フラグ的な言い回しをして爆速でこの場を去った。俺がツッコむ前に綾小路が見えなくなった。この場に坂柳と俺だけとなり静寂が訪れる。
「…綾小路をどうするんだ?」
「ご心配には及びません。お兄ちゃんお姉ちゃんのセコム…兄姉コムの準備はしてありますので。」
「お、おうそうか。」
「それでは黒凪君ごきげんよう。またいつか。」
「あぁ…」
この場にいる必要もなくなったので俺は帰ることにした。坂柳はAクラスの人たちが綾小路を捕まえてくれること信じて待つのだろうか…まあ気にしないでいいな。そもそも奴のノンデリ発言のせいなのだから。
しかし綾小路がつかまるなんて想像できないな。もしかしたら本当に逃走成功するかもしれないな…
「よし、このまま連れていくぞ。」
「あー…」
いや普通につかまっていた。葛城と戸塚が綾小路の脚を片方ずつ持ち、綾小路の上半身を引きずる形で運んでいる。そして周りに他の男連中がいてもし逃げそうになっても数の暴力でなんとか対応できる布陣になっている。
…気にせずに帰ろう。そう思い俺は彼らの横を通ったその時だった。
「黒凪。オレを助けてくれないか?」
「……」
この状況で話しかけて来るんじゃねえよ……そうだせっかくなら上げておとそうか。
俺は綾小路を見てそしてすぐに視線をそらし近くにいた鬼頭に話しかけることにする。
「……なんだ?」
「……こいつの部屋は四階にあったはずだ。」
「…用が終わったらそこに置いておけばいいか。」
「そうだな。お勤めご苦労様です。」
「あぁ。」
軽く敬礼をしてその場から去る。しばらくの間綾小路の叫ぶ声が聞こえたが聞こえてないことにする。
夕日が沈みつつある風景を楽しみながら帰路につく。長い長い体育祭はようやく終わりを迎えた。
俺は大きく息を吐き空を見上げ呟いた。
「どうしてこうなった…」
あとがきもさぼりたい時があるのかもしれない。
みなさんお久しぶりです。仕事のことでいろいろとあり一週間書けずにいてゆっくりと書き進めた結果こんな日になってしまいました…申し訳ございません。
ただどんなこと書くかのメモだけはしていまして
「黒凪、閉会式の挨拶する
有栖、綾小路の姉になる」
とメモにこれだけ書いていました…サザ〇さんの次回予告みたいなメモだななんて自分で思ったり……
次回は…ペーパーシャッフル編ですねまあその前にとあるイベントがあるのですが…
次回もお楽しみに。
他ヒロインというIFルート…見たいのは?
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軽井沢恵
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長谷部波瑠加
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坂柳有栖
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