愛の嵐が二つ…
以上
「愛里、これはどういうことなの?」
「うん?何が?」
俺は今愛里と共に放送室にいる。というか放送室なんてこの学校にあったんだなと思っている。なぜ俺が放送室にいるかというと…
少し回想を挟もうか…
【回想開始】
「ねえ絢都。」
「どうした愛里?」
「今日の仕事は放送室だから今から行こう。」
「はっ?」
【回想終了】
いや回想短いな!!でもこれだけのやり取りしかしていないからなぁ…なんて考えていると愛里は俺の前に大量の紙を置いた。
「愛里…これは……なんだ?」
「これはね…絢都への相談なんだよ。」
「……多くねえか?」
「うん多いね。」
なぜこんなに多いのか…そしてなぜ放送室なのか…まさか。
「愛里…もしかしてここで全部解決させるのか?」
「そうだよ。名付けて……『黒凪相談ラジオ!!』パチパチ。」
「とうとうラジオ番組みたいなことをやってしまうのか。」
人の数だけ悩みがあるのは理解しているつもりだ、そして匿名でこそ正直になれる人だっているだろう…ただこういうのをやるとなったら確実にふざける奴もいるだろう。
しかし、愛里は最近上機嫌であるな…クリスマスデートが確定したのもあったのかずっとこの調子である。これはあれだな…クリスマスまでに仕事を終わらせようとしているやつかな。
「じゃあ絢都、さっそく始めようか♪」
「あぁ…そうだな…」
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「えー、放送室、放送室、というわけで黒凪相談所IN放送室ということで始まりました。生徒会ラジオ。MCは私佐倉愛里とぉ?」
「あー、黒凪です。よろしくお願いします。」
そんなこんなで始まってしまった生徒会ラジオ…生徒会と銘打っているのに、メンバーは俺と愛里だけ…まあいいや。気にせずに進めて行こうか。
「というわけで今日も今日とてたくさんの相談が届いてますので絢都、ちゃっちゃと終わらせてしまおうよ。そして今日もデートしよ?」
「あの愛里さんや?今これ放送中ということを忘れていませんかね?みんな聞いているんですからね?」
「うん、これで外堀は埋まったね♪」
「外堀って…まあいいや。何通あるかわからないがこれを最初に言っておこう…この放送で解決できると思うなよ。」
100近くあるとなったらだいたい半分くらいが大喜利なはずだ。だったら本当に相談を送った人には申し訳ないが、どれも軽く流させてもらう。
「じゃあ、早速読んでいってね。」
「はいはーい。」
「ここからは絢都にメインに切り替えて私は徐々に存在をなくしていくね。そう、フォールアウトするから。」
「フェードアウトな。」
そう言って、愛里は自分のマイクをオフにした。さてやっていきますか。
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「では記念すべき一つ目だなえーっと?…」
『自分の身長が思いのほか伸びなかったことにショックを受けています。身長を伸ばすためにいろいろとやっていますが何かアドバイスはありますか?』
「なるほど…まあ一言いうなら身長の低い自分も愛したらいいんじゃないかなぁっと。そうじゃないと今やっていることが身長の低い自分を否定していることにもなりかねないと思うので今一度自分を見つめなおしたらいいんじゃないかなと思います…次。」
こんなのでいいのかな…愛里は小さく拍手しているし…まあとりあえずマトモなお悩みならこんな感じでいこうか。
『誰でもいいから彼女を作りたいです!!どうしたらいいですか!?』
「じゃあまずその誰でもの発想を消しましょうか。そして自分が選ばれる立場になることも考えましょう、次。」
『一言レベルの矛盾した文章…なにかありますか?』
「えー、目の前のT字路を直進してください…次」
早速きたね不真面目に応えていい悩みと大喜利が…まあ目の前にいる愛里が吹き出したからたまには大喜利もよしとするべきかな…
『とある女性の先生をお母様と呼んでしまいました。助けてください。』
「様呼びなのか…というかその状況はもう過ぎ去った過去なので、助けることが出来ません、10年後には笑い話にできると思いますので大丈夫です…次。」
『生き別れた兄とこの学園で再会しました…どうしたらいいですか?』
「…とりあえず腹を割って話してみてはいかがでしょうか?1対1で会うのが怖いなら、連絡先でも聞いてメッセージからでもいいと思います…次。」
軽めの悩みからなんか背景が重い悩みもあるなぁ…重いやつはここで相談するべき悩みではないだろうよ。
『プライベートポイントがなくなりそうです。助けてください。』
「山菜定食を食べてたら生きれるので来月まで待ちましょう…次。」
『胸が小さい私に人権はありますか?』
「男の俺にそんなことを聞かないで貰っていいですか?というか人権は誰にでもありますよ…まあそれも一つの個性ということで…次。」
そしてここからもはやまともな相談は来ないようなものだった…
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『ドーナツは本当に0カロリーなんですか?』
「そんなわけないでしょうが…次。」
『0カロリー理論って信じちゃいけないやつですか?』
「お気づきになりましたか…次。」
『茶柱先生って可愛くないですか?』
「……相談はなしということで…次。」
『死に騙りの美学ってなんですか?』
「こっちが聞きたいですねぇ…次。」
『人って何のためにいきているのでしょうか?』
「納税じゃないですかね…次。」
『生きとし生ける者は何のために生きているのでしょうか?』
「子孫繁栄ですかねぇ…次。」
『広辞苑ブートキャンプというものがうちのクラスで流行ってます…生徒会長もいかがですか?』
「あっ間に合ってますので大丈夫です…次。」
『南雲雅になりたいです。どうすればいいですか?』
「同じ髪型、同じ服装、そして同じ女性の愛の言葉を告げることができる一途な心があればいいんじゃないかな…次」
『佐倉愛里を俺にください!!』
「くたばれ…次。」
『佐倉愛里を私にください。』
「くた……とりあえずくたばりやがれ…次。」
『佐倉愛里を私たちの総受けにさせてください!!』
「まとめてくたばれ…次。」
『生徒会長は私の父になってくれる方なのか?』
「違います…次。」
いったいどれほどの大喜利に答えただろうか…えっ悩み相談だろって?答えて行ったやつの何割が悩み相談だったよ?一割にも満たないぞ。というかスルーしようかと思ったが、愛里をくださいって女子も言うのか……というかシャアみたいなのいたぞ。
「あ、あと…何通だ?」
「あと150くらいかな?」
「だいぶ増えているじゃねえか。」
いつまで経っても終わらねえと思っていたら、この放送中に増えていたということかよ…だとしても大喜利ばっかしか増えてないような気がするけどな。
「消しても消してもなんか増えていくな…」
「でもこの密室の空間で一緒にいれるから私は好きだよ♪」
「室内デートとは言えないけどな…」
とりあえず早く終わらせようか…そうして俺はまた質問に目を通す。
『問おう、あなたが私のマスターか?』
「違います…次。」
『俺の歌を聞け!!』
「勝手に歌っといてください…次。」
『俺たちはガンダムか?』
「人間です…次。」
『今から入れる保険はありますか?』
「そこになければないんじゃないですかね…次。」
『バトルドームって…どこで入手できますか?』
「多分生産終了してますので、ネットで注文するしかないでしょうね…次。」
『ボールを相手のゴールにシューーット』
「超エキサイティング!!…はい次。」
『なんかダジャレください。』
「蕎麦屋の傍でソバットする…次。」
『もうゴールしても…いいよね?』
「はい早くゴールしてくださいね…次。」
『富〇フラッシュ!!』
「ワーマブシイー…はい次。」
『あから始まってれで終わる二文字のアレってなんですか?』
「アレですね…次。」
『なんでホタルはすぐ死んでしまうのですか?』
「寿命が人より短いから…次。」
『トトロ……いいですよね。』
「何度でもみたくなる作品ですね…次。」
『悩みがありません!!』
「じゃあ良いことだよ…次。」
『山菜定食を崇めよ。』
「崇めません…次。」
『悪の組織に就職したいのですがどこに行けばありますか?』
「多分ないので自分で作ったらいいんじゃないかなぁと思います。」
『実力ってなんですか?』
「よりよい結果を生み出すための自分の引き出しとかですかね…次。」
………
……
…
───────────────────────
「お、終わった…」
「お疲れ絢都。」
長い長い大喜利メールの処理が終了した…悩み相談?そんなものがあっただろうか……
「絢都…大丈夫?なんか白くなっているような…」
「そんな物理的に白くなる奴なんていねえよ…」
確かに今の気分は真っ白に燃え尽きた矢〇ジョーみたいなものだがだからと言って寿命が尽きたわけでもないし、身体が白くなったわけでもない。
「じゃあ絢都帰ろうか。」
「愛里、ちょっと来てくれ。あぁ、椅子も一緒に持ってきてくれ。」
「うん?」
俺は愛里を呼び自分が横になるために椅子を並べて、その端の椅子に愛里を座らせた。
「どうしたの?」
「寝る。おやすみ。」
「えっ!?ちょっと絢都!?」
そう言って俺は椅子の上で横になり、愛里の膝枕で眠ることにした。まあ少しくらいはここでの球速も許されるだろう……
ZZZ……
Side愛里
「ほ、本当に寝ちゃった…」
自分の膝の上で静かに寝息を立てる絢都を見る。最近生徒会の仕事もさることながら、悩み相談にもちゃんと対応していたから疲労が溜まっていたのだろう。
「これもはや給料とか欲しくなってくるな…」なんて最近ぼやいていたのを思い出す。
「ふふっ、絢都お疲れ様。」
そう言って私は、寝ている絢都にちょっとしたご褒美としてそっとキスをした…自分でやろうとしたことなのに少し恥ずかしくなってきた……
「でもどうしよう…動けないね……」
絢都が起きない以上、立ち上がることもここから帰ることもできない。どうしようかと思い辺りを見渡すと先程まで放送に使っていたマイクに目が行く…そしてそのマイクがONのまま状態になっていることに。
「~~~~~~~!!?!???!??!////////」
先程までのやり取りも私も独り言も放送されたのかと思うと声にならない声が出た。なんとかマイクをoffにしたいけど、今の私は立ち上がることが出来ないし、手を伸ばしても届かない。
「あ、絢都…ちょっと…起きて…」
私はなるべく小さな声で絢都を起こそうと試みるが全然起きることはない。
「ど、どうしよう……」
数分後、茶柱先生が放送室にやってきたことによってようやく帰ることができた。帰る時に茶柱先生が「羨ましい限りだ」なんてボソッと呟いていた…茶柱先生も綺麗な人だしちょっと?ポンコツなところがあるから恋人とかできそうだけどなぁ…ここだと大人の人は恋愛難しいのかななんて思った。
そしてここから数日私たちは今回のことで公開イチャイチャをしたことをいじられることになる…
ど、どうしてこうなっちゃったのかなぁ///////
あとがきよ散れ。
というわけで今回はこんな感じでです。あと何人か個別相談エピソードを作ろうかと昔の自分は考えていたのかもしれないがネタが思いつかなかったのでこんな形に…
次の話で二学期は終了ですね…龍園も暗躍しない。綾小路とのバトルもない平和な世界線だなぁ・・
次回もお楽しみに。
他ヒロインというIFルート…見たいのは?
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