オルフェノクー灰の翼   作:デアウムウス

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「デッド・オア・アウェイク?」

 数日後。学校から帰宅した僕は、陽が沈むとすぐさま自室で変身を行い、飛翔態へと姿を変えた。

 

「よし」

 

 飛翔態への変化はもう十分スムーズに行えるようになった。後は実戦の中でさらに安定した維持の感覚を掴み、飛翔態としての戦い方を覚えていくだけだ。

 

『行くぞ』

 誰に伝えるわけでもないが呟き、僕は窓から部屋を出た。

 

 今日は終末。明日は休みなので、夜遅くなっても問題ない。

 飛翔態となった僕は、まずは学校方面とは逆の方角へと向かった。狙う相手は…できるならば若い社会人がいいだろう。ここを選んだ理由はいくつかある。

 一つは同級生がいないこと。人目につくのは避けたいが、万が一目撃されても、普通の高校生が今の僕を見ても、それがオルフェノクとなった僕だと気付くことはまずないだろうが。

 

 もう一つは、閉店しつつある店が幾つもあることだ。

 人通りの比較的少ない場所とはいえ、日中はそれなりの数の人間が行き来している。そんな場所で堂々と戦うのはさすがに抵抗があるが、人が少なくなった夜なら戦いやすい。

 それどころかポツポツと通る客が良い標的になるのだ。

 

『さて、まずは…』

 眼下を見渡す。少し離れたところに一軒の大型デパートがあるのを見つけ、そこへ降下することにした。

 

 目的地の上空に到着すると、僕は一旦その空中で静止した。

 

『……』

 デパート内では店員たちが閉店作業に追われており、その中に一人だけ若い女性がいるのが見える。彼女は商品の入ったダンボールを抱えながら歩いていて、ふと窓から上を見上げると、そこで僕と目が合った。

 

「……?」

 一瞬不思議そうな顔をしていたが、慌てて視線を逸らす。しかし逃がしはしない。一気に急降下し、彼女に向かって襲い掛かった。

 

「きゃっ!?」

 驚きの声を上げ、彼女がその場に尻餅をつく。その瞬間、僕は彼女の体内に使徒再生エネルギーを注入した。

 

「うっ……!」

 全

 身が硬直し、そして倒れ込む。

『……』

 意識を失った女性の身体は残念ながら灰となっていく。失敗だ。

 惜しみつつ、僕は次の獲物を探し始めた。

 

 次に見つけたのは、公園で一人ベンチに座っているサラリーマン風の男であった。

 彼は携帯電話を操作しながら、チラリとこちらに目を向ける。だが見間違いとでも思ったのか、すぐまた携帯に目を戻す。どうやら仕事のメールをしているらしい。

 空中から襲うには不向きな相手だが、チャンスだ。そう判断し、彼の背後に着地すると背後から心臓を狙い引き金を引いた。

 

「ぐあっ!」

 男が叫び声を上げ、立ち上がろうとする。だが既に遅い。

 

『悪いな』

 そう告げると僕は人間態へと戻り、公園を出る。背後では、立ち上がった男は驚愕の表情を浮かべたまま灰となって崩れ落ちていった。

 

 

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