弟が出来たので義妹と疑似夫婦になりました   作:松蟹燃

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どうも松蟹燃と言います。

3話までと最終回辺りの話のネタは思い付いてるけどそれ以外は全く何も思い付いてないノープラン状態、取り敢えず今は書きたい話が閃いたらそれを書いては投稿していくスタイルで行きますので宜しければ気長にお付き合いください。

取り敢えずイメージとしては◯ーイシ◯サヨシがOP歌ってそうなラブコメアニメのイメージの作品にしていきたいと思います。頑張ります。


俺の妹

「お久しぶりです、兄さん」

 

玄関を開けると、そこには見知らぬ赤ん坊を抱えた義妹が立っていた。

 

             §

 

俺には血の繋がらない義理の妹がいる。名前はマリ、親父の再婚相手の連れ子だ。

 

親父が再婚した当時、俺は15歳の中学3年生でマリは5歳だった。

 

うちの親父は絵に描いたようなノープランでノーテンキでノータリンの無責任野郎、定職にもつかず毎晩毎晩女をナンパしては家に連れ込んではちゃんとゴムしてズコバコアンアンしている典型的なチャラ男、人間のクズだ。

 

しかしクズと言ってもそこまで酷い人間、悪い人という訳でもなかった。

 

少なくとも息子である俺を虐待やネグレクトするような外道じみた行いをすることは無く、なんだかんだこの人やこの人の女たちに可愛がられて育てられたせいか今でも親父のことはどこか心憎からず思っている。

 

ただTVのホームドラマに出てくる普通の家庭と比較しては僅かなパチの稼ぎや女からの貢物で養育されていたことを振り返る度に「こんな大人にはなるまい」と固く誓ったものだ。というかそんな生活のせいで日常的にひもじかったからな、一人の子を持つ父親の所業としてまず有り得ねぇよ、定職に就け定職に。

 

そんな親父の再婚相手、マリの母親は更に輪をかけて駄目人間であった。

 

子供の頃から援助交際で日銭を稼いできたという生まれながらのビッチ、性格は天真爛漫といえば聞こえはいいかもしれないが結局親父の同類の人種と言えば察して分かってもらえることだろう。

 

最近流行りの友達感覚の親という奴なのだろうか、俺はこの人の世間一般で言うような母親らしい姿やそれ所か家事をしている姿を一度も見たことがない。代わりにこの人の姿を見かける度にいつも誰かしらと猿みたいに交尾していて、多分俺を除いた俺の周辺の知り合いの殆どはこの人で童貞を卒業していたように思う。

 

学校の帰り道に行き付けの格安惣菜屋の兄ちゃんと路地裏でエッサホイサしてるの見かけた時は流石に目眩がしたけど。いやだって義理とはいえ母親なんだぞこの人。

 

いやでも悪い人ではないんだよ、ただ貞操観念がユルユルなだけで。

 

ただ母親がそんな体たらくだったからなのか、マリは幼くしてとてもしっかりした女の子だった。

 

             §

 

マリと初めて会った時のことは今でもよく覚えている。

 

明るい茶髪美人の母親に対して、黒髪地味目で落ち着いた雰囲気のある女の子。

 

『は、はじめまして、これから宜しくお願いします』

 

まだ5歳だというのに初対面で多少緊張しているとはいえここまで挨拶が明瞭・丁寧・ハッキリしていて、その時は何度も何度も目を凝らしてその隣りにいた如何にも軽薄そうな義母との血の繋がりを疑ったものだ。

 

なにせ毎日女をとっかえひっかえしてるような親父と結婚しようという物好きの上に義理の息子になるであろう奴に対して行為を誘ってくる女の娘だ、どんなモンスターが来るかと思っていたら来たのは突然変異の普通の女の子だったのだからそりゃ色々と拍子抜けするというか何というか。

 

いやマリは普通の女の子というにはちょっと普通の女の子ではなかったかもしれない。とにかくマリはそこら辺の普通の女の子よりもとてもしっかりした女の子だった。

 

なにせ5歳にして炊事洗濯等の一通りの家事が出来るのだ。俺が5歳の頃といえば、その時の親父の女が適当に家の家事をしてくれていたから自分で何をどうすればいいのかなんて全然分からなかった。

 

そうして暫く経ち、ある程度仲良くなった頃に何故そんなに家事が出来るのか?と聞いてみたらマリが家事を出来ていたのは母親の教育方針故だという。なんでも「自分の事は自分でするように」とか。

 

思えば俺が小1の頃のクラスメイトにそのような家庭方針のハーフの奴がいた事を思い出しては成る程と得心し、それからは二人で話し合いちゃんと担当を分けて家の家事を回していくようになっていった。

 

なにせ家事が出来るしっかり者とはいえまだ5歳だ。何故か火や包丁を使ったものの心得まであるとはいえそれは流石に拙い、だからそこは俺が代わりにやる事にした。それに親父も母親もちゃんとした親をやるつもりがないのなら代わりに俺がそれをやらなければいけない、その時は漠然とそんな事を思って内心密かに燃えていた。

 

何故なら義理とはいえ初めて出来た妹なのだ、だから出来ることならいつも笑顔でいて欲しいなと思うし、両親があんなちゃらんぽらんだからといってこの子が俺みたいに普通の人並みの幸せというものを噛み締められない事が到底許せなかった。

 

親が普通じゃないせいでこのまま普通の幸せというものを理解出来ないなんてことになって、そうして大人になってもそういう幸せな気持ちを誰かと分け合えないままずっと一人ぼっちになったら、一体誰が責任を取るというのか?

 

そんなこんなで当時の俺は学生生活と並行しながら、マリにどうにか普通の幸せを理解し享受してもらう為に色々と奔走するという二足の草鞋の生活を俺が大学卒業して就職して独り立ちするまで、そしてマリが高校に入学するまでの十年間まぁ頑張って続けたのであった。

 

それがマリの為になったのかはイマイチ分からないが、取り敢えずやれる事はやれるだけやってマリはもう大丈夫だと思えるくらいには成長したと思う。

 

そんな妹が見知らぬ赤ん坊を抱えて、久しぶりに俺の前に立っていた。

 

高校の入学式以来、数えて3ヶ月ぶりの再会だった。

 

「取り敢えず、中で話いいですか?」

 

 




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