水底に竜が沈む。
ダイダンガは、死の間際にあって尚、己自身を鍛え続けていた。
──まだだ、まだ我は強くなれる。我の作りし最高傑作は、我自身だ。
体内に向けた
もはや、臓器も脳も、急所と呼ばれる全ての部位は、必要がないのだ。
なぜならダイダンガはここで死ぬから。
守るべきものが無い今、ダイダンガは、真に完成された武具にして、防具となる。
紡がれる詞術は、ダイダンガにとって初めてのものであった。
だが、ダイダンガは一度見ている。稀代の魔王自称者による、魔的な工術の真髄を。どこにどう声を届ければ
詞術が、竜の身体に浸透していく。命潰える身体に、命が吹き込まれていっているのだ。
メナイサと同じだ。ダイダンガは、自身の半生をこの身体と共に過ごし、鋼を鍛え続けてきたのだ。故に、必然として、それは成る。
ダイダンガの体内に、命の刻印が刻まれていく。大事に守るように、刻印の上から鋼を固め、誰にも破れ得ぬ堅牢を誇示するように。
ただし、奇跡は起こらない。
それは幾千もの試行錯誤を超えていない、ただ一度の
故に、最後の最後。ダイダンガの命が消える最後に、彼に出来ることは、祈ることだけだった。
──今一度、この身体を用いて戦いたい。我でなくてもいい。誰か、だれか。
果たして。
今、この場には、祈りを持って望みを叶える、願望器が存在している。
その
「うけたまわった。だいしょうは、おまえのすべてだ」
その言葉が誰かの耳に届くことはなかった。最後の最期、ダイダンガは虚仮の一念を通したのだ。
宙に浮いていた神籬のヒジリの身体が、糸が切れたように地面に落ちる。
そして、ゆっくりと、ダイダンガが起き上がる。メナイサは驚かない。
「すまない、とは言わない。それがこの者の願いだからだ」
「ふわぁ、なんかいやったっておなじ。わたしはまけな──」
敢えて断言しよう。湧き出るメナイサは、竜にして機魔となったダイダンガに、それを装備する神籬のヒジリには勝てない。
そしてそれは、
「アレカが、よんでる。いかなきゃ」
既に、脚本通りの
しかして、