とある転生の能力殺し   作:饅頭(こし餡)

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初投稿です、どうぞ生暖かい目でご覧ください


0話 転生した理由

 

ある日の夕方、俺はいつも通り学校の帰り道友人達と他愛もない会話をしながら家に帰っていた。

途中、喉が乾いた俺は近くにあった自販機でコーヒーを買おうと思い友人達を待たせ自販機に小走りで向かう。

 

…そこからがよくなかった。

その自販機が置いてあった場所が、建設工事の近くに設置してあったからだ。

 

そのことに気にも止めていない俺は自販機の前でコーヒーを買おうとした瞬間、クレーンにつないであった鉄骨が何らかの原因で外れ落ちてきた。

勿論、友人達はそれに気づいて俺に逃げろと叫んでいたたろうが聞こえた時には俺の頭上に鉄骨がある。

 

まあ、要するに俺は死んだ。

 

 

「死んだ…筈なんだが…」

 

 

現在死んだ俺はと言うと、真っ白な空間にいる。

その空間に俺1人だけなら別に何の問題もない、わざわざ小声で死んだことを確認する必要だってない。

 

問題は目の前にある人物だ、この真っ白な空間に似合わない真っ黒なデスクに真っ黒なオフィスチェアに座っている1人の女。

髪はショートで薄めの赤、左目から頬にかけて何かに斬られたような傷目つきは悪い。

 

そんな目と鼻の先にいる女は何枚かの書類をパラパラと捲りながら時折俺の顔見るなりため息こぼしながら煙草に火をつけて書類に目を戻すの繰り返し。

 

 

(すげー、気まずい)

 

 

声をかけようにも、こんな睨みで殺せそうな奴に話しかける勇気なんて俺にはない。

どうしたらいいものかとかれこれ数分考えていると、突然俺の顔に煙が覆う。

 

 

「おい、貴様」

 

 

「ゲホッゲホッ…は、はい?」

 

 

突然ドスの聞いた低い声で目の前の女が声をかけてきた。

しかもご丁寧に煙草の煙を俺の顔面に吹き掛けて。

殴りたい感情をぐっと堪えて、ひとまず女の話を聞く事にする。

決して、右手は本気のグーを握ってはいない。

 

 

「貴様の名前、不動仁(ふどうじん)で間違いないな?」

 

 

「ああ、そうだけど」

 

 

「そうか」

 

 

そう言うと書類を俺に見せるように前につき出す。

つられて俺もその書類を見るのだが何書いてるのかさっぱりわからない。

しかも、所々なにか溢したような跡と消したような跡が酷さを物語る。

 

一体全体これで何を察しろと?

 

 

「貴様、今自分が死んでいるという自覚はあるな?」

 

 

「おう、鉄骨が頭に直撃した」

 

 

「なら話は早い。ここは俗に言うあの世だ」

 

 

「何となくそんな気はして「そして、貴様が今日死ぬべき筈の人間でもない」た…はぁ!?」

 

 

唐突なカミングアウトに一瞬で大声を出す。

死ぬべき筈じゃないのにじゃあ何で俺は死んだ?

問い詰めようとした途端またも顔に煙をかけられる。

 

 

「黙って聞け、私はうるさい奴は嫌いだ」

 

 

「ゲホッ!この野郎…」

 

 

「まず貴様が何故今日死んだかの簡単には説明してやる、貴様を担当していた私の部下が謝って貴様の書類にコーヒーをぶちまけ、慌てて拭こうとしたら貴様の名前を消してな」

 

 

「おい…まさかと思うが…」

 

 

「察しがいいな。それで貴様は今日死んでここにいる」

 

 

「よし、殴らせろ!アンタとアンタの部下を今すぐ…熱っ!!」

 

 

なんともまあ、くだらない理由で俺を殺しやがって!

我慢の限界で目の前の女を殴ろうとした矢先に煙草の先端を右手の甲に押し当てる。

咄嗟に手を引っ込めて右手の甲をぶんぶん振る。

何で死んでるのに痛覚がまだあんだよ!?しかもなんの容赦もなしに根性焼きする奴がいるかよ普通!?

 

 

「最後まで聞け、理由が理由だ。こちら側の不備だと言うのは承知の上だ、だから特例として貴様を転生させてやる」

 

 

「は、転生?まさか、元の世界にか!?」

 

 

「馬鹿か貴様は?死んだ人間を元いた世界に帰せる訳なかろう。馬鹿め」

 

 

「おい、馬鹿って2回も言うんじゃねぇ!」

 

 

「黙れ馬鹿者」

 

 

転生の意味は知っていたため少し期待したがすぐに期待は虚しく散る。

それにスゲー冷たい目で俺を見て罵倒まで言う始末。

こいつ絶対に1発殴り倒してやる。

そう心に誓い黙って話を聞くことにする。

 

 

「貴様が転生するのは貴様がいた世界ではない」

 

 

「どういう世界に転生させるつもだよアンタは」

 

 

「安心しろ普通の世界だ。とは言っても何の能力もないと言うのも可愛そうだからな…勝手ながら貴様にはある能力をくれてやる」

 

 

「能力というワードが出てる時点で普通ではないきがすんるだが!?」

 

 

「黙れ。と言うことでさっさとこれにサインしろ」

 

 

そう言うと1枚の紙を引き出しから取り出し、俺の前にペンと一緒に置く。

正直これにサインしたら何かとんでもない事に巻き込まれる気がする…いや、確実にそうだ。

 

文面見ても英語か何かわかんない単語がズラーッと並べられてるし。

唯一分かるのは、空欄が1つ空いてるとこに俺の名前を書くスペースがあることだけ。

 

 

「3秒以内にそれにサインしないなら貴様を地獄につきだす」

 

 

「はぁ!?」

 

 

「1、2…」

 

 

「わかった!サインすればいいんだろこんちくしょう!!」

 

 

催促の仕方が何て悪質な仕方だ!

冗談を言ってるような顔もしてない、マジの顔だあれ!

カウントダウンが始まったので最早ヤケクソ気味に自分の名前を書いて紙を相手の前につきだす。

 

 

「よし。最後に軽く説明しておく、転生した世界では金に関しては何の心配はするな。それはこちらが用意しておく」

 

 

「それは金はなに不自由ないと、認識していいんだよな?」

 

 

「無論だ、後転生した世界では貴様には両親はいない。問題はなかろう?」

 

 

「まぁ、元いた世界でもそれが普通だったし」

 

 

「ふむ、そしてこれが最後だ。貴様に渡した能力だが…」

 

 

「おう 」

 

 

「転生したら自分で確かめろ」

 

 

「はぁ!?」

 

 

一番重要な事をさらっと説明しなかったぞこいつ!?

一通りの説明を終えると煙草のケースから煙草を取り出し火をつける。

まあいい…最後に別れの挨拶をしてここからおさらばしてやる。

 

幸い火をつけるのに少し苦戦してる今がチャンス!

1発殴…

 

 

「さっさと行け」

 

 

その言葉を女が言うと俺の足場が【ガコン!】と音がした。

一瞬だった、目の前に広がるのは暗い光景。

 

 

「次死んだら絶体に殴り飛ばしてやるからなぁ!!」

 

 

大声で聞こえているかどうかもわかんないあの女に叫びながら奈落の底に落ちながら意識が無くなっていく。

そしてこれが、この俺不動仁の第2の人生が幕をあけるのであった。





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