本稿は、「01 colorful conflict」から「50 colorful constellation」までお読みいただいた方に向けたあとがきになります。ご注意ください。
まずは「01 colorful conflict」から「50 colorful constellation」まで、話毎の文章量に差はありますが50話分、本編にお付き合いいただきありがとうございました。
「虹夏と喜多が男の結束バンド」に端を発した物語。男女四人、交わるかどうかもわからなかった結束模様、如何だったでしょうか。
この話を書きたいな~とプロットを作り始めたのが2023年6月頃。書き始めたのが同年7月頃。そこから約9か月。だいぶ突っ走って来たものです。
せっかくなので、本編の簡単な設定や、本編を終えての雑感などを書きたいと思いました。
★最初期の設定走り書き。
※最初期の設定なので、やや異なる部分があるかもしれません。
・後藤ひとり
秀華祭前後で郁三に惚れる。喜多→山田→虹夏の矢印に気づいている。技術的なスペックが高いので、彼女の成長は原作と同じで人間としての成長、わけても前向きさ(正確には後ろ向きな自分の肯定)とコミュ能力の成長にある。虹夏には「自分を見つけてくれた」という感謝を、山田には先輩としての尊敬を、郁三には「自分を認めてくれる」という感謝を抱く。郁三への対等な関係(日常の態度、ギターを教えるという使命感、同輩)が、後にそれを恋心へと変えていく。
・伊地知虹夏
4人初ライブ編で運命を感じてぼっちに惚れる。ぼっち→喜多→山田の矢印に気づいている。バンドとしての成長は女子2人に比べ実力のなさを精神的に克服することで、恋愛的な成長はぼっちに受け入れられなかった事実を肯定しつつ、山田を一人の女性としてみること。山田はもはや家族に対しての関係に近い。家族でないことは理解してるので裸とかは見ないが、ぶっちゃけ見ても平静は保ってられる(でも男の子なので……)だが「自分を引き出してくれる等身大の相手だ」ということにはまだ気づいていない。ぼっちへは、ギターヒーローという「自分にない強みで夢を叶えてくれる存在」として憧れと恋心になる(最初の奇行を見ていたことの衝撃も強い)。郁三については、なんだかんだバンドに来てくれたかわいい後輩であるので仲はいい。
・山田リョウ
すべての矢印に気づいている。知り合った頃から虹夏には好感を抱いていて、虹夏にバンドを誘われた頃からそれは確定的になった。一気に燃え上がったのではなく徐々に燃え広がって本編時点では大炎上。バンドとしての成長は(少なくとも本作としては)薄く、他者を導く立場にある。恋愛としては、親友のポジをキープしてきたことのツケを払うことと、半分自分が原因で付いてきた郁三を振ること。小心者かつかつてバンドを脱退した者として、現状をぶち壊すことへの抵抗が一番強い。
・喜多郁三
喜多郁三自分の恋心以外は何も知らない朴念仁。そのくせ陽ムーブで良くも悪くも周囲をかき乱す結束バンド最大のトリックスター。ただ、「陽となろう」としている節もあるので「周囲との協調性」をひたすら気にするタイプでもある。バンドを一度抜け出した罪悪感が強く、虹夏には感謝、ぼっちにはある種の崇拝、山田には恋心はありつつ劣等感罪悪感も同居している。その劣等感はやがて薄くなるも……
★告白の流れ
・ひとり:告白され(虹夏)、告白された(郁三)。
・虹夏:告白し(ひとり)、告白された(リョウ)。
・リョウ:告白され(郁三)、告白した(虹夏)。
・郁三:告白し(リョウ)、告白した(ひとり)。
★恋心発覚の流れ
・リョウ:初めて会った時から割と好きだった。確定的になったのは「だって僕、リョウのベース好きだし!」
・郁三:初邂逅で一目惚れ。ひとりに対しても、割合最初の頃から好感は抱いていた。
・虹夏:台風ライブの日。最初はひとりに対して単なる友達で、変形もするしマスコット的な可愛さで見てた。あとリョウのせいで女の子にあまり慣れていないのもあった。ギターヒーロー発覚から「この子のことを知りたいな」を経て「ぼっちちゃんも女の子なんだ」となって一気に落ちた。
・ひとり:秀華祭ライブで郁三に惚れる。が、郁三は元からカッコいいので惚れてた節もある。
★本編を終えて
・後藤ひとり
『ぼっち・ざ・ろっく!』はギャグマンガでもあると思います。そもそもひとりは変形するし、爆発するし、顔面のパーツが飛んでくし、美少女フィルターが外れると二重顎になっちゃうぼっちちゃん。
本作ではかなり純粋無垢な美少女になりました。
恋愛初心者とはいえ、ひとりは原作でも主人公としての覚醒を、悪く言えばクソ度胸と奇行を発揮する。そんな面を、恋愛でも発揮してもらいました。その結果が、初恋を諦めようとすること、そしてそんな中でも結束バンドの絆を信じて《転がる岩、君に朝が降る》を歌うことでした。
大事な時に結束バンドを引っ張るのは、たとえ設定が変わってもギターヒーロー、いや『結束バンドの後藤ひとり』なのです。
そんなひとりの課題は、大きくは原作(というよりアニメでしょうか?)と変わらない。人間として一歩一歩成長し、仲間や大切な人に心を開いていくこと。それだけで、すでにひとりは魅力的な女の子なのだと思います。
・伊地知虹夏
作者は伊地知虹夏
なので、『趣味で書く小説は書いてる本人が楽しめねえと意味ねえだろ』精神を持つ作者にとって、虹色refrainには最大の弱点がありました。
それは虹夏ちゃんが一切登場しないということ……! まあ、虹夏くんを虹夏ちゃんと同一として見るか、というのにはいろいろな意見があるとは思いますが。
そして虹夏くんは、喜多くんと比べてもなかなか苦しい先輩組。元々重たい過去持ちだし、リョウに中学時代邪魔されたせいで恋愛経験ゼロだし、勇気だしてひとりにアプローチしかけようとしたら
そして、挙句の果て某スレ初期の悲惨なことはしないにしても、ボロボロになって必死にもがく。このあたり作者は同性ですし、しかも郁三よりは虹夏くんみたいな性格に近いので、作者が感情移入して絶望描写モリモリで書いちゃったりしました。辛いことさせてごめんよ虹夏くん。
そんな虹夏くんの課題は、初恋を成就させられなかった苦しみを受容して、そのうえでひとりを友人として好きでい続けて、ずっと隣にいた一人の女の子を発見すること。虹夏くんを結束バンドのリーダーとして成長させて引っ張り上げるのがひとりなら、虹夏くんの最低ラインといつも通りに寄り添って、等身大の虹夏くんらしさを映してくれるのがリョウなのだと思います。
・山田リョウ
虹夏くんのところでも書いたように、作者は原作で虹夏ちゃんが一番好きです。だって大天使なんだもん。でも、虹色refrainを含め5つの二次小説のストーリーを書いている(いた)のですが、その中で作者が特別好きな女性キャラをヒロインに据えた作品というのは1作しかなくて。「この設定のオリ主はこのキャラがヒロインとして性格が合うかな」と決めて特に好きではないキャラをヒロインとすることが多いのですが(暴言)。その結果、書いているうちにその二次小説のヒロイン(原作では一番好きなわけじゃなかったキャラ)を大好きになるという、よくわからない変態性を持っておりまして。
まあ、何を言ってんのかというと、山田リョウが大好きになりました。
原作だと金借りて返さないわ平気で逃げるわクズだわクズだわのクズキャラなのに、なんの化学変化が起きたのか清楚系臆病幼馴染ガールになっちゃって。
ただ、本質的には彼女はクズだというのは変わらないと思います。なんで本作でこんなに暗殺前のキャラが目立ったのかと言えば、そりゃ虹夏くんがやきもきさせるからだコノヤロー。
クズな一面と、仲間想いな性格と、虹夏くんに恋する乙女の側面は同居する。矛盾なんて当たり前。そんな人間臭さが、(恋愛描写を除けば)原作・本作問わず山田リョウの魅力なのかもしれません。
・喜多郁三
喜多郁三、まずは謝罪を。だって、四人で唯一名前まで魔改造しちゃったから……。
すまねえ。もう『来た? 行くぞー!』なんて言わないよ。
ひとりが初恋に揺れるし、虹夏くんはボロボロだし、リョウは曇るし。そんな中で郁三は、常に光り輝く、まさに創作世界の主人公のような態度でいてくれました。おかげで結束バンドが瓦解せずにすんだよ。だって郁三がいないと誰がどんな行動に移しても連鎖してみんな曇るんだもん……。
ただし、彼も彼で悩みがありました。原作の喜多ちゃんも悩んでいた『平凡であること』への劣等感。そして本作では『逃げたギター』の罪悪感を増幅させて、それが頑張る原動力であり、リョウに並ぼうとする起爆剤になり、虹夏に嫉妬を生ませる爆弾そのものになり……そして「一人前になるまではリョウに告白しない」という誓約を生ませて、混沌になる第3部はじめの頃まで行動させなかった。
そして『リョウに振られたとしてもあっけらかんとしてそうだよね』と言われる彼が曇る瞬間って何だろうと思った時、『自分が原因で尊敬する大事なひとりが泣いて、なのにそれを隠して笑っていて、それを隠れて聞いちゃって何も言えなくて、励ましたくても自分なんかが励ませるはずもなくて、ただただひとりが突き進む光景を見せつけられる』状態なのではないかと思ったのです。ただ、リョウにフラれたこと自体はすごくショックを受けていましたが。
やっぱりこいつは光にも闇にもなるトリックスターだわ。
★《結束バンド》について
『象徴』
伊地知虹夏:結束バンドの1番目。こいつが動かなきゃ結束バンドは始まらない。
山田リョウ:結束バンドの2番目。彼女が支えなきゃ結束バンドは安定しない。
後藤ひとり:結束バンドの3番目。彼女が爆発しなきゃ結束バンドは伸びない。
喜多郁三:結束バンドの
『本編を終えて』
ぼっち・ざ・ろっく! は後藤ひとり、伊地知虹夏、山田リョウ、喜多郁代の四人の結束バンドを中心とした物語。たとえ二次創作者の身勝手で登場人物の設定を変えたとしても、その根幹だけは維持したいと思いました。なので四人を総括した5人目のキャラ《結束バンド》として、物語上のストーリーラインや課題、障害、苦難、敵役というものを設定していました。
本作は、二次創作ではありますが、『虹夏が一念発起して夢を見て結束バンドを結成して──』という流れは変わらない。その上でサブキャラたちも変わらないので、ぽいずん♡やみが敵役になって、虹夏たちの未熟さやリョウの不安感やひとりのコミュ障が苦難への鍵になるのは変わりない。
しかし、恋愛要素があることで、原作よりも結束するための難易度がばちくそ高くなる……そんなIFこそこの物語の眼玉だと思いました。そして、原作の胆力を持つ四人なら、たとえばちくそ難易度が高くたって、恋愛に振り回されたって、根本の仲間を想う絆の強さは変わらない……某スレでは『誰か一人の望みが叶う(恋愛が成就する)と必然的に誰か一人は不幸になる』というロジックが話題を生んだこの設定ですが、この絆を信じて、(登場人物の)誰もが納得できるようなハッピーエンドになるよう模索をしました。
その結果、「こいつらチマチマやってたら絶対みんな不幸になるわ」と思い、短期決戦。でも1年組と2年組の性格から、「絶対郁三とひとりが先に行動を起こすし、リョウ虹夏はとことん奥手だから動かないし」、郁三がけじめをつけてひとりをちゃんと好きになって行動して。虹夏は物語上の劇的な活躍はできないにしても、ちゃんと踏ん張って葛藤して、ひとりと笑顔で会話して大事な友達であることは誇っていいんだと受け入れて、そしてリョウに歩み寄りを見せる。それが、虹夏の大きな収穫なんだろう、と考えたのです。
個人的にやべぇと思ったのは、①リョウがストレスからヘマをして、②結果として鎌倉で虹夏がぼ喜多のデートを見ちゃって絶望して、③結果虹夏が暴走しちゃってひとりに告っちゃって、④状況を改善しようともがくひとりの真意を郁三が知ってしまった、という不幸の連鎖でしょうか。心の中で美の巨人が涙を流しながら「美しい……」とか自画自賛しちゃった。てへっ。
★サブキャラたち
作者の創作能力の限界もあり、この「喜多と虹夏が男の結束バンド」の世界線において、「四人以外のきくりとかヨヨコとか次子とかが恋愛に絡んできたら収拾つかねぇ」と思いまして、本作では彼らはそれほど絡まない構成なりました。プロット作成の初期段階では、星歌、きくり、やみ(あとはヨヨコくらい?)以外のキャラクターは一切発言させないで地の文で完結させようかと悩んでいたくらいでした。
ただ、なるべく描かないように(というよりあくまで結束バンドの四人の物語として完結するように)とは言っても、5話辺りで星歌が登場したあたりから、やっぱ一切発言させないのも無理だなと思い始め、それだったら「いくつかのキャラは、苦難な恋愛に立ち向かう四人の味方になってもらおう」と考え、そうして、ひとり→次子、虹夏→星歌、リョウ→きくり、郁三→ヨヨコという組み合わせに思い至りました(最終的に星歌ときくりを入れ替え)。星歌が一番親身に相談して、次子は描写の外側でいぶし銀な働きをして、ヨヨコは歌手としての表現の魂を郁三に授けて、きくりは虹夏を奮い立てつつトリックスターとして(結果的には良かったとはいえ)リョウを困惑させた。
もし、彼女らが恋愛に絡んでいたのならどうなるのでしょう……某スレでは、いろいろな予想が建てられていましたね。
次子が男子だったらひとりが失恋した後の一幕が……とありましたが、こわくて恐ろしいよぉ。
次子が女子のままでも「郁三と次子が元々つきあってた説」がありましたが、それはそれで面白いかもしれない。次子が果たしてどんなムーブをするかにもよりますが……
きくりが虹夏に禁断の感情を向けちゃったとして、虹夏はたぶんひとりに振られて、リョウがまだ動き出せない時の絶妙なタイミングの出来事になるんだろうな。そしたらクズベーシスト共にハートを向けられる主夫虹夏くんが爆誕するということで……個人的には興味あったりなかったり。
ヨヨコはツンデレ。間違いない。でも恋愛にそこまで興味はなさそう(偏見)なので、たぶんリョウとひとりを焦らせるんだろうな。
つくづく作者の代弁者、内田幽々様には感謝しかないぜぇ……現実世界を霊視してきて直接脳内にコンタクトしてきたんだからもう。
★タイトル諸々について。
物語の基本構造が出来上がった後、最初に考えたのがタイトルでした。
虹色refrain。作者は、四人の青赤黄ピンクというカラフルな色合いがあって、その四人が様々な方向へぶつかり、さらなる色の変化(心情の変化)を及ぼすというイメージで、虹色refrainというタイトルをつけました。また性転換なんてかなり原作を変えてしまうので、「○○・ざ・ろっく!」のような形にするのはやめようと考えていました。最初に「虹色」が浮かび、そこに繋がる1単語を考え、やがて「refrain」が個人的にしっくりきた、といった形でした。
話を作ってる途中で急に『(ぐちゃぐちゃになって)星屑に染まれ』という言葉が自分の中に降ってきたのですが、もう『虹色refrain』として走り出していたので、別のところで使おうと検討。
サブタイトルでは、「結束バンドの曲としてリリースされたすべての曲+《グルーミーグッドバイ》をどこかで使う」という制約を提示。ただし、歌詞を使うのはハーメルンにおいて権利等々で一定のルールがありますし、楽曲のイメージよりも曲名の印象と繋がるところを選ぼうとしました。例えば、虹夏がひとりで深夜の東京を徘徊した《ひとりぼっち東京》など。
物語の序盤は、話ごとに視点を1人~2人で固定しようと考え、その主観を象徴する色合いだったり、花言葉だったりをもじったものを使用。ただし、途中から視点変化が目まぐるしくなったため、2部の途中辺りから『象徴する色』のルールは形骸化しました。
使用した花と花言葉は、
・リナリア:この恋に気づいて。これは虹夏やひとりが初恋を自覚するまでの過程。
・アオグスリ(オトギリソウ):恨み、秘密、迷信。これは虹夏の中の負の想いであり、同時に虹夏の「自分の中の負の想いに蓋をしたい(秘密だよ)」という意思の表れだったり。
・アネモネ:恋の苦しみ、見放された。この想いの苦みを味わいながら過ごすリョウの苦しさ。
・ミモザ:感謝、友情、密かな愛。虹夏とひとりの関係性であったり。
・ライラック:初恋の香り。ひとりが自覚をしてないころからすでに始まったことの暗示だったり。
色は、ミモザ(黄系統)、インディゴ(青系統)、ライラック(赤+ピンク=薄紫)、スカーレット(赤系統)、ヴァイオレット(青+ピンク=鮮やかな青)、マンダリン(赤+黄=オレンジ)、
各章タイトルは、
・OP:表面上は原作と同様に進む頃の結束バンド。
・1部:花言葉の通り、(虹夏と)ひとりの無意識の「わたし、この恋心に気づいてよ」というメッセージ。
・2部:徐々に原作から離れて、ライオット編ではあるものの「星座→星屑」になって徐々に砕かれる、一見してきれいなのに不穏なイメージ。
・3部:「upside down,dawn,constellation」はGoogle翻訳では「逆さま、夜明け、星座」。逆さまな夜明け。様々なことがひっくり返る逆さま。逆さまの星座。など、とにかくぐっちゃぐちゃになる、でも星座が星座であることは変わらないことをイメージ。
・ED:虹色refrain。
というイメージを持っていました。
また、
「虹色refrain」
「colorful conflict」
「colorful constellation」
「upside down,dawn,constellation」
「A split twilight」
だけは、始まりだったり終わりだったり、転換点だったり、起承転結の転だったりするので、わざと英語表記にしてみたり。そのため、例えば「レッツ! エンジョイ! クリスマス!」はそれらと区別する意味でカタカナ英語にしたりしていました。
★あとがきのあとがき
《虹色refrain》は当然ながら二次創作。こんなネットの端っこではありますが、原作に、原作関係者に、拙作をお読みいただいた方々に、感謝したいです。
そして、本作はあくまで「虹夏と喜多が男の結束バンド」の可能性の一つ。たくさんの可能性があるから……誰か書いてもええんやで?
ありがとうございました……!