良い感じの能力を貰い転移したが 現地民の方が強い……   作:勇気の遊技

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過去の話って重いよね

 

 昔、あるところに、平和な村があった。

 そこでは、村人達が、平和に暮らしていた。

 農業をし、牛を育て、川で魚を取り、そして、賑やかな日々を送っていた。

 そう、全て過去のことである。

 

 転移者がここに来るまでの。

 

 転移者はこの村に来て、様々なことをした。

 魔物を倒し、魔法を使って荒地を直した。

 村人達は喜んで、その転移者に様々なものを贈った。

 多くの肉、魚、野菜、そして金さえも……それが、悲劇の始まりだった。

 転移者はものを貰うたびに段々と、強気に、やがては傲慢になり。

 そして……村の宝【精霊の盃】を奪って、そのまま何処かへと消えてしまった。

 転移者に、怒りと憎しみを抱いた村人達は……もう二度と奪われないようにする為に、修行をしたのだ。

 いつからか、森林の奥に家を建て生活していた、謎の強き者の元で……。

 それはとても厳しい修行であったという、本来なら魔法が使えない者もその修行を経て魔力が湧き出て、なんと魔法が使えるようになったと言うのだから……少し、信じられないが……いや、信じれる。

 それくらいの修行を行ってきた者でなければ、魔物を千切ったりすることはできないだろう……。

 

 「あの、すいません……縄、解いてくれませんか」

 「転移者様、申し訳ございません。ですが、村長がその面を見てやると言っていますので……はい」

 

 はい、じゃねぇんだよこっちはぁ! 治療が終わったかと思ったら杖で思いっ切りフルスイングされて気絶して……そして目覚めたら縛られてた! ははっ…………はぁ。

 村長さん、オレ、悪い転移者じゃないよ……いや……これで納得してくれる訳ないか、何せ、転移者を憎んでいるのだからなっ!

 

 もしかして 詰み。

 

 いやだっ! オレまだ死にたくない! 

 

 「村長、連れて来ました」

 

 あーっと、どうやら審判の時が来たみたいだな。

 ロリ神の元へとまた死んで帰るのは……ちょっと嫌だな、一瞬で死んで、しかも村人に殺されたとなったら、それはもう顔向け出来ない。

 「そうか……」

 

 大きな男が動く……年配の、だが衰えている感じはなく寧ろ実際よりも、その体は若いだろう。

 現に、いつでもオレを殺せると言った雰囲気がある。

 

 「そこの転移者よ……」

 

 「はい……」

 体が震える、死に震え、誰も助けてくれないという孤独に震え、神に祈りたくなる……が、祈る暇など無さそうだ。

 次に来る言葉が、何か想像する。

 八つ裂きだ、車引きだ、磔だ、燃やしてやるなど、物騒な言葉を。

 静寂が流れる……いや、流れているのはオレだけだ。

 何を言われるのか分からなくて、怖い。だから、その告げられるであろう言葉を聞く為だけに耳が使われ、そうして、他の音なんて微塵も聞こえなくなるのだ……。

 

 「感謝する」

 「し……か、感謝?」

 「何キョトンとしとる、『感謝』しているんじゃよ、『感謝』」

 

 や、やったぞ、何とか生きれる……ふぅ、ロリ神の元へと帰ることはまだ、ないな。

 

 「お前さんは、わしの息子を守ってくれた……あいつは、最近かなり油断していた節があったからなぁ。もし、あのままお前さんが助けに来なかったら今ごろ、あいつは死んでいただろうな……あいつが大の嫌いな、魔物に食われて……」

 

 だからと繋げて言う。

 

 「ゆっくりと、していきなさんな」

 

 その声は温かみがあって、それまでの不安に苦しみ、勝手に傷ついた心を癒した……同時に、生きていると再び実感させた。

 

 「はいっ! ありがとうございます!」

 

村長は、それに対して微笑んだ。

 それは……相手を、騙すためとかの微笑みじゃなくて、とても純粋で、そして綺麗な微笑みだった。

 村長の他にも、多くの人がいる。

 オレの後ろの建物に隠れているのだろうが……声が、聞こえてるのでうん、隠れれていない……居るのは分かってるよと言ってみたい。

 ……でも、その人達もまた、優しい人達なのだろう。

 

あの、すみません。

 

 何じゃ、転移者の青年よ。

 

 

 

 

 「縄……解いてください」

「……すまんの、忘れておったの、最近ボケ気味でな、わし。だから、許してはくれんか?」

 「ボケ気味とか許しとか……どうでもいいからぁ! 解いてくれぇ!」

 

 まぁ、あの後直ぐに解かれたよ。

 その後は住む人が居なくなって、空き家となった家を寝泊まりの為に貸してもらった。

 農作業や、漁労、狩猟に参加するのを条件として。

 正直、異世界でこういうのするのは初めてなので、とても楽しみだ。

 

 空き家となった家には、最低限の寝る設備が備えられている。

 藁のマットレス、リネンのシーツ、毛織の掛け布団に、以上!

 まぁ、仕方ないか。

 横になって……目を瞑る。

 少しもすれば、眠くなっていく、睡魔が来る。

 ちょっと、眠く……なっ…………

 

 

 おやすみ、佐藤健二くん

 

 

 

 

 そんな、ロリ神の優しい幻聴が聞こえたような気がした。

 




最後のロリ神の行動は、どのような意図があって言ったのでしょうか?

女神ヘルス(ロリ神)「何となく言ってみたよ♪ 気分ってやつだね」
 
今回出たアイテムの解説〜
【精霊の盃】
▪️▪️▪️作、ハカノ村初代村長のマファリィ・ナミジが妖精と仲良くなってこれを貰い、ハカノ村へと持って帰った。
この盃にお酒を入れると、酒が苦手な妖精という種族でも酒が飲めるようにかなり甘くなる。

妖精にも、酒を何とかして飲みたい者はいたようだ。
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