良い感じの能力を貰い転移したが 現地民の方が強い…… 作:勇気の遊技
よろしくお願いします。
魔物、それは魔王によって生み出された存在。
魔物の中には、人型・動物型・海獣型・非生物型などがありその中でも動物型と海獣型は『魔獣』と呼ばれている。
魔獣は基本的に知能が低いが、それを踏まえても大きな体に、鋭い牙そしてもうどくなどを持つ個体などがいる危険な存在である……なぜならば、ここでは無い他の国では毎年多くの人々が魔獣の犠牲となっており兵士達が討伐軍を結成したりする事から、それが分かるだろう。
なぜいきなり解説しているのかは、分かるだろう。
今、オレは魔獣を討伐しに行っているからだ……
村長曰く「力をつけた方がよい」とのこと。
つまりは実戦練習だ、やってやるぜ。
魔獣は基本的に強い、さっき言った通りではあるのだが、大きな体に鋭い牙を持ち、あまつさえ集団で行動する個体もいる。正味、昔のオレなら勝てる気はしないかっただろう……だが今は違う。
ロリ神から能力を授けてもらい、そして転移し、この村に来てかなりの時が経った……その間も、村の人達に稽古をつけさせて貰ったりしたし、森の奥にいる謎の強き者に会いに行こうともした、居なかったのではあるのだが……。
まぁ、それはどうだって良い、大事なのは魔獣を倒せばその皮や牙などを使い、装備が作れるらしい。是非とも、作りたいものだな。
そんなこんなで今は自分の唯一の武器、鉄製の使い古された
元はかなりの良品だったらしく、切れ味がある。
試しにこの村で貰ったアイアンナスを横薙ぎで切ってみると……。
それは素晴らしい結果となった。
もしアイアンナスに意識があったとしたら、切られたことに気づかないぐらいには……いや流石に、それはないか、オレはそんな腕のある剣豪じゃないしね。
「お前さん、いるか?」
村長が呼んでいる、恐らく……魔獣狩りのことだろう。
「はい、ここに居ます」
「魔獣狩り、出来そうか? ……もっとも、愚問ではあるだろうがな」
オレは当然……やれるぜ、とだけ伝えた。
そうすると、村長は「そうか……生きて戻れよ」
そう言って、その場を後にした。
もう、武器を研ぐ音しか……聞こえなかった。
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【昼】
どうも転移者です、今オレは山に来ています。
魔物狩りの為ですね……張り切って行きましょう!
おおっ! とでも言いたい所ではあるのですが、ここで悲しいニュースを……迷いました、山で。
やばいですね。はっはっは……はぁ。
真面目に今、悩んでいる……前、オレが住んでいた世界ならば上に行くのが正解であるのだが……ここは異世界なのだ、『常識』それも、前の世界の『常識』などが通用するかは分からない。
だったら、やってみる価値はありますぜ!
なので、今全速力で駆け上がっています……こんな時、身体能力が強くなっていてとてもありがたいと思う、しかも、ハカノ村でのアイアンナスの収穫作業などでオレはもっと強くなった。
重すぎなんだよ……あのナス、何キロあるってんだよ。
と言うか、この山もかなり広い……疲れるなぁ。
愚痴を言いながらも、おそらく山頂である所に到着したら、そこには…………。
何も無かった、本当に……何も。
「嘘でしょ……木も無い、草もないそして……魔獣もいない」
思えば思うほどおかしかった。
あの山はそもそも標高458mほどしか無いと伝えられていた。
なのに……実際は、それ以上の距離さえも歩いて来たように思われる。
いや、自分が間違えたかもしれない……なら、なぜ魔獣とも遭遇しなかったのだ。
考えるほどに増していく疑問、恐ろしい。
が、そんな事はどうだって良い。
「いるんだろう? 隠れずに出たらどうだ」
何となくこんな言葉を言ってみた。
何となくなんだよ……本当に、何かいるとは、思ってはいたけども本当に何となくだったんだ。
そしたら。
「分かっていたのか……なら、早めに言って欲しいものではあるが」
響く、氷のような冷たい青年の声。
その青年は……雪の様な白い髪をしており、薄い銀色の目をした美しいなんて表現はおこがましい程の青年……転移者などでは絶対ない、転移者ならもう少しオレみたいな人がいることに驚くはずだ。
こいつは、現地民だ……。
ハカノ村の人達の中にはいないな……マジで誰?
「誰なんだ……お前は」
「ルイ、いや違う……アルバート・フロストだ、これからはよろしく頼む、転移者」
何か過去に色々とありそうなのが来た、過去は気にしない気にしない、こう言うのはね聞いたらダメなやつ。
まぁ、オレの仕事は魔獣狩りなので、こいつの保護は後回しでも良いかな……いやダメだ、一緒に行動しよう……。
「魔獣はどこにいるか分かるか?」
そうするとアルバートは指をクロスさせて、マークを作る……これは分からんと言うことか?
「0だ、魔物はここにいない……どうしてかは、分からないが」
0だって、あのマークで0だって? バッテンじゃん……あのマーク。
そうしていると、地面が揺れる。
「転移者、どうやら、一匹にはなったらしいな」
「やだなぁ、こういう展開って」
オレが来た道を上り、オレらの前に姿を見せたのは……紅き鱗を持つ存在────ドラゴン。
そう呼べる存在だった。
「行けるか、転移者」
「嫌ではあるが、行けるぜ」
そう、戦いの火蓋が切られると思ったその時である……
「ま、待ってくれ! 降参だ! 降参する、命だけは救ってくれ!」
ドラゴンが、命乞いしてきた……しかも、人の言葉で。
「…………どういう、ことだ?」
「……同感だな」
その、紅のドラゴンの話を聞いてみることにした……オレらは少し勘違いをしていたのかもしれないな。
ドラゴンだと思っていた存在は、【竜族】であった。
ドラゴンは魔王が生み出した、限りなく【竜族】に近い爬虫類族であるらしい、つまりは、違うらしい。
それに痛いのが嫌なので戦闘はあまりしない趣味らしい。
「理解できましたか?」
「あぁ、十分に」
「分かった」
更に話を聞くと、今度は旧友がいるハカノ村へといくらしいのだが……地図を忘れたらしく、目に見えて焦っている。
ここは、出番だな。
「ここはオレに任せてください、地図を出せます」
「本当ですか! ありがたい」
「私もついて行こう……地図が無いという訳ではないぞ、おい転移者何だその目は、持ってない訳じゃ無いぞ、本当だ!」
地図を持ってない一人と一匹のことは少しだけ放っておいて。
【永遠の地図】とだけ言うと、地図が出てくる。
今まで来た道の痕跡や、ハカノ村の場所などが分かった。
「竜族のおじさん、飛べるなら、ここまで運んで欲しいな」
「進行方向さえ教えてくだされば行けます! 後、おじさんじゃありません!」
「どこに乗ればいいんだ? 尻尾か?」
「普通に考えて背中でしょう……」
そんなこと言いながらも、背中に乗る。
とても暖かい。
火龍だったりするのかな。
「では、飛びますよ! しっかり道案内して下さいね!」
「了解です、任せて下さいね」
「振り落とさないでくれ……頼む」
「いや、そんなこと一切やりませんけど……」
そうして、快適な空の旅が始まった。
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嘘を一つ、つきました。
一体何でしょうか?
正解としては快適な空の旅では無かったことです。
途中でコウモリの様な魔獣が襲って来たので、それを回避する為に高速でオレらを乗せてくれた、竜族のドラーさんが強く羽ばたくと……オレらには暴風と言えるほどの風が当たるし、吹き飛びそうだった。
何とか、耐えたが。
なお、白髪の青年は途中でゲロりかけた模様。
オレもだが……。
あれでも、ドラーさんは竜族の中では最弱らしい……嘘でしょ。
村に着くと、村人らは一人を除いて全員竜族が来ていることに驚いていたが、村長は違った。
「久しぶりじゃのう、ドラー」
「ジークさん、お久しぶりですね」
薄々勘付いてはいたが、やっぱり村長がドラーさんの旧友だったらしい。
今は二人だけで話させてあげよう、そっちの方が再会を楽しめるだろうから……。
あと、魔獣が一匹もいなかった理由はドラーさんにあるらしい。
まぁ、見た目はドラゴンだしね。
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そうして村を流れる川の近くで、パンをちぎって一人ぼっちで食べていたら……。
……アルバートが来た、どこから持って来たのか分からない酒を持って。
「転移者、そんなとこで何してる」
「驚くなよ、パン食べてるんだ」
ふっ、と言う笑い声が聞こえた。
アルバートにも、どうやらツボはあるらしい……少し、低いツボであるが。
「なぁ、転移者……お前は、何がしたい?」
いきなり言ってきたこの言葉に、どう返そうか少し悩む。
嘘なんかじゃ駄目だ。
真実を、オレの思った、ありのままを。
「──決まってるだろ、冒険さ……熱い冒険がしたい。胸が躍る、一生、脳裏に刻まれるほどの冒険を……したい」
オレじゃ魔王は倒せない……だからロリ神、アンタの言う通り他の奴らに丸投げすることにしたよ。オレも、子供の頃に憧れて、今となってはもう古臭くなった青い冒険の夢。それを、この異世界で、追いかけたいから……。
「……良い心意義だ、転移者。私も、冒険がしたい……昔は出来なかった夢を、追いかけたいんだ。お前も、それが分かるだろ?」
「あぁ、嫌なほどにな……なぁ、酒……くれないか?」
「共に夢を話したんだ、当然……いいさ」
虫の鳴き声が響く夜の河原で、オレ達は友情を深めていった……。
たった一日出会って、そして今仲良くなっただけの関係……でも、そんな出会いなんて、一体、一生涯に何回……あるんだろうな。
そう思いながら、小さな宴会をオレは楽しんだ。
今日は、良い日だ。
書き方を少し変えました。