仮面ライダー×ブルアカ 作:牛になる
夢を、見ていた。
「私、戦います!」
「こんな奴らのために!これ以上誰かの涙は見たくない!」
「みんなに、笑顔でいてほしいんです!だから見てて下さい!私の!」
「変身!」
紅く燃える聖堂で、赤い戦士へと変身する、
「だって、やるしかないでしょ?私、仮面ライダーだもん!」
「求められた気がしたの。あの蜘蛛みたいな奴と戦えって。」
あの蜘蛛みたいな奴……求められた気がした……私と……同じ……。
(だけど、戦いたくない……!)
赤い戦士が拳を振るう。
青い戦士が棒を振り回す。
緑の戦士がクロスボウを射る。
紫の戦士が剣を突き刺す。
(究極の闇が、全てを笑顔にするために戦う)
仮面ライダー、アークル、グロンギ。
駄目だ、訳がわからない。なぜこんな夢を……いや、これは…記憶?
このベルト、アークルから記憶が流れてきている……?
サムズアップ……ユメ先輩に教えてもらった。「満足できる、納得できる行動をしたものにだけ与えられる仕草」。
いつか、これが似合う人に、ユメ先輩みたいな人に……
(「ねぇ、クウガちゃん、ホシノちゃん……これが、似合う子になってね……」)
あなたに、なりたくて……
……んぅ
あれ?眠っちゃってた?
「おはようございます。クウガ先輩。」
「あ……アヤネちゃん……?」
「みんなは……?」
「みなさんは、ヘルメット団の前哨基地の襲撃に行きました。」
「おそらくですが……もうそろそろ帰ってくると思います。」
「うへぇ、そんなこと聞いてないよ?」
「あはは……クウガ先輩はその時眠っちゃってましたからね……」
あっ、そうだ。戦いの疲れで眠っちゃってたんだ。ハハ……
……
(ギィ……)
「ただいま〜……あっ、おはよ〜クウガ。」
「おはよう、ホシノ。みんなも。」
「ん、おはよう。」
「おはようございます〜☆」
「おはよう。クウガ先輩。」
“おはよう、クウガ。調子はどう?”
「バッチリですよ。先生。」
力こぶをつくる動作をしながらそう答える。
「それでそれで、みんな何やら大活躍してきたみたいじゃん?」
「そうなんですよ!これで火急の事案だったカタカタヘルメット団の件が片付きましたので、やっと一息つけそうです。」
「そうだね。これでやっと、重要な問題に集中できる。」
「うん!先生のおかげだね、これで心置きなく全力で借金返済に取り掛かれるわ!」
「ありがとう、先生!この恩は一生忘れないから!」
……あっ
“借金返済って?”
「……あ、わわっ!」
「そ、それは……。」
「ま、待って!!アヤネちゃん、それ以上は!」
口を滑らしたことに気づいたセリカちゃん。
それをカバーしようと、アヤネちゃんが口を開きかけるが、セリカちゃんが止める。
さて、どう誤魔化したらいいものか……。
「いいんじゃない、セリカちゃん。隠すようなことじゃあるまいし。」
……ホシノ?
「かといって、わざわざ話すようなことでもないでしょ!」
「別に罪を犯したとかじゃないでしょー?それに先生は私たちを助けてくれた大人でしょー?」
「ホシノ先輩の言う通りだよ。セリカ、先生は信頼していいと思う。」
うん、それは……そうだね。信頼できる大人ではあるから……
「そ、そりゃそうだけど、先生だって結局部外者だし!」
「確かに先生がパパっと解決してくれるような問題じゃないかもしれないけどさ。でも、この問題に耳を傾けてくれる大人は、先生くらいしかいないじゃーん?」
「悩みを打ち明けてみたら、何か解決法が見つかるかもよー?それとも何か他にいい方法があるのかなー、セリカちゃん?」
「あの、ホシn「でっ、でも、さっき来たばかりの大人なんでしょ!今まで大人たちが、この学校がどうなるかなんて気に留めたことなんてあった!?」
「この学校の問題は、ずっと私たちだけでどうにかしてきたじゃん!なのに今更、大人が首を突っ込んでくるなんて……。」
「私は認めない!!」
(ガチャ、バタン)
「セリカちゃん!?」
「私、様子を見てきます!」
「……私も、セリカちゃん探してくるね。」
少し、気まずい雰囲気。まぁ、こっちはホシノがいるし、大丈夫。
問題はセリカちゃんだ。あの場に置いて多対一の意見は少し心にくるものがあるだろう。
先輩として、後輩を支えないと……多分だけど、セリカちゃんがいる場所は……
(ギィ……バタン)
ーーーーー
「セリカちゃん?いる?」
「……クウガ先輩……?」
やっぱり。以外とこういう時は近くにいるものだよね。
「隣、いい?」
「……どうぞ。」
セリカちゃんの隣に座って、少しだけ伸びをする。
「っあぁ〜……ねぇ、セリカちゃん。」
「……なに?」
「そこまで、先生のこと信じられない?」
「当たり前でしょ?さっき来たばかりの、しかも今更首を突っ込んでくる大人なんて、信じれない。」
「……そっか。なら、そのままでもいいよ。」
「……どうして?」
「だって、人との信頼って、築くのに結構な時間がいるでしょ?だから、今のセリカちゃんが先生を信じられないのも、無理ないよ。」
「でも、あの先生ならきっと、セリカちゃんが自分を信じてくれるようになるまで、一緒に居てくれるはずだから。」
「だから、セリカちゃんが先生を信じれるようになるまで、私も待つよ。」
「……永遠に待つことになるわよ?」
「あはは……まぁ、その時は私の目が節穴だったってことになるだけだし。」
「さ、もうそろそろ下校時間だし、一緒にバイト行こっか。」
「……はい。クウガ先輩。」
そうして帰路につく。静かだけど、居心地は悪くない。
ふと空を見上げると、少しだけ晴れた空の先から、青空が顔を覗かせていた。