そこで過ごす二人のお昼・・・。
刀と梅干とよっちゃんとわたし
第5章 乗馬のお稽古
第3話 丘でランチ
「さ、着いた」
その声にふと顔を上げると、背の高い草が
「ここ?」
「うん、ここで馬を降りて、少し歩いて登るんだ」
「降りるよ」と、私はするっとすべるように降りた。う~んと、伸びをして、首をポキポキと鳴らしていると
「疲れた?」とよっちゃんが、声をかけてくれる。
「ううん、大丈夫。ちょっと、オッさんくさかった?今の動き?」
「ハハ、おかしいPちゃん。そんなこと言わなきゃ、そう思わないのに」クククと笑う。
てことは、認めた?やっぱりオッさんぽかったんだ。失敗ばかりでイヤになる。
よっちゃんは、近くの木に、馬をつなぐ。
そして、先を歩くので後に続く。膝丈くらいの草
「よっちゃん、ヘビに気をつけてね。特に、
「うん。Pちゃん、大丈夫?」
よっちゃんは、
そうだ、今、気付いた。
よっちゃんは、先を行くことで、道案内は
いつも思うけど、さり
「刀を差してくればよかった。三角
「Pちゃん、いちいち
褒められて嬉しい。
「着いたよ」
いきなり視界が開ける。
「わ~、すご~い!」
ふわふわした短い草に
そんなに
「座ろ」よっちゃんが、手を引いてくれる。
さっきまでくっついていて、触れることに抵抗が少なくなったためか自分でもびっくりするくらい、素直に、その手を受け入れていた。
背中の荷をほどき、中から布を出すよっちゃん。バサッと広げて、木の根元に
「どうぞ」
凄っ、感動。何という、ジェントルマン!私は、
木の根元は、
「ラクチ~ン」と、両脚を投げ出すと、よっちゃんは、竹筒を差し出してくれた。
「飲んで」
うっわっ。飲み物まで用意してくれたの?
「ありがとう」ごくっと飲むと、すっぱさとしょっぱさと冷たさが、口いっぱいに広がる。
「
「ありがとう!美味しい!凄く嬉しい!」
私は、どれほどこの梅水が好きか、熱弁する。よっちゃんは「うん、うん・・・」と聞いてくれる。
青く澄み渡る空、端っこが透けている、ちぎったような雲がチラホラ。遠くに蝉の声がし、草を渡る風が見える。どこからか、
「よく、来るの?ここ」
「うん、たまに・・・。僕のとっておきの場所。連れて来たのは、Pちゃんが初めて」
おいおい~、嬉しすぎるよ、その言葉。でへっと崩れ落ちそうになる。
なのに、グ~とお腹が鳴る。恥ずかしい、もう、ヤダ。食いしん坊の自分が恨めしい。
「ご飯、食べよ」
えっ?よっちゃん、それも用意してくれた?
よっちゃんが包みを開くと、握り
つっと差し出されるので、遠慮なく手を伸ばす。
「ありがとう。頂きます」
両手を合わせて拝んだ後、おにぎりを受け取り、さらに額に押し頂く。有難い、本当に有難い。
塩が効いて、美味しい。あれ?
「何か、出てきたでしょ」
ひじき、小魚の佃煮、・・・ん?何かのすり身みたいなの?次々に具が出てくる。
「凄い!高級おにぎりだね」
むふむふ言いながら、食べ進める。中の具材が、物凄く美味しい。
「実はさ、中身、お客さんに出すはずだったヤツ」
お客さん?あ、あのお姫様達?
「食べずに帰っちゃったでしょ。おにぎり作ってたら、弥彦が、『これ、入れたらどう?』って、言ってくれたんで。炊事場で、手つかずでどしようってなってたみたいで」
弥彦の作る物って、こんなに
「もう一つ、あるよ」
何と!一人で4つも作ったのか。よっちゃん、スゴすぎ。
「僕さ、初めておにぎり作った」
「凄いね!ものすごく上手に、握れてるよ。塩加減も丁度いいし、食べてて崩れないし」
料理の才能は、私よりありそう、いや、絶対ある!
「実は、弥彦がついててくれてね。塩の付け方、ご飯の乗せ方とか、教えてくれた」
弥彦、いいヤツ。
「Pちゃんと、おにぎり持って出かけるって言ったら、
弥彦、どう思ったのかな、この事。二人で出かけるって事・・・。
2つ目のおにぎりを
「ん~~~」あまりの美味しさに、脚をバタバタさせてしまう。
「これ?これ!焼き魚が入ってて、すんごく美味しい!
「そうそう、なんかね、お味噌に漬けたって、言ってた」
絶品!程良く脂の乗ってるこの魚、美味しすぎっ!
「これ、食べられなくて残念だったね、あの方達。人生、損してるよ」
「
「ごちそうさまでした。本当に、
「良かった、喜んでもらえて。僕も嬉しい」
人の喜びが自分の喜び・・・って、どうよ、この心がけ。純粋な人なんだな~。
よっちゃんって、知っても知っても、良い所しか見つけられない。
第5章 第4話 丘で遊ぶ