叔父の一言で、何となくよっちゃんを意識してしまったPだが・・・。
第4章 お泊りのお稽古 第1話 よっちゃん用心棒を拝命
二日間道場を閉め、稽古も休みになった。叔父が招かれて、
「用心棒を雇った」と、言い残し朝早く出立した。
用心棒?何だ?よく分からず、忘れかけていた頃、よっちゃんがやって来た。
「僕ね、用心棒、頼まれたんだ」
そう言えば前日・・・。
叔父は、よっちゃんを評する。
『ちょっと弱そうに見えるが、芯のある強い男』・・・知ってる。
『真面目で、忠義に厚い』・・・そうそう。
『ああ見えて、頭が良くて物知り』・・・ああ見えてって、ヒドくない?
『見た目も良い。可愛らしい』・・・まあ、好みはあるだろうけど可愛い顔、してるよね。
「よっちゃん、いい人いないのか?Pは、よっちゃんとよく話をしているみたいじゃないか。聞いてないのか?」
さあ?と首を
よっちゃんに好きな人がいるかなんて、そんなこと、考えたこともなかったから。
「実は、よっちゃんに見合いをさせてやろうという話があるんでな。今度の出稽古には、そのことの打ち合わせも入っているんだ。だから、断りきれなかったんだ。
女一人、置いていくのは心配だけど、用心棒を
「大丈夫、ありがとう。叔父さん、私が強いこと、知っているのに。ははは。安心して行って」と、答えた。
よっちゃん、お見合いするんだ。ということは、結婚するんだ。周囲も、それを望んでる・・・。
突然、胸の真ん中がぎゅっと痛くなった。何の痛みだ、コレ?ちょっと怖くなるくらいの痛み。どこかでぶつけた覚えもないし、変な物食べた覚えもない。
不安と
「先生、僕なら大丈夫だろうって」
色んな意味で微妙だ。
いや、深くは考えまい。
「ありがとう、よっちゃん。忙しいのにごめんね。お城はいいの?」
「
二日も?ますます申し訳なくなる。
よっちゃんは、叔父から話を聞いていたようで、色々と
それに、何年も道場に通っているので、私よりも
てきぱきと事を運ぶよっちゃん。
「ん?どうしたの?」
気付いたら、じっと見ていたようだ。
「あ~、
いかん、体を動かそう。あらぬ事を考えそうだ。
ご飯作ろう、ご飯。
まだ、牛の刻(※正午頃)なのに夕餉を作り始めた。
気合いを入れて作り始めたが、半時(※約1時間)もしないうちに、よっちゃんが台所に駆け込んで来た。
「大丈夫?」
台所には、黒い煙が立ち込め、焦げた匂いが充満している。恐らく、この匂いと煙で、
私は、咳き込みながら窓を開けていた。
「ダイジョバナイみたい」
ゲホゲホ言いながら、袖を振ってあおぐ。
よっちゃんは、主原因のお釜を目ざとく見つけ、洗い場へ移し水を入れる。シュ~、ジュッ!!と凄い音がし、白い煙が上がる。
何かの変装のような顔に、思わず吹き出す。
「プッ!よっちゃん、顔が大変」
ふと顔を上げ、私を見たよっちゃんも
「プッ!Pちゃんも、顔が大変」
二人とも黒く、
水加減も火加減も間違えたらしく、釜は真っ黒。多分米粒だろう、内側に張り付き炭化している。
魚の干物は、
「Pちゃん、近くの小料理屋さんに行くように言われてるから、先生に。心配しないで」
優しい・・・よっちゃん。
は~、叔父はお見通しだった。こうなること。
自慢じゃないが、私は未だかつてご飯をちゃんと炊けたことがない。
叔父の所に来た時も、初日にやらかして、お釜をダメにしてしまった。
それ以来、叔父が食事作りは全部している。
よっちゃんエピソードが、出来た。
叔父に報告しなくちゃ、お嫁さん探しのための新情報と思ったら、うっと、また、胸が痛んだ。
自分の体の変化にたじろぎ、胸をドンドン、頭をポコポコと叩いてしまう。
「Pちゃん、大丈夫?」真顔でよっちゃんが
「頭、痛いの?どこかで打った?それとも煙吸って痛いの?」
すっと、手を伸ばしてきて、指先が胸元に触れるか触れないかの感じになってしまった。
思わず、体がビクッとなる。
「大丈夫!うん!きっと、多分、いや絶対、あ~・・・かも・・・」
意味不明なことを
「顔、洗う」と、言い捨て、
何度もジャブジャブ水をかけ、こすった。
顔から水が
しまった、
そこへ、ついと、手拭いが差し出される。
よっちゃんは、どこかで洗って、
「ありがとう」
「あ~びしょびしょ」眉を下げながら
袖も胸元も膝も裾も地面も、そこら中、水浸し。
「でも、夏だから、すぐ乾くよ。大丈夫。」
どこまでも優しいよっちゃん。
優し気な笑顔を見ていると、聞いてみたいアノことが
「よ、よっちゃん、好き、好きな・・・」人っているの、と言おうとしたが、口からは違う言葉が出ていた。
「ものって、何?あ、ば、晩御飯、何食べる?」
「僕はまだ、大丈夫だよ。Pちゃん、お腹
だった、そうだった。
深く
第4章 第2話 よっちゃんとお出かけ