二人で、甘味屋に言ったり晩御飯を食べに行ったり。
そんな中、Pは、会う人にトンチンカンな受け答えをしてしまいます。
そんなPに、与七は・・・。
二人と、二人を取り巻く様子をお楽しみください。
刀と梅干とよっちゃんとわたし
第4章 お泊りのお稽古
第2話 よっちゃんとお出かけ
私は、明るい
よっちゃんは、深めの緑色。
何となく、二人、取り合わせがいいかなと、気分がアガる。
よっちゃんに連れられて、
お店は大
よっちゃんは、何か、お店の人に伝える。
少しすると、
「おっいしいっ!」思わず、大きな声が出る。
「でしょ!?」ちょっと
いいなあ、この笑顔。
「Pちゃん、ココ、付いてるよ」
言われると同時に、よっちゃんの右手の人差し指が、私の鼻に伸ばされ、何かをくるりと
あっと思う間もなく、よっちゃんはそれをペロリ。フフフと笑う。
超恥ずかしい。
よっちゃんにも、同じ物が来る。
よっちゃんのお鼻にも付くかなと、
残念、お返しできなくて。
あべかわ餅、きな粉餅、串団子が運ばれて来る。
「ほら、これも食べて。全部食べていいから」
わっ!嬉しい!凄く美味しそう!
いやいや、こんなに無理でしょ~と思っていたが、串団子は1本、よっちゃんにあげて、後は全部、私が食べてしまった。
「Pちゃん、食べっぷりがいいから、見てて気持ちいいよね」
これって、
てへっと照れていると、よっちゃんは、お
「僕が誘ったから」と払わせてくれない。
「叔父さんから、お金、預かってるから」と言っても
「じゃ、この次ね」と受け取ってくれない。
困ったな、悪いよね。私の方が圧倒的に食べてるのに。
ん?“この次”って、言ったよね。“この次”って…。
あ、イヤ、
そうそう、お城勤めだもん。そういう受け答えは身に付いていて、自然に出てくるんだ…など、考えが頭をよぎる。
私達は、甘味屋を後にし、歩き始める。
私は、生まれて初めて体験した抹茶の飲み物に、いたく感動してしまった。
どれほどの感動だったか、そのことを詳しく、よっちゃんに熱弁してしまったため、
「恋仲の人に聞いたんだ」
えっ?恋仲~?って・・・よっちゃんの?
「家臣のムラさんがね、行ったんだって」
あ、あ~そういう意味ね。何だか、気持ちがジェットコースター。
ん?ということは、よっちゃん、事前リサーチ?
「前から叔父さんに、頼まれてたの?今日の私の
「番?ハハハ。Pちゃん、犬じゃないんだから、番とか
よっちゃんは、ひとしきり大笑いする。
なんか、ウケて嬉しい。
「そうそう、5,6日前の稽古の時にね」
そこから休みを取り、甘味屋をリサーチし…。
何て優しいんだろう。
その後、私達は神社へ寄ったり、広場で休憩したり、商店を
小さな
路地は全体が
「よっちゃんと居ると、しゃべっている時も楽しいけど、黙っている時も楽しい。」
よっちゃんは、小さく何度も
「うんうんうん、そうそう、僕も」と、キュートな笑顔を向けてくる。
同い年?いや、2、3上かな。年下だったりして…。
気にしなくても良いことが、頭をもたげる。
で、聞いていた。
「よっちゃん、歳、いくつ?
よっちゃんは、笑いながら教えてくれた。
「私の1つ上だ」
「Pちゃん、若く見えるね」よっちゃんは、目を丸くして、私をまじまじと見た。
“若い”…って。
「まさか、子どもと思ってた?」
「イヤ、それはないよ。あんなに剣が強くて怖い子なんていないよぉ」
「怖い?」思わず、ジロリと見る。
「あ、ごめん、いや、スキが無いと言うか、えっと、
頬を染めながら、言い訳する。
「言われ慣れてるから、気にしないよ」ボソっと口にする。
ますますうろたえる、よっちゃん。
ちょっと、からかってしまった…。
路地を抜け、商店街に入る。
金物屋のおじさんと会い、軽く頭を下げると、声をかけられる。
「よっ、Pちゃん!」
「こんにちは、おじさん」
「おや?その人は?
「うん、そう。よく分かったね」おじさんに、手を振る。
あれ?よっちゃん、どうして向こう向いてるの?
「それにしても、あのおじさん、よく分かったよね。私が、お
よっちゃんが、
「あんなに食べて、
よっちゃんは、また、顔を
時は、七つを過ぎて七つ半くらい(※午後5時頃)か、小料理屋の前に差し掛かった。少し早いけど、食べて行こうということになった。
店に入ると客はまばら。
「あら、Pちゃん、いらっしゃい。久しぶりだね。あれ?お
「おばちゃん、こんにちは。うん、私、
女主人が、
「へえ~こりゃまた驚いた。一体、いつの間にだい?」
「さっき。甘味屋さん行って」
女主人は、ニコニコ笑いながら、お茶を置いていった。
よっちゃんは、頭を
日に焼けたのかな、顔が真っ赤。
「ここね、
私は、品書きの説明を、頼まれてもないのに、次々にする。
女主人を呼んで、注文する。
「私は天ぷら。よっちゃんは…今日の定食だったよね」
珍しく口数が少ない。
「はい、分かった。それにしてもPちゃん、
「うん、しっかり握ってるよ」と、答えると同時に、お客がぞろぞろと入って来たので、女主人はそちらに対応する。
よっちゃんは、卓の上に伏せている。
私は、恐る恐る声をかける。
「よっちゃん、具合でも悪くなった?」
よっちゃんは、そのまま動かない。
「帰る?帰ろっか?」
「いや、大丈夫」
よっちゃんは、伏せたまま答える。
ご飯がきた。
よっちゃは、相変わらず真っ赤っか。
「日に焼けたみたいだね」と、声をかけるが、よっちゃんは無言で食べていた。
「天ぷら美味しいよ。一つ、あげようか」と、言っても知らん顔。
「
散歩しすぎて、くたびれたのかな?
叔父さんから預かっているから払うと言うのに、またしてもよっちゃんが支払いをする。
「Pちゃん、
女主人が私の肩を
「うん、しっかり握るよ」
よっちゃんは、スタスタと店の外へ出る。
遠く、お寺の鐘が聞こえてくる。
私が木刀を握り込む
「Pちゃん、その手、
何で?と思ったが、その時ふと頭に浮かんだ事があったので、話した。
「それにしても、おばちゃん、
よっちゃんが足を止めて私を見る。
「ほら、おばちゃん、木刀とか真剣とかをさ、男が扱うモンって、言ってたじゃない?」
私は、木刀を握り込む
「だからっ、Pちゃん、その手、止めて」
えっ?と思う間もなく、よっちゃんは大きな
「Pちゃん、いい?聞いて」
よっちゃんは、地面だけを見ながら、指で文字を書き始める。
私も、
「『逢瀬』、おおせ、恋仲の二人が、あちこち出歩くこと。
『旺盛』、おおせい、“食欲”をつけて“食欲旺盛”。
おじさんが言ってたのは、コッチ」
『逢瀬』と書いた所を、指でトントンと叩く。
「Pちゃんは、こっちと勘違いしてない?」
“食欲旺盛”を丸く囲む。
お~!確かにそうだ、びっくり!
この
「じゃ、おばちゃんは?おばちゃんの方は?私、何か勘違いしたんだよね」
よっちゃんは、すっくと立ち上がるので、私も立ち上がる。
「ね、よっちゃん、私、どんな間違いをしたの?」
答えを知りたくて、
「あのね・・・」よっちゃんは、口元に手を当て、軽く咳払いをして大きく息を吸い込んだ。
それをゆっくり吐いて、ゆっくり話し始める。
「おばちゃんが言ったのは、“男のモン”。
Pちゃんが考えたのは、“男が扱うモン”」
しばし、沈黙が流れる。
よっちゃんは、あらぬ方向を見ている。
私は、目を4,5回
「で、どう違うの?」
よっちゃんは、ガックしといった感じで、肩を落とした。
「Pちゃん、これ以上は僕の口からは言えないよ」
またしても沈黙。
「そうだ!誤解、解かなきゃ」
走り出そうとしたら、手首を
「Pちゃん、いいよ、今度にしよう。今度会った時、説明する、で十分。それより、帰ってお風呂に入ろう?」
それもそうだ、
納得した。
二人、家路に
第4章 第3話 夏の夜