ワタクシの友達が露出で捕まったらしい   作:えんどう豆TW

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第2章くらいの感覚です


補習授業部にいこう

 

 

 

 カツカツと2人分の足音が建物に響く。ひとつは僕、もうひとつはマリーのものだ。

 

「クララさんは勉学にとても強いと聞きました。今回のサクラコ様からのお願いにはピッタリの人選ですね。私はお手伝いくらいしか出来ませんが……」

「い、いやいや! そんなに優秀な訳ではありませんわよ? それにハナコさんがいらっしゃるのですから、求められているレベルはとても高いと思われますわ」

「ええと……そう、なのでしょうか……?」

 

 なにか含みのある言い方だ。もしかして僕の知らない情報でもあるのかな? 

 

「サクラコ様の言っていた先生という方も気になりますわね。マリーさんは確か会ったことがあるというお話でしたが」

「はい。先生は優しい方で、今回もナギサ様からの依頼を快く引き受けてくれたとのことですが……」

「ですが?」

「いえ、その……多忙な方ですので。今回は合宿と聞いていますが、そのような長期間の拘束は大丈夫なのでしょうか……」

「え、泊まり込みなんですの?」

「私たちは違いますが、先生と補習授業部の皆さんはそのように聞いています」

 

 えー大変そう。よっぽど気が合う人じゃないと一緒に暮らすのも難しいと思うけどなぁ、なんで同じところで寝泊まりするんだろう。

 

 まあ、とにかくまずは会ってみないことには始まらない。先生にも、ハナコにもね。

 

 

 

 

 

 

 

「"やあ、君たちがシスターフッドから手伝いに来てくれたんだね。マリーとそれから……クララ、だったかな? "」

 

 別棟の玄関に着くと、件の方がお出迎えしてくれた。1発でわかる、この人が先生なのだろう。

 

 いや男!?!?!?!? 

 

「え、あの、クララさん? どうされ……はい? ちょ、ちょっと!?」

 

 即座にマリーの肩を掴みバック。この世界、女の人か動物かロボットしかいなかったから男は絶滅したんだろうと勝手に思ってた。

 先生に聞こえないようにマリーに耳打ちする。

 

「マリーさん! 先生って男の方でしたの!?」

「は、はい! お伝えしてませんでしたか?」

「聞いてないですわよ! 男と女が同じとこに寝泊まりって、つまりそういうことですわよね!?」

「な、なな、何を言っているんですか!?」

「だってそうじゃないですか! ワタクシ、あまり自信はないですわよ!?」

「私だってそんな経験は……そうではなくて! どうしてそうなるんですか!」

「いやいや、でなければ合宿にする必要がないじゃないですか。証明終了ですわよコレ」

「何も証明になってませんよ!?」

 

 と、そこで気まずそうに先生が苦笑いしていることに気づいた。

 

「"えーっと、2人とも? "」

 

 そういえば放置してしまった。

 

「"なにか変なところでもあったかな? ちゃんと準備してきたんだけど……"」

「あ、いえ! お気になさらずに!」

「男の方とは知らずに、少し驚いてしまっただけですわ」

 

 なるほど、と先生は頷く。

 

「"改めてよろしくね、マリー、クララ。まだヒフミしかきてないけど、準備も手伝ってもらいたいし中に入ってもらえるかな? "」

「はい、お邪魔します」

「お邪魔しますわ」

 

 僕の疑問は晴れないまま、中へと入っていく。最悪襲われそうになったら逃げよう。

 

 

 

 教室に着くと1人の生徒が参考書っぽい何かを整理していた。生徒はこちらに気づくと手を止めて駆け寄ってくる。

 

「あ、シスターフッドの方々ですね! お話は聞いてます。私は阿慈谷ヒフミって言います! よろしくお願いしますね」

「伊落マリーです。ヒフミさん、よろしくお願いします」

「時上クララですわ。どうぞよろしくお願い致します」

 

 お互いに自己紹介を終えたところで、先生が口を開いた。

 

「"早速だけど、君たちには最初の学力検査に使う問題を選んで欲しいんだ。あ、ヒフミは見ちゃダメだよ? "」

「はい! 私も問題を解く側ですからね」

「選ぶっていうのは、この問題集の中からですの?」

「"うん。とりあえず各教科10問ずつくらい選んでもらっていい? "」

「わかりました。では、2人で分担して選びましょうか」

「ワタクシは理系科目の方が得意ですので、そちらをお任せ下さいな」

 

 マリーと頷き合い、問題集を手に取る。そうしてテストの作成、もとい選定が行われたわけだが。

 

「"えっと、クララ……? "」

「はい、なんでしょうか?」

「"うーんと、うーん……これはその、意図的に難しい問題を選んでいるのかな? "」

「ええ、もちろんですわ。ハナコさんもいらっしゃると聞いていますので、並の問題では学力検査にならないでしょう。ここは応用問題の中でも最上級のものを選び、そこから苦手な部分を探すのが効率的だと思いますの」

「"うーん……私の聞いていた話とは少し違う気がするけど、マリーは? "」

 

 話を振られたマリーはブンブンと首を横に振った。

 

「おそらくクララさんにちゃんと話が伝わっていないのかと。私は基本的な問題を選んだつもりです!」

「"うん、そうだよね。クララ、せっかく選んでもらったところ悪いんだけど、もうちょっと難易度の低い問題にして欲しいんだ"」

「しかし……」

「"私の聞いた話では、今回ここに呼び出された生徒はどの子もあまり学力が高くない子だと聞いている。そんな子達にいきなりレベルの高い問題を出しても、頭がパンクしちゃうんじゃないかな"」

 

 いやいや、それはない。だってあのハナコだよ? あれで学力が低いとか言い出したら僕まで補習授業部行きだ。

 

「"正確に言えば問題行動が見受けられる生徒って聞いてるけどね"」

「うっ……」

 

 水着……深夜徘徊……うっ頭が。いやいや、僕はまだ信じてないぞ。何かの間違いだって可能性もあるんだから。

 

「で、では、そちらのヒフミさんも?」

「あ、あはは……私はその、ペロロ様のイベントに参加するためにテストをすっぽかしちゃいまして……」

 

 テストよりも優先する用事だったんだそれ…………まあそういうこともあるよね。あれかな、追試みたいな感覚なのかな。

 

「そうおっしゃるなら選び直しですわね。まあ、これで全員100点とかなら難しい問題に切り替えればいいだけですし」

「"うん、そうだね。じゃあよろしくね"」

「おけまるですわ〜」

 

 右手で丸を作り先生に見せると、驚いた顔をしていた。よく見たらほか2人も。

 

「どうかされましたか?」

「"いや……"」

「なんていうか、クララさんはすごいお嬢様だと思っていたので、その……」

「案外ノリが軽いんだなーって……」

 

 なんだ、そういうことか。

 

「流行りを取り入れるのも大切だと言われたので、試しているところですのよ」

「"多分もう……"」

「先生! ダメですよ!」

「"ご、ごめん"」

「一体誰からそのようなことを?」

「サクラコ様ですわ」

「本気ですか!?」

 

 まあ確かに流行りから遠そうなところにいる人だとは思うけど、そんなに? 

 

「確かにシスターフッドは伝統を重んじる方々が多いですから、ひとつの視点にとらわれすぎてはいけない、ということなのかもしれません」

「"あ、そんなに深い意味があるんだね"」

「はい、サクラコ様は難しい言葉をよく使われますが、そこには色々な意味が込められているんです」

 

 そういう意味だったんだ。え、じゃあただノリが軽いだけの人になっちゃったじゃん僕。

 

「"でもほら、お嬢様言葉使ってる人が急にギャルっぽいこというとギャップでより可愛く感じるよね"」

「た、たしかに! 今のクララさん、とっても可愛かったです!」

「かわっ!?」

 

 やめろやめろ、可愛いとか言われ慣れてないんだから! ハナコにだって言われた時どう返せばいいかわからなくて気まずかったんだから! 

 

「からかわないでくださいまし! はい先生、問題選び直しましたですわ!」

「"ですわ……? あ、うん、ありがとね"」

 

 まったく、女子高生ってのは油断も隙もないんだから。いや僕も今は女子高生ってやつなのか。

 

 こらマリー! クスクス笑ってるんじゃないよ! 君だって可愛いって言われたら照れるくせに! 

 

 

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