Persona4 The StrikerS in MID-CHILDA (現在、凍結中…) 作:Neo-PSI
>“向こう側の世界”・・・。
>静けさを取り戻したはずの世界・・・。
>“あの戦い”によって既にこの世界からは“あの霧”は消え去っており、皆メガネはかけていない・・・。
「もう此処に来る事は無いと思っていたけど・・・。ハァ・・・。」
悠はもう1つの思い出の地を懐かしんでいたが、その半面、若干の悔しさが入り混じっている。
「そうだな・・・。俺も同じ気持ちだよ・・・。ハァ・・・。」
陽介、そして皆も同じ気持ちの様だ・・・。決意を新たに此処に来たのだが、その顔には若干暗い感情が見える。
「ほ、ほらほら!皆暗くなってないで!さっ、頑張ろう!」
暗くなっているこの状況を見かねて、千枝が檄を飛ばす。
「う、うん!そうだね、千枝!」
「ああ、ありがとう里中。」
「ワリ~な里中。」
何時も明るく元気な千枝のこの言葉に皆の表情は再び明るくなり、謎解明へ行動を起こす。
「それで、クマ。その妙な物っていうのは何処に?」
「こっちクマ!皆、クマについて来て!」
>クマに先導され、変な物があるという場所へ向かう。
>・・・・・。
>クマに先導され、その場所にやって来た・・・。
そこにあったのは・・・。
「んだこりゃ?」
「『扉』・・・ですね。」
「でも・・・空中に浮いてる・・・。」
そう、その変な物とは『扉』だ。『扉』だけ(・・・)が浮いていたのだ。しかしこの『扉』は・・・。
(ど、どうなっている・・・。)
その扉を見た瞬間、悠は声に出さなかったが内心驚愕していた。
「一体何なんだ?この扉。」
「何か、青白く光ってるし・・・。」
「ねぇ、クマさん。この扉、どうやって気付いたの?」
「それが・・・、偶々こっちに戻ってきた時に、急に変な気配を感じたクマよ。」
(皆、見えているのか!?)
何故ならその『扉』は・・・。
悠にとって全ての始まりと言える『ベルベットルーム』への扉にそっくりだったのだから!
だが、『ベルベットルーム』への扉は悠以外には見えなかったはずだ・・・。
「押したり引っ張ったりしたんだけど、ビクともしなかったクマ・・・。」
「どれ。じゃ、ちょっと俺が試しに・・・。」
「お、よぉ~し!やったれ、完二!」
このメンバーの中で一番力が強い完二がその『扉』を開けてみようとする。
だが・・・。
「ふん!ん!?クソ!!おおおりゃぁぁぁぁぁ!!!」
完二が力一杯押したり引いたりするのだが、『扉』はピクリとも動かない!
顔を真っ赤にしながら『扉』と挌闘するのだが・・・
「だぁあ!クソ!駄目だ!どうなってやがんだ!」
「完二の馬鹿力でも無理かぁ・・・。」
>如何やら、只の力任せでは『扉』は開きそうにない・・・。
「実は襖みたいに横に開く・・・って事は無いかな?」
「いやいや、それは無いって・・・。」
「横に開くような構造ではありませんしね・・・。何か特殊な開け方なのでしょうか?それとも開けるのに“何か”が必要なのでしょうか?」
「“何か”ねぇ・・・。」
「・・・。」
>皆は悪戦苦闘しながら、『扉』を開ける方法を考えている・・・。
(まさか・・・。いや、もしかして・・・。)
皆が、色々試している中、悠は何か確信めいたものを感じ、その『扉』の前に立った。
「ん、悠?どうかしたのか?」
そして、自らのポケットに手を入れ何時も持ち歩いていた“ある物”を取り出した。
「もしかしたら・・・。」
「「「「「「「??」」」」」」」
悠の突然の行動に皆が作業を止め、注目する。
「何だ、それ?」
「鍵・・・クマか?」
「おお!もしかしてそれで開くんスか!?」
「いや、まだ分からないよ、巽君。」
「それにしても、不思議な鍵だね・・・。」
「うん。色付きの鍵って変わってるよね。」
「鳴上君、これを何処で?」
悠のその手に持っているのは、嘗て“ある人物”から渡された“深い群青色の鍵”であった。
「1年近く前に手に入れたんだ。」
「1年近く前!?もしかして“あの事件”について捜査してる最中にか!?」
「ああ、2回目に“この世界”に来た後だったな。」
「それって此処で手に入れたクマか?」
「いや、“この世界”で手に入れた物じゃない・・・。」
「それじゃあ、開かねぇんじゃないスか?」
此処(・・)で手に入れたものでないなら、確かに開くとは思えないだろう。
だが・・・。
「いえ、同じ色の『扉』と『鍵』・・・。これはもしかしたら・・・。」
「うん、まるでペアになってるみたいだね・・・。」
「でも、“この世界”をまだ知らない時に貰った鍵だよ?」
「確かにそうだけど・・・。ん~、取り敢えず、試してみようよ。」
「他に方法も思いつかないしな・・・。よし!やってみようぜ!」
「ああ。」
>取り敢えず皆の意見がまとまり、悠はその鍵を試してみる事にした。
だが・・・。
悠は何故か『扉』の前で動かない・・・。
「・・・・・。」
「悠?おい、如何したんだ?早く試してみろって。」
「センセイ?」
>・・・・・・。
彼は1つ重要な事に気付いてしまったのだ・・・。
それは・・・。
「・・・・何処に、・・・差し込んだらいいんだ、鍵?」
「ハァッ!?」
そう、肝心の鍵穴が『扉』の何処にもなかったのだ!
「お、おいおい・・・。」
「セ、センセイ・・・。実は・・・結構天然さんだったクマか?」
「鳴上先輩・・・。」
「正解かと思ったのですが・・・。」
「でも、そんな所がまたいいです!悠先輩♡!」
「り、りせちゃん相変わらずだね・・・。」
「ア、アハハ・・・。」
>光明が差し込んだかと思いきや一気に振り出しに戻ってしまった・・・。
「・・・皆、・・・すまない。」
何かを予感していた悠もすっかり意気消沈してしまい、『扉』に手をついて溜息をついた。
「ハァ・・・。」
しかし、その時!
「・・・・ッ!?、おわっ!?」
もたれかかった瞬間、今まで何をしても開かなかった『扉』が奥に向かってあっさり開いたのだ!
「な・・・!」
「あ、開いた!?」
「さ、さっすが、センセイクマ!」
「何だ、正解だったんじゃないスか!!」
「如何やら、持っているだけで良かったみたいですね。」
結果として開いた『扉』に戸惑いながらも、皆どこか嬉しそうだ。
しかし・・・。
「ね、ねぇ。『扉』の向こう見て!」
「え?どうかしたの?・・・ッ!?」
「な、何?これ・・・・?」
真っ先に中を見た、りせが皆に『扉』の向こう側を見るよう促す。
そこには・・・。
「・・・?・・・!?」
「こ、これは・・・・。」
「な、何じゃこりゃーーーー!?」
「ど、どう言うこった?」
「な、何もない・・・?」
そう、何もなかったのだ(・・・・・・・・)。
『扉』の向こうには、ただ真っ白な空間だけが広がっていたのだ。
てっきり何かあるのかと思っていたのだが、拍子抜けだ。
それが分かるや否や、皆は再び意気消沈していた。
「ここまできて、これかよ!取り越し苦労じゃねえか!」
>陽介が皆を代表するかのように愚痴をこぼす・・・。
「・・・・・。本当にこれだけなのか・・・?」
「そうですね・・・。」
何か腑に落ちない悠と直斗の2人は、まだ何かあるのではないかと考えを巡らせる。
すると!
「・・・。・・・・ッ!?」
「?・・・なッ!?み、皆さん待ってください!」
「「「「「「!?」」」」」」
2人が何かに気付き、他の皆にも緊張が走る。
「ひ、光が強くなってきてる!?」
『扉』が放っていた青白い光がどんどん大きくなってきたのだ!
『扉』の一番近くにいた悠、そして陽介、クマ、直斗、直斗を庇う様にその前に出てきた完二、突然の事態に反応できなかった、りせ、千枝、雪子のいる一帯をあっという間に覆ってしまった。
「うぅ!?」
「く、クソ何だこりゃ!?」
「く、クマァァァァ!?」
「うおっ!?」
「うわぁ!?」
「な、何!?」
「あぁ!!」
「キャァ!!」
>余りの眩しさに目を開けていられない!
それからほんの数秒後、光が収まり始めた。
次第にその光は完全に消えた・・・。
だが・・・・。
光が収まったそこには謎の『扉』も・・・。「特別捜査隊」の面々の姿もなかった・・・。