Persona4 The StrikerS in MID-CHILDA (現在、凍結中…) 作:Neo-PSI
>・・・・・。
>何だか体が少しだるい・・・。気を失っていたようだ・・・。
(う、ん・・・。)
意識を取り戻し、身体を起こそうと手を着く悠。
あの光の眩しさは感じない。
悠(治まったのか?一体あれは何だったんだ・・・?)
謎の『扉』から一番近くにいた悠は現状を把握しようと立ち上がり、周りを見渡すが・・・。
(・・・・・ん!?此処は!?)
周りを見渡して見ると、そこは今まで自分がいた場所ではなかった。
この突然の出来事に悠は驚いたが、恐怖はなかった。
何故ならそこは稲羽市に住んでいた際に、何度か来た事のある場所、
全体的に青色で統一された“リムジン”の中であった。
「ようこそ。我が『ベルベットルーム』へ・・・。」
「!?」
そのリムジンの一番奥に1人の老人が腰かけていた。
だが、そこにいるのは本当に老“人”だろうか・・・。
何せその老人はまるでピノキオのように長く尖った鼻に尖った耳を持っていたからだ。悠を見つめるその目は若干血走っており、威圧感のある目だが、悠にとっては安心できる目であった。
「フッ・・・、久しぶりだな、“イゴール”。」
「お久しぶりにございます。再び貴方様を此処にお招きする事になるとは、思いもよりませんでしたな・・・。」
「俺も・・・、また此処に来るとは思わなかったよ。」
この老人の名は「イゴール」。夢と現実・意識と無意識の狭間にある空間『ベルベットルーム』の管理者である。悠とは彼が力に目覚めてから、何度か会っており、時折悠に助言や道標を示してきた人物だ。
その彼の横にもう1人女性が控えている。異形を体現したイゴールとは対極とも言える美しい女性だ。その存在に気付いた悠は彼女に目線をずらし、話し掛ける。
「マーガレット。貴女も変わりない様だな・・・。」
「貴方もお変わりない様で・・・。またお会いする事ができ、大変嬉しく思います。」
悠に対し柔らかな微笑みを浮かべる彼女の名は「マーガレット」。『ベルベットルーム』を管理するイゴールの助手であり、『力を司る者』である。
「俺もまた会えて嬉しいよ。さて・・・、それはさておき・・・。」
簡単な挨拶を済ませ、悠はイゴールに向き直り、さっそく本題に入ろうとする。
「イゴール、さっそく聞きたい事がある。あの『扉』を生みだしたのは・・・、お前なのか?」
あの『扉』が光り出し、気付けば此処にいる・・・。
そう考えるのは至極当然である。
「ええ、その通りで御座います。」
「やはりか・・・。道理で『ベルベットルーム』への扉に似ているわけだ。」
>これまでの謎が少しずつ明かされていく・・・。
「しかし・・・、此処に呼んだという事は、また何らか危機が起こるというのか?」
「フフフ、流石ですな・・・。左様、貴方様のお考えの通りで御座います。」
「だが、一体何があると言うんだ?“あの世界”はもう平和になったのはずだ。」
そう、それこそが最大の謎だ。マヨナカテレビと霧をめぐる事件の元凶は悠達の手で既に倒されているのだ。だから、もうこの世界に災いは起きないはずなのだ。
「確かに“あの世界”(・・・・)は平穏なものとなりました・・・。ですが・・・、マーガレット。」
「はい。」
悠の中に残る謎に対し、イゴールとマーガレットが少しずつ語り始める。
「“次元”・・・というものについて御存じですか?」
「“次元”?」
質問に質問を返され悠は戸惑う。これが普通の相手ならこの行いに腹を立てる者もいる事だろう。だが悠の寛容さは『オカン級』にまで高まっている。それに彼らが急に無意味な事を言うとは悠は思っておらず、その質問の意図を考え始める。
(如何いう意味だ?2人は何が言いたいんだ?)
「この“次元”という言葉には様々なものに対し使えます。」
(??)
「その者の力量があまりにも強大過ぎる際に“次元が違う”と言いますな。」
「ああ。」
「ですが、その“次元”を量るには異なる存在が“隣”に“複数”いて、はじめて成立するのです。」
「・・・。」
イゴール達の真意を理解するために、悠はその講義とも言える話を食い入るように聞いている。
「では、4次元という言葉の意味については御存じですかな?」
説明が一区切りついたのか、今度はイゴールが質問してくる。
悠もそれに応じて再び答えを考える・・・。
>少々難しい言葉だが、知識は既に『生き字引』と言えるほど高まっている!
「確か、『幅』・『奥行き』・『高さ』そして『時間』という4つの要素、次元で構成されるものでこの宇宙、この世界を形作っている概念だろう?」
「はい、その通りで御座います。」
>イゴールは満足そうに笑っている。
>回答はどうやら正解だったようだ!
そして遂にイゴール達は悠の質問に対する答え、その核心を話し始めた。
「この4次元というのも、“次元”という言葉の例外に漏れる事無く、異なる存在が『隣』に在ってはじめて成立するのを貴方は既に御存じの筈ですね?」
「“あの世界”の事か?確かに異なる世界があるのは知っているが・・・。それが如何したんだ?」
イゴールが提示してきたパズルのピースが徐々に1つになっていく・・・。
「その“異なる世界”も“1つ”ではないのですよ。」
「ッ!?まさか・・・今回呼ばれたのは・・・。」
悠の背中から汗が流れ落ちる・・・。
如何やら既に大まかな答え、イゴールが悠を此処に呼んだ目的を理解したようだ。
そしてイゴールは答え合わせをするかの様にその一言を口にした。
「お分かりになられた様ですな・・・。そう、今回御呼び立てした理由はそれです。」
「“異なる世界”に・・・何か異変が起こっている・・・。」
「左様・・・。」
他にも存在していた“異なる世界”の存在に流石の悠も動揺している。
だが、答えに辿り着いた悠の中に更なる謎が生まれた。
「だが、どういうことだ?その“異なる世界”に一体何があるんだ?」
「それが重要なのです。悪い事に危機が迫っている“その世界”は非常に技術面で優れているのです。」
>そう答えるマーガレットの表情は何処か苦悶に歪んでいるように見える。
「・・・その技術に・・・何か問題があるのか?」
「はい、実はその技術とは“次元を超え、異世界へ渡る”というものなのです。勿論、異世界についても認知されています。」
「ッ!?そんな技術が確立されているのか!?」
まさか“異世界が認知されている世界”があるとは思わず、悠は驚愕している。
「ですが幸いな事に、その世界で次元を超える技術は厳重に管理されています・・・。」
イゴールのその言葉に悠は少し安堵する。
しかし、それと共に悠はある考えに至った・・・。
「だが・・・。もしその世界が崩壊し、混乱に見舞われれば・・・。」
「はい、“その他の異世界”そして“貴方様の生きる世界”が崩壊の危機に陥る可能性があるのです・・・。それを回避するために貴方様と、そして御仲間の皆様の力を貸していただきたいのです・・・。どうか・・・。」
「・・・・・。」
ホンの数ヶ月前に危機を回避したと思った矢先に、それ以上に規模の大きな『自分達のいる世界を含めた複数の世界の崩壊の危機』に悠は呆然とする。
しかし流石は一度世界を救った男、既にその表情は力強いものへと変わっていた。
「そうか・・・。だったら、今すぐにでも“その世界”に行かないとな!!」
「ッ!?・・・・・フフ♪」
「フ、・・・フフフ。貴方様ならそう仰って下さるのではないかと思っていました。」
>イゴールとマーガレットの表情がどこか明るくなった。
「所で、どうやってそこに行けばいいんだ?」
「御心配召されるな。それにつきましては私がお送りいたします。」
「そんな事、可能なのか!?」
「お忘れですかな?私には夢と現実を繋ぐ力が御座います。」
「フッ・・・そうだったな。」
「ですが、その世界の異変の影響で、“こちらの世界”に帰るには少々時間がかかります。そこをお忘れ泣き様に・・・」
「・・・ああ、分かった。それじゃあ、早速頼む!!」
「ああ、少々お待ちを・・・。マーガレット、“あれ”を。」
「はい。」
早速“その世界”に向かおうとする悠をイゴールが制した。
そしてイゴールからの指示を受けたマーガレットが悠の傍に近づき“ある物”を手渡した。
「これを御持ち下さい。」
>悠はマーガレットから『謎の赤い結晶』を手に入れた!
「・・・?これは・・・?」
「それは “これから向かわれます世界”で貴方に新たな出会いを生むでしょう・・・。」
「新たな・・・出会い・・・か。」
その言葉に悠はホンの刹那、この先の未来に想いを馳せる・・・。
だが、この時悠はある事に気付いた。
「そう言えば、陽介達は?皆も一緒に“その世界”に来るのか?」
「ええ、勿論ですとも。ですが、一度に全員をお送りする事は残念ながらできません・・・。申し訳ありませんが・・・。」
「十分だ。そうか・・・。皆も来るのか、それは心強いな。」
>一抹の不安も取り敢えず解消された。決意も固まった。
「よし、それじゃあ頼む。」
「幸運を祈っております。」
「ああ、ありがとうマーガレット。」
「では・・・・・。」
悠が瞼を閉じると、暗闇の筈の景色が白くフェードアウトしていく・・・。
「再び見えます時まで・・・ごきげんよう。」