Persona4 The StrikerS in MID-CHILDA (現在、凍結中…) 作:Neo-PSI
>・・・・・・・。
白くフェードアウトしていた景色が徐々に暗闇に戻ってきた。
それを感知すると悠はゆっくりと目を開けた。
「着いた・・・みたいだな・・・。」
悠は辺りを見渡す・・・。
視界がかなり暗い。如何やら今は夜の様だ。陽介達の姿は無い・・・。
(まだ、俺1人か・・・。)
悠の周りは青々とした木々に覆われており、目線を上げると少し先にはビルのような建物も見える。
「ここが“その”異世界か・・・。」
“技術が進歩している”と聞いたわりに見る限り以外と普通だな、と悠は異世界に飛ばされていながらかなり冷静だった。それもこれもあの1年間を乗り越えた事が大きな要因だ。
状況の確認と共に、ポケットに入れておいた『ベルベットルーム』にて渡された、あの『謎の赤い結晶』があるかも確認した。
(よし・・・、ちゃんとあるな。)
“今後必要になる”と言われた、その『謎の赤い結晶』を悠は改めて眺め、暫し物思いにふけっていた。
(新しい出会いを生むものか・・・・・。これはこの世界にとって何か特別な物なのか?)
すると、その時!
〈ドゴォォォォォォォン!!!〉
(!?)
先ほど視界に入ったビルの近くで大きな爆発音がしたのだ。
(今のは一体何だ!?)
一気に緊張感を纏った悠はどの様に行動するかを考える。
(兎に角、この世界についての情報を少しでも得ないと・・・。少なくともあそこには何かがあるんだろう・・・。)
爆発というのは何か危険な匂いがぷんぷんするが、現状それ以外に手っ取り早く情報を得る手段は無い・・・。
(・・・よし!行ってみるか!)
>意を決して、その場所へ向かって駆け出した。
>・・・・・。
>爆破音がしたビル近辺・・・。
(まずは、此処から様子を見よう・・・。)
その現場に到着した悠は近くの茂みから、その現場を覗いた。
辺りは爆発で土煙が未だに舞っており、炎も所々で上がっている。
(一体此処で何があったんだ?・・・・・・ん!?)
何か得られる情報は無いかと見渡していたその時、2つの影が土煙の向こうで動いた。
1つは人間のもの。体格からして男性の様だ。
だがもう1つはどう見ても人のものではなかった。
その影は円錐状だったからだ。大きさは普通の人間サイズくらいだ。
だが一体何起こっているのだろうか、土煙が邪魔で良く見えない。
すると、土煙の中にいた人影がそこから突然出てきた。
「ハァ、ハァハァハァ・・・・。」
出て来た男は制服らしきもの身に纏い、その手には機械仕掛けの槍のようなものを持っており、出てきた土煙に向かってその槍を構えている。
しかし、その男の体はかなり傷付いており、肩で息をしている。
(何かと戦っているのか?)
悠がその男の恰好で、ある程度の情報を得たその時、もう1つの影も土煙の中から姿を現せた。
〈キュイイイイイイイン!!〉
(何ッ!?ロボット?)
出てきたのは円錐状のロボットだ。しかも宙に浮いており、男へと一直線に向かっていく。
「く、クソォォォォ!!」
男はその手に持つ機械仕掛けの槍を現れたロボットに突きつけるとその先端から光弾を発射した。
(な、何だ今のは!?)
だが、ロボットはそれをあっさり横に回避し、レーザーで男に対して反撃した。
〈ピュンッ!!!〉
「うわぁぁぁぁ!?」
相当体力を消耗していたのか、男は防御する事も出来ず、諸にその攻撃を受けてしまった。
「う、うう。う・・・・・・。」
ロボットのレーザーによる攻撃に、男はそのままうつ伏せに倒れてしまった。
(如何やらあのロボットとは敵対関係にあるようだな・・・。それにしてもロボットやレーザーか・・・。成程、確かに技術面で優れているようだ。)
〈キュイイイイ・・・〉
一部始終を見て悠が少しずつ、“この世界について”を理解し始める中、ロボットは駆動音を鳴らしつつ、地に倒れ伏した男の体をさぐっている。
(・・・何かを探している、のか?)
そして10秒ほどするとロボットは探るのをやめ、その場を立ち去ろうとした。
だが!
〈キュイイイイイ・・・・ン・・・〉
(?・・・・・止まった?)
そう、移動すると思った矢先に、ロボットが突然動きを止めたのだ。
移動を止めたロボットはその場で只、独楽のようにゆっくり回り続けている。
〈キュルキュルキュル・・・・〉
(何をしている?・・・・・・ッ!?ま、まさか!?)
悠はロボットのその行動にある予兆を感じた。
何か良くない事が起こる予兆が・・・。
その悪い予感から逃れるべく、悠はその場から移動しようとするが・・・。
〈キュイイイイイン!!〉
ロボットが悠の居る茂みに移動してきたのだ!
「く!!矢張り、周りをサーチしていたのか!!」
>『辺りを捜索している』という悪い予感がズバリ的中してしまった!
何とかロボットを撒こうと全速力でその場を離れ、森の中に逃げ込むがロボットは以前後ろを追ってくる。
何とか事態を好転できないかと、走りながら悠は考えるが、すると次第に木々が無い開けた場所に出た。
>そして、事態は更に悪化して行く!
何と前方に自分を追ってくるものと同じ形のロボットが3体現れたのだ!
「く!仲間を呼んだか!」
周りを取り囲まれ、もう逃げ場がない。完全に万事休すだ。
〈キュイイイイイ・・・・・!〉
〈キュウウウウウ・・・!〉
〈キュ、キュキュキュキュ・・・・!〉
〈ウゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・!〉
駆動音を上げながら4体のロボットはジリジリと近づいてくる。
(クソ!何もできずに、ここで終わるのか!?)
絶望的な状態に心が折れそうになる悠・・・。
(“あの力”が使えれば・・・、・・!?そう言えば・・・。)
悠は咄嗟にイゴールのある言葉を思い出した。
≪「~。それを回避するために貴方様と、そして御仲間の皆様の力(・)を貸していただきたいのです・・・。~。」≫
(まさか・・・、使えるのか!?・・・ええい!兎に角やってみるしかない!!)
この場を好転させるために、生きるために、悠はその力に望みを賭ける!
(頼む!!俺はこんな所で死ぬわけにはいかないんだ!!)
悠は右の掌を目の前に、そして上に掲げた。
すると!
悠の足元に青白い光を放つ仮面のようなものが描かれた魔方陣と、不思議な絵が描かれたカードが掌の上に現われた!
(!!・・・よし!)
生死を左右する賭けに勝った事で悠の表情に光が戻った。
そして、遂に悠はその言葉を口に出した。あの事件によって目覚め、長らく口にしていなかった、あの言葉を!!
「『ペルソナ!!』」