転生先はオリジナルだった!?   作:浅墓

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忘田護の名前がでたが一度もでてなかったので護を中心にしてます。
ホームレスも登場。
お気に入り追加ありがとうございます。


番外編 若き店主ととあるホームレス

 

 

僕は冬戸大学一年生、忘田護(わすれだまもる)です。

 

今日も帰ってきて父さんの家の月の宿屋の手伝いをします。

今日は父さんが出掛けてるけど僕が営業してます。

 

 

「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしてます。」

そろそろ日が沈んで夕日が綺麗だ。

 

「おやっさーん!」

勢いよく開かれた入り口の扉から入ってきたお客さんはよく知ってる子だった。

「ん?ああ佐田くんか。父さんなら今日は出掛けてるよ。」

 

この子は佐田夕斗くん、冬戸高校一年生で昔からこのお店の常連さんだ。

「おやっさんまた店開けたまま行ったのか?あの人どんだけ材料にガチなんだ···。」

僕の父である忘田 鉄(わすれだ てつ)は現地にいって仕入れをしている。

それでいまはいなくて僕が店を経営しているわけだ。

 

 

佐田くんがため息をつくともう一人入店する。

「あれ!今日は護お兄さんがいる!」

「いらっしゃい、アリスちゃん。」

この子は最近近くに越してきたアリス·バードニング。小さいのに日本語がペラペラなのにビックリしたなぁ。

 

 

「子供扱いしないでよー!私は高校生なんですけどー!」

「ゴメン、ゴメン。少しサービスするからさ。」

「やったー!」

やっぱり子供っぽいアリスちゃんだった。

 

 

「おいおい。なんで入って止まってるんだよ?早く座ろうぜ···って護さん!?」

「いらっしゃい、今日は僕がやってるよ。父さんは出掛けてるよ。」

この子は佐田くんと同じく昔からの常連さんでよく勉強しにここに来てくれた。

 

「じゃあ、材料取りに行ってんのか。でも紅茶が美味しく飲めるぜ!護さん俺は紅茶のストレートで!」

「かしこまりました。君たち以外は誰もいないからカウンターにどうぞ。」

カウンターに行こうとしたところでもう一人、入店してくる。

 

「ごめんなさい。もう一人良いかしら?」

この子は···見たことがないなあ。初めての子かな。

「いらっしゃいませ。夕斗くんたちと同じカウンターでよろしいですか?」

「ええ。良いわよ。」

「遅かったな篠原。やっぱり着替えて来るとお前が最後になっちまったか。」

「そうでしょうとも。ここから一番遠いのは私でしょ。」

竜也くんと篠原さんと言う子は話していると

「ああ、そういえば護さんは初めて会いましたよね?あいつは篠原香織。同じ一年です。多分ここに来るのも初めてだと思いますよ。」

「そうなのかい?じゃあ少しサービスしようかな。」

 

 

 

 

 

 

 

「相変わらず、ここは喫茶店ということを疑うくらいメニューだよな。」

「これ作ってるのがほとんどが護さんなんだからな。今日はどれ頼もうか···。」

「任せなさい!今日はおごってあげるわ!···竜也が。」

「おい!?いつの間にか俺のおごりにすんな!?」

「すいません、この店で一番高いのでお願いします。」

スッと迷いなく挙げる篠原さん。

「護さん、俺もそうしてくれ。」

バッと続けて挙げる夕斗くん。

 

「おいいいい!?篠原と夕斗やめろおおおお!ここの高いやつは千円越えるぞ!?」

「フフッ。冗談よ。」

篠原さんはいつもクールだけど笑うとそのギャップでときめいてしまいそうだ。

「俺は冗談じゃないがな。」

そのあとキリッと聞こえてきそうなどや顔を決める夕斗くんは通常運転だ。

「今のどこにドヤッとするところあった?あと顔やめろすげえうざい。」

抗議をする竜也くんだが夕斗くんは続ける。

「追加で高いドリンクよろしくお願いします。」

「夕斗、表でようか?」

 

 

 

 

ここでおくで仕込んでいたケーキにクッキーと淹れた紅茶の用意ができる。

「相変わらず仲が良いね。はい、紅茶が四つとクッキーセットが四つとショートケーキが二つです。」

「?。すいません、ケーキは頼んでないのですが?」

「香織、これは護のサービスよ!護のケーキってすごく美味しいのよ!」

「紅茶とクッキーだけでも十分だけどな~。」

そう言う竜也くんはもう紅茶を一口飲んでおり、和んでいた。

「そうか?俺はケーキもほしいが。」

「じゃあ夕斗に分けてあげるね!」

そう言ってアリスちゃんが自分のケーキを夕斗くんに分けてあげていた。

「おいしっ!?また腕あげましたね!」

「俺も食いたくなるだろうがああああああああ!」

そう言う横では

「――――と間接キス。」

 

 

 

アリスちゃんがなにか呟いたけど上手く聞き取れなかった。

 

 

 

 

 

 

聞き取れなかったがそんな重要なことじゃないだろう。

「竜也君には私のを分けてあげるわよ?」

「あざすっっっ!!」

それほど嬉しいのだろうか?

まあ、なにより自分の作ったもので誰かが喜んでくれるのはこちらにとっても嬉しいことだ。

自分のフォークを持った竜也くんがケーキを一口食べる。

「ふぉおおおおおおおおおおおお!?うめええええええ!」

「ああ、俺ももう少しで叫ぶところだったんだぜ?」

「君たちオーバーすぎだよ。」

アリスちゃんと篠原さんが食べるのは同時だった。

「!?。家のケーキより美味しくなってる!?」

驚きをあげるアリスちゃん。

家のケーキよりおいしいって···?

まあ、深くは考えないでおこう。

 

 

「ケーキなんてあまり食べなかったけどこれほど美味しいとは···!?」

みんなの感想で僕も嬉しくなる。

「美味しくできてて良かったよ。紅茶も冷めないうちに飲んだほうがおいしいよ。」

 

 

 

「紅茶も美味しくなってるし。護さん、いつ練習してるんだよ?」

竜也くんの唐突の質問により静かに食べていたみんなが頷いた。

「そうね、才能があってもさすがに料理とは経験がないとおいしく作れないんじゃないかしら。」

たしかにそうだね。

やっぱり篠原さんは勘がいいなあ。

「家のケーキよりおいしいなんてお店開けるよ!」

「アリスちゃん。もう開いてるよ?」

 

 

アリスちゃんの発言につまづきながらも話は進む。

 

 

 

「で、護さん。いつ練習してるんですか?」

ここで夕斗くんが話を戻してくる。

「う~ん。練習はしてるけど···。」

「練習して作ったらどうするんですか?」

「うん。久々に竜也くんが賢いと思ったよ。」

少し冗談を言ってみる。

 

「ちょっ!?なんですかそれ!?俺はいつも賢―――」

カランカラーン

入店を知らせるベルがなるとともにそこには

「やあ、約束の時間まで三十分くらいはやいけど来ちゃったよ。」

「あ、天野田さん!?」

入店したのは茶色の薄いロングコートにボサボサな髪が目立つ天野田夜切だった。

「夕斗くんは夜切さんと知り合いかい?」

「ええ、近くの公園に来たときがあって。」

夜切はカウンターに座ることなく隅っこの座席に座った。

 

「そうかい。それで話を戻すとね、作っても満足できるものができない、つまりは失敗しちゃうんだ。」

「失敗したのどうするんですか?捨てるとか···?」

竜也くんがいつになく真剣に聞いてくる。

「失敗しても形が崩れるとか味が少し違ったりするだけで捨てるなんて勿体ないよ。」

「じゃあ、護が食べちゃうのね!」

「おしいね。」

 

「捨てるわけでもなく、食べるわけでもない。どう言うことかしら?」

「うん。それはね···おーい夜切さん。今日の分頼めますか?」

奥からチャーハンを持ってくる。

 

「三十分早いけどいいのか?」

静かにこちらを眺めていた夜切さんが聞き返してくる。

「良いですよ。みんな食べてて夜切さん一人食べないなんて仲間外れしたくないですし。」

「有難い。今日は草むしりして疲れてお腹がすいてたんだ。」

 

どうやら今日も地域に貢献していたみたいだ。

スプーンを渡すとムシャムシャ食べ始めた。

「もしかして···。天野田さんに食べてもらう···ってことですか?」

呆気にとられていた皆だったが夕斗くんが聞いてきてくる。

「そうだよ。お客さんに失敗したのはだせないけど夜切さんは違うからね。」

 

「食べるだけなら俺が立候補しますよ護さん!」

元気よく手をあげる竜也くんだけど

「ゴメンね、夜切さんには食べてもらうだけじゃないんだ。」

「な···なんだって···!?。」

 

そう言って力なく手が下ろす。

と、チャーハンを食べていた夜切さんの手が止まる。

「うん、いいできだよ。でもこのチャーハンを食べて二つ、直したらもっと美味しくなるね。まず火の強が強すぎるよもう少し弱めて炒めたほうがいいよ。あともうひとつは炒め方かな。あとで教えるから火の強弱を気を付けて。以上だよ。」

 

一通り説明し終えた夜切さんはすごい勢いで食べ始めた。

 

「と、このように夜切さんは料理に詳しいんだ。本人は作れないけど、どこがいけないのか指摘をくれるんだ。」

 

「天野田さんって食レポできる人···?」

夕斗くんの疑問は僕だって思ったことだ。

「うん。僕もそう思うよ。指摘を直すと絶対に美味しくなるし、的確に指摘出来てるのは間違いないよ。」

これは言えないけど今まで夜切さんを料理で驚かせたことはない。

紅茶やコーヒーとかはいけたのに····。

自分には料理の才能はないのだろか?

 

「そこまで···!?」

驚きの声をあげたのは竜也くんだった。

「で、いったいどうしたらそんなことができるのかしらね。天野田さん?」

篠原さんの質問にたいして、天野田さんは少し考えたような顔になったがすぐに元の顔に戻る。

 

「····うん。少しの間、料理人の元で暮らしてたときがあってね。その時食べさせてくれた料理を基準に言ってるだけだよ。···あのときの俺は掃除ばかりしてたなあ。」

思い出すように紡がれたその言葉はどこか悲しみを感じた。

いった本人もどこか遠くを見ているようだった。

「へえ、天野田さんいろんな経験しているんですね。」

天野田さんの様子に気づいたのは僕だけのようだ。

「ホントですよね。夜切さんはいろんなことを知ってますね。」

「いやいや、そんなことはないよ!」

手をふり否定する夜切さんだった。

 

 

 

 

「夕斗くん···。」

「あ、···そうですね。そろそろ時間ですね。」

「もうこんな時間か···。」

 

竜也くんが腕時計を見て驚いていると続いてアリスちゃんと篠原さんの驚きの声があがる。

「じゃあ俺たちはこれで····。」

「護さん。ありがとうございました!」

勢いよく頭を下げた竜也くんが頭をぶつけている。

「大丈夫かい···?」

「あ~。大丈夫です····。体が丈夫なのが俺の取り柄ですからね!」

 

意外と大丈夫そうだ。

「も~。竜也は周りをみなさいよねー。じゃあまたね、護!」

「またよろしくお願いします。」

そう言って皆が出口に立つ。

「またのご来店をお待ちしてます!」

「待たねー!」

本当に終始アリスちゃんはずっと元気だった。

 

 

「さて···。夜切さん!よろしくお願いします!」

絶対にこの人に料理で驚かせてみせるっ!

 

 

 

僕の努力はどこまでも続く。

 

 

 

 




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