欲しがりの鬼   作:靉靆 

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 筆が乗った。

 妹ちゃん死亡IF√の続き




番外編:閑話 続

 

 

 

 五条悟の封印。

 

 既に故人となったメカ丸・与幸吉が生前に結んだ限定的な“縛り”により齎されたその情報は、渋谷に集う術師たちに荒波の如き情動を呼び起こした。

 

 呪詛師たちは歓喜し、呪い貪る悪鬼の業に酔いしれる。

 術師たちは非現実的な事態に一瞬の疑念を抱き、やがて各々がこの状況下に於ける最善の行動を起こさんと動き出した。

 

 呪いの坩堝。

 かの都市には今、混沌が巻き起こっている。

 

 

 渋谷駅構内

 

 

「貴様、他の凡夫どもとは違うな」

 

 炎の術式を展開し、一分の隙も見せぬ警戒した様相で特級呪霊・漏瑚が目の前の“異能”を相手に立ちはだかる。

 

「──退け」

 

 片や憤慨を抑えながら言葉を発する術師は、呪術界に於いて四人しかいない埒外の一人。特級術師、乙骨憂太。

 

 後輩である虎杖悠仁から聞かされた恩師の封印という異常事態に、彼は紛れもない怒りの激情を胸に抱き膨大な呪力を燃え盛る烈火の如く漲らせていた。

 

火礫蟲!」

 

 人間と呪霊。相対する種族が向かい合いピリつく闘争の空気にて、先手を打ったのは大地の呪霊。

 

 一見するとただの石の礫であった手元のそれに呪力を込め、並の術師であれば初見で討ち取られるであろう蟲を模した火力の塊を放った。

 

 ──五条先生の言っていた特級呪霊。確かこの攻撃は……音と爆発の二段構え。

 

 渋谷に踏み込むよりも以前に五条悟から聞かされた敵の情報を冷静に整理し、乙骨は日本刀の呪具を抜刀し迎撃の態勢を取る。

 

 超高速で突撃する業火を纏った蟲の大群。

 しかし彼にとって、そんなものは止まって見える程に鈍い。

 

 都合五閃。 

 最小の動きと膨大な呪力を纏わせ振るわれた刀は、火礫蟲の群れをあっさりと斬り伏せた。

 

 ──この呪霊に遭遇したのが僕で良かった。多分、甚爾さん以外だと荷が重い。

 

「やはり、この程度では仕留めきれぬか」

 

 己の攻撃の手札を容易く捩じ伏せた乙骨の動きに、漏瑚は納得したように言葉を溢す。

 渋谷に集う特級呪霊の中で唯一五条悟と直接相対した経験を持つ漏瑚は、乙骨憂太という異能の出鱈目さを肌で感じ取っていた。

 

 ──一刻も早く五条先生を解放する為にも……出し惜しみはなしだ。

 

 ──儂が優先すべきはあくまで宿儺の復活。ならば此処は、全霊を以て押し切るのみ。

 

 合致する両者の戦闘思考。

 短期決戦による速やかな勝負の決着を掲げ──掌印を結ぶ。

 

 大黒天印と茶吉尼天印より、呪力が迸る。

 

 

「おいで、リカ──領域展開

「──領域展開『蓋棺鉄囲山(がいかんてっちせん)』」

 

 

 大地の呪霊、漏瑚。

 現代の異能、乙骨憂太。

 

 人智を超克した二人の怪物が、此処に戦いの火花を散らした。

 

 

 

 █

 

 

 

 ──()()()()()()

 

 依頼の内容を聞いてまず初めに吐いたのは、自尊心を捨てた俺らしい一言。

 星漿体暗殺。腐れ縁の紹介を通して盤星教から依頼されたその仕事自体に問題はなかった。

 

 唯一の懸念は、護衛の存在。

 六眼と無下限呪術の抱き合わせにして“覚醒”を遂げた化け物、五条悟。

 

 ある日を境に、ただでさえ鈍い呪詛師どもの活動が完全に止まった。

 原因は言わずもがな。五条悟と言う抑止力の覚醒。

 

 より洗練された呪力操作。

 常に展開され続ける無下限呪術。

 座標と空間の圧縮による瞬間移動。

 その他人外魔境な異能の数々。

 

 そんな化け物相手に木端どもが慄くもの無理はねえ。

 だからその話を聞いた瞬間から俺の答えは決まっていた。

 

 こんな依頼真っ平御免だ。あんな化け物相手じゃ割に──

 

「良いぜ。星漿体は俺が殺す──五条悟もだ」

 

 だが口を衝いて出たのは、損得勘定を投げ捨てた無謀。

 

 相手は紛れもなく現代最強の術師。

 覚醒を果たした無下限呪術の使い手を相手に弾き出せる勝率は零に等しい。

 

 それでも、否定したくなった。捩じ伏せたくなった。

 俺を否定した禪院家、御三家……呪術界の頂点を。

 

 

 

「──自尊心(それ)は捨てたろ」

 

 自分を肯定するために、いつもの自分を曲げた。

 身を疾った違和感。確定した俺自身の敗北。

 実力差や相手の強さ云々以前に、俺はその時点で負けていた。

 

 指の一本すら動かねえ程に疲労し尽くした肉体は、それでも拭えぬ違和感に苛まれる。

 

 

「じゃあさ、呪術師になりなよ」

 

 蒼い瞳が倒れ臥した俺を見定める。

 傲慢の極致とまで噂されていた五条のクソガキは、そんな話が与太だったんじゃねえかと思うほどに真剣な表情で敗者(おれ)に冗談みたいな提案をしてきた。

 

「あんた禪院家の人間だろ? 呪力ゼロなんて関係ねえよ。一級にでもなりゃ家の奴ら見返せんだろ」

「はっ、ご親切にどうも……巫山戯んなよ、()()()()テメエらからの情けなんざ──」

 

 苦し紛れに吐こうとした皮肉が、詰まる。

 

 ──ああ、そうか。

 

『恵は元気か?』

『……誰?』

 

 俺が、名付けたんだっけな。

 

 自分も他人も尊ばない。そんな生き方を選んだはずだった俺の心の隙間に入り込む、一雫の感傷。

 

 鬼籍に入った最愛(アイツ)のことを、今でも偶に思い起こす。

 記憶の隅に追い遣った息子()も、今なら鮮明に思い出せる。

 

「そう、だな……」

 

 捨てた筈の自尊心。

 捨てた筈の因縁(しがらみ)

 捨てた筈の自分。

 

 拾い直すには遅すぎたか、それともまだ間に合うのか。

 

「ひとつ、条件がある」

 

 溢れたのは、心だった。

 

 

 

 それからの日々は……まぁ、()()()()()()

 

『津美紀のこと、一応礼は言っとく──ありがとう』

 

 俺に対して礼を言う恵の不貞腐れた態度に、どうしてか脳裏を過る最愛(アイツ)の面影を重ねるのも。

 

『ぜってーぶちのめす! 首洗って待ってろ筋肉ゴリラ!』

 

 俺と同じように呪いに愛されず、あのクソみてえな家で排斥されていたガキに気紛れで稽古をつけてやった時も。

 

『甚爾くーん♡ ちょーっと茶ぁでも飲みに行かへん?』

 

 禪院家の寵児と持て囃されたあのクソガキがベタベタと馴れ馴れしく接してくるのも悪くは……いや、アイツは普通にうぜえな。

 

 時を経るごとに感じる。心から愛した女に出逢った時のような、俺の中にある黒い“なにか”が掻き消される感覚。

 

 まるで牙を抜かれた獅子。爪を削られた虎。嘴をへし折られた猛禽類。

 

 自分の中にある強さと狡猾さが削られていくそんな日々が、しかし俺にいっときの安息(やすらぎ)をくれた。

 

 そう、悪くない日常()()()

 

 

『ナナミーン! 五条先生がぁ! 封印されたんだけど!!』

 

 宿儺の器のバカでけえ声が、渋谷中に轟く。

 寝耳に水とも言える、呪いに携わる人間なら情報を処理しきれず一瞬思考が止まってしまうほどに非現実的な報せ。

 

 最強(アイツ)が単独で出陣する時点で、今回の騒動は消化試合に終わるはずだった。

 かつての俺を圧倒した怪物が敗北を喫するなんて、とてもじゃねえが想像もできねえ。

 

 だが想定とはまるで違ったあのクソガキの封印と言う顛末。

 呪術界に於けるその事態の重大性を認識した瞬間、俺がこの12年間術師として生きてきた“意味”を理解した。

 

 生まれてこの方、女に金を返したことのねえ俺だが特大サービスだ。

 

 ──“借り”は返すぜ、五条悟。

 

 

 █

 

 

 

「──くく。長生きしてみるもんだなぁ、まさかお前と轡を並べる日が来るとは思わなんだ」

「そうかよジジイ。こっちもテメエらと組まされるとは思わなかったぜ」

「いやー! 甚爾君と一緒なんてツいとるわぁ……一人余計なもんも混じっとるけどな」

「はっ。余計で悪かったな、直哉。背中には気をつけろよ」

 

 

・禪院班

 伏黒甚爾(特別一級術師)

 禪院直毘人(特別一級術師)

 禪院直哉(特別一級術師)

 禪院真希(四級術師:一級術師昇級査定中)

 

 

 御三家のひとつ。禪院の血を継ぎし四名の術師が渋谷駅の構内を探索する。

 目的は無論、一刻も早い呪霊災害の終息と封印された五条悟の解放。

 この騒動を呼び水とした呪術界、ひいては一般社会への影響が甚大なものであることは彼らにとっても想像に難くなかった。

 

「……てかマジなのか? あのバカ目隠しが封印されたってのは」

 

 真希が、抑えられぬ疑念を思わず吐露した。

 人間として尊敬できるとは言い難い担任ではあるが、それでも現代最強の術師である五条悟が敵に不覚をとったという事実が彼女には信じられなかった。

 

「あの五条悟がこれほどの時を掛けて事態を収束できておらぬのが何よりの証明だろう。先ほどの宿儺の器の報せ通り、封印されたとみるのが妥当だな」

 

 この場で最も経験を積んだ術師とも言える老骨。

 呪術師最速(五条悟を除く)の男、禪院直毘人が酒に酔い頬を紅潮させながらも冷静に状況を分析する。

 

「俺としてはこのまま五条家の衰退を肴に一杯やりたいところだがな。お前もどうだ、甚爾?」

「やらねえよ。俺が酒嫌いなの知ってんだろ」

「あんま言わんといてやってや甚爾くん。恵くんも誘って一緒にご飯でも食べに行こうや」

 

 ──甚爾の奴はともかく、コイツらは本当に大丈夫なのかよ……。

 

 修羅場の渦中であるというのにあまりにも弛んだ直哉と直毘人の様子に、真希は懐疑心と共に眉を顰めた。

 

「──おい。()()()()()

 

 五条悟が封印された地下5階へと馳ける最中、甚爾の呼び止めに足が止まる。

 

「っ。これは……!」

 

 真希が、目の前の異常極まりない光景に固唾を呑んだ。

 

 足場を埋め尽くすほどに広がる白骨死体。

 時を経た風化というより、まるで骨以外の全てを消化されたかのようなその遺骨の群れに戦いの前兆を感じ取る。

 

「──よくも」

 

 其処に居たのは、一体の呪霊。

 宙に浮き上がり筋骨隆々の蛸を思わせる風貌をした超常の怪物──海への畏れより生まれし呪霊、陀艮が言葉の端に“怒り”を滲ませた。

 

よくも花御を殺したな

 

 同じく自然への畏れ、森への畏怖より生まれし呪霊である花御の死を嘆き、怒り、人間への憎悪を燻らせ、仲間を殺された恨みを晴らさでおくべきかと陀艮は受胎としての殻を破り、此処に顕現する。

 

「へぇ、“よくも殺したな”か。呪霊がほざくじゃねえか」

「……呪霊ではない」

 

 暴君が、身体に巻き付く呪霊の内より呪具を取り出す。

 万物を斬り裂きし特級呪具。無生物の魂すら観測する天与の暴君である己だからこそその真価を発揮できる魔剣──釈魂刀。

 

「──合わせろ。ジジイ、直哉」

「ふんっ。誰に言っておる」

「はいはーい。任せてや甚爾くん!」

「……!」

 

 最速が、馳ける。

 この場で唯一経験も少なく術師としても未成熟である真希では順応もできぬ程の初速で、三人の特別一級術師は敵の命脈を絶たんと始動した。

 

「私の名は陀艮」

 

 海の呪霊が、荒波を引き起こす。

 球状の水の塊が破裂し、海の恵みによる物量の暴力が駅構内を浸水させる勢いで激流として流れ出した。

 

 されどその荒波を退けるのは、術師という層に於いても上澄みと言える禪院の怪物たち。

 呪力零の天与呪縛により引き上げられた身体能力は水の上を容易く駆け抜け、最速の術式を持つ現当主とその息子は加速を重ね同じく水上走行の現象を引き起こした。

 

「漏瑚、花御。そして真人。我々には名前が──ッ!」

「知るかよ、()()

 

 怒りを迸らせる陀艮の右腕を、魔剣が斬り落とす。

 

「チッ。やっぱ鈍ったな……」

 

 ──この男、何者だ!? 呪力が感じ取れん……!

 

 呪い渦巻くこの渋谷の事変に於いて異端としか呼ぶことのできない伏黒甚爾の存在に、陀艮は驚天し落とされた右腕に一瞬思考を割かれる──その瞬間を、最速は見逃さない。

 

「征くぞ、直哉。画角を合わせろ」

「分かっとるよ。甚爾君の前や、俺もカッコいいとこ見せななぁ」

「がっ……!?」

 

 追撃。追撃。間を置かず更に追撃。

 投射呪法──己の視界を画角に、術式対象の動きを一秒間に於ける24の動きを予め定め、それを後追い(トレース)する禪院家相伝の術式。

 

 過度に物理法則や軌道を無視した動きを作れず、失敗すれば1秒もの(フリーズ)があるものの。両者の天性のコマ割り感覚により打ち出される肉体の強度が許す限りの加速速度はあまりにも強大。

 まさしく最速の称号を冠するに相応しい術式と言える。

 

 ──速い。此奴ら……恐らく漏瑚よりもっ!?

 

 陀艮は決して弱い呪霊ではない。

 多くの人間を喰らい、更には花御の死による怒りで受胎からの戴天を成し遂げたばかりと言えども、海の呪霊に相応しい果てしない生命力。豊富な呪力に多彩な術式。並の術師であれば相対した瞬間に死が確定する程の怪物である。

 

 ──ありえん! 領域どころか、術式を展開する隙も……!

 

 だが潤沢な呪力も、多大な手数の術式も、必殺の領域も──繰り出す(いとま)が無ければ、意味がない。

 

 ──不味い。不味いッ! 一度退いて態勢を立て直せねばっ!

 

 現状の己の絶対的な不利を悟り、跳躍と共に空中で術式を展開する隙を作らんとする、その刹那。

 

「滞空できるんだもんな──俺でも上に逃げる」

「やっぱ呪霊はおつむが足らんなぁ。詰みやで、キミ」

「な、ァ……ッ!?」

 

 空中にて待ち受ける、禪院の寵児と宿老。

 投射呪法による加速をフルで展開し続け、24の動きを更にトレースし亜音速一歩手前の神速にて逃げる陀艮を蹴落とした。

 

「よお、久しぶり」

 

 そしてその落下地点にて、鬼人が待ち受ける。

 構えた刃の煌めきが、呪霊に最後の光を魅せた。

 

「ぁ、花御──」

 

 逃れ得ぬ死の魔剣が、最後に呪霊(とも)の名を呼ぶ海の化身の頸を断ち切った。

 

 結果は、瞬殺。

 特級呪霊・陀艮は、その本領を殆ど発揮することなく消失した。

 

「あはっ。流石甚爾くんや……!」

 

 キラキラと童子の如く瞳を煌びかせ、直哉が憧れを溢す。

 

 あの日、幼い自分に本当の“強さ”を教えた怪物は今も尚怪物のまま。

 鬼神の如き膂力。投射呪法の加速すら捉える敏捷と反射。更には闘争にて異彩を放つ狡猾さ──剥き出しの肉体、その躍動に脳を焼かれた。

 

 ──クソっ! 私だけ、なにもできなかった……っ。

 

 そしてその強さに胸中を掻き乱される者もまた、此処に一人。

 

 呪霊との戦いに貢献できなかった己の不甲斐なさを恥じながら、禪院真希は己のような“半端者”とは違う正真正銘の天与呪縛の恩恵を眼にしながら自分の無力さに臍を噛む。

 

 禪院家の呪いを継ぎ、それを捨てきれぬ者。

 暴君の卵、未だ覚醒を果たせず。

 

 

「此処んところ、ガキのお守りばっかだったからな」

 

 釈魂刀を振るい、刃にこびり付いた血潮を払う。

 

 呪いの因果を超克せし強靭なる五体。

 狡猾な戦闘技法の数々。

 魂をも斬り伏せる魔剣と、それを見定める眼。

 

「──少し、勘が戻ったか」

 

 天与の暴君が、渋谷の地にて再誕した。

 

 

 

 

 █

 

 

 

 

 場所は移ろい、人智を超克した怪物同士の戦いにも決着の時が訪れていた。

 

 

「──ごふっ」

 

 血を、吐く。

 赫赫とした人間のそれとは違う、紫の色彩をした人外の血を吐きながら漏瑚は膝をついた。

 

 ──危な、かった……!

 

 対する特級、乙骨憂太も満身創痍。

 反転術式を後回しに攻勢を仕掛けた彼の身体のあちこちは火傷痕が痛々しく刻まれ、流れる血すら蒸発するほどの熱気の中でなんとか大地を踏み締め立っていた。

 

 現代の異能と大地の呪霊──その勝敗は、乙骨憂太の辛勝

 

 しかしそれも紙一重の勝利。

 薄氷の如き闘争の渦中にて両者ともに最善の一手を打ち続け、どちらか勝っても可笑しくはない激闘を乙骨は制したのだ。

 

『ゆうたぁ。憂太ァ……!』

「大丈夫だよ。ありがとう、リカ」

 

 特級過呪怨霊折本里香──かつて、乙骨憂太からの愛と言う呪いによりその在り方を歪められた少女が遺した愛情の残滓。リカが最愛の人を慮りながら呪力を供給し、乙骨憂太は反転術式を以て傷の治癒を行う。

 

 ──この呪霊を此処で祓えて本当に良かった。リカの制限も後少し、これなら五条先生も助け出せる……。

 

「儂、は……!」

 

 傷の治癒を行い再起を図る乙骨とは対照的に、漏瑚は崩れゆく肉体を自覚しながら心底無念だと言わんばかりに咽ぶ。

 

 ──儂は、死ぬのか。

 

 迫り来る死期に、独白が増える。

 

 ──あぁ、人間などに依らずとも我々は廻る。百年後の荒野に立つのは、儂でなくとも……っ!

 

 確定する己の消失。廻る呪い。

 この敗北という名の屈辱を無理矢理にでも納得し呑み込もうとする漏瑚の脳裏を疾る、違和感。

 

 百年後の荒野、廻る呪い。

 其処に立つ呪霊は己でなくとも良い──否、違う。

 

 ──()()()

 

 最強、五条悟との死闘により花御が死んだ。

 あれ程までに荒れ狂っていた陀艮の呪力の消失を感知し、その末路を悟った。

 強欲の咎人を名乗る童女の甘言に乗ったツケを払わされながらも、身に迸るマグマの如き“怒り”をぐっと堪え彼は自覚した。

 

 人の負の感情より生まれし呪霊、真なる人。新たなる人間。

 その矜持と崇高な目的意識の狭間にて生まれた、紛れもない憎悪と宿痾を。

 

「儂は、まだ……まだ死ねんッ!」

「なっ!? それは──!」

 

 懐に隠し持った宿儺の指。それを思い起こした瞬間、漏瑚は己の死に抗わんと朽ちた肉体を無理矢理にでも動かす。

 

 己が此処で死ねば仲間の死に存在したはずの意味は失せ、無価値と化す。花御の献身も、陀艮の憤怒も、真人の悦楽も全てが無意味無価値と成り果ててしまう。そんな末路を、許容できるはずがない。

 

 ならば──己こそが百年後の荒野を制する志で、今は死に物狂いで生き延びよう。

 

 呪力も枯れ、もはや散りゆくのみである漏瑚を尻目に反転術式で負傷の回復を優先した乙骨に生まれたわずかな隙。

 

 否、隙と呼ぶのも烏滸がましい程に刹那の油断を突き──漏瑚は、宿()()()()()()()()

 

「──かふっ」

 

 紫紺色の吐血が、溢れた。

 4()()──それが漏瑚の呑んだ指の数であり、一度の摂取で()()()()()と判断した限界量。

 虎杖悠仁のような受肉体とは違い、呪霊が宿儺の指を取り込むことに人間と同じような即死の危険や受肉の恐れはないが、それでもやはり激物、両面宿儺の指。

 

 千年もその原型を保ち呪いを振り撒く王者の屍蝋が呪霊であろうともその肉体になんの悪影響を及ぼさないわけもなく、膨大な呪力の奔流により呪力そのもので構築されているはずの漏瑚の肉体は更なる崩壊の一途を辿る。

 

「合わせろ、リカ!」

 

 相手は死に体、されども乙骨憂太は追撃の手を繰り出す。

 寧ろ今この時にこそこの呪霊を祓わねば、もっと恐ろしい()()()が起こるという確信を胸に。

 

 呪力を纏った刃と鋭敏な爪が漏瑚の首を刎ねる、その時。

 

「──っ!」

『ゆ、うたァ゛!』

 

 生じた現象は、漏瑚の肉体を起点とした大爆発。

 炎が最後の煌めきを魅せるが如く燃え盛り、乙骨憂太とリカの両者を吹き飛ばした。

 

 ──間に合った……のか?

 

 受け身の体勢をとり負傷を最小限に留め、乙骨は呪具越しの自分の手に残った感触を思い起こしながら、確信を抱ききれぬままに爆発を起こした眼前の呪霊に視線を残した。

 

 辺りを舞う砂塵。噴火を思わせる灰燼。

 視界不良となった状況下にて、乙骨は警戒を緩めず呪力を漲らせる。

 

 やがて、視界が晴れる。

 

 其処にいたのは、()()呪霊(にんげん)

 

 崩れかけていた筈の肉体は既に再構築を果たし、大地への畏怖と千年続く呪いの王者の呪力を纏い新たなる人の形を得た怪物が降誕する。

 

「花御」

 

 呪いは廻る。

 森への畏れから生まれし、慈しき呪霊(とも)の名を呼んだ。

 

「陀艮」

 

 呪いは廻る。

 海への畏れから生まれし、幼い呪霊(とも)の名を呼んだ。

 

「真人」

 

 呪いは廻る。

 今も闘争の愉悦に酔いしれる、人が人を畏れる胎から生まれし呪霊(とも)の名を呼んだ。

 

「征こう、百年後の荒野を制するために」

 

 呪いは、廻る。

 大地への畏れから生まれし呪霊が、黎明を灯す。

 

 

「──『█』『(フーガ)』」

 

 

 指先を伝わる火産霊(ほむすび)が空気を枯らした。

 渇き、乾き、燃やし、焦がす。

 始まりの炎、世界に刻まれた原初。開闢の灯火。

 

「構えろ、小僧。さもなくば死ぬぞ」

「──リカァ!」

 

 虫の知らせとでも呼ぶべき警鐘が絶えず鳴り続け、本能に従うが如く乙骨は出力できるだけの呪力を全て防御に回し、リカと共に受け身の体勢を取る。

 

 灼熱の業火が、爆発的な威力を伴い放出された。

 

 その呪力出力の火炎砲は渋谷駅の建物を直線上に消し飛ばしながら、乙骨とリカの二人を遥か彼方へと吹き飛ばすほどの火力であった。

 

 ──不味い。空中じゃ身動きが……!

 

「折角の外だ。広く使うとしよう」

「……ッ!」

 

 目にも止まらぬ神速で、火炎に弾き飛ばされた乙骨よりも速く漏瑚は待ち伏せ──拳を繰り出す。

 

 まるで隕石の落下かと見紛うほどの衝撃。

 呪力を纏ったのみであるはずの拳骨は乙骨の肉体を穿ち、骨を砕き内臓を潰した。

 

『──憂太ッ!』

 

 愛する人の窮地。折本里香の意志を託された彼女がそんな事態に狼狽を見せながらも殴られた衝撃により地面に幾度と弾む乙骨の身体を抱き抱え漏瑚から更に距離を取る。

 

『あ、ァ。憂太ァ! 憂太゛ァ!』

「……っ、だい、じょうぶ。大丈夫だよ、ありがとうリカ」

 

 ──宿儺の指を使ったポテンシャル強化……なんて成長幅ッ!? 膂力も敏捷(アジリティ)も、呪力出力もさっきと段違いだ……!

 

 全呪力を防御に回しなんとか致命傷を避けた乙骨。まさに九死に一生。先ほどの死闘が児戯であったのではないかと思うほどに格段に上昇した漏瑚の能力値に垂れる冷や汗を自覚し、乙骨憂太は叛逆の一手を模索する。

 

「ほう。これでも死なぬか。中々に頑丈(かた)いな、貴様」

 

 ──リカの顕現時間も残り少ない……もう、()()をやるしかない!

 

 乙骨憂太は、()()に出た。

 

領域展開

「……血迷ったか」

 

 しかしその覚悟を、漏瑚は嘲笑う。

 それもその筈、先ほどの宿儺の指による強化を経る前の段階ですら領域勝負は全くの互角であったのだ。

 

 こうして新たな(呪い)の形として新生を果たした漏瑚にとって、領域による押し合いなど己の勝利が火を見るより明らかな消化試合でしかないのだ。

 

「所詮は紛い物、か。今度こそ焼き殺すと──!?」

 

 必中必殺の秘奥に対抗しようと自身も掌印を結んだその時、違和感に気づく。

 呪力を迸らせ領域を展開しようとする乙骨の掌印が、先程と違うことに。

 

 ()()()()()()が、結ばれる。

 

「──『坐殺博徒』

 

 領域の必中効果により、座殺博徒の“ルール”が漏瑚に提示される。

 

 

CR 私鉄純愛列車 1/239ver.

 

 

「儂の脳にゴミのような情報を流すなァ!」

 

 提示されたところで何の役にも立たない情報の嵐に漏瑚は吼えた。

 

「リーチ」

 

 そしてその隙をついた、術式(領域)による予告演出。

 緑の扉が攻撃として繰り出され、私鉄純愛列車の主人公が改札へ向けて疾駆する期待度の低い一幕が流れ出した。

 

 ──“必殺”の効果を省き領域同士の押し合いを優位に進めるか……此方も迂闊に領域を展開できぬな。

 

 “反転術式のアウトプット”という呪霊にとって天敵とも言える力を扱う乙骨を相手に、領域で押し負け術式の焼き切れた隙を突かれることが最も濃厚な敗色。

 故に、漏瑚は領域という必中必殺の手札を間接的に封じられることとなる。しかし。

 

「阿呆か、貴様──“大当たり”の刻など、儂が待つ筈もなかろう!」

「ぐ、ぅ……ッ!」

 

 外れ。主人公は改札に阻まれ演出が消える。

 それと同時に乙骨を襲う膨大な火力の嵐。

 次の演出を待つまでもなく、乙骨は既に満身創痍であった。

 

『や、め、ろォォ゛!』

「退け、半端者」

「リカッ!」

 

 赤の扉。期待度は先程以上といえどもまだ薄いうっかり特快リーチが流れ出す。

 予告演出の開幕と同時に小規模の火山噴火が『リカ』に直撃。完全顕現時であっても持て余す威力と時間制限の5分経過により、消失。

 

 外れ。主人公の大学時代の同期は目的地まで辿り着けず演出もまた消えた。

 

「……膨大な呪力の全てを防御と反転術式に回し耐える算段か。ならば、それを上回る火力で捩じ伏せるのみ」

 

 次の予告演出──()()()が開く。

 期待度80%。乙骨憂太が待ち望んだたった一つの勝機。残り数分弱を死ぬ気で耐える覚悟を強固にし、乙骨は残った呪力を振り絞り守りを固めた。 

 

 ──不味い。リカから供給された呪力も、もう底をつく……ッ!

 ──これ以上は時間をかけん! この演出(ラウンド)で焼き殺す!

 

 迫る時、迫る好機。

 繰り出されるのは、必殺の一撃。

 

「獄ノ番『隕』

「──なっ」

 

 天より、巨石が堕ちた。

 獄ノ番。領域展開を除いた術式における奥義、まさしく必殺を冠するに相応しい一撃。

 もはや神の御業かと疑うほどの超常の現象──隕石の転墜が、一人の人間に振るわれた

 

「──が、ぁ゛ァ゛ッ゛」

 ──耐えろ。耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ、耐えろォ!

 

 出し惜しみを捨て、リカが消失の間際に供給した呪力の全てを振り絞り隕石を受け止めようと両腕を天に掲げる。まさしく無謀無茶。

 

 腕が捥げかけ、肉と血が蒸発し、骨が砕け燃える。

 全身を焼き焦がす程の熱気が五体を焦がす。

 もはや呪力の全てを使い尽くす勢いで放出した出力も限界を迎え、乙骨憂太を支えるのは気合いや根性と言った意志の力のみ。

 

 耐えろ。耐えろ。耐えろ。

 腕が砕け燃えた。

 脚が砕け潰れた。

 熱気を吸い肺が焼け、臓器が燃える。

 

 全生命力、全呪力を懸けた乙骨憂太の全霊により──隕石の勢いが止まる。

 巨石の重量をただ一人で支えるその無謀。もはや力を振り絞りきったはずの乙骨は、それでも潰されまいと力を緩めない。

 

『2番線から、電車が発車致します』

 

 リーチ演出が、終焉を迎える。

 華金終電リーチ──その演出は、メインヒロインである朝霧(あさぎり)(ゆめ)が終電に乗らず、主人公の向かい側のホームに姿を見せれば大当たり確定の激アツリーチ。

 

 終電電車が過ぎゆく、乙骨憂太の運命が決まる。

 

「──くだらぬな」

 

 しかし主人公が視線を移した向かい側のホーム──其処には、誰も居なかった。

 

『█』『(フーガ)

「が……っ!」

 

 焔の(やじり)が、乙骨憂太の心臓を貫いた。

 

「……ぁ」

「眠れ、紛い物」

 

 胸にぽっかりと空いた風穴。

 紛れもない致命傷、もはや逆転の目は潰えた。

 肉は焦げ、心臓が消失し、巨石を支える肉体から力が抜ける感覚と共に乙骨憂太の命の灯火は掻き消える──その、瞬間。

 

「なん、だと?」

 

 唖然とする漏瑚。終わらぬ演出。

 階段を駆け上がる足音が、聞こえた。

 

『終電……行っちゃった』

 

 特殊演出──主人公の目の前に、ヒロインが現れる。

 

 二百三十九分の一。勝機は限りなく低く、遥かに遠い。

 されど奇跡と勝機を、乙骨は己の骨肉を削りながら手繰り寄せた。

 

 

「──音楽(ミュージック)、スタート」

「っ!?」

 

〜BGM:私鉄純愛列車主題歌『あちらをタてれば』〜

 

 隕石が、砕けた。

 吹き荒れる砂塵。辺りを燻る火炎の残滓──その渦中にて力強く大地を踏み締める、現代の異能。

 

「やっぱり凄いな秤さんは……こんなの連続で当てられる気がしないよ」

 

 乙骨憂太が模倣(コピー)した豪運の博徒、秤金次の領域(術式)『座殺博徒』──その術式効果による“大当たり”の恩恵は、4分11秒間に渡る()()の呪力供給。

 

()()()()()。おいで、リカ」

『ゆ゛う゛た゛ぁァぁァ゛!!』

 

 その規格外の呪力供給(バグ)は、乙骨憂太に再び想い人とのひと時を恵んだ。

 

 折本里香が成仏する際に遺した外付けの術式と呪力の備蓄。更には恋心すらも投影した彼女の分身──4分11秒の完全顕現延長。

 

「──火礫蟲!」

 

 想定外の覚醒。されど漏瑚は即座に攻撃の手札を切り猛攻を仕掛ける。

 火礫蟲。先ほどの十数の群れとは訳が違う、百を超える大群の襲来。

 一匹一匹が特級下位相当の呪力出力を有する数の暴力が、乙骨憂太を灰すら残さぬと怪音を立てながら羽音を響かせ突撃した。

 

「リカ。()()をやるよ」

『う゛ん!』

 

 迎撃の準備をする乙骨。そしてその頬と舌に浮かび上がった、()()()()()の紋様。

 

爆 ぜ ろ

「!」

 

 百を超える灯蟲の群れが、爆ぜて失せる。

 

 紛れもない異能の異端なる覚醒に、漏瑚は瞠目した。

 無理もない、其れこそかつて呪いの女王と呼ばれていた特級過呪怨霊の被呪者としての乙骨憂太の権能である無制限の術式のコピー、その一端なのだから。

 

 呪いに触れたったの一年、そして僅か四ヶ月で特級に返り咲いた現代の異能の真価。

 

 乙骨を含めた四人の特級。

 無限の現実化、無限の軍勢、無限の質量。

 彼らの特性を鑑みて乙骨憂太を一言で表すとするのならば──無限の術式(手札)を持つ全能の術師。

 

 底なし(無限)の呪力と、変幻自在(模倣)の術式。

 その特異性により顕現・再現される呪いの女王。特級過呪怨霊折本里香の全容。即ち──

 

「──愛してるよ、里香(リカ)

(だぁい)好きだよ、憂太』

 

 全盛期の乙骨憂太が、此処に君臨する。

 

 

 

 █

 

 

 

 祓う。取り込む。

 祓う。取り込む。

 祓う。取り込む。

 

 ──誰のために?

 

 あの日から、自分に言い聞かせていた。

 理子ちゃんを星漿体の呪縛から解放したあの日、盤星教の信者たちが私に見せた非術師の醜い側面に感じた嫌悪感を誤魔化すように、ずっと。

 

『──猿め』

『……は?』

 

 押しつぶされそうな心を持ち堪えさせながらも呪霊を祓う内に溢れた、一言の弱音。

 偶然居合わせた悟に己の腹の裡を聞かれたことで、堰を切ったように本音が漏れた。

 

 五条悟(最強)と対等になれない自分の弱さへの不甲斐なさ。

 吐瀉物を掃除した雑巾を丸呑みしているかのような呪霊の味。

 盤星教の一件以来、非術師たちに感じる嫌悪感と忌避感。

 

『なんで、今まで言ってくれなかったんだよ!』

 

 友の拳骨が、私の頬を穿つ。

 呪力を纏っていなければ術式も併用していない、正真正銘素手による拳骨。

 過酷な術師としての人生に於いて、しかしその拳は私にとってなによりも痛かった。

 

『──親友だろ、俺たち』

 

 私を心からの対等の親友(とも)であると認める悟の言葉に、涙が溢れた。

 その一言で闇は晴れた。もはや迷いはない。

 私は自分が呪術師として生きる意味、意義。大義を親友のおかげで再び見つけることができた。

 

『──五条悟を封印したのハ、五条菫ダ』

 

 呪いは、廻る。

 メカ丸、与幸吉が生前に結んだ縛りによって齎された情報の中でも特に看過できぬ()()に、負の感情と共に呪力が溢れた。

 

 五条菫。

 五条家の令嬢にして元特別一級術師。そして──悟が十三年前に殺した実の妹。

 

『なあ、傑──どうして俺はあの時、楽な道を選んじまったんだろうな』

 

 思い起こすのは、最強と成った彼が唯一吐いた弱音。

 虎杖や乙骨たち生徒を導いて行く中で、もはや日課と呼べる程に通い詰めた墓前で溢した親友の後悔。

 

 若人の青春を取り上げる権利など、誰にもない。

 

 上層部の腐った蜜柑どもにいつぞやか吐いた言葉を呟きながら、悟はまた“後悔”を溢す。

 

 ──巫山戯るな。

 

 ()()()へと虹龍に跨り全速力で向かう。

 道中にて呪詛師を殺し、呪霊を祓い取り込み、改造人間を鎮魂する。

 紛れもない怒りに身を任せ私は──悟が封印された地下5階へとたどり着いた。

 

「おや、お早い到着ですね」

 

 其処に居たのは、一人の少女。

 

「初めまして、傑さん。兄がいつもお世話になってます」

 

 靡く白銀の髪。

 親友と似た、美しい顔立ち。

 まるで血のように赫い、双眸。

 

 嫌でも既視感を覚える親友と似通った容姿の邪悪が、馴れ馴れしく悟を兄と呼び私の名を呼んだ。

 

 ──虫酸が走る。

 

「私の前で悟の傷を騙るな。クズめ」

 

 怒りを溢した。

 殺意を溢した。

 呪詛を溢した。

 

 もはや言葉は不要だ──さぁ。存分に呪い合おうじゃないか、亡霊。

 

 

 

 





・伏黒甚爾
 戦闘IQ激ヤバの筋肉ゴリラ。
 自身の根底にある息子である恵への愛情を自覚して以来、嫁に出逢った時並みに丸くなったらしい。
 本人は牙を抜かれて弱くなったとか言ってるけど天与の暴君としての強さは健在、直哉くん大歓喜の怪物。

・乙骨憂太
 原作とは違いミゲルの黒縄も健在なため、海外に行かず日本で青春を満喫してる純愛マスター。
 交流戦では花御を退けて野球でリカちゃんと一緒に守備で大活躍したらしい。ただいまパチンコで大勝ちして呪力フィーバーの真っ最中。

 座札博徒使用に関しては他人の術式で領域は流石に出来ないだろうけど、デフォルトで領域が付与されてる術式ならイケるのでは……?という作者の完全独自解釈です。


・漏瑚
 百年後の荒野に立つ覚悟を決めた自然呪霊のやべー奴。
 原作で宿儺の語っていた『全てをかなぐり捨ててでも理想を掴み取ろうとする餓え』を芽生えさせ宿儺の指を取り込み覚醒。
 なんかいつも使ってる術式とは別に炎の矢が使えるようになったらしい。流石に本家より威力はナーフされている模様。

 人間を淘汰すべき紛い物と呼ぶ漏瑚と模倣の術式を持つ乙骨のバトルを書きたかった。


・夏油傑
 本√でもトップクラスの苦労人。
 10年以上隣で曇る五条悟を見続けていたため羂索の正体を知ったら怒髪衝天で殺しにかかる模様。
 
 ちなみに死滅回遊編になると

「悟に二度も妹を殺させない」
「羂索は私が殺す」
「私一人で400点獲る」

 と覚悟ガンギマリになります。



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