「お疲れ〜って誰もいないわね。どこに居るのかしら」
放課後になりスクールアイドル同好会の扉を開く、今回も学園内で迷子になってしまったが運良く辿り着くことができた。時計を見るが、そこまで遅刻はしていないし同好会のみんなも私が迷子になって遅刻常習犯だと言うことは理解している。だからって毎度遅刻するのはどうかと思うからできる限り彼方やエマ、愛に迎えに来てもらってくるようにしているのだけどいまだに遅刻してしまうことは日常的なのだ
「みんな練習に出ているのかしらね、私も早く着替えて向かわないと...これ、ノートかしら。しずくちゃんの名前が書いてあると言うことは彼女の物なのね」
A4のノートには綺麗な字で桜坂しずくの文字が書かれている、そしてタイトルを書く大きな欄には可愛らしい『ネタ帳』なんて文字が...時折、妄想の世界に耽っていルコとが多い彼女のことだし演劇部として何かしら題材でも考えているのだろう。友人でもあるあの部長に話していたりするのだろうか、、、
「ちょっとぐらい良いわよね?ごめん、しずくちゃん...」
辺りを見渡して誰もいない事を確認する、ゆっくりとノートを開いていき彼女の描いている物語をじっくり眺めていこう
「あら、これは冒険系かしら?せつなが勇者なのね...私はあ、アルケミスト?」
スマホで調べるとどうやらアルケミストというのは錬金術師というものだそうだ、あまりどういった職業かわからないが魔法使いとは少し違うようだ。
「他のメンバーも役職を考えているのね、彼方は料理人。それでしずくちゃんは旅芸人ね。あの子らしい」
みんなちゃんと特徴を捉えていると思う、特に彼方なんて料理も上手いし宮廷料理人なんてよく似合うと思う。話を読み進めていくと如何やらパーティーで動いて行くようだ。しずくちゃん、せつな、彼方とワタシの4人のメンバーで旅をするようだ。
なんだかスクールアイドルではなくて、こんなおとぎ話の世界で同好会のメンバーと一緒に冒険...ふふ、彼女の表現能力は本当に高いとしみじみ感じてしまう。
「冒険物なら敵とかが出てくるはずだけど...Ωオクトパス?どうやら敵のようね、タコの怪物かしら...なっ!?」
新しい敵の出現にどう立ち向かって行くのか、次のページをめくるとなんとそこに書かれていたのはアルケミストのワタシがタコに拘束されているのではないか。しかも、そのタコにわ、ワタシの胸とか股とかを弄られる内容。
「ちょっとどういうことよ!?さ、流石にこれは引っかかるんじゃないかしら...///」
気になってチラリと目で文章を追って読み進めていく、展開は徐々にエスカレートしていきタコによる快楽責めをされ続けているのだ。彼女の表現能力の高さに頭の中でその情景が思い浮かんでしまう。普段、後輩たちを揶揄うように大人びた事を言っているが経験だって無いしこう言ったことにはめっぽう弱い。そんな自分がいわば官能小説を読んでいるのだ、赤面した顔は赤くなりっぱなしで読み終えてもなお熱は引きそうにもない。
「もう、、、これからしずくちゃんとどう接すればいいのよ///」
そうして数週間の間、私は彼女と目を見て話すことができず二人の中で微妙な空気感が流れていたのだった