ハリーポッターとまどろみの逆行 作:ユフィ
ハリーは汽車の窓際に座り、こっそりウィーズリー一家の会話を聞いていた。
この日、バーノンに連れられたハリーは早めに駅に着いたものの、九と四分の三番線の入り口で一家が来るのを隠れて待ち、ウィーズリーおばさんにいかにもマグル育ちっぽく入り方を聞いた。
そして双子にさりげなく傷跡を見せてしまったため、一家は今ハリーの話で盛り上がっていた。
脳内シミュレーションを何度も繰り返して、以前と同じような行動をしたハリーの涙ぐましい努力もあってか、ロン、ハーマイオニー、ネビルとは以前と同じような出会い方ができた。
唯一変わったことは、マルフォイとの再会が以前ほど険悪でなかったことだ。
「やあドラコ!」
とあまりにハリーがフレンドリーに言ったせいもあってか、ロンもあまり強い事が言えなかったようだ。
それとロンへ嫌みを言おうとしたマルフォイの口にハリーが蛙チョコを押し付けたせいもあるかもしれない。
汽車を降りれば懐かしい声が聞こえた。
「イッチ年生! イッチ年生はこっち! おっお前さんはもしや、ハリーか? 俺はルビウス・ハグリット。本当にお父さんにそっくりだな」
「やあ、会えて嬉しいよ。ハグリット」
ハリーはニコニコしながら握手した。
ハグリットはそれ以上にニコニコしていた。
そこからも以前通りに大広間まで行けた。
組み分けの前に浮足立つ同級生たちを見て、こんな時代が自分にもあったなとほほ笑んでいたらロンに「君は余裕そうでうらやましいよ」と言われた。
そんなロンも組み分けが終わったら晴れ晴れとした表情になり、ハリーの組み分けを見守った。
ハリーの名を呼んだマクゴナガルが帽子を被せてきた。
「ふむ。難しいな。自分の計画を実行しようとする意志、冷静さがある。だが自分の力を試したいという野望があまりないな。子どもとは思えない落ち着きようだ。けど友を守ろうとする博愛精神と……おや。君は何か後悔していることでもあるのかい?」
「グリフィンドール、グリフィンドール、グリフィンドール」
「会話をする気がないのか。…………よろしい、グリフィンドール!」
次々と握手を求める花道を歩きながらハリーはロンの隣に腰かけた。
先生たちが座っている机の方を振り向けば、ダンブルドアは祝うようにゴブレットをかかげ、ハグリットはひときわ大きな拍手をし、スネイプはいつものように険しい顔をしていた。
前は気づかなかったが、マクゴナガルがニコニコしていて、ハリーも嬉しくなった。
こうしてハリーのホグワーツ生活は改めて始まったのだった。