仮面ライダー ハーメルンジェンレーションズ アクト×デイナ Almost Human   作:志村琴音

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第1話です。
まさかハージェネに自分が参加出来るとは思っていなかったので、ガチでびっくりしています。
感想や読了報告等くださると筆者の励みになります故、何卒宜しくお願いいたします。


CHAPTER.01

 人間と動物の関係は、太古の時代から切っても切れないものである。

 

 古代エジプトの初期の王朝が栄えた都市・ヒエラコンポリスにて、約3500年前に埋葬された猫や犬、狒々(ひひ)の骨が大量に見つかった。

 発掘された場所が墓の近くであったため、「ネクロポリス」と呼ばれる有力者の集団墳墓(死者の街とも呼ばれる)を守るために埋葬されたと考えられていたが、古代都市・テーベのあったルクソール*1で発掘された数を上回る程の骨が発掘されていたため、有識者たちの間で埋葬の目的に関して様々な議論がなされていた。

 

 そして2009年の夏。発掘の責任者であったレニー・フリードマン氏は、これらはヒエラコンポリスの統治者が見世物として飼っていた動物たちであり、発掘現場は言わば動物園の原型のようなものであったのだという。

 

 今でも金持ちが高い犬を連れているのは、その名残のようなものなのであろうか。

 

 いずれにしても、どの時代においても、動物は権力を示す象徴として絶対的であることに間違いは無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 平日の夜8時過ぎ。

 渋い演歌が流れる広い居酒屋には、仕事を終えたサラリーマンや大学生たちが食事をしながら話に花を咲かせていた。疲れや鬱憤を酒で飲み干して胃の中で消化をする。それが彼らの喜びであった。

 

 その奥にある個室の中では4人の若者がパイプ椅子に座り、食卓の前で初老の男が立っている。

 若者たちは中身の入ったジョッキやグラスを持ちながら男に視線を集中し、注目の的である男も同じようにジョッキを持っている。

 

「それでは、門守(かどもり)君、亜矢(あや)君、真矢(まや)君たちの結婚のお祝いと、アメリカでの健闘を祈るのを兼ねて、乾杯!」

「「「「かんぱーい!」」」」

 

 少し上の方へ手に持った物を挙げ、中身を飲み始める。

 彼らが同時に飲み込んでいるのは、鬱憤だとかそういう類のものではなく、単純明快な喜びであった。

 

「なんというか、ようやく結婚出来たな、君たち」

「とは言っても、もう4ヶ月くらい経ったんですね……」

「ああ」

 

 初老の男──白上(しらがみ)源五郎(げんごろう)とその教え子である瀬高(せだか)拓郎(たくろう)は、二人の男女を見つめながら感慨に耽っていた。

 

 視線の先にいる男の名は、門守(じん)

 ボサボサに切られた髪の毛にゆるゆるな赤色のTシャツを着た彼は、明星大学にて生物学を学ぶ傍ら、仮面ライダーという異形の戦士になって「傘木(かさぎ)社」という強大な敵と戦うという課外授業を(こな)し、この9月から米国のマサチューセッツ大学への留学が決まった秀才である。

 

 一方、女の方の名前は、門守亜矢。

 ボディーラインが目立たない白い半袖のワンピースを身に纏う彼女は仁の大学での同級生であり、同じように仮面ライダーとして戦いに励んでいた。そして戦いの終了後に仁と結婚。彼に付いて行くことが決まっている。

 

 今回彼らがこの居酒屋に集まったのは、二人を米国に送り出すための壮行会のためだ。

 向こうの大学が9月入学であったとしても、新生活の準備や行政手続きがあるため、8月初め頃には向こうに行くことになっている。

 全員が一同に集まることが出来るのは、これが最後やもしれない。

 

 本来であれば、同じく戦いに身を投じた権藤(ごんどう)宗吾(そうご)志村(しむら)希望(のぞみ)、そして戦いには関係無かったが亜矢の親友である篠崎(しのざき)美香(みか)もこの場にいる筈であったが、宗吾は傘木社の残党を追って海外に行っており、希望は同居しているリリィとレックスの面倒を見なければならない。また、参加予定だった美香は就職した会社の残業が想像以上に残ってしまっているため、已む無く欠席ということになってしまった。

 非常に残念なことであったが、今までの戦いの日々に比べれば充分に穏やかな理由であったがために、いるメンバーたちの中には何処となく嬉しさが立ち込めていた。

 

 今、二人は白上の教え子の一人である宮野(みやの)(みね)に絡まれながら酒の呑む手を進めている。

 

「もう行っちゃうんですねお二人……」

「うん。後1ヶ月くらいですね。寂しくなりますよ……」

「ですね。……次帰国される時には、もう1人増やして帰って来てくださいね」

「ちょっと! いきなり何言うんですか!」

 

 峰の言葉で亜矢はグラスを持つ手を止めて慌てふためく。

 愛する人と結ばれた彼女にとって、その言葉が一体どういう意味なのかは重々理解していたからだ。

 

 こういう時、峰に文句を言ったり亜矢の頭を撫でてフォローするのが、夫である仁の役目の一つである。

 なので何かしらの行動は起こそうとしたその時、

 

「じゃあ先輩も、まずは結婚ですね〜」

 

 突如として人が変わったような亜矢が峰を揶揄った。

 その発言に思わず呑んでいたビールのせいで咽せてしまう。

 

「い、今頑張ってるところですよ、()()()()

 

 変わったような、と言うより、実際に変わったのだ。

 今の亜矢の身体は、中に住んでいるもう一つの人格、真矢が使っている。

 彼女と亜矢は実の姉妹であり、実際に真矢本人の身体もあった。しかし4年前の交通事故によって真矢は死亡。亜矢に彼女の臓器が移植された影響で、生前の彼女の人格も同時に亜矢の身体へと移行されたのだ。

 

 真矢が悪戯な笑みを浮かべる真矢を見て、同じように微笑む仁。

 彼らの様子を眺める白上と拓郎の表情は非常ににこやかなものであった。

 

「ようやく、こうやってみんなで笑い合えるくらいには、平和になりましたね」

「そうだな。全てが解決したわけではないが……本当に良かった」

 

 それはこの場にいる全員が共通して思っていたことであった。

 本の数ヶ月前まで戦いに明け暮れていた彼らにとって、この時間はご褒美のようなものである。

 死と隣り合わせになることも無ければ、逆に大切な者を失う恐れも無い。

 どれだけ待ち望んでいたことだろう。

 ようやく手に入った幸せを、全員が容器の中に入った酒で流し込み、店内で細やかに流れる音楽が聞こえなくなるくらいに盛り上がった。

 

 

 

 

 

「楽しかったですね、仁くん」

「そうだね」

「うん。帰国したら、またこうやって皆で集まりたいわね」

 

 壮行会という体を成した宴会が終わり、仁と亜矢は住んでいるマンションへと足を進めていた。

 もう時刻は11時過ぎである。街灯だけが道を照らすだけの暗さになったとしても少しばかり暑さは残り、やっぱり私の言う通りワンピースは()めておいた方が良かったのよ、と真矢が心の中で小言を呟いた。

 

 そんな中で亜矢は、自身の右隣を歩く仁の顔が少し暗いことに気が付いた。まるで何かに思い悩んでいるようである。

 

「どうしたの? 仁くん」

「いや……もしも俺と亜矢さん、真矢さんの間に子どもが産まれたとして、その子たちが安心して過ごせる未来はやって来るのかなって……」

 

 仁と亜矢は、嘗て傘木社の社長である傘木雄成(ゆうせい)と白上が開発をした超万能細胞に適用した「新人類」という新たな種となったのだ。

 もし彼らの間に子どもが出来たとすれば、後付けで超万能細胞を吸収した彼らとは違い、産まれた時から超万能細胞で構成された正真正銘の新人類となる。

 傘木社の残党が未だ残っているこの状況では、子どもたちが狙われる可能性はゼロではない。

 その恐怖に、彼は一抹の恐怖を覚えていたのだ。

 

 立ち止まる亜矢。それに合わせて仁も足を止めた。

 

「……大丈夫ですよ。いつか何の不安も覚えなくて済む日がやって来ますから。──そう。それに、もし何かあった時のために、これがあるんでしょ?」

 

 真矢が仁に見せたのは、1本のカートリッジ。無論、彼女が変身の際に使っている強化対応型キャットベクターカートリッジである。

 それは大切な者たちを脅かそうとする者のために使う物。亜矢と真矢の目は真っ直ぐと仁を見つめている。二人の意志を汲み取り、仁は笑みを浮かべて亜矢の頭を優しく撫でた。

 

「そうだね。でもいつか、これを使わなくても良い時が来ると良いね……」

「仁くん……」

【仁君……】

 

 互いを見つめ合う仁と亜矢。

 これ以上言葉を交わす必要が無いと思い、徐々に顔を近付けていく。

 街灯の光はまるで二人を引き立たせるスポットライトだろうか。照らされる主役たちは、誰も観客がいない小さな独壇場で静かに次の展開へと駒を進める。

 そして、唇が触れ合いそうになった──

 

 

 

 その時であった。

 

「あのー、お取り込み中すみません」

 

 後方からの呼び掛けという予期せぬ乱入のために、二人は一旦距離を取ってそちらを見た。

 そこに立っていたのは、何処にでもいそうな顔の大きい中年の男である。やはり暑かったのであろう、スーツ姿なのだが左手にジャケットをかけていて今はワイシャツだけとなっている。

 

(なん)、ですか……?」

 

 邪魔されたがために少々不機嫌に伺う亜矢。

 

「実は、少々付いて来ていただきたい場所がありましてですね……」

 

 そう言って笑みを浮かべる男。

 一見何の偏屈も無い、ありふれた笑顔である。

 だが、数多の戦いを乗り越えて来た仁と亜矢には判っていた。

 

 ──コイツはヤバい……!

 ただの平凡な男ではない。底知れぬ何かを抱えた、恐ろしい男だ。

 もし付いて行ったら嫌な出来事が起こるのは間違い無い。

 

「『嫌だ』と言ったら?」

「……こうします」

 

 仁の質問に答えるために、男は突然ゆっくりと両腕を回し始めた。

 カンフー映画で戦闘を始める主人公のような振る舞いに、何が起こるのかと仁と亜矢は思わず身構える。

 

 すると男はガニ股に右手の人差し指を空に向けた。

 二人で一度観たことのある某アメリカ映画の主人公がやっていたポーズだ。

 

「ファイヤー!」

 

 ヘンテコなポーズに訳の分からない言葉。

 完全に意味不明な言動である。

 

 だが次の瞬間、突然仁と亜矢の意識が遠ざかっていく気がした。

 

「何だ、これ……」

【ねぇ亜矢、私、どんどん眠くなってきたんだけど……】

「私も……どう、して……」

 

 一気に眠気が襲い掛かって来る。

 徐々に体中から力が抜けていき、もう立っていることも出来なくなってしまい、その場に倒れ込んでしまった。

 

 ──すみませんね。貴方方お二人の力が必要なんです。

 その言葉が耳に入って来たところで、全員の意識は消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──いちゃん……。

 

 ──おい、お……ん。

 

 

 

「おい、お兄ちゃんたち、大丈夫か?」

 

 ゆっくりと目を開いて最初に見えたのは、先程まで暗かった空は一変して晴れやかなものに変わっている。

 そして最も良く見えるのは、仁と亜矢の顔を覗き込む3人の男の姿であった。

 ロン毛に小太り、眼鏡と特徴がバラバラな三人だが、唯一キャップとタンクトップだけが共通している。

 

「「【うわぁっ!】」」

 

 突然のことに、寝転んでいた石の長椅子から立ち上がって降りる仁と亜矢。

 

「だ、誰なのよ、貴方たち!?」

「誰って、パチンコで3万負けた中年だよ」

「俺は8万」

「俺は20万負けちまったよ」

 

 真矢の質問に訊いていないことまで答えて笑う三人。

 

「あの、ここ何処なんですか?」

 

 今度は仁が訊く。

 さっきまで近所の道を歩いていた筈なのに、今いるのはデパートの近くにある大きな広場であった。

 何かが大きな音で流れているが、スピーカーが古くなっていて一体何を訴えているのか判らない。

 

「は? ここはお台場に決まってるだろ!」

「そんなこと言ってる場合じゃねぇって! ほら!」

 

 小太りの男が仁と亜矢の後ろを指差して怯えた表情を見せる。

 指先が指し示す方向を見ると、そこには見たことの無い怪人たちの集団がいた。

 パウル・フュルストが描いたシュナーベル・フォン・ローム、所謂ペスト医師の姿を象っていて、黒いローブに鳥のような紫色の仮面を付けている。

 彼らは手に黒色のコンバットナイフを握って、群を成してゆっくりとこちら側へと向かって来ているのだ。

 

「とりあえず俺ら、築地の方で呑んでるから、もし良かったら来てな。じゃ!」

 

 それだけ言い残して中年男性三人宗はそそくさとその場を去って行った。

 一体何がどうなっているのだろうか。

 まるで理解が追い付かない。

 

「あれ、何のファッジですかね?」

「……さぁ。何だ、あれ?」

 

 仁たちが戦っていたファッジと呼ばれる怪人は、ベクターカートリッジの中に込められた生物の力を使い、見た目もそれにそぐうものになっている。

 仮面の形状から鳥のようであるが、羽根のようなものは一切確認出来ず、他の生物のファッジとも考えられない。

 だとしたらあれは何だ?

 

「……とにかく、アイツらを倒そう」

「【うん!】」

 

 二人は変身のために使う装置──デイナドライバーを取り出して腹部に装着する。

 そして目の前の標的たちに立ち向かうための準備を始めようとした──

 

 

 

 だがそれは、突然聞こえてきた車の走行音によって中断される。

 仁と亜矢の後方に現れた青色のトラックから、機関銃や盾を持った者たちが数列に並んで壁を作ると、謎の兵士たちに向けて発砲。対象から大量の火花が出た。

 

「S.C.B.T.!?」

「でも、誰もスコープになっていなくない?」

 

 真矢の言うS.C.B.T.とは、ファッジに対抗するために警察庁が設立した特殊部隊である。現在は傘木社の残党を撲滅するために、世界各地に活躍の場を広げている。

 

 けれども仁の指摘するように、S.C.B.T.では隊長と副官のみがスコープドライバーという変身のためのアイテムを使い、それ以外の隊員たちは簡易量産型の「ライトスコープ」を装着して戦う。

 これは従来の装備ではファッジの足元にも及ばないためだ。事実、スコープが導入されるまで多数の殉職者を出している。

 

 ではスコープドライバーやライトスコープではない別の装備があるのかと言われると、発射した銃弾が足止め程度にしか効いていないことがそうではないと表していた。

 

 するとそこへ、1台の黒いバンと3台のオートバイが駆けつけて、オートバイの運転手たちが機動隊員たちの前に出た。

 

「何? あの紫色のソルダート」

 

 ペールブラウンの半袖のブラウスを纏い、茶色い後ろ髪をヘアゴムで束ねた女性──椎名(しいな)(あおい)の目線は、右隣にいるアロハシャツに袖を通した実の兄──常田(ときた)八雲(やくも)に向けられる。

 

「何だ、あれ……?」

義兄(にい)さんがそう言うってことは、本当に何なんだ?」

 

 黒いTシャツに身を包んだ青年──椎名春樹(はるき)が碧や八雲と共に首を傾げた時、三人の片耳に付けられている黒いワイヤレスイヤホンに着信が入った。

 

 

 

「今分析してみたんですけど、通常のソルダートとは違いますね。今までソルダートは赤外線カメラだと透過しちゃうんですけど、あれは体温がバッチリ分かる……」

 

 遊撃車Ⅲ種という正式名称のバンの中では、ピンク色の髪をしたギャル──橘田(きった)(かおる)が、パソコンのモニターを確認しながら春樹たちに通達をする。

 

「言うなれば、幽霊が肉体を持ってしまった、って感じですね。倒した時の爆発だとかは未知数ですけど、多分雑魚でしょうから周囲への被害は無いかと」

 

 眼鏡を掛けたボサボサの頭をしている男──雨宮(あまみや)圭吾(けいご)がパソコンとタブレット端末を操作しながら報告をした。

 

 それを聞いたスーツの男──森田(もりた)光広(みつひろ)は指示を出す。

 

「現時刻より、対象たちを『ソルダートB』と呼称する。一刻も早く奴等を殲滅しろ」

『『『了解!』』』

 

 すると、

 

「……あれ?」

 

 半袖のワイシャツに袖を通した青年──反田(そりた)深月(みづき)はパソコンのモニターを注視していた。

 

「どうした?」

「避難は完了していると報告受けているんですけど、人がいますね……」

 

 彼のパソコンのモニターに映し出されているのは、ソルダートBの大群を見つめる仁と亜矢の姿であった。

 何も知らない彼らにとっては、逃げ遅れた民間人に過ぎない。

 

「すぐに彼らを保護してくれ」

「待ってください。ちょっと、何か変ですね……。様子を見ましょう」

 

 作戦立案担当の深月が森田を静止する。

 彼の指示には逆らえず、森田はそれ以上何も言わずに様子を見守ることにした。

 

 

 

「じゃあ、行くよ皆んな!」

 

 掛け声を出した碧は春樹と共にスマートフォン状の黒い端末──トランスフォンを右手に持ち、その裏側で左手のカードをかざした。

 八雲もカードを取り出して左の手首にある黒い腕輪にかざした。

 

『『ACT DRIVER』』

『NEX CHANGER』

 

 春樹と碧の腹部にプレートの付いた銀色のドライバーが現れ、八雲の腕輪はカードを挿れるためのスロットや丸いダイヤルが付いた、ネクスチェンジャーと呼ばれる形態に拡張される。

 

 三人は端末や腕輪のスロットへと裏返したカードを装填した。

 

『"ACT" LOADING』

『"REVE-ED" LOADING』

『"NEX-SPY" LOADING』

 

 春樹と碧は電源ボタンを押し、八雲はダイヤルを反時計回りに回してオレンジ色の面を正面に合わした。

 

『CHANGE』

 

 三人の上に鎧が現れ、八雲は鎧と共に枠の中へ閉じ込められる。

 

 一方、春樹たちの行動に気が付かない、さらには春樹たちに気が付かれていない仁と亜矢は、ベクターカートリッジを手に取った。

 

「行くよ、亜矢さん、真矢さん!」

「うん! 真矢も行くよ!」

【オッケー!】

 

 仁は赤色と白色のベクターカートリッジのコックを捻って押し込み、ドライバーのスロットへと挿し込む。

 亜矢は猫の形をした小型のロボット──ユナイトキャットを変形させたものにベクターカートリッジを装填。ドライバーへと挿し込んだ。

 

『BUFFALO + HUMAN Evolution』

『CAT Unite』

 

 全員がポーズを決めて、そしてある一つの言葉を叫んだ。

 どの世界にも共通しているのであろう、得体の知れない者たちに立ち向かうための言葉を──。

 

 

 

「「「「「変身!」」」」」

 

 春樹と碧はトランスフォンをドライバーへと装填し、八雲はダイヤルを押し込んだ。

 

『『Here we go!』』

『Let's go!』

 

 それぞれ緑色と青色の素体に変身した二人に、宙に浮いていた銀色の鎧が装着されていく。

 一方の八雲が入る枠の中に煙が充満し、彼の姿が見えなくなってしまう。だが鎧と一つになった瞬間に枠が破壊され、煙が外に排出されたことで変身を遂げた彼の姿が見えることとなった。

 

『I'm KAMEN RIDER ACT!』

『I'm KAMEN RIDER REVE-ED!』

『This is RIDER SYSTEM of next generation. I'm KAMEN RIDER NEX-SPY! I hate grind and future.』

 

 春樹の変身した、仮面ライダーアクト。

 碧の変身した、仮面ライダーリベード。

 八雲の変身した、仮面ライダーネクスパイ。

 

 自らの大切なものを奪った化け物と同じようになりながら、誰かの大切なものを奪う輩と戦う戦士の参上である。

 

 さて、少し離れたところで仁と亜矢はドライバーの右側にあるレバーを右手で引っ張った。

 

『Open the door』

 

 仁のドライバーからは赤と白が入り混じった二重螺旋が飛び出して来たので、それを右手で殴り壊す。

 亜矢は出て来た白一色の二重螺旋を受け止める。

 すると仁は大きな角が頭部に付き、金色のラインが白い身体に血管のように伸びる赤色の戦士に、亜矢は三角形のアンテナを2つ付け、黒い身体に白色の鎧を付けた戦士へと変化を遂げた。

 

『Congrats! Birth of new life, MINOTAUR. Open the door』

 

 仁の変身した、仮面ライダーデイナ ミノタウロスライフ。

 亜矢の変身した、仮面ライダールーナ・ユナイト。

 

 新たな種と化した身として、人間に強制的な進化をさせようとした者と戦った戦士たちが、この世界にも現れた。

 

 とここで、五人は互いの姿を認識した。

 

「「「ん?」」」

「「【え?】」」

 

 何も知らない間柄にとって、互いのことは自身らが戦っているものと何ら変わらない。

 銀色の強固な鎧を付けた戦士に、動物の要素を持った戦士。

 一体何者なのか、まだ彼らは互いに知らない。

 

 

 

 

 

 これが、彼らの出逢いであった。

*1
ナイル川によって市域が分断されている、エジプト、ルクソール県の県都。




因みに、途中で登場したパチンコ帰りに三人衆は、「有吉の壁」にてパンサーの(かん)良太郎(りょうたろう)さん、シソンヌのじろうさん、空気階段の鈴木(すずき)もぐらさんが演じられているあの三人がモチーフとなっております。
あのキャラがすごく好きなので、取り入れさせていただきました。



【参考】
世界まる見え!テレビ特捜部
(日本テレビ, 2023年7月10日放送)
古代エジプトの墓:動物園の原型|ナショナル ジオグラフィック日本版サイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/1686/
ルクソール - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%e3%83%ab%e3%82%af%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%83%ab
サタデー・ナイト・フィーバー - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%e3%82%b5%e3%82%bf%e3%83%87%e3%83%bc%e3%83%bb%e3%83%8a%e3%82%a4%e3%83%88%e3%83%bb%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%bc%e3%83%90%e3%83%bc
ペスト医師 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%e3%83%9a%e3%82%b9%e3%83%88%e5%8c%bb%e5%b8%ab
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