境界の外から来た者   作:最上 イズモ

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有り得たかもしれない世界線

パラレルワールド転移システム起動。

相対地球座標および世界線分岐値を入力してください。

 

イズモ「えーと……201039162718、2625541801929122616263」

 

認証完了。

転移先は日本。

現在世界線、東方プロジェクト。

 

イズモ「認証っと」

 

転移を開始します。

所要時間三十五秒。

 

転移完了。

 

イズモ「……ここが幻想郷付近の森か」

 

湿った土の匂い。

人の気配はないが、空気そのものが濃い。

現実と幻想の境界が、肌にまとわりつく感覚。

 

フラン「あら?新しいおもちゃがうろうろしてるわね」

 

唐突に背後から無邪気な声がした。

 

イズモ「……おもちゃ?」

 

次の瞬間、刃が閃いた。

反射的に身を捻り、ナイフをかわす。

 

イズモは即座に創造能力を展開し、ATフィールドを形成した。

透明な障壁が衝撃を受け止める。

 

フランは一瞬目を見開き、すぐに楽しそうな笑みを浮かべた。

 

フラン「なかなか手ごわいじゃない。

面白そうな力を持ってるみたいね」

 

イズモ「止めてくれれば助かるんだけど……」

 

フラン「面白いものを見つけたら、手に入れないわけにはいかないわ。

ねえ、私と戦ってみない?」

 

理由は分からないが、拒否すれば事態が悪化する予感だけはあった。

 

イズモ「……わかった。

でも、なんで戦わなきゃいけないの?」

 

フラン「これが私たちのやり方よ。

力を見せ合って、相手を知るの。

それができたら、仲間になれるかもしれないでしょ?」

 

イズモ「……名前は?」

 

フラン「フランドール・スカーレット。

あなたは?」

 

イズモ「俺はイズモだ」

 

フラン「それじゃあ、イズモ。

勝負よ!」

 

フランドールの弾幕が森を染める。

だがすべてATフィールドに阻まれた。

 

イズモはスタングレネードランチャーを構え、麻酔ガス弾を放つ。

しかし、見えない壁に弾かれた。

 

フラン「この程度なの?

じゃあ、次は私の番ね」

 

イズモ「本気出したら幻想郷が消し飛ぶからさ」

 

フランドールは距離を詰め、再びナイフを振るう。

刃はATフィールドに阻まれ、火花を散らした。

 

イズモ「……やっぱりATフィールドは反則だよな」

 

フラン「なにそれ、ずるい!」

 

イズモ「異世界の使徒の能力でね」

 

フラン「異世界?」

 

イズモ「パラレルワールドってやつ」

 

フラン「ふーん……

それじゃ勝ち目なさそうね。

やっぱり仲間にするしかないわ」

 

イズモ「仲間?」

 

その瞬間、フランドールのお腹が鳴った。

 

フラン「あっ……」

 

イズモは思わず笑った。

 

イズモ「じゃあまずは、知り合うところからだな」

 

創造能力でパンケーキと紅茶を作り出す。

フランドールは目を輝かせ、かぶりついた。

 

フラン「おいしい!」

 

イズモ「それはよかった」

 

日が傾くまで、二人は他愛のない話を続けた。

 

やがて、森に凛とした声が響く。

 

咲夜「探しましたよ、お嬢様。

紅魔館に帰りましょう」

 

咲夜「ところで、この方は?」

 

フラン「イズモよ。

新しいおもちゃ」

 

イズモ「その呼び方どうにかならない?」

 

咲夜「お嬢様がそう仰るので」

 

フラン「まだ帰りたくない!」

 

咲夜「わがままはだめです。

帰りますよ」

 

咲夜「イズモさんも、よろしければ紅魔館へ」

 

イズモ「……わかりました」

 

紅魔館に到着する。

 

フラン「イズモ、また遊ぼうね!」

 

イズモ「紅魔館って、自由に出入りしていいのか?」

 

咲夜「お嬢様が許可されていますので」

 

門をくぐると、美鈴が出迎えた。

 

美鈴「こんにちは。

あれ?どちら様ですか?」

 

咲夜「新しいおもちゃです」

 

イズモ「訂正して」

 

美鈴「まあまあ、とりあえず中へ」

 

大広間に通される。

 

イズモ「実は遊びに来ただけじゃないんだ」

 

咲夜「そうなのですか?」

 

イズモ「厄介ごとの調査でね」

 

フラン「とりあえず遊ぼうよ!」

 

咲夜「私は少し用事がありますので」

 

二人きりになる。

 

フラン「ねえイズモ。

どうしてそんなに強いの?」

 

イズモ「創造能力があるだけさ」

 

フラン「あの壁も異世界の力?」

 

イズモ「まあね」

 

フラン「どんな世界があるの?」

 

イズモ「俺はパラレルワールド管理組織、ピースギアから来た」

 

フラン「面白そう!」

 

イズモ「君と俺、どっちが強いと思う?」

 

フラン「勝負して決めよう!」

 

イズモ「さっきやっただろ」

 

フラン「今度はルールあり!」

 

闘技場での勝負が始まる。

審判は美鈴。

 

美鈴「それでは、始め!」

 

戦いは熾烈を極め、最後はイズモのドローンによる麻酔で決着した。

 

フラン「……負けた」

 

イズモ「危なかった……」

 

その後、咲夜の提案でイズモは紅魔館に滞在することになる。

 

数日後。

 

イズモ「幻想郷の図書館ってある?」

 

咲夜「ありますよ。

ご案内します」

 

そこでパチュリーと出会い、スキマに関する書物を目にする。

 

イズモ「……次元断層?」

 

違和感は、確信へと変わりつつあった。

 

翌日、案内された博麗神社で霊夢と出会い、紫の名を追う。

 

そして――。

 

紫「私が呼ばれて飛び出てジャジャジャーン、よ」

 

イズモ「……本人か」

 

紫「次元断層を作ったのは私よ」

 

その言葉と同時に、空間が歪む。

 

イズモ「ピースギア全職員へ。

幻想郷周辺の次元断層に対し、殲滅準備を開始しろ」

 

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