境界の外から来た者   作:最上 イズモ

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3話 博麗の巫女

永遠亭の前。

竹林を抜けた先で、イズモは足を止めた。

イズモ「よし、行くか」

 

空気が歪んだ。

妖怪A「うぉぉぉ!!!」

背後から殺気が叩きつけられる。

イズモ「え!?」

 

左右から影が躍り出る。

妖怪B「死ねぇぇ!!!」

妖怪C「喰らえやオラァッ!!」

イズモ「ちょっ……!」

刃のような妖気が頬をかすめる。

イズモ「あぶな!?」

 

妖怪D「ヒャハハッ!!逃げんじゃねえよォォ!!」

イズモは瞬時に状況を把握した。

妖怪の数は多い。

しかも本気で殺しに来ている。

イズモ「妖怪には物理攻撃は効かないが……目くらましくらいはできるか」

 

イズモは腰からスタングレネードを引き抜き、地面に投げた。

閃光と衝撃。

妖怪たち「目が!?見えな!?!?」

 

イズモ「今だ……!」

息を切らしながら駆け出す。

しかし包囲は途切れない。

妖怪E「よくもやりやがったな!?ぶっ殺してやるぜ!!」

妖怪F「覚悟しやがれェェ!!」

 

イズモ「クソッ……こうなったら」

妖怪G「オラァァッ!!」

妖怪H「死ねやボケエエッ!!」

イズモ「くたばれ」

 

咄嗟に投げた刃はすり抜け、妖怪は笑う。

イズモ「はぁ……はぁ……」

 

妖怪I「待てやコラァ!!」

妖怪J「逃げるなんて卑怯だぞゴラァ!!」

イズモ「……そうだ。妖怪は物理じゃなく量子力学的存在。なら光や電気は効く」

 

イズモはテーザー銃を構え、引き金を引いた。

妖怪K「ぐあっ!?痺れるぅ!?」

妖怪L「なんだこれは!?」

電撃が走り、数体が地面に転がる。

イズモ「さて、これで終わりだ」

 

その時、場の空気が一変した。

赤い着物の巫女が、いつの間にかそこに立っていた。

霊夢「あんたら、こんなところで何やってんのよ」

 

妖怪M「霊夢さん!?こいつ人間じゃないですよ!?」

霊夢「だからどうしたのよ」

妖怪O「え?」

 

霊夢「人間が人間を襲うのも、妖怪が人間を襲うのも、別におかしくないでしょ。ここは幻想郷なんだから」

 

イズモ「……なんだ、お前」

霊夢「私?博麗の巫女よ」

 

イズモの視線が鋭くなる。

イズモ「なら、この異変を起こしたのはお前か?」

霊夢「違うわよ。まあ、黒幕はいるけどね」

イズモ「なら、その黒幕を教えろ」

霊夢「嫌よ。教えるわけないでしょ」

イズモ「そうか。なら力づくで聞き出す」

霊夢「へぇ?面白いわね。やってみなさいよ」

イズモ「言われなくてもそのつもりだ」

 

イズモは次々と装備を投げ込む。

スタングレネード。

ゴム弾。

スリーピーガスグレネード。

だが、どれも霊夢の前で意味を失った。

視界が歪み、思考がずらされる。

現実が噛み合わない。

 

イズモの脳裏に違和感が走る。

これは幻術。

感覚そのものを誘導されている。

 

霊夢「それだけ?」

イズモ「……じゃあ、次はこちらの番だ」

 

イズモはナイフを数本投げる。

霊夢は軽く身を翻し、すべて避けた。

霊夢「遅い」

 

だが、イズモは微笑んだ。

イズモ「まあ、そっちはダミーだ」

 

その隙に、空間が歪む。

イズモの手元に、新たな武器が創造されていた。

イズモ「ほいっと」

 

再びスタングレネード。

霊夢「またそれ?芸がないわね」

イズモ「それはどうかな?」

 

白煙が広がる。

スモークグレネード。

視界が遮断された。

イズモ「今のうちに」

 

煙の中、イズモは何かを引き抜いた。

イズモ「よし、とりあえずこれだけあれば十分だろう」

 

現れたのは巨大な砲身。

超電磁砲。

イズモ「俺の能力を使えば、レールガンも作れるんだ」

イズモ「……対人には使いたくないけどな」

 

試射。

ドオオオン!!!

轟音と衝撃波。

音速の三倍で放たれた弾丸が霊夢をかすめ、背後で爆発した。

イズモ「おっかしいなー外しちゃったかー」

棒読みだった。

 

イズモ「もう一回」

 

二射目。

今度は霊夢を正確に捉えていた。

だが弾丸は寸前で逸れ、木を貫通し、その奥の大木まで吹き飛ばした。

イズモ「やっぱり当たらないなー」

 

霊夢「あ……あんたねぇ……!」

 

イズモ「じゃあ次はこれだ」

空間が裂け、VTOLが出現する。

機銃掃射。

だが弾はすべて外れる。

 

イズモ「おもしろ」

イズモ「じゃあ次は――」

 

霊夢「降参降参」

イズモ「……ん?なんで?」

霊夢「いやー、私の負けよ」

 

イズモ「そうか。じゃあ黒幕の場所を教えろ」

霊夢「いいわよ。ただし条件付き」

イズモ「なんだ」

霊夢「異変解決、手伝ってほしいの」

イズモ「……なるほど。わかった」

霊夢「そう。ありがとね」

 

イズモ「そういえば名前は?」

霊夢「博麗霊夢」

イズモ「俺は最上イズモだ」

霊夢「よろしく」

イズモ「おう」

 

二人は並んで歩き出す。

向かう先は人里。

 

イズモ「ここが人里か」

霊夢「そうよ」

イズモ「さて……まずは誰に話を聞くかな」

霊夢「そうね」

 

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