境界の外から来た者   作:最上 イズモ

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6話 ピースギア幻想郷支部始動

イズモは森の奥で立ち止まり、視線を巡らせた。

霧の向こうに、威圧するような赤い館が姿を現す。

 

イズモ「あれが紅魔館か」

 

紅魔館の門前まで歩み寄ると、門番の少女が立ちはだかった。

 

美鈴「お嬢様に何か御用ですか?」

 

イズモ「俺はイズモだ。ちょっと話がしたいだけだ」

 

美鈴「わかりました。ではこちらへどうぞ」

 

イズモ「ありがとう」

 

美鈴「いえいえ」

 

館内を進み、扉の前で美鈴が足を止める。

 

美鈴「着きました」

 

イズモ「そういえば今日は寝てないんだ」

 

美鈴「あなた初対面なのに、なぜそれを……」

 

イズモ「こっちの話」

 

美鈴は一瞬驚いた表情を浮かべる。

この人物は普通ではない。

そう直感し、考えるのをやめた。

 

美鈴が扉を開けた瞬間、鋭い気配が走る。

 

咲夜が現れ、無言でナイフを投げ放った。

 

イズモは反射的にかわす。

 

次の瞬間、世界が止まった。

 

咲夜は時を止め、背後に回り込み短剣を突き出す。

だが刃が届く前に、イズモの姿が消えていた。

 

咲夜が振り返る。

背後に立っていたのは、先ほどまで正面にいたはずのイズモだった。

 

咲夜は目を見開く。

 

再び時間を止めようとするが、身体が動かない。

 

異変に気づき、イズモを見る。

 

イズモの手には、黒い鎖のようなものが握られていた。

鎖の先は、いつの間にか咲夜の身体に絡みついている。

 

イズモが鎖を引く。

 

すると、咲夜の首元にはめられていたチョーカーが外れ、床に落ちた。

 

同時に、イズモの身体から力が抜け、その場に倒れ込む。

 

咲夜もよろめいたが、なんとか踏みとどまった。

 

咲夜は慌ててイズモに駆け寄り、その身体を抱え上げる。

そのまま部屋へ運び込んだ。

 

やがてイズモは目を覚ます。

 

視界に映るのは、見知らぬ天井。

 

イズモはゆっくり起き上がる。

 

イズモ「……何があったんだ?美鈴に紅魔館案内された瞬間以外の記憶がない」

 

立ち上がろうとしたとき、部屋の隅が目に入る。

咲夜が体育座りで俯いていた。

 

イズモ(なんであんなところで座ってるんだ?)

 

声をかけると、咲夜は顔を上げる。

そのまま、突然イズモに抱きついた。

 

イズモは戸惑い、離れようとするが力が抜けていてうまくいかない。

やがて抵抗をやめ、身を任せた。

 

そこへ別の声が響く。

 

レミリア「見つけたわ!」

 

レミリアはイズモに飛びつき、そのまま押し倒した。

すぐに離れ、泣きそうな表情で顔を覗き込む。

 

イズモは黙って頭を撫でる。

 

そこへフランとパチュリーが現れた。

 

フラン「お兄ちゃん大丈夫?」

イズモ「ああ」

 

パチュリー「ごめんなさいね」

イズモ「いや、気にしてないよ」

 

さらに霊夢と魔理沙が入ってくる。

 

霊夢「あんた本当に人間?」

イズモ「元な」

 

霊夢「それにしても強いのね」

イズモ「ピースギアの生体部品が高品質ってこった」

 

魔理沙「イズモはどんな能力を持ってるんだ?」

イズモ「俺の能力か?」

魔理沙「教えてくれよ!」

 

イズモ「いいぜ。俺の能力は『あらゆるものを創れる程度の能力』だ」

 

魔理沙「チートじゃないか」

霊夢「確かにね」

 

イズモ「ただ紫には負けたけどな」

魔理沙「まあ、紫は別格だろ」

 

イズモ「そういえば、なんで紅魔館のベッドで寝てるんだ?」

イズモ「咲夜が運んでくれたのか?」

 

咲夜「はい、私が運びました」

イズモ「ありがとな」

 

レミリア「咲夜だけじゃないわよ」

イズモ「?」

咲夜「私たち全員で運んだんですよ」

 

レミリア「ちなみに私は咲夜と一緒に運んだのよ」

イズモ「マジで?ありがとう」

レミリア「いえいえ」

 

レミリア「それより今日は泊まっていきなさい」

イズモ「いいのか?」

レミリア「もちろん」

 

イズモ「じゃあお言葉に甘えて」

 

イズモ「……で、美鈴に案内されたあと、何があったんだ?」

イズモ「俺、何をした?」

 

レミリア「あなた、咲夜の首輪を外したのよ」

イズモ「なるほど」

 

レミリア「咲夜、あなたのこと気に入ってるみたい」

イズモ「そうか」

 

イズモ(好かれるのは嬉しいけど)

イズモ「なんか咲夜が可哀想だな」

 

レミリア「あなた、咲夜の気持ちわかるの!?」

イズモ「だって首輪つけてたんだぞ」

イズモ「多分、無理やり命令されてたんだろう」

イズモ「俺は咲夜の本当の笑顔を見たい」

 

レミリアは言葉を失った。

 

レミリア「首輪を外すことはできるけど……」

レミリア「咲夜はきっと首を縦には振らないわ」

 

イズモ「そうか……」

イズモ「なら仕方ないな」

 

レミリア「そういえば明日は何するの?」

イズモ「支部で紫と協力体制と、ピースギアの戦力拡大案の会議だな」

イズモ「そのあと幻想郷の見回りに行くつもりだ」

 

レミリア「そうなのね」

レミリア「今日はゆっくり休みなさい」

 

イズモ「わかった。今日はもう寝るか」

 

その夜、イズモは紅魔館に泊まった。

 

イズモ「ふぁ〜、よく寝た」

 

翌朝、リビングへ向かうと咲夜が朝食を作っていた。

 

咲夜「おはようございます。ご飯もうすぐできますから、待っててくださいね」

イズモ「おう」

 

料理が並ぶ。

 

咲夜「どうぞ」

イズモ「おお、美味しそうだな」

咲夜「ありがとうございます」

 

イズモ「いただきます」

 

食事を終える。

 

イズモ「とても美味しいよ」

咲夜は照れたように微笑んだ。

 

咲夜「そう言っていただけて良かったです」

 

イズモ「ごちそうさまでした」

 

イズモ「今日の予定は?」

咲夜「特にありません」

 

イズモ「じゃあ用事ない人、全員支部に集めよう」

イズモ「レミリア、パチュリー、フラン、美鈴、小悪魔、咲夜、紫、霊夢、魔理沙、アリス、早苗、神奈子、諏訪子に伝えてくれ」

 

咲夜「わかりました」

 

数分後、イズモはVTOLで空を飛んでいた。

 

ピースギア幻想郷支部。

 

イズモ「よし、着いた」

 

支部長室には全員が揃っていた。

 

イズモ「お待たせ」

紫「あら、早かったわね」

 

紫「早速始めましょ」

紫「まずは幻想郷の状況についてね」

紫「今のところ平和よ」

 

イズモ「ならよかった」

 

紫「ただ最近、妖怪の動きが活発化してるわ」

 

イズモ「なるほどな」

 

イズモ「次に戦力拡大案だ」

イズモ「紫、霊夢、魔理沙には幻想郷で装備や機械人形の開発を頼みたい」

イズモ「その代わり、治安維持はピースギアが引き受ける」

イズモ「ここは第4基底世界として登録されたからな」

 

霊夢「わかったわ」

魔理沙「任せるんだぜ!」

 

紫「一ついいかしら?」

イズモ「いいよ」

紫「イズモの能力って、なんでも創れるのよね?」

イズモ「そうだよ」

 

紫は静かに微笑んだ。

 

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