その後、異世界から流入した妖怪たちは殲滅され、幻想郷支部の任務は一度終結したかに見えた。
しかし、異変の根源である大蜘蛛は、まだ生き残っていた。
それどころか、ピースギア本部のある世界線で急速な進化を始めていたのだ。
本来なら厳重に監視されるはずの惑星だったが、職員の油断が致命的だった。
大蜘蛛は卵を極限まで小型化し、不法占拠されていた海賊の宇宙船に紛れ込ませる。
それらは輸送と共に各惑星へ拡散し、静かに、しかし確実に侵食を広げていった。
異変を察知したハルヒとレムは、ピースギア本部の監視ドームへ急行する。
そこで目にしたのは、想定を超えた光景だった。
卵はすでに人間大まで巨大化し、監視施設内で暴れ回っていた。
幸い、完全孵化には至っていなかったため、二人は汎用中型二足歩行兵器アリアで迎撃する。
激戦の末、どうにか撃退には成功した。
だが、それは序章に過ぎなかった。
宇宙ステーション付近に停泊していた海賊の宇宙船から、もう一体の大蜘蛛が出現したのだ。
その巨体は、もはや惑星と見紛う規模だった。
宇宙戦艦によるブラックホール砲、ガンマ線バースト砲が次々と放たれる。
しかし、いずれも致命打にはならなかった。
本部は即座に方針を変更する。
幻想郷支部のメンバー、そして幻想郷で大蜘蛛との戦闘経験を持つ者を、アドバイザー兼戦力として緊急招集した。
それでも人手は圧倒的に足りなかった。
結果、幻想郷支部の全戦力が動員される。
さらに事態は悪化する。
異世界から流入した妖怪たちが、大蜘蛛に呼応するように次々と出現し始めたのだ。
戦場は瞬く間に地獄絵図と化した。
ピースギア職員と幻想郷支部の職員が総出で応戦する。
それでも、押し返すのがやっとだった。
このままでは全滅は避けられない。
イズモ「被害が大きすぎる」
涼宮ハルヒ「何とか食い止めないとね」
レム「どうしますか?」
イズモは歯を食いしばり、戦場を睨みつける。
イズモ「ここは、俺たちで何とかするしかないだろう」
本部は全基底世界の戦力を動員する決断を下した。
同時に、異世界の妖怪たちも大蜘蛛を守るように集結してくる。
こうして、全面衝突が始まった。
レム「行きますよ」
涼宮ハルヒ「うん!」
二人はステルス迷彩を駆使し、大蜘蛛へ肉薄する。
だが、いくら攻撃しても決定的な効果は得られなかった。
追い詰められた二人は、最後の賭けに出る。
アリアに搭載された催眠ガスミサイルの再使用。
成功すれば勝機はある。
失敗すれば、全滅。
レム「やりますよ」
涼宮ハルヒ「絶対に倒しましょう!」
ステルス状態のまま接近し、ミサイルを発射する。
だが、大蜘蛛は瞬時に反応した。
蜘蛛の糸を編み上げ、巨大な物理シールドを形成する。
催眠ガスミサイルは弾かれ、空間で爆散した。
レム「うっ……」
涼宮ハルヒ「やばいわね」
逃げようとした瞬間、強烈な衝撃が二人を襲う。
大蜘蛛の物理攻撃で、機体は完全に拘束された。
さらに吐き出された糸が、二人を絡め取る。
レム「きゃあ!」
涼宮ハルヒ「うぐっ!」
イズモ「この蜘蛛の糸、破壊できない……!」
糸は容赦なく締め上げてくる。
呼吸すら苦しくなり、視界が暗くなる。
涼宮ハルヒ「もうダメ……」
レム「諦めないで!」
だが、力は尽きかけていた。
その時だった。
新たなアリアが戦場に割り込む。
リゼロのメンバーだった。
集中砲火が放たれ、大蜘蛛は後退を余儀なくされる。
二人は間一髪で救出された。
その後、ハルヒとレムは医務室へ搬送された。
重傷ではあったが、命に別状はなかった。
イズモ「助かったぜ」
レム「ありがとうございます」
二人は心から安堵していた。
レム「本当に、死ぬかと思いました」
涼宮ハルヒ「危なかったわね」
レム「次は、もっと慎重にいきましょう」
気持ちを新たに、二人は再び戦いに備える。
ほどなくして、幻想郷支部本部に新たな緊急指令が届いた。
大蜘蛛は異世界の妖怪や生物を引き連れ、幻想郷そのものを崩壊させようとしていた。
本部は異世界からの助っ人を募る決断を下す。
涼宮ハルヒ「ここが異世界ね……」
レム「不思議な感じがします」
三人はアリアで幻想郷の外にある島へ降り立った。
そこは異世界と接続された要衝で、多種多様な種族が暮らしていた。
涼宮ハルヒ「まずは情報収集ね」
レム「はい」
だが探索中、妖怪や異世界生物の襲撃を受ける。
彼らはすべて、大蜘蛛の配下だった。
涼宮ハルヒ「行くわよ!」
戦いながら進み、三人は古代遺跡へ辿り着く。
壁一面に刻まれた壁画には、何者かに操られる大蜘蛛と異世界生物たちの戦いが描かれていた。
レム「これは……」
涼宮ハルヒ「大蜘蛛が、暴走してるみたいね」
レム「早く止めないと……」
遺跡の最奥。
そこには巨大な繭があった。
中では大蜘蛛が卵を産み続けている。
やがて繭が裂け、孵化が始まった。
レム「まずいですね」
涼宮ハルヒ「急ぐわよ!」
戦闘が始まる。
大蜘蛛の糸は凄まじく、アリアの装甲すら破壊しかねない威力だった。
レムはステルス迷彩で背後に回り、レーザーソードを振るう。
だが、刃は弾かれた。
レム「なんて硬さ……!」
ハルヒの攻撃も通らず、逆に捕縛される。
二人は繭の中へ閉じ込められ、捕食されかける。
だが、間一髪で脱出に成功した。
レム「危なかったですね」
涼宮ハルヒ「まだ終わってないわ」
再び連携し、隙を突いて斬撃を叩き込む。
今度は確かにダメージが入った。
レム「効いてます!」
涼宮ハルヒ「押し切るわ!」
だが、繭から無数の妖怪が溢れ出す。
完全に数で押される状況だった。
その時、空間が歪む。
紫「遅くなってごめんなさいね」
レム「紫さん!」
涼宮ハルヒ「助かったわ!」
紫は異世界生物たちを次元の彼方へと消し去った。
戦況は一気に傾く。
集中攻撃の末、大蜘蛛はついに倒れた。
だが、全員が疲弊しきっていた。
そこへ、八坂神奈子、洩矢諏訪子、永江衣玖が姿を現す。
彼女たちの助力により、幻想郷支部は共存の道を選び取った。
こうして、幻想郷は守られた。
涼宮ハルヒ「終わったわね」
レム「はい。これで、安心して暮らせますね」
三人は勝利を胸に、本部へと帰還した。