転生したら白狐だった件   作:仮面大佐

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第21話 英雄王の来訪

 俺たちが過ごす中、ある城では、白いタキシードの男性と、ラプラスが話していた。

 

ラプラス「折角お膳立てしたのに、新しい魔王が生まれへんかったんは、痛いんちゃうか?」

???「そうだな。」

 

 ラプラスの言葉に、白いタキシードの男性はそう言って、ワインを飲む。

 そして、ラプラスの方を見る。

 

???「…………しかし、面白い物が見れたよ。あのスライムに、白狐。どうしたものかな?」

ラプラス「せいぜい頑張ってや。もし、協力が必要なら、格安で請け負うたるわ。魔王、クレイマンはん。」

 

 そう言って、ラプラスは煙と共に消えた。

 クレイマンと呼ばれた白いタキシードを着た男は。

 

クレイマン「フッ、フフ。」

 

 そう、笑う。

 一方、クレイマンという魔王に目をつけられた事を知らない俺たちは、豚頭帝(オークロード)討伐から3ヶ月経った。

 その間、豚頭族から進化した猪人族達は、カイジン達の指導の下、あっという間に技術を覚え、頼れる労力になっていた。

 ゲルドがシーカーに変身する事が出来るようになった事で、街の発展が進んでいく。

 徐々に発展していく村を、俺たちは丘の上から見ていた。

 家や服とかも出来て、上下水道や道路とかも出来てきた。

 これは、リムルの前世のゼネコン時代の知識を使ったそうだ。

 

リムル「それにしても、お前、色んな物を作るように頼んだんだってな?」

エース「まあな。」

 

 そう。

 デザイアグランプリのサロンを模したカフェや、訓練所とかを作ったのだ。

 色々と必要かなと思って。

 こうして、安住の地、俺たちの町が出来た。

 ………のだが、そうは問屋が卸さないのだった。

 俺たちの所に、蒼影がやって来る。

 

蒼影「リムル様、エース様。緊急事態です。」

リムル「え?」

エース「どうした?」

 

 蒼影の報告に、俺たちは首を傾げた。

 それは、ペガサスに乗った騎士団が、この町にやって来たとの事だった。

 どうして、そうなったのか。

 それは、少し前、武装国家ドワルゴンでは、暗部からの報告を、ガゼル王が聞いていた。

 そして、その報告書を、蝋燭の炎で燃やす。

 

ドルフ「王よ、暗部は何と?」

ガゼル「…………豚頭帝は討伐され、戦争が終結したそうだ。」

 

 ガゼルのその言葉に、ドルフは驚く。

 

ドルフ「何ですと!?」

ガゼル「13万の豚頭族は、暴走する事も無く、各地に散ったらしい。しかも、猪人族に進化してな。」

ドルフ「そんな事が………!?」

 

 ガゼルの言葉に、ドルフは再び驚き、ガゼルは考えていた。

 

ガゼル(複数の上位魔人の参戦により、戦争は終結。魔人達は、例のスライムと白狐の配下であると思われる………か。魔人を従え、魔物に進化を齎す者たち。此度の件、対応を誤れば、国が滅ぶやもしれぬ。)

 

 ガゼルは、複数の上位魔人………鬼人勢………を従えているのが、スライムと白狐………リムルとエース………である事を見抜き、口を開く。

 

ガゼル「あのスライムと白狐の正体、余自らが見極めてやろうではないか。」

 

 そうして、ガゼル王とペガサス・ナイツは、俺たちの町に向かって来ていたのだ。

 そんな事を知る由もない俺たちは、すぐに着陸するであろう場所へと向かう。

 向かっているのは、俺、リムル、シズさん、紅丸、蒼影、真眼、紫苑、リグル、リグルド、嵐牙、裂牙、カイジンだ。

 ちなみに、俺は白狐としての姿で向かっている。

 まあ、真眼に抱えられている状態だが。

 俺たちは、上空を見上げると、そこには、かつて見た、ガゼル王の姿が。

 

カイジン「まさか………!」

リムル「ドワーフの英雄王………。」

エース「ガゼル・ドワルゴ………!」

 

 何であの人が。

 すると、紅丸が質問して来る。

 

紅丸「リムル様、エース様。いかが致しますか?」

リムル「出来れば、争うのは避けたいんだが………。」

エース「相手の出方によるか。」

紫苑「問題ありません!蹴散らせば良いのです!」

真眼「蹴散らしたら、面倒臭い事になりそうだがな。」

エース「まあ、いざ戦闘になったら、住民たちを避難させる。」

リムル「その間、俺たちで時間を稼ぐぞ。」

紅丸「はっ!」

 

 俺たちがそう話している間、旋回していたペガサス達は、一斉に地面に降り立つ。

 カイジンは、ガゼル王の下に向かい、跪く。

 

カイジン「お久しぶりでございます。」

ガゼル「…………久しいな、カイジン。」

カイジン「はっ!」

 

 俺とリムルは、前に出る。

 ガゼル王は、俺たちを睥睨する。

 

ガゼル「スライムに白狐か。」

リムル「最初に名乗っておく。俺の名はリムルで………。」

エース「俺の名はエースだ。白狐呼ばわりはやめて欲しい。」

リムル「これでも一応、俺たちはジュラの森大同盟の盟主なんでね。」

 

 俺たちは、そう言って、人間としての姿になる。

 

エース「こっちの方が、何かと話しやすいだろう?」

リムル「………で、何の用だ?」

 

 リムルの質問に対して、ガゼル王が答える。

 

ガゼル「…………単刀直入に言おう。リムル、エース。貴様らを見極めに来たのだ。」

リムル「………見極め?」

ガゼル「俺の剣で、貴様の本性を見抜いてくれるわ。」

エース「なるほど………。」

ガゼル「この森の盟主になったなどとホラを吹く貴様らには、分という物を教えてやらねばなるまい。その剣が飾りでないというのなら、俺の申し出を受けるが良い。」

 

 ガゼル王はそう言って、剣を抜刀しようとする。

 部下達も、驚いたのか、声をかける。

 

ドルフ「王よ、まさか………!?」

ガゼル「ふん。本気で戦ってみるのが、手っ取り早いであろう?」

リムル「よし、その申し出を受けよう。」

エース「ホラ吹き呼ばわりした事、後悔させてやるよ。」

 

 そうして、まずはリムルとガゼル王との一騎打ちとなった。

 ガゼル王が口を開く。

 

ガゼル「俺の一連の攻撃を防ぎ切ったら、貴様の勝ちで良い。それは、後にやるお前も同じだ、エースよ。」

エース「ああ。リムル、負けんなよ。」

リムル「ん?ああ!」

ガゼル「ただし、この俺、剣聖ガゼル・ドワルゴの剣を甘く見ない事だ。」

リムル「分かった。」

 

 すると、風が吹いて来て、トレイニーさんが現れる。

 

エース「トレイニーさん。」

トレイニー「それでは、立ち会いは私が行いましょう。」

ガゼル「ん?」

ドルフ「まさか、樹妖精(ドライアド)?」

 

 トレイニーさんの姿を見たガゼルは、突然鼻で笑った。

 

ガゼル「貴様らをホラ吹き呼ばわりした事は、謝罪するぞ。それに、事情も朧げながら読めたわ。」

リムル「じゃあ………!」

ガゼル「だが、貴様らの人となりを知るのは、別の話だ。」

エース「ですよね………。」

ガゼル「立会人も決まったならば、あとは剣を交えるのみ。」

リムル「ああ、そうだな。軽く勝利して、今回の件をきっちりと説明してもらうとするわ!」

ガゼル「フフ………!俺に勝てたなら、答えてやるさ。」

 

 そうして、トレイニーさんの開始の合図と共に、リムルが駆け出す。

 最初の攻撃は防がれるが、すぐに走って、別の方向から仕掛ける。

 ガゼルは、リムルを突き飛ばすが、すぐに着地する。

 

ガゼル「貴様の力は、そんなものか、リムルよ!」

リムル「うるさい!まだ本気を出していないだけだし!慌てんな。」

 

 ガゼルの挑発に、そう答えるリムル。

 ガゼルの攻撃で、リムルは大きく下がる。

 すると、ガゼルはある構えをする。

 

エース(あの構えは………。)

ガゼル「行くぞ、リムル!朧・地天轟雷!」

 

 そう叫ぶと、ガゼルが消え、リムルは、下からくる攻撃を躱し、上から来る攻撃を、刀で受け止める。

 

ガゼル「ふん。フフフ………ハハハ!俺の剣を受け止めおったわ!」

リムル「え?」

トレイニー「それまで!勝者、リムル=テンペスト!」

 

 トレイニーの宣言と共に、ガゼル王は、剣をリムルから退かす。

 だが、納刀はしていない。

 

ガゼル「リムルは分かった。次は、お前だ、エースよ。」

エース「ああ。」

 

 今度は、リムルの代わりに俺が出て、レイジングソードを取り出す。

 ちなみに、変身はしていない。

 この状態で、どこまで行けるのか、試したいからだ。

 俺の意識は、ガゼル王のみを捉えていた。

 

トレイニー「始め!」

 

 トレイニーさんのその声と共に、俺は駆け出して、レイジングソードで攻撃する。

 ガゼル王は、剣でこれを受け止める。

 少しの間、鍔迫り合いとなり、お互いに離れる。

 

ガゼル「ほう。やるではないか。だが、それが貴様の本気か?」

エース「うるさい。俺は徐々に上げていくタイプなんだよ。」

 

 ガゼル王の挑発に、俺はそう返す。

 今度はガゼル王が仕掛けて来て、俺はレイジングソードで剣を受け止める。

 そして、俺は少し離れる。

 ガゼル王は、再びあの構えをする。

 

エース(来たか。)

ガゼル「行くぞ、エース!朧・地天轟雷!」

 

 ガゼルは、一瞬で消え、俺は、下からくる攻撃を躱す。

 そして、俺はレイジングソードのボタンを押す。

 ちなみに、キャノンのレイズバックルは装填されていない。

 

RAISE CHARGE

TACTICAL RAISING

 

エース「来る!上だ!」

 

 ガゼル王の剣を、タクティカルレイジングで斬って、ガゼル王の首元に剣先を突きつける。

 

エース「こんなもんかな。」

ガゼル「…………まさか!俺の剣が斬られるとはな!」

トレイニー「それまで!勝者、エース=テンペスト!」

 

 トレイニーの声と共に、ガゼル王は、部下に剣を持たせた。

 俺は、レイジングソードをしまう。

 そして、俺とリムルを見ながら言う。

 

ガゼル「剣を交えて、よく分かった。お前達は邪悪な存在ではない。」

真眼達「うんうん。」

 

 ガゼル王の言葉に、真眼達は後ろで頷く。

 

リムル「何でだよ………。」

ガゼル「それにしても、よくぞ俺の朧・地天轟雷を見切ったものよ。見事だったぞ、リムル、エース。」

エース「偶然だ。何せ、その技をよく使う師匠が居てな。俺もリムルも、訓練でよく打ちのめされたんだよ。」

ガゼル「なんだと?まさか、その師匠というのは………。」

 

 ガゼル王がそんな風に驚いていると、白老が前にやって来る。

 

ガゼル「ああっ………!」

リムル「お?」

エース「白老。」

白老「ほっほっほ。お見事でしたな、リムル様、エース様。」

ガゼル「おおっ………!剣鬼殿!」

 

 えっ?

 2人って知り合いなの!?

 俺がそう驚いていると。

 

白老「森で迷っていたあの時の小僧が、見違えましたぞ。………いや、失礼、ドワーフ王。わし以上の剣士へと成長したようで、重畳ですじゃ。」

ガゼル「剣鬼殿にそう言っていただけるとは………。」

 

 どうやら、白老が師匠って事か。

 世界って、意外と小さいもんだな。

 すると、ガゼル王が俺たちに話しかけてくる。

 

ガゼル「さあ早く案内してくれリムル、エース。上空から見たかぎりじゃ美しい町並みだったぞ?美味い酒くらいあるのだろう?」

リムル「…………まああるけど。」

エース「裁判の時と比べて軽すぎない?」

ガゼル「なぁに。こっちが素よ。」

 

 そんな風に話しながら、町へと戻る。

 その夜、宴をしながら、俺たちは、ガゼル王の話を聞いていた。

 

リムル「なるほど。」

エース「豚頭帝を倒した、謎の魔物集団の調査だったと。」

ガゼル「それが敵となるか、味方となるか、見極めにな。」

 

 まあ、そうするのが、正しい判断だろう。

 すると、ガゼル王が真面目な顔で、俺たちに聞いてくる。

 

ガゼル「リムル、エースよ。聞きたい事がある。」

リムル「おう。」

エース「何だ?」

ガゼル「俺と盟約を結ぶつもりはあるか?」

リムル「あっ。」

ガゼル「お前達がもしも、この広大な森を全て掌中に出来たならば、我が国をも上回る富と力を手に入れる事が出来よう。その時に、後ろ盾となる国があれば、便利だぞ?」

 

 確かに。

 後ろ盾があった方が、何かと良いしな。

 

リムル「願ってもない事だが………。」

 

 リムルはそう言うと、紅丸達の方をチラリと見て、聞く。

 

リムル「良いのか?それは、俺たち魔物の集団を、国として認めると。そう言っているのと同じだぞ?」

ガゼル「無論だ。それとこの話、我らにとっても、都合が良い。」

エース「………と、言いますと?」

ガゼル「お互いに利益があるからな。」

 

 俺とリムルは、お互いをチラリと見て、答える。

 

エース「断る理由はないね。」

リムル「喜んで、受けたいと思う。」

ガゼル「よし。…………で、お前達の国の名前は何と言うのだ?」

エース「………お。」

 

 ヤッベェ。

 国の名前とか、一切考えてなかった。

 豚頭帝討伐後、色々と忙しかったからな。

 すると、リムルが口を開く。

 

リムル「ジュラ・テンペスト連邦国だ。」

ガゼル「ジュラ・テンペスト連邦国。」

紅丸「おおっ!」

紫苑「さすが、リムル様です!」

真眼「さすがです。」

リグルド「では、国の名はジュラ・テンペスト連邦国!この町の名前は、リムルと致しましょう!」

エース「お?良いね!」

リグルド「中央都市、リムルです!」

リムル「おいおい!それはちょっと恥ずかし………。」

 

 こうして、国の名前はジュラ・テンペスト連邦国、首都は中央都市リムルに決まった。




今回はここまでです。
今回は、ガゼル王の来訪です。
エースは、レイジングソードでガゼル王を倒しました。
そして、テンペストに、デザイア神殿のサロンや、訓練所のような施設が出来ました。
次回は、あの魔王がやって来ます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今後、サポーターライダーが出てきますが、ケケラとベロバに関する扱いでリクエストがあれば、受け付けます。
リクエストは、活動報告にて承っています。
ちなみに、エースはイングラシアには向かわずに、精霊の棲家で、生徒達と会う予定です。

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