転生したら白狐だった件   作:仮面大佐

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第22話 魔王ミリム襲来

 こうして、俺たち、ジュラ・テンペスト連邦国と、武装国家ドワルゴンとの同盟が成立したのだった。

 俺たちの魔物の国に、心強い後ろ盾が出来た。

 で、その二日後。

 

ガゼル「来てやったぞ、リムル、エースよ。」

 

 何と、ガゼル王が再び来たのだ。

 

エース「随分と早い再訪ですね………。」

リムル「今度は何の用だよ?」

ガゼル「お前達に土産をやろうとおもってな」

リムル「土産?」

エース「何それ?」

 

 ガゼル王が供に合図を送ると布で簀巻きされたものを投げその拍子で表面の布がめくれると、そこに居た人に俺たちが驚く。

 

リムル「えええっ!?」

エース「コイツってたしか!?」

カイジン「ベスターじゃねえか!?」

ベスター「うぅぅぅん………。」

 

 泡を吹いて気絶しているベスターであった。

 ガゼル王が、理由を説明する。

 

ガゼル「有能なコイツを遊ばせておくも勿体ないのでな。とはいえ、俺に仕えるのを許すわけにはいかん。好きに使え。」

カイジン「王よ、それではベスター殿の知識が我等に流出することになりますぞ!?」

ガゼル「流出していった本人が今更なにを言う。」

カイジン「それは………。」

 

 カイジンは止めようとしたがガゼル王の正論で言葉に詰まった。

 ガゼル王は、復活したベスターに声をかける。

 

ガゼル「そのための盟約よ。お前達のこの地を、まだ見ぬ技術の最先端にしてみせろ。ベスターよ。」

ベスター「はっはい!」

ガゼル「ここで思う存分、研究に励むが良い。」

ベスター「…………っ…………は!今度こそ………今度こそ、期待に応えてご覧にいれます。」

 

 ベスターはそう言うと、今度は俺たちに顔を向ける。

 

ベスター「リムル殿、エース殿、カイジン殿すまなかった。許されるならここで働かせてほしい。」

カイジン「…………優秀な研究者が来てこっちも大助かりってもんだ。旦那方。何かあったら、俺が責任を取ります。ここは俺を信じて、こいつを許してやって下さい。」

ベスター「カイジン殿………。」

 

 まあ、ベスターも、ガゼル王の期待に応えようとして、焦ったからな。

 俺たちは、頷いて、答える。

 

リムル「カイジンがそれで良いなら、俺たちに文句はないよ。」

エース「ベスター。これからよろしく頼む。」

ベスター「ははっ!不肖ながら、精一杯努めさせていただきます!」

ガゼル「…………そうだ。エース。お前に会いたいという奴が居てな。」

エース「俺に?」

???「ああ。」

 

 それを見ていたガゼル王がそう言う。

 俺が首を傾げると、1人の男が現れる。

 その男は、全身黒色のスーツとネクタイとロングパーカーを着て、白髪のオールバックルで顔から下にかけて傷跡がある。

 

エース「そいつは?」

ガゼル「紹介しよう。カラという者だ。」

カラ「カラだ。よろしく頼む。」

ガゼル「この者は中々に役に立つぞ。」

カラ「アンタの力になってやる。」

 

 カラね……………。

 なんか若干胡散臭い気がするが…………。

 すると、リムルが口を開く。

 

リムル「良いんじゃねぇのか?そいつ、中々に優秀そうだけど。」

エース「リムル……………分かったよ。それじゃあ、よろしく頼むな。」

カラ「ああ。」

ガゼル「………………では、さらばだ!」

 

 ガゼル王はそう言って、去っていく。

 こうして、ベスターとカラが仲間になった。

 ベスターには、フルポーションの作成だけでなく、他の量産型のレイズバックルの作成を頼んだ。

 そんな風に、開発は進んでいく。

 カラには、事務作業を手伝ってもらうことに。

 時は少し遡り、傀儡国ジスターヴという場所では、ある4人が集まっていた。

 その4人は、魔王と呼ばれる存在であり、魔王カリオン、魔王フレイ、魔王クレイマン、魔王ミリムの4人がいた。

 カリオンが口を開く。

 

カリオン「ゲルミュッドの野朗は急ぎすぎたな。計画の言い出しっぺが出張って返り討ちに遭うなんざ世話のねぇこった。」

 

 カリオンがそう言うと、ミリムがプンプンと怒りながら同意する。

 

ミリム「カリオンの言う通りなのだ!フレイもそう思うだろ?」

フレイ「あのねぇミリム。私が貴方達の計画とやらを知るわけがないでしょう?」

ミリム「む?そうか。」

 

 ミリムの問いに、フレイはそう答える。

 カリオンは、フレイに聞く。

 

カリオン「つーかよ、なんでここにいるんだフレイ?」

フレイ「それは私が聞きたいくらいだわ。面白いから来いってミリムに無理矢理連れて来られたのよ。私は忙しいと断ったのだけどね。」

 

 フレイはミリムに連れてこられただけだった。

 それを聞いたカリオンは、クレイマンに聞く。

 

カリオン「いいのかよクレイマン?」

 

 ミリムの自由すぎる行動にクレイマンも頭を悩ます。

 

クレイマン「…………まぁいいでしょう。今更です。」

 

 クレイマンが指を鳴らすと、テーブルに五つの水晶玉が現れる。

 

クレイマン「ひとまず計画は頓挫したわけですが…………少々軌道を修正してやれば、まだチャンスはあります。まずはこれをご覧下さい。」

 

 クレイマンが水晶玉に手をかざすと何かが映し出される。

 

カリオン「なんだこりゃ?」

クレイマン「ゲルミュッドの置き土産です。」

ミリム「む?なんなのだこいつら…………鬼人?」

 

 そこに映し出されていたのは、湿地帯での俺達の戦いの様子だった。

 

クレイマン「ジュラの大森林から湿地帯にかけての戦いの記録です。豚頭帝(オークロード)以外にも面白い者どもが映っているでしょう?」

ミリム「おお…………っ!」

 

 その中でミリムの目に止まったのはエースとリムルの姿だった。

 そして映像が途絶える。

 

クレイマン「ゲルミュッドが死んだせいでこれ以降の展開は不明ですが、これほどの者達が相手となると、豚頭帝(オークロード)は倒されたと見るべきでしょうね。」

フレイ「もしも生き残っていた場合、彼らを餌に豚頭帝(オークロード)は魔王へと進化している……。そうでなかったとしても、彼らの中には魔王に相当する力をつけている者がいるかもしれない。なるほどね…………。つまり貴方達の計画というのは新たな魔王の擁立…………といったところかしら。」

ミリム「さすがフレイ。ワタシ達の目論見を見事に看破するとは!」

 

 クレイマンの言葉を聞いたフレイは、ミリム達が何を考えているのかを察した。

 それと同時に、呆れたように首を振る。

 

フレイ「呆れた。随分大胆なことを考えたものね。あの森が不可侵条約に守られていることをお忘れかしら?」

クレイマン「野良の魔人(ゲルミュッド)が私に持ち込んだ計画です。魔王(我々)が直接動くわけではないので、条約に抵触はしませんよ。」

 

 フレイの言葉に、クレイマンは笑顔でそう言う。

 

フレイ「どうだが…………。」

カリオン「いいじゃねぇか。別に大軍率いて攻め込もうってワケじゃねぇし、強者を引き入れるチャンスだっつーから俺も乗ったんだ。」

 

 カリオンはそう言って再度再生されている水晶玉を手に取る。

 その水晶玉には、嵐牙の姿が映っていた。

 

カリオン「見た限りじゃあ豚頭帝(オークロード)よりこいつらのほうが美味い。」

クレイマン(……まぁカリオンとミリムはそんなところでしょう。問題は飛び入りのフレイですが…………。来訪時から何か別のことに心を囚われている様子。その内容によっては恩を売ることが可能でしょう。)

 

 魔王間の条約において、その可否を決める時に提案した魔王の他二名の魔王の賛同が必要となる。

 自分の意見に追従する魔王の存在は、他の魔王に対し大きく優位性を得ることになるのだ。

 クレイマンは、思考を巡らせる。

 

クレイマン(…………悪くない。豚頭帝(オークロード)を失ったのは痛手ですが、むしろこの展開は理想的だ。魔王二人、上手くいけば三人に貸しを作ることが出来るのなら十分にお釣りが来る。あの魔人どもにはミリム達を釣る餌になってもらいましょうか。まずは森の調査を……。)

ミリム「よし!では今から生き残った者へ挨拶に行くとするか!」

「「「…………は?」」」

 

 思考を巡らせているクレイマンを含めた三人は口を開けた。

 カリオンは、ミリムに声をかける。

 

カリオン「いやいやいや落ち着けよミリム。ジュラの大森林には不可侵条約があるっつってんだろ。」

クレイマン「そうですよミリム。堂々と侵入しては他の魔王達が黙ってはいません。まずは私が内密に調査を…………。」

ミリム「何を言っているのだ。不可侵条約など今この場で撤廃してしまえばいいではないか。ここには魔王が四人もいるのだぞ。」

「「「え!?…………あっ!」」」

 

 そう。

 条約の可否には、提案した魔法の他2名の魔王の賛同が必要なのだ。

 つまり、撤廃するのは可能。

 

ミリム「あの条約はそもそも暴風竜ヴェルドラの封印が解けないように締結されたものなのだ。暴風竜は消えたというウワサだしな。もう必要なかろう?数百年前の話だしお前達は若い魔王だから知らないのも無理はないのだ。」

カリオン「そういうことなら条約破棄に反対する者もいないだろう。俺は賛成だ。」

フレイ「私も賛成ですわね。元々私の領土はあの森に接しているし不可侵と言われても面倒だったのよね。」

 

 それを聞いたカリオンとフレイが賛成する中、クレイマンは溜め息を吐いた。

 

クレイマン「(………もっとも単純に見えて最も老獪な魔王…………。やはり侮れませんね。)…………いいでしょう。私も条約の撤廃に賛成します。今すぐ他の魔王達へ通達しましょう。」

 

 そしてミリムのジュラの大森林の不可侵条約破棄案が、クレイマン、カリオン、フレイが賛同したことにより条約破棄が成立した。

 

クレイマン「受理が確認され次第行動を始めることになります。無難なのはまず人をやって調査することかと思いますが…………。」

カリオン「おいおい。こりゃ新しい戦力を手に入れようって話だろ。まさか協力しようってのか?」

フレイ「そうね………。どうせなら競争した方が潔いのではなくて?それで遺恨を残すほど器の小さい者はここにはいないでしょう?」

ミリム「いいなそれ!恨みっこなしで早い者勝ちなのだ!互いに手出し厳禁。約束なのだぞ?」

フレイ「ええわかったわ。」

カリオン「獅子王(ビーストマスター)の名にかけて俺様も約束しよう。」

クレイマン「そうなるだろうと思いました。では今後は各々の自己責任ということで。」

ミリム「ワタシはもう行くのだ!またな!!」

 

 そう言ってミリムは飛び出して行った。

 それを見ていたカリオン達も動き出す。

 

カリオン「俺様ももう行くぜ。配下から調査に向かうヤツを選ばにゃならねぇ。」

フレイ「私も失礼するわ。」

 

 カリオンとフレイが立ち去ろうとした時、クレイマンがフレイに声をかける。

 

クレイマン「フレイ。何かお困りでしたら相談に乗りますよ。いつでも頼ってください。」

フレイ「……そ。ありがとう。」

 

 フレイはそう言って部屋から出て行った。

 一人になったクレイマンはニヤリと笑みを浮かべる。

 

クレイマン「ミリム。カリオン。そしてフレイ。さてさて、また森が騒がしくなりそうですね…………。」

 

 そんな風に呟く。

 そして現在、俺は、とんでもない魔力の塊が、こちらに向かってくる事に気づいた。

 

エース「なんか、嫌な予感がするな………。」

 

 俺はそう呟き、ある丘へと向かっていく。

 途中で、リムルと合流する。

 

エース「リムル!」

リムル「エース!お前も感じるか?」

エース「ああ!とんでもない魔力の塊が、こっちに来てる!」

 

 俺たちはそう話して、丘に到着すると、ピンク色の魔力の塊が、地面に着弾する。

 俺たちは、飛ばされない様にする。

 すると、ピンク色の魔力の塊の中に居たであろう何者かが、話しかけてくる。

 

ミリム「初めまして。私はただ一人の竜魔人(ドラゴノイド)にして、破壊の暴君(デストロイ)の二つ名を持つ、魔王、ミリム・ナーヴァだぞ!」

リムル「魔王かよ?」

エース「うそ〜ん………。」

ミリム「お前達がこの町で一番強そうだったから、挨拶に来てやったのだ。」

 

 ミリムという魔王は、そう言う。

 ていうか、何で魔王がもう来るんだよ!

 やっぱり、ゲルドの件で、目をつけられてたのか?

 この圧倒的な気配……………。

 ヴェルドラと同じくらいだ。

 すると、ミリムという魔王が苦しみだす。

 

ミリム「な、なんなのだ!?あ、頭が痛いのだ!?」

エース「お、おい!大丈夫か!?」

リムル「どうしたんだよ!?」

ミリム「わ、私には、竜眼(ミリムアイ)というのがあってな。相手の隠している魔素の量まで、測定出来るのだ。なのだが……………お前は一体なんなのだ!?お前の魔素量がちっとも測定出来ないのだ!」

エース「え、俺?」

 

 なるほど、そんなスキルが。

 解析鑑定みたいな物か。

 それにしても、随分とやばい気配の魔王だよな。

 勝てる気がしない。

 それより、解析出来なかったというのは、気になるな。

 すると、ミリムが口を開く。

 俺が首を傾げる中、ミリムという魔王は、俺を指差す。

 

ミリム「そこのお前!この私と戦うのだ!」

エース「えええ……………!?」

リムル「どうしてそうなるんだよ!?」

ミリム「お前の実力を知りたいのだ!」

 

 なんでそうなる!?

 俺は心の中でそう思う。

 だが、下手に断って、面倒な事になるのは避けたい。

 俺はため息を吐きながら言う。

 

エース「………………分かった。」

リムル「良いのかよ!?」

エース「下手に断って、面倒な事になるよりはマシだし。それに……………今の俺が、どのくらいまで通用するのか、知りたいし。」

リムル「………………あんまりやり過ぎんなよ。」

エース「ああ。」

 

 俺はそう言って、デザイアドライバーを装着する。

 いよいよ、こいつの出番か。

 俺は、そう思いながら、ブーストマークIIレイズバックルを取り出す。

 それを、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 すると、俺の周囲にバイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が五つ浮かぶ。

 俺は変身ポーズをとって、叫ぶ。

 

エース「変身!」

 

 そう言って、ブーストマークIIレイズバックルを操作する。

 

BOOST MARK II

 

 その音声と共に、BOOSTの文字が俺の周囲を回転して、アーマーとなり、装着される。

 これが、仮面ライダーギーツ・ブーストフォームマークIIだ。

 それを見たミリムは。

 

ミリム「ほう!それがお前の本気か!」

エース「ああ。仮面ライダーギーツ。その言葉を……………お前は信じるか?」

ミリム「では……………行くのだ!」

 

REDAY FIGHT

 

 そう言って、俺とミリムは、お互いに駆け出して、ぶつかり合う。

 俺のパンチとミリムのパンチがぶつかり合い、周囲に衝撃波が放たれる。

 そんな中、リムルの元に、シズさん、真眼、紅丸、蒼影、紫苑、裂牙、嵐牙が集まる。

 

紅丸「リムル様!」

リムル「紅丸!シズさん!皆も!」

真眼「エース様と戦っているのは……………魔王ミリム!?」

シズ「えっ!?」

蒼影「なっ……………!?」

紫苑「魔王が何故!?」

リムル「分かんないけど、今、俺たちに出来ることは、あいつを信じる事だけだ。」

シズ「エース君…………。」

 

 リムル達は、そう話していた。

 俺とミリムは、現在進行形で戦っていた。

 言える事が、一つある。

 それは………………マジでやばい。

 

エース(流石は魔王って言われてるだけはあるな……………!強い……………!)

 

 俺は、なんとか白老にしごかれてた事もあって、戦えている。

 それと、ブーストフォームマークIIの加速能力もフル活用している。

 それでも、何とか戦えているという感じだ。

 

ミリム「やるではないか!だが……………私には勝てないのだぁぁぁ!」

エース「それでも、やれるだけやるさ。」

 

 ミリムがそう叫んでオーラを出す中、俺はデザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 リボルブオンを発動して、俺はビーストモードになる。

 

ミリム「お。姿が変わったのだ。」

エース「行くぜ!」

 

 俺はそう言って、尻尾であるバーミリオンエグゾーストテールを使った攻撃や、爪での引っ掻き攻撃を行う。

 だが、ミリムはそれに怯みつつも、あまり効いていない。

 俺は再び、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 俺は元に戻る。

 すると、眠気が襲ってくる。

 やばいな。

 さっさと決めるか。

 そう思い、ブーストマークIIレイズバックルを2回捻る。

 

BOOST TIME

 

 その音声と共に、待機音が流れて、俺は構える。

 

ミリム「ほう。来るのか。なら、来るのだ!」

エース「遠慮なく……………!」

 

 ミリムがそう言う中、俺はブーストマークIIレイズバックルを操作する。

 

BOOST GRAND STRIKE

 

「「ハァァァァァ!!!」」

 

 ミリムのパンチと、俺のパンチがぶつかり合い、周囲にこれまでとは比にならない位の衝撃波が放たれる。

 それには、俺とミリムもしばらくは耐えたが、お互いに吹っ飛ばされる。

 

ミリム「アハハハハ!右手が痺れたのは、本当に久しぶりだな……………!」

エース「マジかよ……………。」

 

 ミリムは、高笑いしながらそう言う。

 それには、俺は引き攣った笑みを浮かべるしかなかった。

 どうやら、まだまだの様だ。

 あと、眠気が襲ってくる。

 

リムル「エース。ここは、俺に任せてくれないか?」

エース「リムル?」

リムル「頼む。」

エース「…………分かったよ。あとは任せた。」

 

 リムルがそう言ったので、俺は、変身解除して、後を任せる。

 マジで眠い…………。

 すると。

 

創始者『告。意識レベルの低下を確認。緊急時につき、眠気を吹き飛ばします。』

エース『え?……………っ!?』

 

 創始者がそう言うと、眠気が引く。

 どういう事かと驚いていると。

 

創始者『解。レーザーレイズライザーの能力を応用して、マスターの眠気を覚ませました。』

エース『そっか……………。ありがとう。』

 

 本当に優秀だな。

 ミリムが口を開く。

 

ミリム「どうした?まだ遊び足りぬのか?……良いだろう。もっと遊んでやるのだ。」

紅丸「リムル様………。」

リムル「諦めたら、そこで終了だから、出来るだけやってみるさ。期待はするなよ。」

エース「出来る限りはやれ。」

ミリム「ほう………。私に立ち向かうのか?」

リムル「自信があるのなら、俺の攻撃を受けてみるか?」

ミリム「アッハハハハ!良いだろう!面白そうなのだ!………ただし、それが通用しなかったなら、お前達は私の部下になると、約束するのだぞ。」

リムル「分かった。」

 

 そう言って、リムルはクレーターの中心にあるミリムの方へと向かう。

 リムルは、どう対処するつもりだ?

 すると、リムルが構え、リムルの右手に、金色の液体が集まる。

 

エース(アレって確か………。)

リムル「食らえ〜〜!」

 

 俺がそう考える中、リムルは駆け出して、その金色の液体をミリムの口に突っ込む。

 しばらくの静寂の末、ミリムが叫ぶ。

 

ミリム「何なのだ、これは!こんな美味しい物、今まで食べた事が無いのだ!」

リムル「どうした?魔王ミリム。」

ミリム「えっ!?」

リムル「ここで俺の勝ちと認めるならば、更にこれをくれてやっても良いんだが?」

エース(ああ、アレって、蜂蜜だな。)

 

 そういえば、確か、アピトって名付けた蜂から、蜂蜜を受け取ってたな。

 アピトとは、森でボロボロになっていたのを見て、保護した蜂だ。

 コーカサスオオカブトみたいな外見のゼギオンと共に。

 確かに、ミリムって、魔王だけど、幼そうに見えるもんな。

 

ミリム「欲しい………!うう………だがしかし、負けを認めるなど………!」

リムル「う〜ん!美味しい!」

ミリム「あ〜っ!!」

 

 ミリムは、魔王としてのプライドか、負けを認めようとしなかったが、リムルが追い打ちをかける様に、蜂蜜をミリムの前で食べる。

 俺たちは、それを呆然と見ていた。

 

リムル「お〜っと!そろそろ残りが少なくなってきたぞ!」

ミリム「ま………待て待て!提案がある!引き分け………!今回は引き分けでどうだ?今回の件、全て不問にするのだ!」

リムル「ほほう?」

ミリム「も………勿論、それだけではないのだ!今後、私がお前達に手出しをしないと誓おうでは無いか!」

リムル「…………良いだろう。その条件を受けよう。」

ミリム「うわぁ!」

リムル「では、今回は引き分けという事で。」

 

 そうして、リムルは若干悪い笑みを浮かべながら、ミリムに蜂蜜を渡す。

 未曾有の天災を、乗り切ったな。

 俺たちは、場所を移動して、ミリムが蜂蜜を舐めるのを見ていた。

 

ミリム「あ〜ん!う〜ん!美味しい!美味しいのだ〜!」

エース「それは良かったな。」

 

 俺は、ミリムにそう話しかけ、リムルと思念伝達で話し合う。

 

エース『リムル、グッジョブ!』

リムル『ああ!………それにしても、これ以上面倒な事になる前に、早く帰ってくれないかな〜。』

エース『確かに…………。』

 

 確かに。

 これ以上、ミリムがここに居ると、面倒な事になりそうだ。

 すると、ミリムが俺たちに話しかける。

 

ミリム「なあなあ。」

「「ん?」」

ミリム「お前達は、魔王になろうとしたりしないのか?」

リムル「…………何で、そんな面倒な事しないといけないんだ。」

ミリム「えっ!?だって、魔王だぞ!?かっこいいだろ?憧れたりとかするだろ?」

エース「しないって。」

ミリム「えっ!?」

「「えっ?」」

 

 俺の言葉に、ミリムは驚いた様な表情を浮かべる。

 えっ、何で驚くの?

 リムルが、ミリムに質問をする。

 

リムル「魔王になったら、何か良い事でもあるのか?」

ミリム「強い奴が、向こうから喧嘩を売ってくるのだ。楽しいぞ。」

エース「そういうのは間に合ってるし、俺たちは興味もないよ。」

ミリム「ええっ!?じゃあ、何を楽しみに生きてるんだ?」

リムル「色々だよ。」

エース「俺ら、やる事が多すぎて、かなり忙しいからさ。魔王の楽しみは、喧嘩以外には、何かあるのか?」

 

 俺の質問に、ミリムは言葉に詰まる。

 

ミリム「無いけど………。魔人や人間に威張れるのだぞ?」

リムル「退屈なんじゃ無いか?それ。」

 

 ミリムの答えに、リムルがそう言うと、ミリムは図星の態度を取る。

 まあ、魔王なんざ興味ないしな。

 魔王になって、余計なしがらみは増やしたくない。

 ていうか、退屈してんじゃねぇか。

 

リムル「じゃあ、そろそろ………。」

エース「気をつけて帰れよ。えっ!?」

 

 俺たちがそう言うと、ミリムは俺とリムルを掴む。

 

ミリム「お前達、魔王になるより面白いことしているんだろ!?」

リムル「ええっ!」

ミリム「ずるいぞ!ずるい!ずるい!もう怒った!」

エース「そう言われても………。」

ミリム「教えろ!そして、私を仲間に入れるのだ!村に連れて行け〜!」

 

 そう言って、ミリムは、俺とリムルを激しく揺すって、俺とリムルを締める。

 …………っていうか、限界!

 駄々っ子かよ!

 俺とリムルは、即座に脱出する。

 

リムル「分かった、分かった。」

エース「町には連れて行く。ただし、条件がある。今度から俺たちの事は、さん付けで呼べよ。」

ミリム「ふざけるな!逆なのだ!お前達が私をミリム様と呼べ!」

リムル「………じゃあ、こうしよう。俺たちがミリムと呼ぶから、お前は俺たちを呼び捨てで呼ぶ。どうだ?」

 

 俺とリムルの提案に、ミリムはそう言う。

 リムルが、折衷案を上げると、ミリムは少し目線を逸らして、答える。

 

ミリム「…………分かった。しかし、特別なのだぞ。私をミリムと呼んで良いのは、仲間の魔王達だけなのだ。」

エース「はいはい、ありがとうな。」

リムル「じゃあ、今日から俺たちも友達だな。」

ミリム「う………うむ。」

エース「これから村を案内するが、俺たちの許可なく暴れるなよ。約束だ。」

ミリム「もちろんなのだ!約束するぞ、リムル、エース!」

 

 どうにかなったみたいだな。

 ミリムが高笑いしていると。

 

ガビル「おや?」

ミリム「あ?」

 

 その声がして、蒼影を除いた全員が震える。

 蒼影は、リグルドあたりに知らせに行ったのだろう。

 震えた理由は、ガビルがとんでもない事を言ったからだ。

 

ガビル「どなたですかな?このチビッ娘は?」

ミリム「えい!」

ガビル「ああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 そんな事を言ったもんだから、ミリムに盛大に殴られ、石畳を破壊しながら、転がって行く。

 

ガビル「ああ…………。」

ミリム「誰がチビッ娘だ!ぶち殺されたいのか?」

 

 暴れるなって、言ったばかりなのに………。

 早速暴れたミリムを俺たちが呆れながら見ていると、ミリムはガビルに話しかける。

 まあ、ガビルの自業自得な面もあるけど。

 

ミリム「良いか?私は今、とても機嫌が良い!だから、これで許してやるのだ!次はないから、気をつけるのだぞ!」

ガビル「ぶははっ!我輩の親父殿が、川の向こうで手を振っているのが見えましたぞ。」

リムル「お前の親父は生きてるだろ。」

エース「何言ってんの?」

ガビル「あっ。ところで、そちらのチビッ娘………。」

ミリム「ああ?」

 

 ガビルが、またチビッ娘って言おうとした瞬間、ミリムはガビルを睨む。

 

ガビル「おっと。お嬢様は一体………?」

リムル「こいつは、ミリム。」

エース「魔王の一人らしいぞ。」

ガビル「魔王ですと!?」

 

 俺とリムルがそう言うと、ガビルは驚く。

 まあ、そうなるのも、無理はない。

 

リムル「あのな、ミリム。怒っていても、すぐに殴ったりしたらダメだぞ。」

ミリム「う………私を怒らせる方が悪いのだ。それに、あの位は、挨拶の内だぞ。」

エース「殴り合いは挨拶じゃないんだぞ。それは禁止だ。」

ミリム「うう………!」

 

 俺とリムルの言葉に、ミリムは頬を膨らませる。

 そんなこんなで、村の皆に、ミリムの事を紹介する。

 

リムル「新しい仲間を紹介する。」

エース「といっても、扱いは客人という形になるので、丁寧親切に対応して欲しい。」

ミリム「ミリム・ナーヴァだ!」

 

 ミリムがそう叫ぶと、周囲がどよめく。

 まあ、魔王の一人だからな。

 

村人「なんと!?魔王ミリム様!?」

村人「おお………!ご尊顔を初めて拝謁出来ましたぞ!」

ゴブタ「さすが、リムル様とエース様っす!」

リグルド「あの暴君と、ああも親しげに……。これで、このテンペストも、安泰という物だ………!」

 

 ミリムって、有名な魔王なんだな。

 っていうか、リグルドは泣きすぎだろ。

 すると、ミリムがとんでもない事を言った。

 

ミリム「今日から、ここに住む事になった!よろしくな!」

「「えっ?」」

 

 ミリムの発言に、俺たちが驚いていると、周囲が歓声を上げる。

 住むなんて、聞いてないぞ!?

 ただ案内して、案内し終わったら、帰る感じじゃなかったのか!?

 リムルが、ミリムに聞く。

 

リムル「………住むって、どういう事だ?」

ミリム「そのままの意味だぞ。私もここに住む事にしたのだ。」

エース「ああ………。ま、まあ、本人がそう言っているので、そのつもりで、対応して欲しい。」

 

 リムルの質問に、ミリムが答え、俺がそう言うと、再び歓声を上げる。

 人気なんだな。

 すると、ミリムが叫ぶ。

 

ミリム「何かあったら、私を頼ってもいいのだ!」

 

 ミリムの宣言に、村人は歓声を上げる。

 すると、リムルがつぶやく。

 

リムル「魔王と友達か………。」

ミリム「そうだな。友達は変だな………。」

リムル「あ………聞こえてた?」

エース「聞こえてたぞ。」

ミリム「え、えっと………。友達というより………マブダチだな!」

 

 ミリムがリムルを持ち上げ、俺の腕を持ち上げながらそう言うのに、村人は、何度目かの歓声を上げる。

 俺たちは、驚く。

 

エース「マブダチ!?」

ミリム「違うのか!?う、うぅ………。」

 

 俺の叫びに、ミリムが反応して、泣き出しそうになる。

 やっべぇ、地雷を踏んだか!?

 

リムル「マブダチ!マブダチ!皆!俺たち3人はマブダチ!」

 

 リムルがそう宣言すると、周囲の人たちが、マブダチコールを始める。

 

ミリム「だろ?お前達も、人を驚かせるのが上手いな。」 

 

 こうして、火薬庫よりも危険な魔王ミリムが、ジュラ・テンペスト連邦国の仲間入りを果たした。

 そして、温泉宿で、ミリムは温泉に入っていた。

 一方、俺たちは、和室に集まっていた。

 集まっていた面子は、俺、リムル、シズさん、リグルド、カイジン、紅丸、蒼影、白老、真眼だ。

 集まっていた理由は、ミリムの扱いと、今後の方針だ。

 ただ、リムルが何かを考え込んでいた。

 

エース「リムル。」

リムル「ああ、すまない。何だっけ?」

リグルド「ミリム様の件です。まさか、魔王自らやって来るとは思いませんでした。」

シズ「私も驚いたよ。」

リムル「でもまあ、一応は許可なく暴れないと約束してくれてるし………。」

カイジン「いや、しかし、気になるのは、他の魔王達の出方じゃねえか?」

エース「どういう意味だ?」

 

 カイジンの言葉に、紅丸達は頷き、俺はカイジンに理由を尋ねる。

 

カイジン「魔王は何人か居るんだが………お互いが牽制し合ってるんだ。今回、旦那方がミリム様と友達と宣言したから、この町も、魔王ミリムの庇護下に入る事を意味する。本来なら、それは望ましい事かもしれんが………。」

白老「リムル様とエース様は、盟主という立場にありますのじゃ。つまり、このジュラの大森林が、魔王ミリムと同盟を結んだ………そういう風に、他の魔王達の目には、映るでしょうな………。」

紅丸「魔王ミリムの勢力が一気に増す事になり、魔王達のパワーバランスが崩れる。」

真眼「それによって、魔王達の勢力争いに、この街が巻き込まれる恐れが出てきますね。」

「「なるほど………。」」

 

 つまり、俺たちは、魔王達の勢力争いに巻き込まれるかもしれないって事か。

 面倒な事になりそうだな。

 

リグルド「しかし、実際にですぞ。魔王ミリム様を止めようとしても、無理でしょう。」

シズ「私でも、無理かな…………。」

紅丸「あれは、別次元の強さだった。リムル様とエース様がいなければ、俺たちは今頃、生きてはいない。」

蒼影「その通りだ。他の魔王が敵対するというのなら、そいつらを相手にする方がマシだろう。」

 

 そこまでか………。

 流石にそれはすごいな。

 しばらくの静寂の末、獅子脅しの音がすると。

 

リグルド「という事で、ミリム様のお相手は、マブダチとして、リムル様とエース様に全てを任せるという事で………。」

「「「「異議なし。」」」」

「「丸投げ!?」」

 

 俺たちに丸投げしたぞ!

 俺たちが驚いている中、白老とシズさんが口を開く。

 

白老「魔王ミリム様は、最強最古の魔王の一人。絶対に敵対してはならない魔王と、言われておりますしのう。今回ばかりは、リムル様とエース様にお任せする他ありますまいて。ホッホッホッホッ。」

シズ「頑張ってね、2人とも。」

 

 仕方ないか………。

 俺とリムルは、そう思った。

 だが、俺たちは知らなかった。

 ミリムが巻き起こす旋風は、まだ吹き始めたばかりだという事を。

 一方、当のミリムは、朱菜、紫苑にお湯をかけていた。

 

ミリム「アハハハハ………!楽しいのだ!うおぉぉぉ!ハハハ………!」

朱菜「お風呂で遊んではいけませんって、言ってるでしょ!」

紫苑「うう…………くらえ!」

 

 紫苑はそう叫んで、お湯をミリムにかける。

 

ミリム「やったな!それ!」

朱菜「良い加減にしなさーい!!」

 

 女湯から、朱菜の叫び声が響くのだった。




今回はここまでです。
新たなオリキャラ、カラの加入、ミリムの襲来、ブーストフォームマークIIの初陣などです。
ミリムを相手にするには、ブーストフォームマークIIでは、まだまだです。
近いうちに、レーザーレイズライザーは作成する予定です。
もちろん、サポーター達も生み出します。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
サポーターに関してですが、ケケラとベロバに関しては、どんな扱いにするのかは未定です。
もし、ケケラとベロバの扱いに関してリクエストがあれば、活動報告にて承っています。

サポーターはどうするか

  • ユニークスキルとして出す。
  • 普通に人間として出す。
  • その他
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