転生したら白狐だった件   作:仮面大佐

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第44話 全てを賭けて

 俺たちは、会議室に皆を集める。

 

リムル「皆、待たせたな。これより、会議を行う。」

エース「議題は、今後の人間への対応と、紫苑達の蘇生に関してだ。」

 

 俺たちはそう切り出す。

 そして、エレンが語った物語……………ミリムの過去についても話す。

 竜と人との間に生まれ、竜皇女(りゅうこうじょ)として育つ少女。

 ある日、竜である父から、自身の分身体とも言える子竜を、友として授かる。

 しかし、竜皇女を支配しようとした国王は、子竜を殺してしまった。

 その少女は嘆き、悲しみ、怒り狂った。

 父より受け継いだ、その力で、その国王と十数万人の国人諸共、一国を滅ぼしてしまう。

 その怒りはやがて、世界へと向いてしまう。

 ある魔王が、止めようとするが、七日間も戦い続ける。

 その少女は、精霊女王が仲裁した事で、正気を取り戻し、魔王へと開花し、それに伴い、子竜は奇跡の復活を果たす。

 だが、死と同時に魂を失った子竜は、破壊の限りを尽くす意思なき邪悪な魔物、混沌竜(カオスドラゴン)へと変貌していた。

 少女は嘆きつつも、かつて友であった混沌竜(カオスドラゴン)を封印し、これが、魔王となった竜皇女の最初の偉業となった。

 それを聞いていた皆は、黙って俺たちを見る。

 そして、俺たちは言う。

 

リムル「……………と言う事で、俺たちは魔王になろうと思う。」

 

 リムルの言葉に、その場にいる全員が俺たちを見つめる。

 すると、外からは。

 

ヤシチ「ええ〜!?リムル様とエース様が魔王に!?」

カクシン「シッ!」

ヤシチ「ごめん……………。」

 

 そんな声が聞こえてきた。

 まあ、無理もない。

 ひとまず、今後の人間への対応を話し合う事にした。

 

レグルド「………私は人間を許せません。強き者に従うのは不服ではありません。だがあれは不意をついた侵略。卑怯者に払う敬意など持てません。」

リリナ「私も…………人間に対しこれまでと同じように接することができる自信がありません。商人や冒険者の中にああいった者がまた潜んでいないとは限りませんもの…………。」

 

 レグルドとリリナの2人は、そんな風に言う。

 無理もない。

 いきなり、不意打ち気味に襲われたのだから。

 すると、ゴブタが口を開く。

 

ゴブタ「……………オイラは、ゴブゾウ達を殺したファルムス王国の騎士達はキライっすけど、ヨウムさんや部下の人達は同じ師匠の下で同じ釜の飯を食った仲間っす。あいつらとは違うって断言できるっす。」

ヨウム「ゴブタ……………。」

 

 ゴブタはそんな風に言うと、ヨウムは嬉しそうにそう言う。

 次にリグルやリグルドが口を開く。

 

リグル「俺もゴブタに同意します。カバル殿達はここを案じて駆けつけて来てくれました。彼らは信頼できる友だと俺は思います。」

リグルド「襲撃の際に町の者達を守る為に駆けつけ、助けて下さったジーン殿にキューン殿、ギロリ殿。…………そして迎撃に助力を申し出てくれたのはミョルマイル殿や人間の冒険者達でした。〝人間〟とひとくくりに話すべきではないのではないでしょうか?彼らの中には信頼できる者もいればそうでない者もいる。」

レグルド「しかし当面は人間との交流は全面禁止にするべきじゃないか?」

リグルド「いやそれでは、ブルムンドとこれまで築いてきた信頼も失いかねない。」

 

 リグルがそう言うと、エレン達は嬉しそうに笑い、リグルドがそう言うと、色々と話しだす。

 俺とリムルは頷くと、話を本筋に戻す。

 

エース「こちらに向かっていると言うファルムス王国の軍隊……………俺とリムルで1万名以上を養分にして、魔王に進化する。」

リムル「紫苑達が蘇生する確率は、3%もある。」

一同「おお……………!」

 

 それには、全員がどよめく。

 蘇生出来る可能性があると分かったからな。

 それと同時に、俺たちを心配するような気配を感じる。

 すると、朱菜が声をかける。

 

朱菜「そっ、それはエース様、リムル様……………。」

リムル「まあ、待て。言いたい事、聞きたい事があるだろうが、その前に、最後まで話を聞いてくれ。」

朱菜「はい。」

エース「………………俺とリムルは、元人間の転生者だ。所謂、異世界人と呼ばれる者と、同じ世界の人間だった。」

 

 そう。

 俺たちが明かす秘密……………それは、俺たちが転生者である事だ。

 

リムル「向こうで死んで、この世界で生まれ変わったんだ。スライムとしてな。…………最初は寂しかった。目も見えず、音も聞こえず何をするべきなのかも分からず、ひたすら草や鉱石ばっか食って気を紛らわさせた。期せずして、友と呼べる存在とエースに出会えた。もう一人は訳あってすぐ目の前から消えちまった。その後、俺達に仲間ができた。……………お前達だ。」

 

 リムルはそんな風に話す。

 目が見えず、音も聞こえず、何をするべきか分からない。

 それは、苦痛となるだろうな。

 リムルがそう言うと、皆を見ながら言う。

 

リムル「…………嬉しかった。誰かから頼られるなんて久しぶりだった。何をするべきなのか目標を見つけた気がした。進化したお前達が人間に近くなったのは、もしかしたら俺の願望が影響したのかもしれない。」

 

 リムルはそう言う。

 それには、俺の願望も混じっていた気もするがな。

 

リムル「人間を襲わないというルールも、人間が好きだと言ったのも、俺たちが元人間だったからだ。」

エース「俺たちは魔物だけど、心は人間のままだと思っていた。だから、人間と交流を深め、仲良くできればなと。」

リムル「今更後悔しても、取り消す事は出来ないが、その事でお前達が傷つくのは、俺たちの本意じゃない。」

エース「ああ。イングラシアに長居しないで、すぐに戻っていれば……………。」

 

 そう。

 俺も、イングラシアに少し長居してしまった。

 すぐに戻っていれば、GMライダーのロールアウトが間に合い、対処は出来たかもしれないのに……………。

 すると、真眼と朱菜が口を開く。

 

真眼「それは違います。」

朱菜「はい。いつでもエース様とリムル様が守ってくださるという甘えが、私たちにあったのです。その結果が、今回の惨劇でした。」

エース「真眼……………?」

紅丸「妹や幼馴染に先に言われてしまうとは……………兄として…………男しても情けない限りだ。」

 

 朱菜と真眼がそう言う中、紅丸がつぶやく。

 俺とリムルが呆気に取られる中、紅丸の独白は続く。

 

紅丸「俺も、今回の件で痛感しました。結界で、リムル様とエース様との繋がりを絶たれた時、常にあった万能感が消え去り、胸中には、寄る辺を失った動揺が広がったのです。留守を預かっていたというのに、惨事を未然に防げなかった原因は…………俺にあります。」

リグル「待ってくれ!紅丸さん!それを言うなら、警備責任者の俺の失態だ!原因なら、俺にある!」

ゲルド「いや……………。」

リムル「ん?」

 

 紅丸がそう言う中、リグルがそう言って、ゲルドとボアも口を開く。

 あれ?

 

ゲルド「初めて道を通る者には、もっと目を光らせておくべきだった…………。」

ボア「……………うむ。息子の言う通りだ。力を手に入れた事で、慢心していたかもしれん。」

エース「ええっ?」

ゴブタ「オイラのせいっす…………。」

リムル「あ……………。」

ゴブタ「相手を煽りすぎたかもしれないっす……………。」

リグル「いや、あれは仕方ない。」

 

 ゲルドとボアがそう言うのに皮切りしてか、色々と言い出していく。

 話が段々と逸れていく中、俺は叫ぶ。

 

エース「待て!待ってくれ!油断していたのは、俺たちだ。俺もどこかで、ファルムス王国がすぐに攻めてくるなんてあり得ないという慢心があった。」

リムル「俺だって、自分の思いを優先した結果、この様だ。全ては、俺たちの責任だ。本当に、済まなかった。」

シズ「私も……………2人をイングラシアに留めさせた。本当に……………ごめんなさい。」

朱菜「エース様、リムル様……………。」

真眼「エース様……………。」

エレン「シズさん………………。」

 

 俺、リムル、シズさんが周囲の皆にそう謝る。

 今回の件は、予期しておきながら、何も出来なかった俺の過ちだ。

 だから、罵られ、この街を追い出される事は覚悟していた。

 罵られても、仕方ない事なのだから。

 すると、白老が立ち上がる。

 

白老「リムル様、エース様、シズ殿。お二人がご自分の思いを優先し、シズ殿が2人の思いを助けたからと言って、何ら問題はございませんぞ。今回の件は、わしら全員の油断…………そして、弱さが原因じゃ。あの様な不埒者どもに好き放題されてしまったのは、わしらの怠慢であろう!違うか、皆の衆!」

 

 白老がそう叫ぶと、皆は頷く。

 

リムル「皆……………。」

エース「お前ら……………。」

リグルド「リムル様、エース様。」

エース「リグルド……………。」

リグルド「リムル様とエース様は、我らの主。人間と仲良くしようと、魔王になろうと、あなた方の想いが、我らの進むべき道なのです。」

リムル「元人間が主とか、嫌じゃないのか?」

ゴブタ「え?リムル様はリムル様で、エース様はエース様っすよね?」

エース「それはそうだが…………。」

朱菜「フフフフッ…………。」

真眼「フッ…………。」

 

 リグルドの言葉に、リムルがそう聞くと、ゴブタはそう言う。

 俺がそう言うと、真眼と朱菜の2人が笑う。

 

朱菜「私たちがお慕いしているのは、エース様とリムル様です。」

真眼「ええ。前世が何であろうと、関係はないです。」

紅丸「だな。」

白老「ハッハッハッハッ。」

リグルド「皆の気持ちは、同じです。その様なことを気にする者など、誰もおりません。我らはただ、従うのみですぞ。」

エース「そうか……………。」

 

 俺たちは、こんなに仲間達に恵まれていたんだな……………。

 それを聞いて、嬉しくなる。

 すると、ずっと黙っていたカイジンが口を開く。

 

カイジン「それで、聞きたいんだが…………。」

 

 カイジンがそう言うと、カップを取り、紅茶を飲んで、俺達に聞く。

 

カイジン「今後の人間への対応は、どう考えているんだ?旦那方。」

リムル「ああ。俺たちが思うに、人間は、善にも悪にもなれる。それは、そもそもの性根もあるだろうが、周囲の環境に大きく影響される。」

エース「確かにな。個人が善であっても、住む国が悪の道に進めば、いつしか同じ色に染まる。それはまさに、ファルムス王国がその例だ。ジーン。」

ジーン「ああ。」

 

 カイジンがそう聞くと、俺とリムルはそう言う。

 ジーンに頷くと、ジーンは部屋から出て、ある人を連れてくる。

 それは……………。

 

ゴブタ「あっ!その女は!?」

エース「……………水谷希星。襲撃者の1人だ。」

 

 ゴブタがそう叫ぶ。

 そこに居たのは、水谷希星だったのだ。

 全員が睨む中、希星は俺の事を見てくる。

 俺はただ、頷いた。

 誠意を込めれば、きっと分かってくれると。

 希星は、勇気を持って、口を開く。

 

希星「あの……………ごめんなさい!謝っても許されないのは分かっています!でも…………今のウチには、謝る事しか出来ないんです。本当にごめんなさい!!」

 

 希星はそう言って謝った。

 それを見ていたゴブタ達は、街で遭遇した際の姿と全く違っていたからか、困惑していた。

 俺は口を開く。

 ちなみに、狂言師(マドワスモノ)に関しては、レーザーレイズライザーのデザイン力によって、この部屋全体が無効化空間にデザインしたから、問題ない。

 

エース「彼女は、ファルムス王国によって、この世界に召喚された。彼女の経緯について説明する。」

 

 俺がそう言うと、皆驚く。

 シズさんもまた。

 シズさんも、魔王レオンによって召喚された為だ。

 希星は、この世界にファルムスによって召喚された後、橘恭弥と田口省吾と違い、大したスキルを持っていないと判断され、雑に扱われていた。

 そんなある日、待遇にキレて、『死んじまえ』と叫んだ次の瞬間、自分のユニークスキルである狂言師(マドワスモノ)の効果で、周囲の人が自殺をする。

 それを知った召喚者によって、スキルを封印されて、彼女を呪言で縛り、今度はその力を利用され続ける日々となった。

 それを知った一同は、同情の表情を浮かべる。

 無理もない。

 平和な日常を奪われ、使えないと分かると雑な扱いをされ、使えると分かると支配される。

 すると、シズさんが希星の元へと向かい、優しく抱きしめる。

 

シズ「本当に辛かったよね……………。私も召喚者だから、貴女の気持ちはよく分かるよ。」

 

 シズさんは、涙を流しながらそう言う。

 俺は、皆に言う。

 

エース「……………確かに、彼女も襲撃者の1人だ。許せない気持ちは分かる。だけど、彼女もまた、ファルムスによって、酷い仕打ちを与えられた被害者だ。すぐに許してくれとは言わない。ただ、理解してやってほしい。」

 

 俺はそう言うと、皆は納得したような表情を浮かべる。

 先ほどの言葉にもあるが、例え、少数の意見があっても、大多数の意見に飲み込まれてしまう。

 そして、必ずしも、大多数の意見が合っているとも限らないのだ。

 それは、ゼロワンのVシネマである滅亡迅雷や、バルカン&バルキリーでも描かれている。

 

唯阿『多数派の意見が必ずしも、正しいとは限らないからだ。』

 

 刃唯阿は、ソルド20に対してそう言った。

 そして、正義という物もまた、立場によって変わる。

 それは、それぞれの仮面ライダーで描かれていた。

 

映司『一杯見てきた。誰かを守りたいっていう気持ちが、自分たちの正義がどんどんエスカレートする事がある。正義の為なら、人間はどこまでも残酷になれるんだ。』

映司『誰が正しくて、誰が間違ってるって、とっても難しい事だと思います。自分が正しいと思うと、周りが見えなくなって、正義の為なら、何をしてもいいと思ったり。きっと、戦争もそうやって起こっていくんです。』

映司『目の前で起こっている事に一生懸命になるしかないんです。小さな幸せを守る為に。』

真澄『正義はあっても、正解という物は無いのだ。』

猛『お前達の生ぬるい優しさが、今回の危機を招いたと言っても過言では無い!』

猛『例え、己を犠牲にしようとしても、花一輪の為に命をかける。その優しさを貫く強さこそが、本当の強さかもしれん。』

朱美『あのね、正しいっていう言葉を簡単に使う方が危ないから。』

戦兎『見返りを求めたら、それは正義とは言わねえぞ。』

唯阿『答えは一つだ。真の正義とは…………命を守るという事だ。』

唯阿『正義は、国や組織、立場によって考え方が変わる。しかし…………命を守るという行為は変わらない。だから私たちは戦うんだ。命を守る為に。』

諫『正義か。……………その言葉、どうも気にいらねぇな。要は都合の良いように暴力を振るう為の言い訳だろ。』

諫『俺のルールだ。正義でも善意でもない。ただ、俺が守りたい物は守る。俺が気に入らない物はぶっ潰す。』

諫『正義で世の中良くしようなんて、ただの詭弁だ!下らねぇジョークで腹の底から笑って生きてりゃ、それで良かったんだよ!』

諫『お前らの覚悟は、俺が受け止めてやるよ。だから…………全力でぶつかって来い!こっちも全力で応えてやる!それが………俺のルールだ。』

 

 これらの言葉は、正義などに対する仮面ライダー達の思いなどだ。

 ファルムスの兵士が言っていたように、人類にとって、魔物とは悪なのであると。

 だが、魔物からしたら、人類が悪になる場合もある。

 まさに、ゼロワンの人間とヒューマギアの関係と似ている。

 ゼロワンでは、行き過ぎた正義は、悪であるという事も描かれている。

 何が言いたいのかと言うと、俺は自分の信じる物を信じて、守るべき物を守る。

 そんな仮面ライダーになるのだと。

 そう思っている中、リムルが口を開く。

 

リムル「だから、俺たちは人間が学習できる環境を整えたいと思う。俺たちの事を知ってもらえれば、良き隣人になれるのだと。そして、人間と魔物の垣根を取り払えると。俺は、その可能性を信じたい。」

エース「まあ、これはあくまで今後の希望としての話だ。今の段階では時期尚早だろう。まずは、俺たちの存在を、人間達に認めさせる事から始めるべきだ。」

 

 そう。

 今の段階では、早すぎる。

 だからこそ、魔王になる必要があるのだ。

 すると、紅丸が口を開く。

 

紅丸「なるほど。リムル様とエース様が魔王として君臨する事で、武力を用いた交渉は不利だと悟らせる。」

リムル「ああ。その上で、他の魔王に対する牽制も行い、人間達の国の盾としての役割を担う事にする。」

ゲルド「その通りですな。」

ボア「ええ。賢い者ならば、敵対するよりも、共存を選ぶでしょう。」

エース「ああ。長い時間をかけて、ゆっくりとでも、友好的な関係を築ける様に目指す。これが俺たちの考えだ。」

 

 たとえ、時間が掛かっても、友好関係を築けるのなら、その方がいい。

 すると、黙って聞いていたカイジンが口を開く。

 

カイジン「そりゃまた、甘い理想論だな。これから魔王になろうって奴のセリフじゃねえぞ。ったく………………だが、嫌いじゃないぜ。旦那達らしくってな。」

リムル「えへっ。」

 

 まあ、理想論だな。

 それでも、叶えてみせるさ。

 願う限り、必ず叶う。

 すると、朱菜が口を開く。

 

朱菜「理想論でも良いじゃないですか。」

真眼「ええ。私は、エース様とリムル様なら、作れると思います。その夢の様な世界を。」

ゲルド「難しく考える事などない。」

ボア「うむ。我らは、エース様とリムル様を信じるのみです。」

紅丸「リムル様とエース様が魔王になるのなら、俺の役目も、ちゃんと用意して下さいよ。」

蒼影「我々は、リムル様とエース様の忠実なる影。ご命令のままに動きます。」

蒼華「御意のままに。」

蒼海「無論です。」

ガビル「勿論、我輩達も!」

エース「ありがとうな。」

嵐牙「我が主達よ。我はあなた様方の忠実な牙。立ち塞がる敵を噛み殺す者でございます。」

裂牙「息子と同じく、我らの忠誠は、お二人にあります。」

リムル「嵐牙……………。」

エース「裂牙……………。」

 

 朱菜と真眼がそう言うのを皮切りに、ゲルド、ボア、紅丸、蒼影、蒼華、蒼海、ガビル、嵐牙、裂牙がそう言う。

 俺たちがそう呟いていると、ヨウムが口を開く。

 

ヨウム「やれやれ……………。俺たちにも新たな国を作って、意識改革を手伝えって事なんだろ?」

リムル「分かってるじゃないの、ヨウムちゃん!」

エース「頼んだぞ。新たな国王様?」

ヨウム「えっ……………言ってろよ。」

ミュウラン「フッ……………。」

グルーシス「ハハハッ!」

ヨウム「ヘッヘへ…………。」

エレン「リムルさん、エースさん!今後もずっと仲良くしようね!」

シズ「私もね。」

リムル「うん。」

エース「ああ。勿論だ。」

リムル「皆、ありがとう!これからも、俺たちの我儘に付き合ってくれ!」

 

 その言葉に、皆が賛同する。

 それを聞いて、俺は嬉しかった。

 ここが、今の俺たちの家なのだと。

 人や魔物という垣根など、心が通じ合えば、乗り越えられる。

 俺はそう確信した。

 だからこそ、紫苑達を蘇生させてみせる。

 その後、俺たちは、ファルムス王国への反撃の作戦を立てる事に。

 

リムル「さてと………………。」

エース「敵軍の詳細は分かるか?」

紅丸「はい。蒼影からの情報によると、進軍中の軍勢は、今のペースで行くと……………3日後には、テンペストに到着すると思われます。」

真眼「ファルムス王国の騎士団が2万。傭兵団1万2千。魔法使いが2千程度。これに、西方聖教会の神殿騎士団(テンプルナイツ)6千を加えた、連合軍との事です。」

朱菜「総勢4万……………ですか。」

リムル「数は多いが、大した戦力じゃないな。」

エース「ああ。問題ない。」

一同「おおっ!」

リグルド「流石はリムル様にエース様!」

 

 そう。

 今回は、あの力を使うべきだろう。

 俺が手に入れた破壊の力を。

 4万か。

 俺たちが魔王になるのに、必要な養分は十分に足りる。

 俺たちが人間の魂を得る事で、真なる魔王に進化するのだろう。

 すると、ゲルドが口を開く。

 

ゲルド「どういう分担で行きますか?」

リムル「ん。」

紅丸「やはり、正面は俺の部隊が受け持つ方がいいな。」

ゴブタ「狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)にも先陣を任せて欲しいっす!」

エース「いや、悪いが、連合軍に関しては、俺達に任せて欲しい。」

ゴブタ「え?」

 

 俺の言葉に、ゴブタが首を傾げる。

 その他の面子も、驚いた表情を浮かべる。

 

リムル「理由はある。殺された者達の蘇生に関わるんだが……………これを為すには、俺たちが魔王になる事が絶対条件だ。」

エース「そして、侵略者を俺たち2人で殲滅する事が、俺たちが魔王になる為に必要なプロセスだからだ。」

紅丸「はぁ……………。」

 

 俺とリムルがそう言うと、紅丸とリグルドは顔を見合わせる。

 すると、リグルドが不安そうに言う。

 

リグルド「だとしても…………お二人だけで出陣するのは、危険すぎでは?」

リムル「心配ない。油断もしないし、手加減もしない。」

リグルド「さ、左様ですか……………。」

 

 リグルドは、リムルの答えに、そう言って引き下がる。

 それに、理由はまだある。

 今回の一件、俺たちが責任を取る必要がある。

 今後、一切の甘えを、俺たち自身に許さない為にも。

 俺たちの決意のこもった表情を見て、紅丸は頷き、口を開く。

 

紅丸「分かりました。今回は、お二人に託します。」

リムル「うん。」

エース「という訳で、お前達には、別に任せたい事がある。」

紅丸「はっ!」

リグルド「何なりと!」

 

 俺の言葉に、紅丸とリグルドは頷く。

 俺は、テンペスト周辺の地図を出して、敵を表す黒い駒を街の四方に置く。

 

リムル「街の四方に、結界を発生させる魔法装置が置かれている。それを守っているのは、中隊規模の騎士達だ。」

エース「やって欲しい事は、その部隊を四箇所同時に攻め落としてもらいたい。」

紅丸「ほう。」

ボア「では、各々に選抜部隊を決めませんとな。」

リグル「是非とも、このリグルに!」

ゴブタ「オイラも!今回は本気で怒ってるっすよ!」

リムル「慌てるな。人選は済んでいる。」

ゴブタ「えっ?」

 

 俺は、それぞれを表す白い駒を、その黒い駒の周囲に置いていく。

 

エース「まず、東には紅丸、真眼、ベロバ、ギロリさん。西に白老、リグル、ゴブタ、ゲルド、ボア、そしてシズさん。南をガビルとその配下達。北には蒼影、蒼華、蒼海達だ。」

蒼影「我らにも機会を与えて下さり、感謝します。」

ガビル「お任せあれ!」

リムル「勝てるか?」

蒼影「容易い事です。」

リムル「よし。」

 

 俺がそう言うと、蒼影達が魔法通信でそう言う。

 そんな中、リムルは紅丸に、俺は真眼に話す。

 

リムル「紅丸。手加減はいらない。」

紅丸「無論、そのつもりです。」

エース「真眼。これを使え。」

真眼「これは……………ジリオンドライバーですよね?」

エース「そうだ。これで、仮面ライダーゲイザーゼロに変身できる。ヴィジョンドライバーは、ギロリさんに渡してくれ。」

真眼「はっ。」

 

 リムルがと紅丸がそう言う中、俺は真眼に、開発しておいたジリオンドライバーを渡す。

 これで、ゲイザーゼロに変身出来るはずだ。

 ちなみに、ジーンから話を聞いていたのだ。

 ゲイザーゼロという仮面ライダーがいるのを。

 すると、白老が口を開く。

 

白老「リムル様、エース様。わしも二度と不覚を取るつもりはござらん。しかし、わしを西に配置するという事は……………奴ら(異世界人)が居る可能性が高い……………という事ですかな?」

 

 そう。

 西に白老を配置したのにも、理由がある。

 白老を倒し、人々を虐殺した異世界人が居る可能性が高いからだ。

 その異世界人は、希星から聞いていて、田口省吾と橘恭弥というらしい。

 

エース「ああ。ブルムンド王国への逃げ道は塞いでいるだろうからな。そこに戦力を割くだろう。襲撃者は、俺たちと同じ異世界人である可能性が高いが……………。」

白老「ホッホッホッホッ。問題ござりませぬ。わしの油断により、あの時は敗北しましたが、奴の太刀筋は既に見切っておりますれば。」

リムル「シズさんも、相手は同じ日本人の可能性があるんだけど……………。」

シズ「大丈夫。リムルさんとエースさんもやると決めたのなら、私もやる。」

 

 俺がそう言うと、白老は最初は笑いながら言うと、次第に怒気を滲ませた声を出す。

 シズさんも、覚悟を決めたそうだ。

 それを見ていたリグル達は。

 

リグル「リムル様、エース様!俺たちも昔の様に弱くはありません!白老殿やシズ殿に守られるだけではなく、戦う力を持っております!」

ゴブタ「そうっす!ゴブゾウの敵を取ってやるっすよ!」

ゲルド「リムル様より授かった、この猪人王(オークキング)の力。存分に振るってみせましょう。」

ボア「私も、エース様より授かった、ギャーゴの力。存分に振るってみせましょう!」

 

 リグル、ゴブタ、ゲルド、グルドの4人はそう言う。

 頼もしいな。

 

リムル「頼もしいな。では、このメンバーで魔法装置を破壊し、弱体化を解消させるんだ!」

一同「はい!」

 

 リムルの言葉に、全員が返事をする。

 俺は、朱菜の方を向く。

 

エース「朱菜。」

朱菜「はい。」

エース「この忌々しい結界こそが、紫苑達の魂を留めている可能性が高い。分かるな?」

朱菜「はい。代わりになる結界を張れば良いのですね?」

エース「そういう事だ。」

朱菜「お任せを。紫苑達の蘇生の確立を少しでも上げる為に、全力で。」

エース「ああ。ミュウラン。君の力を貸して欲しい。朱菜を手伝ってやってくれ。」

ミュウラン「承知しました。せめてもの償いの為、必ずや、ご期待に応えてみせましょう。」

朱菜「よろしくお願いしますね。ミュウラン。」

ミュウラン「はい。こちらこそ。」

 

 俺は朱菜とミュウランにそう頼み込む。

 この結界が、紫苑達の魂を留めているのだ。

 だからこそ、蘇生の成功率を上げる為に、朱菜達は必要だ。

 それを聞いていたヨウム達は。

 

ヨウム「じゃあ、俺らはその護衛だな。」

グルーシス「おう!」

エレン「私たちも、朱菜ちゃん達を守るから!」

カバル「ああ!」

ギド「任せるでやす!」

ジーン「エース達が頑張っている間、街の守りは任せてよ。」

シズ「キューンもお願い。」

キューン「ああ。任せろ。」

リムル「リグルド。皆の指揮は任せたぞ。」

リグルド「ははっ!」

 

 ヨウム達は、テンペストの防衛に回る事にした。

 ジーンとキューンも。

 準備は終わったな。

 俺は口を開く。

 

エース「連合軍は、決戦は3日後だと思っているだろう。」

リムル「だが、我々は今、この瞬間を持って、敵の殲滅行動に移る。紫苑やゴブゾウ達を生き返らせるぞ!」

一同「おお〜っ!」

 

 俺たちは、準備を開始する。

 すると、紅丸と真眼に呼び出される。

 

リムル「……………何だ、出陣前に話って?」

エース「何か、言いたい事があるのか?」

紅丸「……………俺には前世の記憶なんてないですし、大鬼族(オーガ)から鬼人族(キジン)へと代わりましたが、戦闘種族以外のものになったこともない。己や仲間を守る為…………或いは仇討ちの為に相手を屠る事に躊躇いはありません。」

真眼「……………ですが貴方達は違うでしょうエース様、リムル様。町が出来たばかりの頃、略奪目的の輩すら殺すなと命じていた。私が心配なのは、好ましく思っている種族である人間を…………それも四万近く自分の手で殺めることで、お二人の心に取り返しのつかない傷跡を残すかもしれないってことです。」

 

 俺とリムルがそう言うと、紅丸と真眼はそう言う。

 確かにな。

 2人の言いたい事は分かる。

 大勢の命を奪い、心が壊れるかもしれないという事だろう。

 

リムル「…………そうなるかも知れないが、今回は俺達自身の手でけじめをつける必要がある。」

紅丸「リムル様……………。」

エース「……………2人に頼みがある。全てが片付いた後、もしも俺達が理性の無い化け物になっていたら…………戦える奴を指揮して、俺たちを始末しろ。」

真眼「っ!?」

 

 リムルがそう言う中、俺はそう言う。

 それを聞いた2人は驚いた表情を浮かべるが、俺たちの決意のこもった表情を見て、頷く。

 その後、理性が残ってるかの確認の為の合言葉を決めて、2人は向かう。

 俺とリムルは話し合う。

 

リムル「仲間、家族、友達。良いもんだなぁ…………。」

エース「俺たちも準備するぞ。」

 

 俺たちは、人間としての姿になる。

 すると、リムルが口を開く。

 

リムル「あっ、もしかして……………。」

エース「どうした?」

リムル「いや、クレイマンの狙いって、人間一万人分の魂だったりしないか?」

エース「あっ………………。」

 

 そういう事か。

 俺たちを利用して、戦争を起こして、一気に魂を収穫する。

 自分が真なる魔王へと進化する為に。

 だとしたら、クレイマンは俺たちの事を小物だと思っているだろうな。

 だが……………俺たちは既にクレイマンを敵とみなしている。

 この一件が片付いたら、次はクレイマンだな。

 俺たちは決意を固め、出発する。

 すると。

 

ケケラ「覚悟が決まったみたいだな。」

リムル「ケケラ……………。」

 

 リムルの元にケケラがやって来る。

 

リムル「何の用だよ?」

ケケラ「いや。お前も、悲しき涙を仮面で隠す戦士になれたんじゃないかって思ってな。」

リムル「……………別に、お前の言う存在になれたかは知らねぇよ。見たけりゃ勝手に見てろ。」

ケケラ「そうさせて貰うぜ。」

 

 リムルとケケラは、そんな風に話す。

 すると。

 

カラ「エース殿。」

エース「カラか。」

カラ「魔王になって、紫苑達を救える様、祈っていますね。」

エース「………………お前、これまで何をしてた?」

 

 カラがやって来て、そう言って来るので、俺はそう聞く。

 

カラ「ギロリ殿と一緒に、避難誘導に当たっていました。」

エース「そう言う割には、ギロリさんはお前を見てないって言ってたが?」

カラ「別の場所で避難誘導に当たっていました。」

 

 俺がそう聞くと、カラはそう答える。

 正直、怪しい。

 だが、ガゼル王の面目の為にも、どうにかするか。

 

エース「……………まあ、そういう事にしておくよ。」

カラ「お気をつけて。」

エース「ああ。」

 

 俺とカラは、そう話す。

 カラのやつ、何を企んでるんだ?

 一方、ガビル達の所に、ヤシチ達が向かっていた。

 

ヤシチ「ガビル様〜!」

ガビル「ん?」

ヤシチ「お〜い!」

ガビル「おおっ!お前達!」

ヤシチ「リムル様とエース様が、結界の外に出してくれたんだ!」

ガビル「そうか、そうか!よくぞ無事で!」

カクシン「ガビル様こそ…………!」

スケロウ「無事でよかった…………!」

ガビル「お……………お前達!」

 

 すると、ガビル達は抱き合って泣き始める。

 

ガビル「うおおおおっ!我ら、生まれた時は違えど、死ぬ時は一緒だぞ〜!」

ヤシチ達「ガビル様〜!」

 

 そう泣く中、蒼華、蒼海がやって来る。

 

蒼華「もう良い。」

蒼海「相変わらずだね。」

ガビル「お、おう。」

蒼影「では、参る。」

 

 蒼影がそう言うと、蒼影達、蒼海と共に消える。

 

ガビル「おお。では、皆の者!準備は良いか!」

部下達「おうっ!」

ガビル「我ら、龍人族(ドラゴニュート)の力を見せつけてやろうぞ!」

部下達「うおおおおおっ!」

ガビル「いざ、出陣である!フンっ!と〜う!」

 

 ガビルがそう言うと、飛び立つ。

 それを見ていたヤシチ達は。

 

ヤシチ「ガビル様かっくい〜!」

カクシン「当然至極!」

スケロウ「よしっ!俺らも続くぞ!」

 

 そう言って、龍人族達も出陣する。

 一方、紅丸達の方は。

 

紅丸「ベロバ。お前も少しは手伝え。」

ベロバ「はいはい。まあ、テンペストの連中の不幸を味わえたし、次はファルムスの連中の不幸を味わおうかしら!フフフ!」

真眼「ふぅ……………ギロリさん、行きましょう。」

ギロリ「ああ。」

 

 紅丸とベロバがそう話す中、真眼とギロリも、変身を開始する。

 

GAZER ZERO,SIGN IN

SET FEVER

GLARE, LOG IN

BEROBA SET

 

 紅丸はデザイアドライバーにフィーバースロットとゾンビのレイズバックルを装填して、後の3人も変身待機状態に入る。

 すると、ベロバ以外が言う。

 

「「「変身。」」」

 

 そう言うと、ベロバも変身を開始する。

 

GENERATE

INSTALL

ZOMBIE

LASER ON

CONTROL WITH ABSOLUTE POWER, GAZER ZERO

DOMINATE A SYSTEM, GLARE

HIT FEVER ZOMBIE

PREMIUM BEROBA LOADING

REDAY FIGHT

 

 真眼はゲイザーゼロに、ギロリさんはグレアに、紅丸はバッファ・フィーバーゾンビフォーム(ジャマ神)、ベロバはプレミアムベロバになる。

 ちなみに、紅丸の奴は、俺の力で擬似的に再現した物だ。

 西の方も、ゴブタ、リグル、白老、ゲルド、ボア、シズさんが向かう。

 それぞれが、それぞれの出来ることを為そうとしていた。

 一方、俺たちは、敵の本隊の上空にいた。

 

リムル「こいつらが、紫苑達を…………。」

エース「情けは無用だ。お前らには餌になってもらう。さて…………。」

 

 リムルがそう言う中、俺はデザイアドライバーにブーストマークIXレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 待機音が流れる中、俺の周囲に赤黒い尻尾のオーラが現れつつも、俺は言う。

 

エース「変身。」

 

 そう言うと、レイズバックルを操作する。

 

BOOST MARK III

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・ブーストフォームマークIIIに変身する。

 

リムル「始めるか。」

エース「ああ。」

 

 リムルも抗魔の仮面を被り、作戦を始めようとする。

 お前達には、地獄を見せてやるよ。

 敵はこの時、悪夢が迫っているとは思っていなかった。




今回はここまでです。
今回は、ファルムスへの反撃までです。
リムルとエースは、自分たちが転生者であると明かした。
そして、色々と意見をまとめていき、反撃の狼煙を上げる。
真眼も、ゲイザーゼロに変身しました。
いよいよ、ファルムスへの反撃が始まる。
感想、リクエストなどは、絶賛受け付けています。
エースの究極能力は、創始者が創世之神と書いて、ギーツに進化させて、創世者は破壊者と組み合わさって、断罪之神と書いて、ドゥームズギーツにしようかなと考えています。
ドゥームズギーツに関しては、帝国との戦争で投入しますが。
もし、リクエストがあれば、活動報告から承っています。
ファルムスへの反撃がどうなるのか、楽しみにしてて下さい。
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