こうして、人と魔物の長い会議は終わったと思われたのだが……………。
そんな中、俺とリムルはある事を呟く。
エース「そういや、
リムル「確かに……………。」
そう。
ヴェルドラにラミリスを預けていたのだ。
そんなラミリスは、漫画を読んでいた。
するとラミリスの隣に、飲み物を置く人がいた。
あいつらは、俺たちが壊したゴーレムの代わりに作った、ベレッタとマッドだ。
2人は、俺たちに気づくと、会釈をする。
俺たちが寄ると、2人は喋り出す。
ベレッタ「この度は、魔王への進化、おめでとう御座います。」
リムル「ああ。元気そうで何よりだ。」
ベレッタ「はは。ありがたきお言葉です。」
エース「ああ。ラミリスの言う事も、無茶な命令以外は、ちゃんと聞いてやれよ。」
マッド「お任せ下さい。ご期待に応えてご覧に入れます。」
エース「つうか、お前ら、何しに来たん?」
「「あっ………………。」」
元気そうで何よりだ。
俺がそう聞くと、ベレッタとマッドの2人は、ラミリスに声をかける。
ベレッタ「ラミリス様。このような事をしている場合ではございません。早くリムル様とエース様にあの事をお知らせしないと。」
ラミリス「うるさいわね。私は今、とても忙しいの。」
マッド「ここに来た目的を思い出して下さい!」
ベレッタとマッドがそう言う中、ラミリスは漫画に夢中になっていた。
俺とリムルは、ヴェルドラの方を見る。
すると、ヴェルドラは、やれやれと言わんがばかりのリアクションを取る。
やれやれじゃねぇよ。
漫画を見せたのはお前だろ。
すると、ラミリスは叫ぶ。
ラミリス「だから!私はね、運命の出会いをした訳よ!この漫画という素晴らしい書物の中で、この色男達の中から、ヒロインが一体誰を選ぶのか、それを見届けるまでアタシは……………!」
リムル「おい、ラミリス。そのヒロインが誰とくっつくかバラされたくなければ、さっさと来た目的を言え。」
ラミリス「はい!」
ラミリスがそう言う中、リムルはそう言う。
すると、ラミリスは浮かび上がる。
そして、俺たちを指差してくる。
ラミリス「えへん!……………では、もう一度言うわ!この国、テンペストは滅亡する!」
エース「それは聞いたからどうでも良いわ。」
ラミリス「まあでも、私もテンペストの滅亡なんて、望んでないわけ。それでわざわざ知らせに来てあげたのよ!感謝しなさいよね!」
リムル「なんで滅亡するんだ?」
ラミリス「慌てないで!落ち着いて!良い?話には順序があるのよ。」
エース「別に慌ててねぇよ。」
まあ、知らせに来てくれたのはありがたいが。
とはいえ、クレイマン絡みか?
すると、ラミリスが口を開く。
ラミリス「魔王クレイマンの提案でね。」
リムル「クレイマンだと?」
ラミリス「
エース「
聞いた事がない単語だな。
魔王間で何かやるのか?
すると、ラミリスとエラルド公が口を開く。
ラミリス「魔王達の宴のことよ。全ての魔王が集う特別な会合!それが、
エラルド「古い文献には、こう記されてありました。”魔王が集い、大戦が起きた”と。」
リムル「大戦?」
エラルド「魔王が集いしその日を、西方聖教会が”
そういうもんか。
俺は気になる事があり、ラミリスに聞く。
エース「つまり、魔王達は戦争を始める為に集まるって事か?」
ラミリス「違うわよ。私だって暇じゃないし、戦争なんて面倒な真似したくないじゃん?」
エース(暇そうに見えるが。)
お前の場合は、暇そうに見えるんだよ。
とはいえ、魔王間で戦争をするのは無いって事か。
じゃあ、
そう思っていると、ラミリスが口を開く。
ラミリス「あのね。
リムル「ん?」
ラミリス「魔王が集まってお茶を飲みながら、近況報告や面白い話題を話し合う場ってわけ。だから、戦争とか、そんな大袈裟な物じゃ無いんだよ。」
エース「だったら、お茶会如きでテンペストが滅亡する理由なんて無いだろ。」
ラミリス「だから違うって。問題は
リムル「議題?」
議題はあるんだな。
まあ、近況報告もする場らしいし、それもあるか。
すると、ラミリスは口を開く。
ラミリス「良い?
エース「ミリムか。」
アルビス「フレイ………………。」
なるほどな。
だが、ミリムの性格上、クレイマンに賛同するとは思えないのだが。
フレイの名を聞いた三獣士達は、顔を顰める。
そんな中、ラミリスは議題を言う。
ラミリス「議題は……………『ジュラの大森林に新たな勢力が誕生!その盟主2人が、魔王を騙った』……………よ。アンタ達、本当に魔王を名乗っちゃった訳?」
リムル「後悔も反省もしてないぞ。」
エース「右に同じく。」
ラミリス「アンタ達なら、不思議じゃないわよね。色々と面倒が起きると思うけど、それだけの実力があるなら大丈夫じゃない?」
真眼達「うん。」
ラミリスからしたら、問題なしという事か。
なら安心だな。
それを聞いた真眼、紅丸、紫苑が頷く中、リムルはラミリスに聞く。
リムル「クレイマンの目的は、やっぱり、俺たちに対する制裁か?」
ラミリス「”制裁するならご自由に”ってのが、我々の業界での暗黙のルールなの。」
エース(業界って………………。)
ラミリス「今回、わざわざ
業界って。
芸能人みたいな言い方をするなよ。
すると、ラミリスがそう言うと、三獣士が反応する。
アルビス達「はっ!?」
フォビオ「どういう事だ?」
ラミリス「誰よ?アンタ達。」
リムル「カリオン配下の三獣士の皆さんだ。」
フォビオがそう聞くと、ラミリスはリムルにそう聞いて、リムルが答える。
三獣士がラミリスを睨む中、ラミリスが口を開く。
ラミリス「ふ〜ん……………。だけど、私に怒ってもしょうがないじゃない。」
アルビス「……………カリオン様が何を裏切ったと言うのですか?」
ラミリス「ジュラの大森林への不可侵条約を破り、ミュウランとかいう魔人が、クレイマンの配下だって事をアンタ達にバラしたんでしょ?」
エース「それで、俺たちがミュウランを殺したと言うのか。」
なるほど、そういう事か。
俺たちがチラリとミュウランを見ると、皆の視線がミュウランに向く。
すると、リムルが口を開く。
リムル「ふむ。クレイマンは、ジュラの森を制圧するつもりか?」
ラミリス「アンタね…………!そんなに落ち着いてるけど、これって大事なのよ!カリオンはミリムに倒されちゃったらしいし、アタシの所に届いた知らせの時点で、クレイマンは既に軍事行動を起こしてるの!アンタ達全員を始末する気満々なのよ!もう制裁どころじゃなくて、これは先手を取られた戦争なの!!」
へぇ………………。
そういう事か。
すると、俺から自然と笑みが溢れる。
エース「フフフ………………!フフフフフフフ……………!!フハハハハハっ!!!」
ラミリス「ちょっ!?あんた、何で笑って………………っ!?」
ラミリスがそう言う中、突然言葉を詰まらせる。
そんな中、俺は口を開く。
エース「いやいや……………裏でずっとコソコソされてて、気に食わなかったんだ。ようやく、分かりやすい敵意を向けてきたもんだな、魔王クレイマン。良いぜ。そっちがその気なら、本当に叩き潰してやるよ……………!フフフフフフフ……………!!」
俺がそう言う中、周囲の皆は、ドン引きしていた。
それを見ていたラミリスは、リムルに話しかける。
ラミリス「……………
リムル「だよな……………。まあ、クレイマンは怒らせてはいけない奴を本気で怒らせた感じだな。俺もだけど。」
そんな風に話していた。
そんな中、真眼が俺に話しかける。
真眼「あの……………エース様。」
エース「何だ?」
真眼「話が逸れてますよ。」
エース「ああ、悪い。」
おっと、話を逸らしてしまったな。
つい、クレイマンを叩き潰す好機が訪れたもんだから、本音が漏れちまった。
そんな中、リムルはラミリスに話しかける。
リムル「まあ、そもそも、俺たちはミュウランを殺してないんだから。」
ラミリス「どういう意味?」
リムル「クレイマンは出鱈目を言っているって事さ。」
ラミリス「その証拠はある訳?」
エース「その証拠なら…………そこに居るよ。」
リムルとラミリスがそう言う中、俺はそう言って、ミュウランの方を指差す。
皆の視線がミュウランに向く中、ミュウランは口を開く。
ラミリス「ん?」
ミュウラン「あの……………魔王ラミリス様。殺された魔人というのは、私なのです。」
ラミリス「え?」
ミュウラン「私がミュウランです。」
そう。
俺たちは殺してはいない。
まあ、3秒は死んだが。
すると、ラミリスは表情を変えまくる。
ラミリス「は?ん〜……………ああっ!んん?ん〜?いい〜……………あっ!分かったわ!犯人はクレイマンで決まりね!」
リムル「へへへっ……………。」
エース「やれやれ……………。」
ラミリス「クレイマン。私まで騙そうとして……………だけど、この名探偵ラミリス、騙されたりしないわよ!精霊女王のこう見えても年を重ねて賢い私!ばっちゃんの名にかけて。……………ツッコミなさいよ!誰がばっちゃんよ!失礼ね!」
エース(あっさり何かに影響を受けているな……………。)
確か、金田一の決め台詞だったよな。
影響を受けすぎだろ。
リムル「なあ、ラミリス。一つ聞きたい事がある。」
ラミリス「ん?何さ。この名探偵ラミリスになんでも言ってごらん。」
エース「ミュウランが殺されたという俺たちの餌に食いついて、クレイマンは動き出した。他の魔王はどう動くと思う?」
そう。
気になるのはそこなのだ。
クレイマンが魔王間でどう思われているのかは知らないが、もしクレイマンに同調して、その制裁に賛同する魔王が出てもおかしく無い。
そう思って聞いてみた。
すると、ラミリスは口を開く。
ラミリス「え?知らないわよ。これこれこういう理由で
リムル「……………
エース「正確な日時を知りたい。」
ラミリス「えっとね……………1、2…………3日後の新月の夜だね。」
比較的すぐだな。
流石に、3日でクレイマンを叩き潰すのは難しいな。
となると、勝負に出るなら、
俺は気になる事があり、ラミリスに聞く。
エース「どうして知らせに来たんだ?言っちゃあなんだけど、ラミリスからしたら、テンペストが滅ぼうがどうでも良いだろ?」
ラミリス「アンタ達がやられたら……………私のベレッタにマッドがどうなるか不安じゃん?」
ベレッタ「心配して下さって、ありがとうございます。」
マッド「ありがとうございます。」
それもそうか。
ベレッタにフランは、リムルと俺が呼び出した悪魔が、ゴーレムに憑依した存在だからな。
ラミリス「私はアンタ達に味方する事に決めたから、来てあげたって訳よ。だから、この街に迷宮への入り口を作るけど、良いわよね?」
リムル「良いわけないだろ。」
ラミリス「ええ〜…………!良いじゃん!細かい事は気にしない、気にしない!」
エース「俺たちは気にするし、お前も気にしろよ!」
ラミリス「じゃあ、続き読もっと。」
「「おい!」」
ダメだ、こいつ。
まあ、協力してくれるお礼として作るのもアリ……………なのか?
とはいえ、面倒そうだな。
すると、ラミリスは口を開く。
ラミリス「マッドと言えばさ、本当なら留守番させる予定だったんだけど、なんか行かせて欲しいって必死だったんだけど、何があったの?」
エース「いや、俺に聞かれても……………。」
ラミリスは思い出したかの様にそう聞いてくるが、俺はそう言うしかない。
何せ、マッドの事は、ラミリスの方が詳しいだろうから。
すると、ウルティマが口を開く。
ウルティマ「僕が呼んだんだよ。」
エース「ウルティマ。」
ウルティマ「マッドって言ったかな?僕の配下の悪魔なんだけど、僕より先にエース様に召喚され名付けまでされたマッドの顔を見てみたくて、来るようにお願いしたんだ♪」
ウルティマは笑顔でそんな風に言う。
コリウス王国では、グスタフをあっさり消滅させたウルティマが会いたい?
何かあるのか?
そう考える中、ウルティマはマッドの方を向いていた。
すると、美しくも恐ろしい笑みを浮かべながら口を開く。
ウルティマ「ね?」
マッド「は、はい………………そ、そうです。」
ウルティマがそう聞くと、マッドは顔を青ざめながらそう答える。
それを見ていたディアブロとベレッタは。
ディアブロ「あの悪魔、ウルティマに脅された様ですね。」
ベレッタ「そうです。」
二人はそんな風に話す。
結局、会議はまだまだ続きそうだったので、俺たちは一度、休憩を取る事にした。
要は、風呂に入るという事だ。
女湯の方では、シズさんとエレンが一緒に風呂に入る中、ラミリスの声が響く。
ラミリス「アハ〜っ!アハハハ…………!くすぐったい…………!コラ〜!アハッ……………アハハハッ!自分で出来るって!」
トレイニー「ラミリス様。遠慮なさらず。」
トライア「ええ!是非とも、私たちに洗わせてください。」
どうやら、トレイニーさん達も来ていたようだ。
それを見ていたリムルは、後悔の念があった。
エース「おい、何考えてるんだ?」
リムル「べ、べ、別に!?」
俺がそう聞くと、リムルは慌てる。
やれやれ。
ちなみに、俺たちは男湯の方に入っており、そこには、ガゼル王、ドルフさん、フューズ、エラルド公が入っていた。
エラルド「ああ〜。気持ちが良い物ですな。」
ガゼル「ああ。沁みるなぁ。」
リムル「うう……………。」
ガゼル「というか、
エラルド「フッ。」
そう言ってもらえると、嬉しいな。
ガゼル王がそう聞くと、エラルド公は、女湯がある壁の方に向かう。
そして、叫ぶ。
エラルド「エレンちゃん!湯加減はどうかな?」
エラルド公はそう聞く。
すると、エレンからは返事は返ってこずに、桶が降ってきた。
フューズ達「あ……………。」
リムル「うう……………。」
エラルド「もう。照れちゃって。」
照れてないだろ。
単純に変な事を聞く親父への攻撃だろ。
すると、エラルド公は俺たちに聞いてくる。
エラルド「ああ。ところで、リムル殿、エース殿。」
リムル「何でしょう?」
エラルド「我が国とテンペストの間に街道を作って直線で結べば、行き来がしやすくなるかと思いますが、如何ですか?」
そう提案してきた。
つまり、俺たちに街道を整備しろと言っているのだろう。
すると、ガゼル王が口を開く。
ガゼル「エラルドよ。それは虫が良すぎるという物だぞ。」
いや、ガゼル王。
ドワーフ王国までの街道を整備したのは、全て俺たちだった筈だが……………。
すると、エラルド公が叫ぶ。
エラルド「リムル殿やエース殿に言われるのならまだしも、貴様だけには言われたくないわ!」
全くもってその通りだ。
俺とリムルは、アイコンタクトを送り、返答をする。
エース「ああ、そうだな。エラルド公の言い分は分かった。街道整備の件は、こちらで引き受けても構わない。ただし。」
エラルド「ただし?」
リムル「街道上の警備及び、宿屋の運営も任せて貰いたい。当然だが、それにかかる経費を乗せた通行税もいただく事になる。」
エラルド「なるほど。それは当然の要求でしょう。ただし、その通行税に関しては、何年かに一度の交渉権は認めてほしい物です。」
エース「分かった。」
こうして、街道整備の件は話が整った。
すると、フューズ達が口を開く。
フューズ「軽っ。」
ガゼル「全く。虫のいい奴だ。」
エラルド「貴様には言われたくないと言っとるだろう!では、決まりですな。」
そうして、話がまとまる。
一方、女湯の方では、シズさんがのんびりと風呂に入っていた。
そこに、ウルティマがやってくる。
ウルティマ「やあ、シズ。」
シズ「確か……………ウルティマさん?」
ウルティマ「うん。ディアブロが前に興味深い人間と会ったって言ってたから、ずっと気になってたんだけど、ディアブロが興味を持つのも納得だね。」
ウルティマはシズさんにそう話しかけ、そんな風に言う。
ウルティマ「そんな訳で、これからよろしくね、シズ姉ちゃん♪」
シズ「お姉ちゃん……………。」
ウルティマは可愛らしい笑顔を浮かべながらそう言い、シズさんはそう反応する。
シズさんも、ウルティマがディアブロと同じ原初の悪魔だと分かっているからか、戸惑っていた。
シズ「本当に、リムルさんとエース君は、とんでもない人だよね。」
ウルティマ「そんなこと、とっくに知ってるよ。」
シズ「覚醒の時もそうだったけど、まさか原初の悪魔に名前をつけるなんて…………普通はできないはずなのに。」
二人はそんな風に話す。
一方、ラミリスは桶に溜まったお湯に入っていた。
ラミリス「ふぅ……………ん?」
ラミリスがお湯に浸かっていると、目の前に人影が映る。
そこに居たのは、ベレッタとマッドだった。
ベレッタ「ん?」
マッド「どうされました?」
ラミリス「アンタ達……………錆びないの?」
ベレッタとマッドが普通に風呂に入る中、ラミリスはそう聞く。
その後、俺たちは風呂から上がり、ハルナを始めとする人たちが食事を用意してくれた。
ちなみに、場所は以前、獣人達に料理を振る舞った場所だ。
すると、ラミリスが叫ぶ。
リムル「揃ったな。」
ラミリス「アンタ達ね!どういう事!?一体これはどういう事なのさ!?」
エース「何がだ?」
ラミリス「この子達が私をすっごくちやほやしてくれてんのよ!どういう事よ!?」
リムル「良かったじゃねぇか。」
トレイニー達「うふふふ。」
それなら良いじゃん。
何が言いたいんだ?
すると、ラミリスは震える。
ラミリス「良かったよ。最高だったわよ……………!だから、リムル、エース!私にもここに住む事にしたってわけ!」
リムル「だから、勝手に決めるなって。」
エース「それに、トレイニーさん達は、ジュラの大森林の管理者もやってる。住んでいる場所も違うし、ラミリスの相手だけをしていられないんだ。」
ラミリス「ケチ!ケチ!ケ〜チ!良いじゃん!何かあっても、この最強のラミリスさんが手伝ってあげるからさぁ。」
エース「あのなぁ………………。」
最強ね………………。
ミリムの方が強く見えるんだがな。
どう説得したものかと悩んでいると、トレイニーさん達が話しかける。
トレイニー「リムル様、エース様。ラミリス様の面倒は我々が見ますので……………。」
トライア「是非とも、前向きにお考えくださいませ。」
トレイニー達「お願い申し上げます。」
そう言って、トレイニーさん達は頭を下げる。
しょうがねぇな。
俺とリムルは、アイコンタクトをして、言う。
リムル「分かった。考えておくよ。」
エース「前向きに検討しておく。」
ラミリス「本当?さっすがリムルにエース!話が分かるわね!」
リムル「さて。遠慮なく食べてくれ。食べながら話そう。」
まあ、心配な点は、トレイニーさん達がラミリスを甘やかさないかという事だが。
大丈夫……………だよな?
そう思いつつ、料理に舌鼓を打っていく。
ラミリスは、トレイニーさんとトライアさんが食べさせていた。
ガゼル「おお……………美味い。」
エラルド「絶品ですな。」
ヴェルドラ「いただきます。」
ガゼル王とエラルド公にも、好評だな。
あとヴェルドラも。
エース「会議ばかり続いて、皆も大変だろうが、我慢して欲しい。」
リムル「ところで紫苑。捕虜の取り調べを行なっていたそうだが、何か情報は得られたのか?」
紫苑「フフフフっ。もちろんですとも、リムル様。」
紫苑はそう言って、メモ帳を取り出す。
ちなみに、俺とリムルは、苦笑を浮かべていた。
何故なら、3人が醜い肉塊になっていたのを目撃していたからだ。
本当、どうやったらああなるんだか。
尋問と呼ぶのも烏滸がましい何かをされていたよな。
まあ、当然の報いだが。
そんな中、紫苑が口を開く。
紫苑「まず。エド……………エドノヨル?エド……………。」
朱菜「エドマリス王では?」
紫苑「はい。そのエドマリス王に接触した商人が居たそうです。その商人が、我が国の絹織物なんかを持ち込み、王の欲を刺激したのだそうです。それで、今後の流通の主流が、ファルムスから我が国に移るのを恐れ、今回の件に繋がったみたいです。」
なるほど、動機は大体そんな感じか。
気になるのは、エドマリス王に接触した商人の存在だ。
つまり、そいつが今回の一件を引き起こした遠因とも言える存在だ。
その商人は、クレイマンか、俺たちをヒナタに売った奴の差し金かと思ったが、現時点では決め手に欠ける。
とはいえ、
リムル「その商人の正体は分かるのか?」
エース「エドマリス王に接触していた事から、ファルムスの御用商人とかか?」
紫苑「そこまでは……………申し訳ございません。」
なるほどな。
まあ、足は残さないか。
だとすると、相当にキレ者な気がするな。
本当に何者だ?
そう考える中、リムルは紫苑に聞く。
リムル「分かった。それで、西方聖教会の関係者は?」
紫苑「は…………はい!黒幕が判明しました!その名は……………えっと……………元凶は、ニコニコプ……………。」
真眼「はぁ……………元凶は、ニコラウス・シュペルタス枢機卿という人物です。」
紫苑「です!」
エース「ナイスアシストだ。真眼。」
真眼「はい。」
一応、真眼にも手伝ってもらっていたのだ。
紫苑の事だから、変な風に言う可能性があったので。
まあ、その通りになった訳だが。
すると、ウルティマが口を開く。
ウルティマ「枢機卿はこの国を、”神に対する明確な敵対国として討伐する予定”…………。」
紫苑「……………だと言ってたそうです。」
フューズ「なるほど。レイヒム大司祭は、神敵討伐の栄誉を以て、中央に対する評価を得ようとしていたのですな。」
エース「予定という事は……………西方聖教会と交渉の余地があるかもしれないな。」
なるほど、そういう流れか。
まあ、評価を得ようとした結果、あんな醜い肉塊になれ果てたのだが。
同情する気はさらさらないが。
すると、フューズが口を開く。
フューズ「ならば、俺が揺さぶりをかけてみましょう。」
ガゼル「我がドワルゴンも、テンペストとの貿易を大々的に宣伝しよう。」
エラルド「そして、我らがサリオンも、正式にテンペストとの国交樹立を宣言し、他の国々が興味を持つ様な事になれば……………西方聖教会だって、迂闊には動けませんからな。」
リムル「ああ。よろしく頼むよ。」
フューズ「お任せください。」
確かに、それもありだ。
ドワルゴンにサリオンは、大国である為、迂闊に動けば、他の国々の反感を買いかねないからな。
とはいえ、ヒナタと再び接敵する気がするのは、気のせいだろうか。
その時には、ギーツIXで対応するか。
リムル「さて。その3名の捕虜を、ヨウムが救出したという事にして……………凱旋を演出する訳だが……………。」
エース「そういえば、エドマリス王、レイヒム大司祭。あと1人は誰だ?」
紫苑「あの酷く怯えていた男ですね。」
怯えていた?
おかしいな。
リムルの
少なくとも、心は折れていなかった筈。
そう思ったが、すぐに思い直した。
ディアブロとウルティマが捕らえたそうだから、原初の悪魔と気付いて、戦意喪失したか。
ガゼル「生き残っていた最後の男か。察するに、騎士団長フォルゲンといった所か?」
リムル「お前達が捕まえたんだったよな。どんな感じの奴だった?野放しにしても大丈夫そうか?」
ディアブロ「何の問題にもならぬ小物でした。」
ウルティマ「人間にしては、それなりに魔法を操れたみたいだけど。」
ガゼル「魔法使いなのか。だとしたら、フォルゲンでは無さそうだな。」
リムル「名前は?」
紫苑「ラーメンです。」
ガゼル王がそう言う中、リムルの質問に答えたディアブロがそう言う。
まあ、小物だろうな。
リムルが聞くと、紫苑はラーメンと答える。
絶対に違うだろ。
リムル「ラーメンか。そういえば、もう何年もラーメンを食べてないんだよな…………。」
フューズ「ラーメンなんて魔法使いが、ファルムスに居たか?」
エラルド「魔法といえば、ファルムスには、魔人ラーゼンが居ましたね。」
紫苑「え?」
ガゼル「英雄ラーゼンか…………。忘れてはならぬ男よな。」
紫苑「え?」
アルビス「ファルムスの守護者にして、叡智の魔人と呼ばれる男ですね。」
紫苑「え?」
スフィア「魔法を極めし男…………。一度戦ってみたいと思っていたんだ。」
フォビオ「まっ、近接戦闘では俺たちが勝つだろうが、油断出来ぬ人間であるのは、間違いねえな。」
リムルがそう言う中、周囲の人たちがそう言う。
どんだけ間違えてんだ。
真眼やウルティマに至っては、呆れた様に頭を振ってるぞ。
リムルは、紫苑に聞く。
リムル「……………紫苑。そいつは、ラーメンで間違いないんだな?」
紫苑「えっと……………多分……………。ですが、若造でした。そうです!この街を襲撃してきた1人でしたし、皆が言ってる様な魔法使いではありません!魔法使いなどと適当な事を…………!」
ディアブロ「心外です。」
ウルティマ「僕が間違える訳ないじゃん。」
リムルの質問に、紫苑はそう答えながら、ディアブロとウルティマに問い詰める。
どういう事だ?
すると、シズさんが口を開く。
シズ「リムルさん、エース君。ちょっと良いかな?」
リムル「どうしたんだ、シズさん?」
シズ「実は、ゲルドさんが異世界人の1人にとどめを刺そうとした時、ラーゼンと呼ばれてた魔法使いの老人に邪魔されたの。」
白老「うむ。用心深い男じゃったの。下手に追撃すれば、こちらの被害が甚大になる故、見逃したのじゃが……………。」
なるほど、そんな事が。
という事は、ラーゼンという名の魔法使いが居たのは事実という事か。
だとしても、姿が違うのはどういう事だ?
すると、
創世之神『告。精神系魔法の秘儀を用いれば、肉体を乗り換える事が可能となります。』
そうなのか。
という事は……………。
すると、ミュウランが口を開く。
ミュウラン「あっ、あの……………。」
リムル「ん?」
ミュウラン「ラーゼンです。捕虜の名前。」
エース(決まりだな。)
紫苑「ああ………………!」
ディアブロ「クフフフフフッ……………。」
ウルティマ「まぁね。」
それを聞いた紫苑は、涙目になり、ディアブロは笑い、ウルティマは得意げにする。
流石は原初の悪魔だな。
ガゼル「ファルムス王国を数百年に渡って支え続けた英雄を、捕らえていたとは…………。」
エラルド「
その2人がそう言うという事は、ラーゼンは実力者という事だな。
それを捕らえたディアブロとウルティマは、それ以上であるという事も。
すると、リムルは口を開いた。
リムル「よし、ヨウム。」
ヨウム「おっ、おう。」
リムル「エドマリス王、レイヒム大司祭、ラーゼンの捕虜3人を連れて、行動を起こして貰うわけだが……………ディアブロも連れて行け。」
ディアブロ「えっ………!?左遷…………!?」
紫苑「フッ。」
ウルティマ「フフッ。」
ヨウム「あ、ああ。それは心強いが……………良いのか?その人、分かりやすくショック受けてるけど。」
リムルって、ナチュラルにディアブロを傷つける発言が出来るよな。
まあ、合理的なんだろうけど。
俺だって、そうする。
ラーゼンが万が一、逃走するのを阻止する為だ。
あと、紫苑にウルティマ。
鼻で笑うんじゃない。
リムル「俺たちは、クレイマンを相手に戦争を起こす。街の守りは、ヴェルドラに任せるとして、ヨウム達の支援に誰をつけるか悩んでいたが、お前なら適任だ。頼んだぞ。」
ディアブロ「おお……………!承知しました、リムル様。」
リムル「数年かかるかもしれないが、気長にな。」
ディアブロ「問題ございません。早急に終わらせて戻って参ります。」
エース「国を一つ滅ぼすのに、大した自信だよな。」
まあ、ディアブロなら問題ないか。
後でフォローでもしてやるか。
さて、と。
リムル「では、そのクレイマンとの戦についてだが……………。そちらのラミリス君の知らせで、俺たちが狙われているという事が分かった。」
ラミリス「はっ。えっへん!」
トレイニー達「流石はラミリス様です!」
ラミリス「ふふん!」
ラミリスは、ドヤ顔をすると、トレイニーさん達は拍手をする。
やっぱり不安だ。
ラミリスは、漫画を読み始めた。
俺は、蒼影に声をかける。
エース「蒼影。」
蒼影「はっ。」
エース「クレイマンの軍勢の動きを報告してくれ。」
蒼影「はっ。軍勢は……………。」
蒼影はそう言うと、思念伝達を使って、映像を送ってくる。
蒼影「およそ3万。現在、魔王ミリムの領地にて、編成を行っております。」
リムル「3万か。勝てない数じゃないな。」
蒼影「軍を率いているのは、どうやら、クレイマン本人ではない様です。」
エース「ほう?」
だろうな。
クレイマンの性格を鑑みるに、そんな場所に赴くはずがない。
蒼影は、その指揮官の映像を出す。
蒼影「軍勢の中で、特に魔素量が多いのは…………….。」
リムル「こいつが指揮官か。」
エース「みたいだな。」
そこに映っていたのは、氷の素材で出来てるであろう剣を背負った白髪と黒髪が混じった男だった。
すると、ミュウランが口を開く。
ミュウラン「中指のヤムザです。」
エース「中指?」
ミュウラン「はい。クレイマンの配下でも、特に強い者は、”五本指”と呼ばれております。中指のヤムザ。示指のアダルマン。母指の
エース「そうか。」
そういう配置か。
シズさんは、顔を顰めていた。
無理矢理従わされるのは、シズさんにとって、嫌な事だからな。
ミュウラン「ヤムザは、氷結の力を秘めた魔剣をクレイマンから与えられ、氷結魔剣士と呼ばれています。」
リムル「氷結魔剣士ね……………。」
ミュウラン「卑怯で残忍で、悪徳を極めた下衆ですが、実力だけは本物。クレイマンに自ら忠誠を誓っているという点で、私とは折り合いが悪かったですね。五本指最強の魔人です。」
エース「なるほどな。だが、そこまで恐れる必要はない。」
確かに、そのヤムザというのは強いのかもしれない。
だが、こっちも強い奴らが多いのだ。
負けはしない筈だ。
だが、気になる事がある。
リムル「クレイマンは用心深い。俺たちの街に獣王国の戦士団が合流している事は、知っている筈だよな?」
エース「確かに。俺たちを倒すというのなら、この戦力では弱すぎる。何か別の目的があるのか?」
アルビス「確かに、変です。」
フォビオ「ああ。そうだな。」
ガゼル「うむ……………。」
紅丸「クレイマンの狙いは、この街とは違うのではないか?」
俺たちがそう考える中、紅丸はそう言って、俺たちは納得する。
だとしたら、狙いは……………。
エース「………………獣王国。」
アルビス「あっ……………!?」
スフィア「ユーラザニアが狙いだって言うのか?しかし、首都は消滅し、周囲の街や村に残っているのは、避難民ばかりで……………。」
フォビオ「一体、何の為に……………!?」
俺がそう言うと、三獣士は反応した。
大体の予想はつくな。
すると、創世之神が言う。
創世之神『解。魔王クレイマンの狙いは、真なる魔王への覚醒だと推測されます。』
エース(やっぱりか。)
創世之神『ただし、その手段は稚拙であり、不正確な推論にて、獣王国ユーラザニアの生命の灯を刈り尽くすつもりなのでしょう。』
だろうな。
恐らく、テンペストとファルムスで戦争を起こしたのは、真なる魔王へと覚醒する為の生贄を手に入れる為。
自分の手を汚させずに。
俺とリムルは、口を開く。
リムル「恐らく……………残った避難民を皆殺しにして、真なる魔王に覚醒するつもりだろう。」
エース「ユーラザニアに残る全ての命を刈り取って。」
アルビス「なっ!?」
スフィア「ぐっ…………!?」
フォビオ「くっ……………!!」
俺がそう言うと、三獣士達は顔を顰める。
当然だろう。
アルビス達が口を開く。
アルビス「クレイマンは、三獣士とカリオン軍の本隊が、この街に避難している事を知っているのでしょう。」
紅丸「獣王国を蹂躙するには、絶好の機会だな。」
蒼影「クレイマンの軍勢は、2日もあれば、ユーラザニアに到達すると思われます。」
スフィア「くそっ!今から戻っても間に合わねぇ……………!!」
フォビオ「くっ………………!」
リムル「後手に回ってしまったか。」
エース「クレイマンの野郎……………!」
俺たちは、そう言う。
どうしたもんか……………。
今回はここまでです。
今回は、クレイマン軍の動きを知るまでです。
マッドが来た理由は、シンプルにウルティマに脅されたからです。
ウルティマからしても、気に入らない感じだったんでしょう。
その後、動いている事が分かるクレイマン軍。
果たして、エース達はどうするのか。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ワルプルギスで、エースが誰を連れていくのかは、考えています。
考えているのは、真眼とシズさんの二人ですね。
今後の展開などでリクエストがあれば、受け付けています。