ユーラザニアに住む人たちが、クレイマンに狙われていると判明した。
それを知った三獣士の面々は、顔を顰めていた。
クレイマンの奴、ずる賢いな。
その場に重い空気が漂う中、ヴェルドラが口を開いていた。
ヴェルドラ「お主は、この中では誰が推しだ?」
ラミリス「ん……………推し?」
ヴェルドラ「我はこいつが好きでのう。」
ラミリスとヴェルドラは、そんなふうに話していた。
少しは空気を読んでほしい。
そんな中、俺は
エース『なあ、
創世之神『解。効率は悪くても、大量の魂を獲得するものと思われます。成功率は、78%です。』
78%か。
思いのほか高いな。
俺とリムルは頷きあう。
断固阻止だ。
リムル「ユーラザニアに残っている民は、顔も名も知らぬ者達だが、俺たちと友誼を結んでいる。」
エース「だからこそ、遠慮なく介入させてもらう。クレイマンの思い通りにはさせない。絶対にな……………!」
アルビス「リムル様、エース様…………!」
俺とリムルがそう言うと、三獣士は頭を下げる。
リムルは、紅丸に話しかける。
リムル「紅丸。」
紅丸「はっ!」
リムル「阻止しろ。」
紅丸「ああ、任せろ!……………じゃなくて、お任せを。」
リムルがそう言うと、紅丸はそう言う。
こうして俺たちは、クレイマンの目論見を阻止する作戦を検討する事に。
だが、良い作戦が思いつかない。
何せ、こちらから送り出しても、間に合わない。
エース「問題は…………どうやっても間に合わないことか。」
リムル「転送魔法で全員を送れたら早いんだけどな。」
朱菜「でも、転送魔法で軍を送るのは、危険が大きすぎます。」
リムル「ああ、分かってる。言ってみただけ……………。」
そう。
転送魔法は、物質を送る事は出来るが、有機物を送るのには向いていない。
何せ、大量の魔素を浴びて、変質してしまうからだ。
だからこそ、魔素による変質を防ぐ為に、結界を保護する術式を転移魔法に組み込む必要がある。
だが、軍隊の様な大人数を転移させるには、とんでもないエネルギーが必要になる。
それが問題だ。
すると、創世之神が言う。
創世之神『告。対象者の保護を組み込んだ完全転送術式が完成しています。』
エース『なっ……………!?』
創世之神『エクストラスキル”空間支配”を併用する事で、消費魔力の大幅削減に成功しました。』
いつの間に……………。
とはいえ、ありがたいな。
俺とリムルは、思念伝達をする。
エース『リムル。そっちも、対象者の保護を組み込んだ完全転送術式が完成してるか?』
リムル『お前の方もか……………。ああ、完成してるぞ!』
エース『よし。』
やっぱりか。
俺たちの
俺たちは、口を開く。
リムル「朱菜の言うとおり、転送魔法で軍を送るのは危険すぎる。だが……………。」
紅丸「だが?」
エース「それを可能にする新たな術の開発に、たった今、成功した。」
朱菜「まあ!」
紫苑「なんと……………!?」
真眼「流石です。」
フォビオ「たった今って……………!?」
紅丸「流石。」
ディアブロ「クフフフフフッ……………。」
ウルティマ「当然だよ。」
シズ「凄いね!」
まあ、作ったのは、俺とリムルの
エース「全軍が間に合うなら、勝ったも当然だ!」
俺はそう言う。
まあ、クレイマンにはほんの少しだけ同情するよ。
俺とリムル、創世之神と智慧之王の進化が無ければ、クレイマンの勝ちだったろう。
リムル「あとは君たちの覚悟だけだ。」
エース「ああ。術を使えば、全軍を一気に送り出す事が出来るが、安全確認はまだだ。それでも、俺とリムルを信じるか?」
そう。
まだ、安全確認が済んでいないのだ。
その為、危険がまだあるかもしれない。
すると、紅丸が口を開く。
紅丸「悩むまでもない。俺の忠誠はリムル様とエース様に捧げた。忠実な家臣である以上、死ねと命じられたら死ぬだけです。」
スフィア「信じるぜ。俺たちがリムル様とエース様を疑うなんて出来ねえし。」
フォビオ「一度助けられた身だ。部下達に文句なんざ言わせませんよ。」
アルビス「あらあら。これは私も同意しないとダメな流れだわ。リムル様とエース様のお力に頼らせて下さいませ。」
紅丸がそう言うと、三獣士達もそう言う。
それを聞いて、俺とリムルは頷く。
エース「よし。その命、預かった。」
リムル「これでクレイマンの策の上を行く!あとはお前達次第だ!必ず勝て!」
一同「はっ!」
俺とリムルがそう言うと、周囲は頷く。
そうして、会議は終わり、その場には、俺、リムル、シズさん、ヴェルドラ、リグルド、紅丸、朱菜、真眼、紫苑、白老、嵐牙、ディアブロ、ウルティマ、ラミリス、トレイニーさん、トライアさんが残る。
ヴェルドラは呑気に『仮面ライダー電王』を見ていたが。
リムル「ふぅ……………皆、長い会議お疲れ様。」
エース「明日からも大変だと思うけど、よろしく頼むな。」
朱菜「ええ。お任せ下さい。」
リムル「クレイマンの居場所を特定出来れば、空間転移で殴り込んで、終わらせられるんだけどな。」
エース「確かに。傀儡国ジスターヴに居る可能性が高いが。」
朱菜「ですが、クレイマンは
エース「そうだな。」
そう。
欲を言えば、今から乗り込み、ぶちのめしたいが、偵察も無しに突っ込むのは危険だろう。
すると、紫苑が叫ぶ。
紫苑「はい!」
リムル「紫苑!」
紫苑「ウフッ!こちらが
紫苑はそう叫ぶ。
確かに、それは良い案だな。
とはいえ、標的はあくまでクレイマンなので、他の魔王には喧嘩を売るつもりはないのだが。
それに、ミリムが何を考えているのかを知っておきたい。
リムル「クレイマンならまだしも、他の魔王とまで揉めるのはダメだろ。」
紫苑「そ……………そうですか。」
エース「だけど、その案自体は悪くない。クレイマンも、俺たちが乗り込んでくるとは思わないだろうしな。なあ、ラミリス。俺たちも参加出来るか?」
ラミリス「えっ?
リムルがそう言う中、俺はそう言いながら、ラミリスに聞く。
ラミリスは、トレイニーさんとトライアさんにデザートを食べさせてもらっていた。
リムル「ああ。こっちからクレイマンに会いに行ってみるのも、面白いかなって思ってさ。」
エース「流石に、クレイマンも動揺するだろ。飛び入り参加はダメとかあるのか?」
ラミリス「うーん……………多分大丈夫だと思うけど。でもね、付き添いは二人までだよ。昔、色々問題があったから、そう決まったの。ん?うぐっ!うぐぐぐ……………!」
俺とリムルがそう聞くと、ラミリスはそう返して、口を拭かれる。
飛び入り参加はOKだけど、付き添いは二人までか。
なら、簡単に決まるな。
俺がそう考える中、リムルは口を開く。
リムル「どう思う?」
ディアブロ「クフフフフフッ…………。」
エース「ん?」
ディアブロ「素晴らしい案です。その時は是非、この私がお供をいたしましょう。」
紫苑「バカめ、ディアブロ!お供はこの私です!譲りません!」
ディアブロ「まあ、とはいえ、戦いになるならば、打ち破れば済む話。そもそもリムル様とエース様だけで十分でしょう。」
紫苑「その通り!バカかと思っていたが、新参にしては、見どころがあるぞ!」
そんな風に話して、笑い合う。
この二人、いつの間に意気投合してるんだ?
昼間、言い争っていただろうが。
ていうか、真眼とウルティマはすっげぇ頷いてる。
すると、リムルはスライムの状態で紫苑の頭の上に乗る。
リムル「待て待て。慌てるな。まだ決定じゃない。それに、お前にはファルムス王国を任せたから、どっちにしろ連れて行かないよ。」
ディアブロ「そうですね。承知しました。」
朱菜「しかし……………やはり危険ではないですか?」
紅丸「いや。ミリム様が裏切ったとは思えないが、少なくとも、魔王カリオン様を討ったというのは事実。」
エース「そう。
ラミリス「そうよねぇ。ミリムがクレイマンなんかの言いなりになるなんて、まずあり得ないと思うよ。だって、ミリムって我儘だし。」
リムルがディアブロと話す中、朱菜は不安げな声を出す。
それに対して、俺と紅丸がそう答えると、ラミリスはそう言う。
お前がそれを言うか。
すると、紫苑が反応する。
紫苑「ミリム様がリムル様とエース様を裏切るなど、絶対に考えられません!」
真眼「確かに、俺も同感だ。でもそうは言っても、相手は海千山千の魔王。その心を読み切るのは、不可能だろう。」
紫苑「いいえ!根拠はありませんが、間違いないと確信します!」
紫苑がそう叫ぶ中、真眼はそう冷静に指摘して、紫苑は再び叫ぶ。
根拠はない……………か。
リムル「まあ、実の所、俺も裏切られたとは思っていない。俺たちは、ミリムを信じる事にする。」
エース「まあ、だからと言って、放置して良い話ではないけどな。ラミリスの言う通り、原因がクレイマンだという意見も、的外れではないからな。」
ラミリス「でしょ!でしょでしょ!?やっぱり、名探偵ラミリスさんの読みは正解だったって訳よね!」
トレイニー「流石です。」
トライア「素晴らしいです、ラミリス様。」
ラミリス「ふふん!」
俺とリムルがそう言うと、ラミリスは胸を張り、トレイニーさん達は拍手をする。
あんまり甘やかすなよ。
リムルは、紫苑から降りて口を開く。
リムル「だからこそ、
リムルはそう言って、周囲を見渡す。
すると、紫苑はリムルを凝視し、真眼は俺を凝視する。
まあ、連れて行くか。
すると、リムルは口を開く。
リムル「よし!紫苑と嵐牙を連れて行く!」
紫苑「はっ!ありがとうございます!」
嵐牙「お任せください!我が主!」
リムル「ところで……………エースは誰を連れて行くんだ?」
エース「俺か?決まってるよ。真眼とシズさん。この二人を連れて行く。」
真眼「ありがとうございます。」
シズ「私も……………?」
リムルにそう聞かれたので、俺はそう答える。
すると、真眼は喜び、シズさんは驚いていた。
俺は、理由を話す。
エース「真眼も十分に強いし、シズさんも、あいつと会えるかもしれないぞ。魔王レオン・クロムウェルと。」
シズ「っ!!」
エース「言いたい事があるんだろう?ちょうど良い機会だからな。」
シズ「………………ありがとう。」
そう。
この際、言いたい事はさっさと言っておくべきだろう。
すると、ウルティマが口を開く。
ウルティマ「エース様は…………僕を信じてないの?」
エース「いや、信じているからそうするんだ。」
ウルティマ「えっ……………?」
エース「お前なら、この街を守り切ってくれる。だからこそ、頼むんだ。」
ウルティマが不安そうにそう言うと、俺はそう言う。
ウルティマは、完全なクロスギーツにはなれないが、それでも強い。
だからこそ、ウルティマに頼むのだ。
それを聞いたウルティマは。
ウルティマ「うん!僕に任せてよ!」
エース「ああ。頼んだぜ。」
ウルティマ「っ!へへへ……………。」
ウルティマはそう言い、俺は狐のフィンガースナップを取り、ウルティマの額に当てる。
それをされたウルティマは、照れくさそうにする。
すると、ヴェルドラが叫ぶ。
ヴェルドラ「グアッハハハハっ!!」
一同「ん?」
ヴェルドラ「やる気になったか。リムル、エースよ!水臭いぞ。我も共に行こうではないか!魔王など、恐るるに足らぬわ!」
ヴェルドラはそう言って立ち上がり、拳を握る。
確かに、ヴェルドラに来てもらえたら、頼もしいだろう。
だが、今回は無しだ。
リムル「まあ、待てよヴェルドラ。」
エース「ヴェルドラには、この街に残って、防衛を頼む。」
ヴェルドラ「何!?我ならば、魔王どもなど一捻りで……………!」
リムル「この街の防衛というのも、立派な仕事だ。……………というか、一番重要な役割だぞ。」
ヴェルドラ「ぬ?一番……………。」
エース「そういう訳だ。留守番を頼むよ。な?」
まあ、ヴェルドラが強いのは確かだが、考えはちゃんとあるしな。
すると、ラミリスが口を開く。
ラミリス「ちょっとリムル、エース。師匠は私の配下として来て貰えば良いじゃん。それなら、私も安全だし。」
ヴェルドラ「いや?我は別にお前のお守りでついていきたい訳ではないのだが?」
ラミリス「うえええ〜っ!?そんな…………冷たいよ、師匠!」
ラミリスがそう言うが、ヴェルドラはそう言って、ラミリスは慌てる。
ていうか、師匠って何だよ。
そんな中、リムルは口を開く。
リムル「ヴェルドラ。実は、君の噂を流す手筈になっている。それは、さっきの会議でも話し合っていたから、知っているよね?」
ヴェルドラ「ぐっ……………うむ!無論であるぞ。(マズイ……………聞いてなかったなどと言えぬではないか。)」
リムルはそう聞くと、ヴェルドラは少し挙動不審気味にそう言う。
聞いてなかったんだな。
まあ良いや。
俺は口を開く。
エース「それでな。クレイマンの奴はこう考えるだろう。”リムルとエースという魔人は、ヴェルドラの威を借るだけの小物だ”ってな。」
ヴェルドラ「何だと!クレイマンめ!許さんぞ!!」
紫苑「フッ!身の程を知らぬ虫が!やはり、私が出向き、殺した方が良さそうですね。」
俺がそう言うと、ヴェルドラと紫苑の二人は、そう言う。
冗談で言ったんだけどな………………。
すると、紅丸と火煉が口を開く。
紅丸「はぁ……………やれやれ。落ち着け、紫苑。」
真眼「エース様の言葉は、あくまで例えだ。」
リムル「会議にヴェルドラを連れて行って、警戒されてしまっては意味がないだろ?」
ヴェルドラ「ほほう?そういう事か。」
紫苑「流石、リムル様とエース様!」
ディアブロ「クフフフフフッ……………リムル様とついでにエース様を侮る時点で許し難い。私の手で粛清してやりたいですが、ここは…………先輩を立てるとしましょう。」
ウルティマ「そうだね。僕もボコボコにしてやりたいけど、真眼に任せるよ。」
紫苑「ほう。話が分かりますね。」
真眼「ああ。」
ディアブロ、俺の事をついでって言うのは、やめてくんない?
そして、紫苑とディアブロがサムズアップをし終えると、紫苑はしゃがむ。
紫苑「相手を油断させて、有利に交渉を進めるつもりですね?」
真眼「なるほど。」
朱菜「それも危険ではないでしょうか?」
エース「大丈夫だ。いざとなったら、俺とリムルのスキルである”暴風竜召喚”で呼び出す事が出来るんだ。」
ヴェルドラ「何と!そうであったか!」
リムル「万が一の時は、お前に助けを求めるから、それまで大人しく、この街を守っていて欲しいんだ。」
ヴェルドラ「クア〜ハハハハッ!なるほど!我は遅れて現れるヒーローだな。」
ラミリス「ずるくない?それ。」
紫苑がそう言う中、真眼は納得して、朱菜はそう言うが、俺はそう言う。
いざとなったら、ヴェルドラを呼び出せるからな。
それを聞いていたラミリスがそう言う。
リムル「賢いって言って欲しいね。」
エース「あと、ラミリスの従者枠は埋まってるだろ。ベレッタにマッドの二人が。」
ラミリス「あっ、そうだった。」
そう。
ラミリスには、ベレッタとマッドの二人がいるから、大丈夫だろ。
こうして、準備が整った。
クレイマンには、それ相応の報いを受けてもらう。
手加減はしない。
俺はそう思いながら、移動する。
やるべき事があるからな。
一方、忘れられた竜の都では。
クレイマンの軍が準備をする中、忘れられた竜の都の神官団を率いる神官長であるミッドレイは、苛立っていた。
ミッドレイ「ええい!忌々しい奴らよ!何が”協力しましょう”だ!舐めおって!」
ミッドレイがそう言う中、ミッドレイの隣にいるヘルメスが口を開く。
ヘルメス「ミッドレイ様。ここは従わないとマズイですって。あのヤムザとかいう指揮官は、ミリム様からの命令書を持っていたじゃないですか。」
ミッドレイ「黙れ、ヘルメス。貴様らに言われなくても分かっておるわ。」
ヘルメス「ユーラザニアを滅ぼすなんて、ホント、ミリム様にも困った物ですよね。」
ミッドレイ「不敬だぞ、ヘルメス!ミリム様のなさる事を疑うでないわ!」
ヘルメス「いや、それはそうなんですけど…………。(そうやって甘やかすから、ますますこっちも苦労するんですよ……………。)」
ヘルメスがそう言う中、ミッドレイはそう言って、ヘルメスはそう思う。
すると、ミッドレイは口を開く。
ミッドレイ「しかしクレイマンめ。偉そうに……………!ミリム様に命令書を書かせるとは……………!」
ヘルメス「そうっすね。間違いなくミリム様の字でしたし、命令だから仕方ないっすけど……………。クレイマンの軍の奴らに食われて、第3食糧庫も空になりました。これで残るは7つ。次の収穫時期まで苦労しますね。」
ミッドレイ「クソが!ぐぬう………………!」
ヘルメスとトートがそう言うと、ミッドレイはそう吐き捨てる。
そんなミッドレイの頭は赤くなり、血管が浮かび上がっていた。
それを見ていたヘルメスは。
ヘルメス「ぷっ……………!(赤い…………メロン。)くくくくっ……………!」
そんな風に思っていた。
すると、2人の元に一人の男がやってくる。
その男は、クレイマンの軍の指揮官であるヤムザであった。
ミッドレイ「氷結魔剣士、ヤムザ。ちっ。ヘルメス。我慢するのだぞ。」
ヘルメス「了解っす。」
「「フフフッ。」」
ミッドレイ達は、ヤムザには聞こえないようにそう話し、笑みを浮かべる。
ヤムザは、リンゴを持っていて、口を開く。
ヤムザ「ミッドレイ殿。食料援助、とても助かります。何しろ、3万もの軍を養うには、どれだけあっても足りませんからね。」
ミッドレイ「ハハハッ。お役に立てたのなら、光栄ですな。ですが、残念な事に、我等としてもこれ以上の援助は厳しいのです。民が食うに困ると、ミリム様が悲しまれますので…………。」
ヤムザがそう言うと、ミッドレイは柔らかにこれ以上の援助が厳しいと言う。
すると、ヤムザはリンゴを握りつぶして、ミッドレイに対して言う。
ヤムザ「何を言うか。その魔王ミリムが勝手に動いたのだ!その尻拭いをしてやろうと言う我が軍に対し、礼を尽くすのが当然だろうが。ん?」
ヘルメス(……………こいつ。)
ヤムザはそう言って、握り潰したリンゴをミッドレイに押し付ける。
ヘルメスは気づかれないようにキツい視線を向ける中、ミッドレイは口を開く。
ミッドレイ「いや、これは失礼。ついつい、自分たちの事しか考えておりませんでした。我らに出来る協力は、何でもいたしますので、遠慮なく申しつけくだされ。」
ヘルメス(メロンにならなかった。まあ、ここで怒ったら、それを口実に、この国を滅ぼしかねない奴らですしね。)
ミッドレイはそう言って、頭を下げる。
それを見て、ヘルメスがそう思う中、ヤムザは口を開く。
ヤムザ「そうですか。では、あなた達にも協力する機会を差し上げましょう。物資の運搬程度には役立つだろう。」
ヘルメス「なっ!?ちょ……………ちょっと待ってくださいよ!食料を奪われた挙句、人手まで取られるのは……………!」
ヤムザの言葉を聞いたヘルメスがそう言うと、ヘルメスの腕は、ヤムザによって切断された。
ヘルメス「あっ……………!」
ヤムザ「黙れよ、
ヘルメス「うっ…………!くっ……………!」
ヤムザ「ほう。身の程を知らぬか?見せしめに殺してやっても良いのだぞ?」
ヘルメス(こいつ……………!調子に乗りやがって……………!)
腕を切られたヘルメスが、ヤムザを睨む中、ミッドレイがヘルメスを蹴る。
ヘルメスは、柱に叩きつけられる。
ミッドレイ「いやはや、すみませんな、ヤムザ殿。このバカどもにはよく言い聞かせておきますので、ここは、わしの顔に免じて許してやってくだされ。」
ヤムザ「フンっ。バカな部下どもを持つと苦労するものよ。一度だけ許す。明日の朝には出立するので、貴様ら神官ども、全員速やかに準備せよ。」
ミッドレイがそう言うと、ヤムザはそう言って、去っていく。
ミッドレイはため息を吐き、ヘルメスの腕を回収して、ヘルメスの傷口に当てる。
ヘルメス「あっ、ああ……………。」
ミッドレイ「馬鹿者が……………。だから忠告したであろうが。」
ヘルメス「すいません……………。」
ミッドレイ「神聖魔法、
ミッドレイはそう言って、魔法を発動して、ヘルメスの腕をくっつける。
ミッドレイ「ふぅ……………まあよい。神官団が抜けても、すぐに民は困りはせぬわ。それよりもあの男……………ミリム様の民を傷つけるとはな……………!」
ヘルメス「ミッドレイ様……………。(アンタの後ろ回し蹴りも大概だったんですけどね。まあ、庇ってくれたのは分かりますが。)」
ミッドレイがそう言って怒る中、ヘルメスはそう思う。
そう思う中、ヘルメスは口を開く。
ヘルメス「いや、ホントっすね。あいつ、殺しちゃって良いっすか?」
ミッドレイ「バカめ!貴様では勝てぬ!」
ヘルメス「そうですね。あの剣は厄介だし、何か奥の手を隠してそうですし。」
ミッドレイ「うむ。姑息な魔王クレイマンの腹心らしく、手の内を簡単には見せぬようだな。男なら、全てを曝け出して勝利すべき物を!」
ヘルメス「そうっすね。」
ミッドレイはそう憤る中、ヘルメスはそう言う。
すると、ミッドレイは落ち着き、ヘルメスに手を差し伸べる。
ミッドレイ「はぁ……………出立に向けて、準備するぞ。」
ヘルメス「あっ……………はい。」
ミッドレイ「しかし、ミリム様はなぜ戻って来ぬのだ。」
ミッドレイ達は、出発に向けて準備をする中、ミッドレイはそう呟く。
一方、俺はラボで作業を続けていた。
街の守りは、ヴェルドラだけでなく、警備隊ライダーやGMライダーにも行わせる。
それに、気になる事があるしな。
エース「……………どうだ?」
ジーン「エースの予想通りだ。ヴィジョンドライバーのデータがコピーされていた。」
ジーンがやってきて、そう聞くと、ジーンはそう答える。
やっぱりな。
嫌な予感がしたのだ。
という事は、犯人は……………。
エース「……………とにかく、警戒するに越した事はない。気をつけるぞ。」
ジーン「ああ。ギロリ達にも伝えておく?」
エース「……………そうだな。ギロリとニラムの2人には伝えておこう。」
俺がそう言うと、ジーンはそう聞いてきて、俺はそう答える。
ちなみに、俺が作業をしている中、リムルはユーラザニアの人たちを避難させ終えていた。
そして、準備が完了した。
こちら側の戦力は、アルビス、スフィア、フォビオが率いる1万の獣人達。
ゴブタ率いる”
紅丸の直属親衛隊として、
四千のボブゴブリンで構成されている”
ゲルドとグルドが率いる五千の
ガビル率いる
ニラムにも動いてもらい、GMライダーを配下にしている。
総勢二万の軍勢だ。
テンペストの防衛には、紫苑配下の親衛隊である100名。
死亡から蘇生した者たちなので、部隊名は”
紅丸「リムル様、エース様。全員揃いました。準備完了です。」
エース「分かった。」
リムル「じゃあ、サクッと転送する事にしよう!」
俺とリムルが転送をしようとすると、アルビス達が話しかける。
アルビス「リムル様、エース様。」
リムル「ん?」
アルビス「ご厚意、決して忘れませんわ。」
スフィア「これで、何の心配もなく、クレイマンの手下どもをぶちのめせるって訳だ。クレイマンはリムル様とエース様に譲るので、俺たちの恨みもぶつけてください!」
フォビオ「うん。」
三獣士達はそう言う。
そして、獣王戦士団達も、頭を下げる。
俺とリムルは頷く。
リムル「頼んだぞ。」
紅丸「うむ。」
紫苑「情け容赦は要りませんよ!」
真眼「思い切りやれ。」
ディアブロ「クフフフフフっ…………ゴミは早めに片付けないと、臭ってきますからね。」
ウルティマ「さっさと片付けてきてね。」
朱菜「お気をつけて。」
紅丸「二度と逆らえない様、地獄を見せるとしましょう。」
エース「よし。絶対に勝て!」
一同「ははっ!勝利を御身に!」
リムルと紅丸がそう話すと、色んな人たちが、激励を飛ばす。
俺もそう言うと、そう返ってくる。
さてと。
俺とリムルは頷き合い、転送を開始する。
しばらくすると、そこには誰も居なくなっていた。
リムル「無事に勝ってくれよ。」
エース「頼んだぞ。」
俺とリムルの呟きが、その場に響く。
今回はここまでです。
今回は、軍を転送する所までです。
ウルティマは、テンペストで待機となります。
大丈夫でしょうし。
そして、ワルプルギスもいよいよ近づいております。
クレイマンの死も。
次回は、魔王達の話になります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今後の展開などでリクエストがあれば、活動報告から承っております。
紅蓮の絆編をどのタイミングでやるとか。