転生したら白狐だった件   作:仮面大佐

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第62話 聖なる場所で

 遂に真なる魔王として覚醒したクレイマン。

 そのクレイマンは、ある事を思い出していた。

 

カザリーム『お前は俺が死体から作った妖死族(デスマン)だが、フットマンやティアと違い、戦闘には向いちゃいない。だが、策謀を巡らせて、軍団を指揮するなんて真似は、お前以外には出来ないだろう。だからな、クレイマン。お前が魔王になるんだ。』

 

 かつて、カザリームから言われたこの言葉。

 それを糧に、クレイマンは立ち上がる。

 

クレイマン「見よ!私は力を……………力を手に入れたぞ!!ハハハハハハハッ!ハアーッハハハハハハ!ハヒャハハハハ!!」

 

 クレイマンはそう叫びながら、笑い声を出す。

 それを見ていたカリオンは。

 

カリオン(これが、クレイマンの妖気(オーラ)だってのか!?今までの比ではないぞ……………!!こいつは正直、俺やフレイでも……………。)

 

 カリオンはそんな風に思っていた。

 すると、カリオンは俺たちに話しかける。

 

カリオン「リムル、エース!ここは俺様も……………!」

リムル「いや、悪いけど、譲ってもらえないか、カリオンさん。魔王を名乗る以上、自分の席は自分で用意したいんでね。」

エース「そうだな。ここは俺たちに任せろ。」

リムル「いや、ここからは、俺1人でやる。」

 

 カリオンがそう言うと、リムルはそう言う。

 俺もそう言うが、リムルはそう言う。

 俺はリムルに話しかける。

 

エース「何でだよ?俺だって…………。」

リムル「お前はさっき、クレイマンと十分に戦っただろ?少しは俺にも譲ってくれ。」

ギィ「リムルの言う通りだな。お前は十分に戦った。少しはリムルに譲ってやれ。」

 

 俺がそう言おうとすると、リムルはそう言う。

 そして、同意するかの様に、ギィもそう言う。

 ギィにまでそう言われたなら、もう無理か。

 俺はデザイアドライバーからブーストマークIXレイズバックルを抜きながら、リムルに話しかける。

 

エース「リムル、絶対に負けるなよ?」

リムル「ああ。」

 

 俺がそう言うと、リムルはそう言う。

 そして、リムルが前に向かって歩き出すと、他の人たちが口を開く。

 

カリオン「負けるんじゃねえぞ。」

ミリム「リムル、頑張るのだ!」

ラミリス「しっかりやりなさいよ!」

 

 カリオン、ミリム、ラミリスはそう言う。

 すると、クレイマンが口を開く。

 

クレイマン「この私を散々コケにした者どもよ!必ず報いを受けさせてやる!ハハハハハハハッ!ハアーッハハハハハハ!ハヒャハハハハ!!」

 

 クレイマンはそんな風に言う。

 クレイマンはああ言っているが、実際には、この場から逃げようと考えているんだろう。

 ギィみたいな明らかな格上がいる以上、ここでのやり取りをあの方に中継することは不可能だ。

 事の顛末を知らせる為には、生還するのは必須条件。

 俺と同じ事を考えているリムルは、口を開く。

 

リムル「お前はもう詰んでいる。諦めて、お前に指示を出していた黒幕を教えろよ。」

クレイマン「どこまでも生意気な!」

 

 リムルがそう言うと、クレイマンはそう言いながら、魔力弾を放つ。

 恐らく、リムルが避けると、空中で爆発させて、その隙に逃げるつもりなのだろう。

 その考えは、俺からしたら、手に取るように分かる。

 すると、リムルが口を開く。

 

リムル「……………だが残念!暴食之王(ベルゼビュート)!!」

 

 リムルはそう叫ぶと、暴食之王(ベルゼビュート)を発動する。

 そして、クレイマンの魔力弾はあっさりと吸収された。

 

クレイマン「うっ……………!?」

リムル「言っただろう?お前はもう詰んでいるんだ。」

 

 クレイマンが怯む中、リムルは指を鳴らす。

 すると、ギィが使った結界が発動する。

 やっぱり、使える様になってるよな。

 それを見たギィは。

 

ギィ(……………俺の結界の技を盗んだか。図々しい野郎だ。)

 

 そんな風に思っていた。

 クレイマンが動揺する中、リムルが口を開く。

 

リムル「おい、本気を出すんなら、早くしろ。」

 

 リムルはそう言う。

 すると、クレイマンは笑いながら言う。

 

クレイマン「へへへヘヘッ!確かに、貴様やあのエースとやらは強い。それは認めてやろう。だがな、私の本気もこんな物では無いのだよ!果たして、これを受けられるかな!?」

 

 クレイマンはそう言うと、周囲にドラゴンの様なオーラを纏うと、宙に浮く。

 すると、そのドラゴンのオーラがクレイマンの手に集まる。

 

クレイマン「喰らうが良い!この私の最強の奥義を!龍脈破壊砲(デモンブラスター)!!」

 

 クレイマンはそう叫ぶと、その魔力を発射して、龍がリムルへと向かう。

 だが、リムルは慌てていなかった。

 

リムル「喰らい尽くせ!暴食之王(ベルゼビュート)!!」

 

 リムルがそう叫ぶと、暴食之王(ベルゼビュート)がその龍を包み込む。

 龍のエネルギーはしばらくは耐えていたが、やがて、全てリムルに食い尽くされる。

 それを見ていたクレイマンは。

 

クレイマン「バカな!?そんなバカな!?私の……………私の最高の奥義なんだぞ!?」

リムル「無駄だよ、クレイマン。お前は俺やエースより弱い。お前が知っている情報を素直に喋れば、苦痛を与えずに殺してやるよ。」

 

 クレイマンは、自分の技があっさりとリムルに無力化されたのに驚いていた。

 リムルがそう言うと、笑いながら口を開く。

 

クレイマン「ふふふふふっ!私は妖死族(デスマン)!ここで殺されようとも復活し、いずれ再び貴様らを……………っ!?」

リムル「ふんっ!」

 

 クレイマンはそんな風に言う。

 だが、最後の方は変な感じになる。

 何故なら、リムルに顔面を殴られたからだ。

 

クレイマン「のわっ……………!?」

リムル「ふんっ!ふんっ!ふっ!」

 

 クレイマンが怯む中、リムルは何度もパンチをする。

 ついでに、クレイマンに思考加速をかけた事も分かっている。

 

ギィ「クレイマンに思考加速を施したか。」

ラミリス「まあ、しょうがないわよね。」

ミリム「クレイマンの自業自得なのだ!」

 

 それを見ていた最古の魔王達は、そんな風に言う。

 しばらくすると、リムルは攻撃をやめる。

 クレイマンは、数日分のダメージを受けた中、リムルは口を開く。

 

リムル「クレイマン。最後にもう一度聞く。黒幕は誰だ?」

クレイマン「舐めるなよ……………!私が仲間を………………ましてや、依頼主を裏切る事などない。それが……………それだけが、中庸道化連の絶対のルールなのだ!!」

 

 リムルはそう聞くが、クレイマンはそう言う。

 こりゃあ、吐かせるのは厳しいな。

 仲間への情は、本物らしいな。

 すると、リムルが口を開く。

 

リムル「……………そうか。一応教えておいてやるけど、お前、復活はできないぞ。」

クレイマン「なっ…………!?何を…………!?」

エース「お前は妖死族(デスマン)だからな。星幽体(アストラル・ボディー)を離脱させて、逃げようと考えているんだろ?」

クレイマン「なっ……………!?」

エース「だからこそ、さっきの攻撃で、お前が星幽体(アストラル・ボディー)を離脱できないように書き換えたんだ。お前の死は避けられない。」

 

 リムルがそう言うと、クレイマンは驚く。

 そして、俺はそう言う。

 俺が何の考えもなく、ライダーキックを放つわけがないのだ。

 確実な死を与えるために。

 すると、クレイマンは意図を察したのか、俺を絶望した表情で見てくる。

 

クレイマン「な、な……………!?」

エース「何で俺とリムルがそんな事を知っているのか不思議か?答えは簡単だ。リムルは、どうすれば死者蘇生が出来るのかを検索しまくった。何度も……………何度もな。それは、お前の計略によって奪われた物を取り戻す為だ。今度は、お前が全てを失う番だ。」

 

 クレイマンがそう言おうとする中、俺はそう言う。

 クレイマンが絶望に叩き落とされたのは、目に見えている。

 俺はリムルに頷くと、リムルは口を開く。

 

リムル「これ以上は何も聞けないし、クレイマンを処刑する!」

クレイマン「ひっ!?」

リムル「反対の者は居るのかな?居るなら相手になるけど。」

ギィ「好きにしろ。」

ラミリス「やっちゃえ!」

 

 リムルがそう言うと、クレイマンは尻餅をつく。

 他の魔王達に聞くと、他の魔王は、クレイマンの処刑に異論はないようだ。

 それを見たリムルは、クレイマンの方へと向かう。

 

クレイマン「や、やめろ……………!おい、やめろ……………!!」

リムル「………………楽に死ねると思うなよ?魂が消滅するまでの永遠とも思えるわずかな時間を、反省しながら過ごすと良い。」

クレイマン「い、いやだ……………!やめろ、やめろぉぉぉ!!助けてくれ……………フットマン!助けてよ、ティア…………!私はまだ死ねない!こんな……………ところで!お、お助け下さい!カザリーム様ぁぁぁぁ!!」

リムル「………………暴食之王(ベルゼビュート)。」

 

 クレイマンがそう言う中、リムルはそんな死刑宣告を出す。

 それを聞いたクレイマンは泣きながら、そんな風に叫ぶ。

 リムルは暴食之王(ベルゼビュート)を発動して、クレイマンを吸収していく。

 クレイマンはしばらく抵抗していたが、やがて、リムルによって吸収される。

 すると。

 

クレイマン(……………ラプラス。君の言う通りだった。私は少し、やり過ぎたようです。君の忠告通り、大人しくしていれば良かったよ。本当に……………君はいつも正しいな……………。)

 

 クレイマンのそんな思念が聞こえてきた。

 後悔の念か。

 今更遅いがな。

 クレイマンがリムルの与えた死で、少しは反省する事を願うか。

 リムルが結界を解除すると、ギィは拍手をしながら口を開く。

 

ギィ「見事だ。お前達が今日から魔王を名乗る事を許そう。異論のある奴は居るか?」

ラミリス「ないない!アタシはリムルとエースがやる奴だって信じてたさ!」

 

 ギィがそう言うと、ラミリスが俺とリムルの方へと向かう。

 

ラミリス「何なら、アタシの弟子として認めてあげても良いけど?」

リムル「あ、そういうの間に合ってるから。」

エース「弟子は他で取ってくれ。」

 

 ラミリスがそんな風に言う中、俺とリムルはそう言う。

 すると、ラミリスが叫ぶ。

 

ラミリス「何でや!?良いじゃ無い!素直に弟子になってくれても!!」

 

 ラミリスがそんな風に叫ぶ中、俺たちは困惑していた。

 どうしたものかと思っていると。

 

ミリム「ふふん!リムルにエースは、私のマブダチだからな!お前とは仲良くしたく無いそうだぞ。それに、エースにリムル自身が魔王となったわけだし、もうお前に気を遣う必要もあるまい?」

ラミリス「えっ!?嘘っ……………リムル、エース、嘘だよね!?」

ミリム「わーはっはっは!お前は仲間はずれだな、ラミリス!」

 

 ミリムはそう言う。

 言ってないよ?

 ミリムがそう言うと、ラミリスはミリムに向かう。

 

ラミリス「何だとーーーっ!?えいっ!」

ミリム「ひょい!ひょひょいのひょいなのだ!」

ラミリス「きぃー!!」

 

 ラミリスはそう叫びながら、攻撃していく。

 だが、あっさり躱され、捕まった。

 その他の魔王達は。

 

レオン「私は誰が魔王になろうが興味はない。好きにすれば良い。」

ディーノ「ま、良いんじゃ無いの?」

ダグリュール「うむ。ヴェルドラが認めるのなら、これ以上ない保証だろう。」

フレイ「ミリム。少しは言葉に気をつけなさいな。あなたの方が強いのだから。」

 

 レオンが興味なさそうにそう言うと、他の魔王達も認めるような発言をする。

 どうやら、異論はないみたいだな。

 たった1人を除いて。

 

ロイ「ふん。余としては、下賎なスライムに狐風情が魔王などと、断じて認めたくはないが。」

 

 ロイはそんな風に言う。

 やっぱり、認められないという事か。

 まあ、敵視されたら面倒だし。

 何せ、ヴェルドラがかつて滅ぼした都の魔王だしな。

 代替わりしたが。

 すると。

 

ヴェルドラ「クァーッハッハッハッ!下郎、我が友達を侮辱するか。おい、ミルスよ!従者の躾がなっておらんぞ!我が教育してやろうか?」

 

 空気を読めない事には定評のあるヴェルドラがそう叫ぶ。

 だが、話し相手は、ロイの従者であるメイドだ。

 あいつ、何やってんだ。

 とはいえ、メイドの正体は分かっているのだが。

 すると、メイドは青筋を浮かべながら口を開く。

 

???「私に話しておいでですか?私は魔王ヴァレンタイン様の忠実なる侍女に過ぎませんが?」

ヴェルドラ「ん?」

ミリム「おいダメだぞ、ヴェルドラ!バレンタインは、メイドに化けて正体を隠しているつもりなのだ!ヴェルドラよ、それを言ってはダメなのだ!」

 

 メイドは青筋を浮かべながらそう言うと、ヴェルドラは首を傾げる。

 すると、ミリムは大声でそう言う。

 全部バラしやがった!!

 あのドラゴンコンビ!

 すると、そのメイドはミリムを睨むと、ミリムは口笛を吹く真似をする。

 だろうな。

 あのメイドは、コリウス王国で遭遇したからな。

 すると、メイドは口を開く。

 ちなみに、ミリムはそそくさと離れていた。

 

???「ちっ!忌々しい邪竜め。どこまでも妾の邪魔をする………………妾の名まで忘れたか。」

ヴェルドラ「ミルスじゃなかった?ええと…………スミス……………それとも、イルス…………?」

ルミナス「本当に人をイライラさせるのが上手い物よ……………!もう良い!妾の事は、バレンタインと呼ぶが良い!」

 

 メイドがそんな風に言う中、ヴェルドラはそう言う。

 何でさらに怒らせるのかな。

 そう言うと、服装がメイド服からドレスに変わる。

 そう、コリウス王国に現れた、ルミナス・バレンタインだ。

 やっぱり、魔王だったのか。

 そりゃあ、原初の悪魔とタイマンを張れるわけだ。

 すると、もう1人の従者である執事が話しかける。

 

執事「よろしいのですか?ルミナス様。」

ルミナス「致し方あるまい。もはや正体を偽る事は不可能じゃ。あの駄竜のせいでな。」

カリオン「えっ!?知ってた?」

 

 執事がそう言うと、ルミナスはヴェルドラを睨みながらそう言う。

 どうやら、カリオン達は知らなかったようで、驚いていた。

 その当のヴェルドラはというと。

 

ヴェルドラ「我、悪くないし。隠してるの知らなかったし。バラしたのミリムだし。ミルスじゃなくて、ルミナスか。そうそう、そうであったわ。」

 

 ヴェルドラはそんな風に言い訳をしていた。

 いや、お前がルミナスに突っ掛からなければ、こんな事にはなってないんだよ?

 それにしても、戦いが落ち着いたからか、気になる事が出てくる。

 そう思う中、ルミナスはロイに話しかけていた。 

 

ルミナス「ロイ。気になる事がある。貴様は先に戻っておれ。」

ロイ「しかし、ルミナス様。」

ルミナス「クレイマンの奴が、貴様を見て一瞬だが、視線を止めたぞ。」

ロイ「っ!?」

ルミナス「この前、貴様が追い払った我が領土に侵入した道化の格好をした侵入者。クレイマンの奴と何か繋がりがあるかも知れぬ。戻って聖神殿の警備を厳重にするように伝えるのじゃ。」

ロイ「承知。」

 

 ルミナスがそう言うと、ロイはそう反応する。

 だが、ルミナスの言葉に顔を少しだけ顰めると、ルミナスはそう言う。

 それを聞いて納得したのか、ロイは去っていく。

 ルミナス……………ルミナス教といえば、西方聖教会。

 何か、関係がある可能性がある。

 坂口日向(ヒナタ・サカグチ)と。

 もしそうなら、少しは話を聞きたいんだがな。

 俺はそう思っていた。

 すると、ギィが話しかける。

 

ギィ「……………エースとやら。お前の力を試してみたくなったぞ。」

エース「うん?」

 

 ギィがそう話しかけると、俺とギィの周りに結界が施される。

 それを見た魔王達は、下がった。

 俺はギィに聞く。

 

エース「どういうつもりなんだ?」

ギィ「ミリムとラミリスが友と認め、ミリムと互角に戦ったのは分かった。だからこそ、お前がどういう存在なのかを見極めたくてな。お前が創世の力を悪用しないのかも含めてな。」

エース「ほう…………。」

 

 俺がそう聞くと、ギィはそう答える。

 向こうは、俺の創世の力を知っているのか。

 俺はギィに聞く。

 

エース「それで、どうするんだ?」

ギィ「簡単だ。お前の一撃を俺にぶつけてこい。至ってシンプルだ。やるか?」

エース「……………良いぜ。やってやるよ。」

 

 俺がそう聞くと、ギィはそう言う。

 ギィからも認められれば、都合が良いからな。

 俺の実力で、どこまで行けるのかも知りたいし。

 俺はそう思いながら、マークIXレイズバックルを分離する。

 

MARK(マーク) (ナイン)

SET(セット) IGNITION(イグニッション)

 

 俺はマークIXレイズバックルを分離して、デザイアドライバーに装填する。

 俺は変身ポーズを取りながら叫ぶ。

 

エース「変身!」

 

 そう言うと、俺はデザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE(リボルブ) ON(オン)

 

 その音声が鳴る中、レイズバックルを操作する。

 

DYNAMITE(ダイナマイト) BOOST(ブースト)

GEATS(ギーツ) IX(ナイン)

REDAY(レディ) FIGHT(ファイト)

 

 俺はギーツIXに変身する。

 全力で行くか。

 俺はそう思いながら、ギーツバスターQB9のブーストチャージャーを引っ張る。

 

BOOST(ブースト) CHARGE(チャージ)

 

 その音声が鳴り、待機音が鳴る中、俺はレイズバックルの方も操作する。

 

DYNAMITE(ダイナマイト) BOOST(ブースト) TIME(タイム)

 

 その音声が鳴ると、ギーツバスターQB9の刀身が蒼炎に包まれる。

 これが、最大出力だ。

 

ギィ「来るか。」

エース「行くぜ。ハァァァァァ!!」

 

 ギィがそう呟く中、俺はそう言う。

 そして、レイズバックルとギーツバスターQB9のトリガーを操作する。

 

BOOST(ブースト) IX(ナイン) VICTORY(ビクトリー)

BOOST(ブースト) TACTICAL(タクティカル) VICTORY(ビクトリー)

 

リムル「本気かよ……………!?」

 

 その音声が鳴る中、リムルはそう呟く。

 すると、ギーツテールナインから出た蒼炎をギーツバスターQB9に纏わせて、強化した斬撃波を放つ。

 

ギィ(ほう……………!己の力で更に技の威力を増したか。面白い!!)

 

 ギィはそう思う中、両手を前に出す。

 すると、その斬撃波を受け止める。

 斬撃波を受け止めたと同時に、周囲には衝撃波が拡散されて、結界にヒビが入る。

 

ミリム「おお!ギィの結界にヒビが入ったのだ!」

ルミナス「何………………!?」

リムル「すげぇ……………!?」

 

 それを見たミリム達は、そんな風に反応する。

 しばらくすると、衝撃波がなくなる。

 ギィの方を見ると。

 

エース「マジか……………。」

ギィ「凄まじいな……………。」

 

 ギィは普通に立っていた。

 だが、無傷というわけではなく、腕にはいくつかの裂傷が見られた。

 

エース「どうやら、まだまだだな。」

ギィ「謙遜はよせ。この俺に裂傷を与えたんだ。それに、お前の攻撃からは、悪用するという意思は感じられなかったからな。」

エース「そうか。」

 

 俺がそう言うと、ギィはそう言う。

 どうやら、認められたという事かな。

 結界が解除される中、ミリム達が話しかけてくる。

 

ミリム「すごいのだ、エース!」

ラミリス「やるじゃん、エース!」

エース「ありがとうな。」

 

 ミリムとラミリスがそう言う中、俺はそう答える。

 リムルは若干呆れ気味だったが。

 その他の魔王は、驚愕の表情を浮かべていた。

 すると、裂傷を治したギィが話しかける。

 

ギィ「見事だ。エース=テンペスト。お前にはこの俺から直々に魔王に相応しい称号を与えよう。」

エース「……………良いのか?」

ギィ「ああ。俺に傷を負わせて、ミリムと互角に戦える奴が新星(ニュービー)は相応しくないだろうからな。」

 

 ギィはそう提案する。

 まさか、称号を与えられるとは。

 それも、最古の魔王から直々に。

 すると、リムルが口を開く。

 

リムル「良いんじゃないか?せっかくだし、受け取っておけば。」

エース「……………そうだな。ありがたく受け取らせてもらうよ。」

 

 リムルがそう言うと、俺はそう言う。

 確かに、受け取っておくのも悪くないか。

 

ギィ「決まりだな。エースよ。お前は創世の力を使いこなしているからな。故に、お前に与える称号は、創世九尾(クリエイトナイン)だ。」

エース「創世九尾(クリエイトナイン)か。気に入った。」

シズ「エース君にぴったりだよ。」

真眼「ええ。」

紫苑「私もそう思います!」

リムル「よかったな!」

 

 ギィは俺にその称号を与える。

 こうして、俺の称号は創世九尾(クリエイトナイン)となった。

 その頃、神聖方王国ルベリオスの聖神殿では、ラプラスが侵入をしていた。

 柱の影に隠れながら、ラプラスは思っていた。

 

ラプラス(やれやれ。また奥の院に潜り込まなアカンなんて、人遣いの荒いボスやで、ホンマに。まあ、今は魔王達の宴(ワルプルギス)の真っ最中。あの坂口日向(ヒナタ・サカグチ)もボスが誘い出すっちゅーてたし。さっさとここ抜けて、奥の院へ……………ん?)

 

 ラプラスはそんな風に思っていた。

 すると、自分の元に誰かが近づいてくるのに気づく。

 

ラプラス「(法皇………………いや、違う。まさか……………!?)坂口日向(ヒナタ・サカグチ)!?」

 

 ラプラスは、近づいてくる人が法皇だと思ったが、違うと気づいた。

 月光に照らされて見えたその姿は、坂口日向(ヒナタ・サカグチ)だったのだ。

 すると、ヒナタは口を開く。

 

ヒナタ「この聖なる場所に潜り込むだなんて、本当に虫って嫌いだわ。」

ラプラス「虫!?サイナラ!!」

 

 ヒナタがそう言いながら剣を抜刀すると、ラプラスはそう叫びながら逃げていく。

 ヒナタは、追撃していなかった。

 

ラプラス「ちょおい!どないなってんねん!話がちゃうでボス!?せっかく魔王ヴァレンタインが留守でも、あの女がおったら、侵入なんて出来るかっちゅーんじゃ!!」

 

 ラプラスはそう叫びながら、全力で走っていく。

 どうやら、ボス……………神楽坂優樹(ユウキ・カグラザカ)は、ヒナタを誘い出す事に失敗したようだ。

 しばらく走って、ラプラスは一息吐く。

 幸い、ヒナタは追撃していなかったので、逃げる事に成功する。

 

ラプラス「勝てる事あるかい、あないな化け物……………。(逃げ切れたか…………いや、油断しないとこ。最近、ワイついてないし、もう一波乱くらいあるかも……………。)」

 

 ラプラスは一息吐きながらそう言う中、そう思う。

 すると、それがフラグになったのか、ラプラスの背後に蝙蝠が集まってくる。

 

ラプラス「ん?ちょ……………マジかいな…………。」

 

 それを見て、ラプラスは自分の不運がまだ続いていることを悟った。

 なぜなら……………。

 

ロイ「虫ケラめが……………余の前に今一度姿を見せるか。」

ラプラス「(クソッタレ!)今度は魔王かい……………!!」

 

 その蝙蝠が集まり、人の形になる中、その人はそう言う。

 そう、ロイだったのだ。

 

ラプラス「魔王達の宴(ワルプルギス)終わんの早過ぎやろ!?ホンマついてな……………!」

ロイ「ふん。虫ケラは皆、逃げ回るのが好きだな。」

 

 ラプラスはそう毒づきながら逃げようとするが、ロイの言葉に足を止める。

 ラプラスは、ロイに聞く。

 

ラプラス「……………何の話や?」

ロイ「ふっ。貴様には関係ないが、冥土の土産に教えてやろう。つい先ほど、クレイマンが死んだのだよ。」

 

 ラプラスはそう聞くと、ロイはそう言う。

 それを聞いて、ラプラスは驚いた。

 

ラプラス「な……………何やと?」

ロイ「あの愚かで姑息なゴミ虫も、貴様のように逃げ回っておったぞ。無様にも泣き叫びながらな!」

 

 ラプラスが驚く中、ロイはクレイマンを侮辱しながらそう言う。

 それを聞いたラプラスは。

 

ラプラス「………………っ!」

ロイ「何を怒る?見ず知らずの男の死がそんなにショックか?」

ラプラス「黙らんかい!クレイマンが死んだっちゅうんは、本当の話なんか!?」

ロイ「ハーッハッハッハッ!!語るに落ちたなゴミ虫めが!!やはり、貴様らは繋がっ…………っ!?」

 

 ラプラスが怒りの気配を見せる中、ロイは挑発気味にそう言う。

 ラプラスがそう叫ぶと、ロイはそう言う。

 だが、最後の方は変な感じになった。

 何故なら、ラプラスに殴られたからだ。

 

ラプラス「何を笑っとるんじゃ!クソボケが!」

ロイ「か……………虫ケラが、誰に向かって……………ゴブゥ!?」

 

 ラプラスがそう叫ぶ中、ロイは苛立ち気味にそう言う。

 だが、再びラプラスに殴られる。

 そこから、ラプラスの攻撃が続く。

 

ラプラス「ドアホが!ワイの!友達を!笑うなちゅうとんじゃい!!」

ロイ「グ……………調子に乗るなよ貴様ぁ!!血刃閃紅波(ブラッドレイ)!!」

 

 ラプラスがそう罵る中、ロイは血刃閃紅波(ブラッドレイ)を発動しようとする。

 だが、何故か発動しなかった。

 

ロイ「っ!?(発動しない!?いや、それどころか、動くことすら………………!?)」

ラプラス「無駄や。お前はもう死んどる。」

 

 ロイは、血刃閃紅波(ブラッドレイ)が発動しないどころか、動けない事に驚いていた。

 すると、ラプラスはそう言いながら、あるものを見せる。

 それは、心臓だった。

 それを見たロイは、自分の胸元を見ると、そこには大きな穴が開いていた。

 

ラプラス「せや。これはお前の心臓(コア)や。もう声も出んやろ?」

ロイ(馬鹿な……………余が、恐怖しているというのか!?こいつ、只者では……………!)

ラプラス「気づくのがちぃとばかり遅かったな。せや、ワイは強いんや。」

ロイ(やめ……………!?)

 

 ラプラスはロイの心臓を持ちながらそう言う。

 ロイがそう思う中、ラプラスはロイの心臓を握りつぶす。

 すると、ロイは塵となって消えていく。

 ラプラスが心臓を持っていた手を下げると、声が聞こえてくる。

 

司教「何の騒ぎだ、こんな夜更けに!?」

司教「な、何者だ貴様!?その返り血は……………!?」

 

 ラプラスとロイの戦闘により、人たちが起きてきて、そう叫ぶ。

 すると、ラプラスは司教達の間を走り抜けていく。

 

司教「し、侵入者!?」

司教「衛兵…………!誰が急いで衛兵を呼びなさい!!」

 

 ラプラスが走り抜ける中、司教達は、衛兵を呼ぶ。

 衛兵達は、ラプラスに攻撃していくが、ラプラスは衛兵達を倒していく。

 

ラプラス(……………何しとんねん、クレイマン。)

衛兵「か、囲め!絶対に逃すな!」

 

 ラプラスがそう思うと、衛兵達はそう叫ぶ。

 だが、悉く返り討ちに遭う。

 

ラプラス(フットマンは怒るやろ。ティアは泣くやろな。………………しゃーない。ワイが笑ったるわ。)

 

 そう思う中、衛兵はあっという間に倒れ伏していく。

 すると、ラプラスは笑い声を出す。

 

ラプラス「……………ははは。ひゃっはははは!ははははは!ひはははは!ははははは!ひゃはははははは!あーははははは!(お前は本当にバカやったな、クレイマン……………。)」

 

 ラプラスは笑いながら、そう思う。

 衛兵達の亡骸がたくさん転がる中、返り血を浴びた道化師の狂った様な、それでいてどこか悲しみを感じさせる笑い声が、雨音の中に響いていた………………。




今回はここまでです。
今回は、クレイマンとの決着です。
クレイマンは覚醒するも、リムルには敵わずに死亡。
原作同様の末路を辿りました。
そんな中、ルミナスの正体を暴露されたり、エースにギィから直々に称号が与えられたり、ロイがラプラスに殺害されたりと。
次回は、ワルプルギスの話し合いです。
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