転生したら白狐だった件   作:仮面大佐

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第7話 繋がる願いと想い

 シズさんから、暴走したイフリートを分離してから、1週間が経過した。

 だが、シズさんは、未だに目を覚まさない。

 俺とリムルは、シズさんのそばに居た。

 

エース「まだ目を覚まさないな。」

リムル「そうだな………。それはそうと、エース。」

エース「ん?」

リムル「お前は言ったよな?シズさんを助ける方法があるって。」

エース「ああ。…………丁度いい。話すよ。イフリートを分離したシズさんをどうやって助けるのか。」

 

 俺とリムルは、お互いに向き合う。

 さて、何から話すかな。

 

エース「まず………一つ言っておくと、現在、シズさんの命は、風前の灯だ。」

リムル「どういう事だよ………!?」

エース「イフリートが、シズさんの命を延命していたんだ。」

リムル「それじゃあ………助ける方法は無いって言うのかよ………!?」

 

 やはり、そういう反応になるよな。

 でも、助けられないことはない。

 

エース「いや、ある。」

リムル「ど、どうやって助けるんだ!?」

エース「俺の力を使う必要がある。俺の創世の力を。」

リムル「創世の力……………?」

 

 そう。

 俺のユニークスキルである創世者(カナエルモノ)の力を使う時だろう。

 創始者曰く、イフリートと戦った際に、人を一人助ける位の力が発動出来る様になったそうだ。

 

リムル「それで、どうやって助けるんだ?」

エース「簡単な話さ。その力を使って、シズさんを助ける。その為には、リムル。そして、シズさん本人も協力する必要がある。」

リムル「どういう事だよ!?」

エース「この力は、魔素と願いを消費して発動する。俺とリムル、そしてシズさんが願えば行ける。」

 

 そう。

 俺の創世の力は、まだギーツIXになる事が出来ないので、発動出来る規模は小規模だ。

 とはいえ、魔素と願いがあれば、シズさんを助ける事は出来るはずだ。

 すると。

 

シズ「………スライムさん、狐君。」

リムル「シズさん!」

エース「目が覚めたんだな。」

 

 シズさんが目を覚ました事に、リムルは安堵の表情を浮かべる。

 シズさんは、微笑を浮かべる。

 

シズ「さっきの話、全部聞かせて貰ったよ。」

エース「……………聞いてたのか。」

 

 聞いてたんだな。

 シズさんは、口を開く。

 

シズ「ありがとう。でも、もう大丈夫だよ。最後に二人に出会う事が出来て……………。」

エース「…………シズさん。あなたは、心残りがあるんじゃないか?」

シズ「………………え?」

エース「ドワルゴンでの占いで、あなたは5人の子供達に囲まれていた。その子供達は、あなたにとって、大切な人なんじゃないのか?」

シズ「………………。」

 

 ドワルゴンでの占いでは、シズさんの周りに、5人の子供がいたのだ。

 こんなに優しい人が、未練なんて無いとは思えない。

 

エース「俺は、あなたを救いたい。あなたは、俺たちよりも辛い境遇の中で生きてきた。だから、あなたも幸せになるべきだ。俺たちが作り上げる街で、皆が笑って、幸せな姿を見て欲しい。それが俺の願いだ。」

シズ「狐君……………。」

リムル「俺も、シズさんを救いたい。少しでも可能性があるなら、それに賭けてみようぜ。」

シズ「………………私も生きたい。あの子達が幸せに過ごす姿を見たい。」

エース「それで十分だ。」

 

 リムルとシズさんの願いは、確かに聞いた。

 俺も願う。

 すると。

 

創始者『願いを確認しました。ユニークスキル創世者で、創世の力を発動しますか?』

エース『ああ。』

 

 創始者の問いに、俺はそう答える。

 すると、荘厳な鐘の音が鳴り、創世の力が発動する。

 俺の魔素が消費された様な感覚がする。

 すると、創始者が報告する。

 

創始者『告。創世の力が発動され、個体名井沢静江が生き続ける世界となりました。』

エース『分かった。ありがとう。』

 

 良かったな。

 シズさんは、問題なさそうだった。

 リムルは、シズさんに尋ねる。

 

リムル「シズさん……………大丈夫なのか?」

シズ「うん。まるで、全盛期の頃みたい。ありがとうね、狐君…………いや、エース君。」

エース「いや、助かって良かった。」

 

 俺は、シズさんが助かって、ホッとする。

 助けられて良かった。

 俺は、ある提案をする。

 

エース「なあ、リムル。シズさんの体をコピーして貰えば?」

リムル「ええっ!?いや、流石にそんな事は…………。」

シズ「うん。リムルさんも、もしかしたら、人間の街に行くかもしれないから、その時に便利だよ。」

 

 リムルは渋るが、俺とシズさんの説得を受けて、シズさんを捕食して、すぐに吐き出す。

 その際、2人は若干照れ臭そうにしていた。

 そして、リムルが人間の姿になる。

 リムルは、幼いシズさんの様な姿になった。

 すると、外から声が聞こえてくる。

 

リグルド「おや、これは皆さんお揃いで。皆さんもお見舞いですかな?」

カバル「ええ、リグルドさんもっすか。」

リグルド「はい、シズ殿の着替えをお持ちしたところです。リムル様、エース様、失礼します。」

 

 そう言って、リグルドが入ってくる。

 どうやら、エレン達も居るみたいだな。

 すると、皆が驚く。

 それはまあ、当然の反応だな。

 すると、嵐牙が現れる。

 

嵐牙「我が主………!」

裂牙「リムル様……………!?」

「「「え?」」」

リグルド「その姿は………!?」

「「「えぇぇぇぇ!?」」」

カバル「そっちの小さい女の子が………リムルの旦那ぁ!?」

エース「やぁ。………その通りだよ。そこに居るのは、リムルだ。」

 

 俺は、そう言う。

 俺たちは、事情を話す事に。

 すると。

 

シズ「み、見ないでぇぇぇ!!」

リムル「うわっ!?」

 

 シズさんはそう叫んで、リムルに布団を投げつける。

 まあ、裸だったからな。

 間接的に、自分の裸を見られたようなものだし、流石に恥ずかしいよな。

 ちなみに、俺は視線を逸らしていた。

 流石に、そんな事をしたら、変態のレッテルを貼られてしまうからな。

 そんな中、ギドが口を開く。

 

ギド「本当に………リムルの旦那でやんすか?」

リグルド「間違いありません!」

嵐牙「見くびるな!姿形が変わったくらいで、分からないと思うか!!」

裂牙「我が息子の言う通りだ!」

カバル「ああ、いや………。そういう事じゃ無くて………何か、ちっこいシズさんぽいっつーか………。」

エース「本当だよ、リムル。」

リムル「ああ、ホレ。」

 

 リムルがそう言うと、人間としての姿から、スライムとしての姿に戻る。

 すると、カバルとギドが驚いた様な表情を浮かべる。

 

カバル「ふへ〜………。」

ギド「見事なもんでやんすね………。」

 

 カバルとギドがそう言う中、エレンさんは、シズさんの方に向かう。

 

エレン「良かったよ〜!シズさんが助かって!」

シズ「うん。エース君のおかげで、助かったよ。」

 

 シズさんは、泣くエレンを宥めていた。

 やっぱり、この三人は、良い人達だと確信出来るな。

 その日は、夕方になってしまったので、エレン達は村に泊まった。

 その翌日。

 

カバル「色々と世話になったな。じゃあ、そろそろお暇するわ。」

エース「国に帰るのか?」

カバル「ああ、ギルマスにこの森の調査報告とシズさんのことも、報告しないといけないからな。ここの事は、悪い様には言わない。」

エレン「リムルさん達のことも、伝えておくね。」

ギド「旦那達も何かあったら頼るといいでやすよ」

エース「ああ、そうさせてもらうよ。」

シズ「皆、元気でね。」

エレン「シズさんも。」

カバル「エースの旦那。シズさんを助けてくれて、ありがとうございます。」

エース「気にすんな。俺が助けたいと思って、助けたんだから。」

 

 カバル達は、そう言って、立ち去ろうとするが、何かを思い出したのか、立ち止まる。

 

カバル「あっ………と、最後にもう一つ。シズさんに、話があります。」

シズ「どうしたの?」

 

 すると、三人は頭を下げる。

 

「「「シズさん!ありがとうございました!」」」

シズ「三人とも………。」

カバル「俺、あなた達に心配されない様なリーダーになります!」

ギド「あなた達と冒険できた事、一生の宝にしやす!」

 

 そして、エレンは、シズさんを抱きしめる。

 

エレン「ありがとう………。シズさんの事、お姉ちゃんみたいって、思ってました。」

シズ「三人も、元気でやってね。それと、いつでも会いに来て良いよ。」

 

 やっぱり、三人は良い人たちだ。

 この三人が、シズさんの仲間で、本当に良かった。

 すると、リムルが声をかける。

 

リムル「ところで、お前らの装備、ボロッボロだな。」

「「「ひどっ!」」」

 

 リムルがそう言うと、三人は装備を隠す様にして、俺は笑い、シズさんは苦笑した。

 そうして、俺たちはカイジン達が作った試作品の防具を渡す。

 

カバル「おおっ!憧れのスケイルメイル!」

エレン「スゴい!なにコレ!?軽い上に頑丈、ていうかめっちゃキレイ!」

ギド「いっ、良いんでやすか、あっしにはもったいない代物で!?牙狼の毛皮まで使用されってやっせ!?」

リムル「餞別だよ。ウチの職人の力作さ。」

ギド「職人?」

エース「おーい。」

 

 俺が呼ぶと、カイジン達が出てくる。

 

カイジン「まっ、力作つっても、試作品だけどな。」

ガルム「着心地はどうだい?」

ドルド「細工は隆々ってね。」

ミルド「うん、うん。」

「「喋れよ!」」

 

 ミルドが喋らないのは、相変わらずみたいだな。

 気を取り直した俺は、彼らを紹介する事に。

 

エース「紹介するよ。右から、カイジン、ガルム、ドルドにミルドだ。」

カバル「カイジン!?マジで!?」

エレン「腕利きで超有名な鍛治職人の!?」

ギド「ガルムにドルド、ミルドってあのドワーフ三兄弟!?」

カバル「ありがとうございます!これ、家宝にします!」

エレン「嬉しいです!」

ギド「夢の様でやんす!」

 

 そんな風に、三人は喜んでいた。

 やっぱり、カイジンは相当有名な鍛治職人なのだな。

 三人は、今までのことを吹き飛ばす大はしゃぎしたのち、帰って行った。

 その後、俺とリムルは、シズさんと一緒に話をするべく、テントへと向かっていた。

 だが、この時の俺は、知らなかった。

 俺とリムルを中心として、世界が激動の時代になっていく事を。

 そして…………。

 干上がった荒野に、一体の豚頭族(オーク)が歩いていたが、限界が来たのか、倒れる。

 すると、そこに一体の鳥のようなマスクをし、白い紳士服を着ており、杖を持った者が近づいていく。

 その者が、豚頭族を見つめると。

 

???「お前に名前と食事をやろう。」

 

 その者がそう言う。

 豚頭族は、その者を見つめると、問う。

 

豚頭族「…………あなたは?」

ゲルミュッド「ゲルミュッド。俺の事は、父だと思うがいい。」

 

 そう言うと、豚頭族は、訝しげな表情を浮かべる。

 それを見たゲルミュッドは。

 

ゲルミュッド「………このまま死ぬか?」

 

 そう問う。

 それに対する豚頭族の答えは。

 

豚頭族「………名前を………そして、食事を……。」

ゲルミュッド「お前の名は、ゲルド。」

ゲルド「ゲルド…………。」

ゲルミュッド「やがて、ジュラの大森林を手中に収め、豚頭魔王(オークディザスター)となる者だ。」

 

 そう言って、ゲルミュッドは、ゲルドに肉を与え、ゲルドはその肉を食べる。

 これが、やがて大きな出来事に繋がってくる事は、誰も知らない。

 一方、俺たちが住むゴブリンの村よりも遥か北にある氷の城では。

 

???「ん?」

???「この力は……………!?」

???「ヴェルダナーヴァと同じ…………!?」

 

 赤髪の男と、白髪の女が反応していた。

 その反応の意味とは。




今回はここまでです。
シズさんが、創世の力で救われました。
状態といえば、景和と似た様な感じです。
女神によって、復活した状態の。
ゲルミュッドが暗躍する中、エースの創世の力に反応する男女。
果たして、何者なのか。
次回、エースは運命の人との邂逅です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
エースのユニークスキルである創始者は、魔王に進化した際には、どんなスキルになる感じにしましょうか?
ちなみに、もう一つのユニークスキルである創世者は、ファルムスへの反撃の際に手に入れる破壊者と合わさって、創世之神と書いてジェネシスになる予定です。
ブーストMK-3を使いますし。
あと、アンケートを始めます。
この小説で、転スラ日記の話は、本編の中に組み込むのか、分けて投稿するのかです。
もし良ければ、お願いします。

転スラ日記のエピソードを本編に入れるかどうか

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