御三家に生まれたので生存戦略を遂行する   作:超甘味

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妄想と捏造の産物とご理解ください〜
では行ってらっしゃいませ。




俺、解釈の凄さを身に染みた。

 

 

 どうも、ただいまパパと術式の稽古中である禪院征哉です。14歳になりました。モブクンって呼んでくれ。

 

 

 さて、パパのアニメ中毒に侵食されて厨二病が発病しそうですが、俺に「我が右手に封印されし邪龍がッ!」とかやってる暇は残念ながら無かった。

 寝て食って稽古して一日が終わる、なんともつまらん日々である。

 

 

「ストレス溜まってるからお手合わせ願いたいなぁ?術式ありでいいよね?パパ」

「ハッ、サンドバックになるつもりは無いぞ?息子よ」

「じゃあ、タコ殴りが目標だね」

 

 

 開始の合図も無しにパパに向かって踏み込む。素早く懐に入ろうとするが瞬きもしないうちに目の前の人影が消えた。

 投射呪法による超高速移動。普通の人には見えない速さだね。もちろん俺も見えない。

 

 

「背後を取られるなといつも言っておるじゃろ」

「……ッ」

 

 

 俺の背後に移動して腹に蹴りを入れようとするパパ。

 咄嗟に影バリア、名称【絶影(ぜつえい)】を纏い無効化する。やっとバリアが運用できるまで成長したのでウキウキでござる。

 

 

 横腹への蹴りを食らってもいいけどパパの足技はクソ痛いので避けます。

 多分術式の影響で発達したんだと思う。それに遺伝して直哉の足技もやばいし俺もそう。ゴリラにビビられたくらいにはそう。

 

 

「はぁ、やはり厄介だのぅ。その技は」

「いいでしょ?式神維持の件が無くなったから負担も減ったし、将来的に絶影の方を常時展開したいなって思ってる」

「呪具をくれた五条の坊に感謝だな。だがバリアなんぞ一時的でも十分じゃろ。それに加えカウンター機能も付けおって……」

「あはは、やってみたらできたからね。でも常時展開は目標のひとつだ」

 

 

 呑気な会話をしながらも攻防は続く。ゴリラによって叩き込まれた俺の体術はバチバチに発揮されていた。もはや体で覚えてる感じだ。

 

 

 【絶影】によるカウンターは大雑把に言うと『相殺ではなく影に吸収させた概念、もしくはエネルギーを瞬時に跳ね返す(放出)』ことで成り立っている。

 

 

 『概念同士の相殺』の影バリアに吸収+放出(出し入れ)を加えて、ちょっと解釈を広げたらできた。

 超絶簡単に言えば影に入れたモノを高速で取り出すだけなので意外と簡単。影バリアの最終形態完成形ですね。おめでとう俺。

 

 

 だが問題もある。カウンター攻撃ができるのは影の概念に劣るモノに限るのだ。

 だから無下限呪術の無限をカウンターをするのは無理。アレは影の概念とタメを張るものだから相殺するしかない。いや待てよ?そもそも相殺できるだけ凄くね?俺天才???

 

 

「甚爾のヤツの教え方が良かったのか?動きがだんだん良くなってるな」

「いや、アイツの教え方は壊滅的だよ」

 

 

 足払いを掛けられて避けきれずに転んだ。稽古場に大の字で横になってはパパからお褒めの言葉を頂くが素直に喜べない。

 

 

 甚爾の師事は『考えるな、感じろ』を具現化したようだったので思考型の俺とはめちゃくちゃ相性が悪かった。

 そんな相性の悪さだが、ゴリラに調教され続けた事で思考型ゴリラのサラブレッドな俺が完成した。

 

 

 何故かこの状態が1番しっくり来るんだけど……、え、なんでこうなった?とゴリラに聞いたが嫌そうに肩を竦めて首を振られた。なんで……?

 しかし、なかなか癖のあるサラブレッドでも甚爾に勝てた事は無いし、素で甚爾に勝てるやつも今後現れることは無いだろうと思う。

 アイツは異次元なので納得するしかないのがすっごく悔しいけどな!あの人外ゴリラめ!!

 

 

「まだ家のやつには言わないのか?」

 

 

 流石に、なんの事?ととぼけることは無理そうである。口で言われずとも術式のことについてだと分かった。

 

 

 パパ……、俺まだ14だよ?公表するには早すぎるって!それに自分の命を守れる程強くなった自覚もないんだけど……。

 何せ屋敷から全然出ない(軟禁)ので実戦っていう実戦をしていないし、稽古でも周りに全然勝てない。

 

 

 直哉には勝てるけどゴリラは勿論、パパにも勝てないんだ。手加減されてる稽古ですら俺は負けてるって言うのにそんな状態じゃあ心配が(つの)るだろ?

 

 

 あ、ちなみに体術のクソ指南役には余裕で勝てます。某イチャイチャパラダイスを読みながらでも余裕です。何せアイツ、めちゃくちゃ舐めてかかってくるんで……。

 

 

「いつか言うよ、早くて高専入学と同時に。……バレればの話だけど」

「バレなかったら言うつもりはないと?」

「まぁ、そうなる。言っても命が狙われる機会が増えるだけじゃん?面倒事(当主候補)も増えるわけだし」

「誰もお前に適うやつはいないと思うんだがなぁ」

「いるじゃん、パパとか」

「いや、それ以外って話なんだが……。うむ、無自覚とはこうも恐ろしいのか」

「何言ってんの?」

 

 

 ま、バレれば公表、バレなかったら非公表ってことでいいでしょ。どっかの悟みたいに懸賞金かけられるとか御免だし。

 

 

「お前の解釈も行き過ぎれば脅威だ。上手く使えよ」

「もちろん。元よりそうするつもりだ」

「で?ほら、俺に術式の説明をしてくれよ。あれ以来色々と考えている癖に俺には教えてくれんからなぁ」

「パパなら言わなくても気づくかなって」

 

 

 誰しもが「絶影(バリア)とゴリラ戦法(+式神)で良くね?」って思っている事だろう。俺も思う。

 でもさ、現時点でも解釈次第の応用メインな術式なのに活躍の場がそれしか無いっておかしくない?もっとなんか……あんだろ。ってことで頭を振り回して(ひね)った。

 

 

「ひとーつ!使い捨て式神(呪霊)を考案&作成したー」

 

 

 皆は呪霊ってどうやって祓ってると思う?術式・呪力で押す?それとも弱点で?まぁ、どれにしろ1番有り得そうなのが『核』だ。

 核を狙って「トドメだオラ!」って祓う。呪霊の解剖なんてやったことないから仮説でしかないけど、多分あるんだと思う。

 

 

 俺は考えた。永遠に湧き続けるクソ共(呪霊共)のことについて。

 俺が拡張術式で非術師(根源)から呪力を吸い続ければそもそも発生しないんだけど、それじゃあダメなんだよ。なんでって言われたら今の俺には上限があるから。

 

 

 ………やっぱ反転術式欲しい!俺の脳みそさえ正常に動いてくれるのなら世界規模で呪力を吸い取ってやるのに!!なんなら消滅させてやるのに!!!

 

 

「呪霊をボコして核を取り出してから式神の核にしたり、ちょっと頭のいいやつはボコしたあと平伏させて縛りを結んで支配下に置いたり、色々試した。今あげた2つの方法は自信アリで胸張って成功と言えるから、完成した式神(呪霊)達は【函】とは別に普通の影の中に入れてある」

「……蠱毒(こどく)の心配は?」

「式神には命令してあるし、呪霊には縛りで締結してあるから問題ない」

「そういうものか?」

「そういうものです」

 

 

 永遠に湧く黒いGみたいなヤツらを利用したいなって突拍子に思ったんだ。俺って別にバトルジャンキーじゃないし、楽できるんなら楽したい派なんで。

 

 

 あ、これは夏油傑の呪霊操術をパクったやつね。パクれるやつはパクるのが俺という生き物。

 どうせ1匹いたら100匹どころか1000匹くらいいるんだから勿体ぶらなくていいじゃんって心置き変えて呪霊部屋(俺命名)のやつで実験しまくった。

 

 

 呪霊・式神関係で新しい拡張術式ないかなぁって考えたけど、そもそもあいつらに影なんてあんの?幻影法術で何ができんの?って話だよね。

 目に見える形があってもアイツらは負の感情の集合体だから影とか生み出せないじゃん。だからこれについての拡張術式は断念した。

 

 

 そして実験を繰り返した結果、呪霊には現実の影は無かったけど概念の影はあることが判明した。けどこれがちょっと難しいラインなんだよねぇ……。

 なので今はまだ未確定で抑えてる。いつか使える日がくる解釈かもしれないし、もしかしたら断念した新しい拡張術式にもなるかもしれないからね。未来でのお楽しみってことにしておこう。

 

 

「ふたーつ!定義した解釈の一部を広げたー」

 

 

 ここで随分前に幻影法術の影についての定義でチョロっと出てきた『表裏一体』って部分が重要だ。

 例えで光と影は表裏一体だよねって言った気がするけど……みんな覚えてる?ま、今は光は関係ないので置いておこう。

 

 

 じゃあ、光とじゃないのなら何が影と対称であり対等であるか。

 わかる?ねぇ、わかる?……うざくてごめんね、気を抜くと14歳らしいクソガキが出てきちゃうんだ。絶賛反抗期なんです。

 

 

 で、早速答えを言っちゃうと現実と概念。つまり肉体である本体とその影だ。

 お互いに深く繋がり合ってる関係で、深すぎる故に切れない関係。これに気が付いちゃった俺は「っしゃぁ!使えるッ!」とガッツポーズをした。

 

 

「肉体の腕がもげれば影の腕ももげる。ならその逆も然りだと思わない?」

「ほう……、影を攻撃して本体にもダメージを与えると」

「そういう事。ちょうどいいことに俺の術式はそれが可能なんでね」

「お前の良すぎる頭も敵にしたら寒気がするわい」

 

 

 え?何その俺が敵になるみたいな発言。無い無い!俺は最強の影に隠れてぬくぬくしながら生活したいんで。

 自ら進んで地獄に行くほど物好きでもないし。必然的にそうなったら……まぁ、仕方ないって受け入れるしかないけど。

 

 

「仮に敵になったとしても肉体への攻撃と影への攻撃をどっちも警戒しないといけないからちょっと大変かもね」

「日差しによる己の影の位置も把握せねばならんのか。面倒なヤツめ」

「……褒め言葉として受け取るよ」

 

 

 面倒……。ちょっと心に刺さった。でも遠回しに言えば敵対したくないってことだよね?そうだよね???

 でもパパの言うことも一理ある。もし俺と戦う場合は非常にやりづらいことだろう。相手にどんまいコールだね。

 

 

「みーっつ!マーキング機能の追加ー」

 

 

 新たに追加である影でのマーキング。これめっっちゃ便利だった。

 

 

 ここで突然だが原作五条悟の瞬間移動の原理を思い出して欲しい。術式順転【蒼】で対象(自身)を引き寄せ、目的地に超高速で移動する技。

 一応これで成り立ってる訳だけど、問題があるよね。ズバリ!障害物を除いたルートを通らなきゃいけない!!!例えば空中とか。

 でもわざわざルートを選んでって面倒臭いじゃん?だから俺は瞬時に任意の場所へ飛べるようにした。

 

 

 ま、言われてみれば超高速移動中に建物とか避けてね〜とか言われても無理な話だ。

 パパみたいな投射呪法の使い手はコマ割りで動きを決めてるから大丈夫なんだろうけど、そもそもただの超高速移動とほぼ瞬間移動な超高速移動を比べちゃダメか。すまんすまん。

 

 

「マーキングしたところに瞬時に飛べるようにしたり、あとは自動追跡・追尾とか戦闘面でも使える」

「…それは、戦闘のオート化じゃないのか?」

「……そうとも言うね!」

 

 

 正直に言います。このマーキングした場所に飛ぶっていうのは、某忍ばない忍びの尾獣大戦マンガに登場する飛雷神の術をパクリました。犯人は俺です。

 

 

 戦闘補佐については予想外の産物だった。言っちゃえばコンピューターと同じだ。

 マーキング(設定)をしておいて、術式を発動させておく(開始ボタンを押す)だけで勝手にやってくれる。最&高としか言えない。ありがとう術式クン、ちょー助かる。便利すぎて鼻もげる。

 

 

「大体こんな感じかな。あと何個か解釈あるけど、まだ試してないし対人だと死人が出るかもしれないから自制してる」

「死人が出るレベルの解釈?なんてこったこのガキ……」

「いやぁ、ね?さっきの現実(肉体)概念()の話あったじゃん?あれの上位バージョンって言うか……。ダメージ与えるどころか、殺しちゃうかもって感じなんだけど……」

「まさか歪めて()じるとか言わないよな?」

「………そのまさかです」

 

 

 つまりどう言うことかって言うと『影と肉体は鏡のように等しい』の解釈を使って敵対者の影の形を変形させて相手との距離を構わずぶち殺すってこと。

 影に攻撃してダメージを与えるやつの完全上位互換。理論上だと一瞬で絶命するはず。試してないけど。

 

 

「おいおい……、それは絶対に使うなよ。下手したら呪詛師認定だ」

「分かってるよ、だから自制してんじゃん」

「禪院本家から呪詛師は笑えんぞ?」

「えぇ、ニヤニヤしながら言われても……」

 

 

 ニヤニヤ顔のパパの説得力は皆無である。俺としても呪詛師認定はゴメンなのでこの影弄りは封印です。いつか使えるかもしれないPart2にナイナイしましょう。

 なお、パパは「使う人は選別しろ」と「影があるやつには無敵じゃねぇか」と言いたかったんだと思う。立場的に当主だから変な(本音)発言できないんだな、可哀想に……。別に思ってないけど。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 アニメってさ。面白いよね。

 

 

「え!?なんや今の動き!!かっけぇやん」

「ふむ。一見模倣出来そうにない動きだが物理法則は無視していないな。直哉も頑張ればいけるんじゃないか?」

「パパがやったらぎっくり腰になりそうだね。直哉もこの動きを取得したいなら挑戦してみれば?」

「やる!!兄ちゃんたちも付き合ってや」

「いいよ〜!!!」

 

 

 親子仲良くアニメ鑑賞会、という名の勉強会を開催中。

 前にパパが娯楽にハマったって言ってたでしょ?それに侵食されて現在の状況に至る。

 

 

 パパが厳選した戦闘系のアニメとマンガを見て、これ使えそうって体術やら考え方(解釈)を片っ端に吸収していく。

 これがなかなかいいんです。少なくとも体術のクソ指南役より100倍いい。

 

 

「投射呪法は1秒を24分割するってことだから、根本は時間に関係する術式なんじゃない?トレースに失敗した場合も1秒フリーズだし、相手に触れてもフリーズさせられるし」

「時間か、歴史が浅いからかトレースで考えが固定されているからな。その方向で解釈を伸ばしてみるのも手か」

 

 

 投射呪法って確か映像機器やカメラが誕生した時代に発現し始めた術式だ。そのせいで術式の解釈は薄っぺらだし、詳細も詳しく分かってない。

 その為、パパと直哉の世代のうちに解釈拡大させておいて大幅強化するかぁ、と思った。今後のためにも2人のためにもやってて損は無いだろうし。

 

 

「うわぁー。兄ちゃんの解釈で俺の術式の事考えてもろうたら歴代の投射呪法師超えてまうで!」

「そのつもりで考えてるからね。直哉は自覚してないけどパパのセンスも受け継いでるはずだから、パパみたいな動きもできるはずだよ」

「おう。直哉はちと頭が固い傾向がある。才能もセンスも俺譲りなんだからあとは考えを広めればよい。その点に関しては征哉が優秀だから頼ることだ」

 

 

 俺自身の強化もそうだが弟ちゃんの分も(おこた)らない。

 俺が指導してる事で原作ドブカス直哉は存在しないが、それはあくまで性格面だ。

 強さでって言ったら絶対死なないって言いきれないし、解釈を広めて領域展開を会得してもらわなきゃ俺が安心できない。

 

 

「そやけどさ、領域ってほんまに言うてる?」

「本気と書いてマジ。なんなら将来特級を名乗るレベルにはなって欲しい」

「兄ちゃん……そら無理があんで?パパかて特別一級止まりなんやで」

「こら、思い込みはダメだよ。今教えた解釈もただの一部だ。これからも自分で考えて広げていけば絶対パパを越えられる」

「絶対?」

「ぜぇーったい」

「いけると思う?」

「俺の弟ならいけるよ」

 

 

 兄ちゃんは全力で応援するし、行き詰まったらフォローもする。

 パパだって息子が自分を超える術師になるのは嬉しいだろうし出し惜しみはしないと思う。

 

 

「………まぁ、兄ちゃんがそう言うなら頑張る」

「直哉よ。術式について分からんことがあれば俺に聞くといい。そして征哉はやりすぎるなよ」

「えぇ、何その釘刺し。強くなってなんぼでしょ」

「いや、兄ちゃんはやりすぎや」

「………そんなに?」

「「そんなに」」

 

 

 ひっでェ!俺だって生存するのに必死なのに!まぁ、一線は超えないように善処はします。とりあえず弟ちゃんのゴリラへの覚醒は見届けたいかな。

 

 

 

 






 早く高専時代にならないかな。

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