御三家に生まれたので生存戦略を遂行する   作:超甘味

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妄想と捏造の産物とご理解ください〜
では行ってらっしゃいませ。




俺、キラキラ限界1年生!

 

 

 どうも、キラキラ高専1年生の多忙すぎる半社畜状態な禪院征哉です。モブクンって呼んでくれ。

 

 

 えー、本日は高専に所属して多忙になった中で時間を作って伏黒夫婦に会いに来ました。とりあえず可愛い恵に癒されたい一心です。

 

 

「あー………、とーじ、休日ってなんだっけ……」

「おう、業務や授業を休業する日の事だな」

「今日は日曜日。俺は午前11時から任務が5件。現在時刻は午前10時。……あれ、休日ってなんだっけ」

「おつかれだね征哉くん。お茶飲む?」

「うん、ありがと奥さん」

 

 

 明らかにさ、俺だけ可笑しいんだよね。俺ってさ、等級が4級なの。まずこの点で可笑しい。なに4級って。

 入学して2ヶ月ちょいで悟とサマーは2級に昇格して今じゃ1級審査通りそうなのに俺だけ半年以上経っても4級止まり(俺の場合入学当初から4級だった)。

 

 

 え?仲間はずれかよ。俺って以外と強いかもって自負してるんだけどもしかして勘違いだった??

 

 

 次、2級から単独任務が許可されるはずなのに4級の俺宛にたまーに単独任務が入る。おい呪術規定破ってるんじゃねぇよ。律儀に従えよ。

 悟とサマーは2級になった瞬間から単独任務に駆り出されたのに俺だけ基本チームアップをとっての任務。知らない人(先輩とか)とのチームアップはやりづれぇ。主に意思疎通面。

 

 

 次、4級のくせに割り当てられる任務の等級が2級(多め)~1級(たまに)のやつが多数ある。1回だけ1級から成長して特級になりそうなヤツも祓ったし。

 ……いや、可笑しい。なんで??え、なんで???等級管理仕事しような?こんな任務ばっかりならさっさと俺の等級あげてくれよ。給料も違ぇんだからよ。

 

 

「そりゃ、おめぇ……。嫌がらせだろ」

「だよな!そう思うよな!!」

「4級止まりなのはお前が上層部の1人でオキニだからだろ。みすみす死なせたくねぇんだろうさ」

「は?じゃあ等級違いと単独任務はどう説明するんだよ。俺を死なせたくないくせにやってる事矛盾してるじゃん」

「それは、ほら……。お前を嫌ってるヤツらいるじゃねぇか」

「あー……、禪院のジジイ共か。あとオキニ判定を貰えなかった一部のジジイ(上層部)かな」

「多分な。お前宛に上層部が低級の任務を振り当てたんだろうが、息がかかった補助監督が任務を入れ違いにさせんだろ」

 

 

 ジジイ共の言いなりな人形補助監督ね……、ブラック補助監督……。ヤガ先にチクろっと。

 

 

 ……あ、だから俺が無傷で祓い終わったら苦虫を噛み潰したような顔するのか。あの補助監督は俺に死んで欲しいのね、納得。

 でも僕は死にまシェン!!!!ハッハッハーー!!!俺を殺したくばまずはお前から死ぬことだな!!!と原作理子ちゃんも言ってた。

 

 

「なに高笑いしてんだよ……」

「いや、俺舐められてるんだなぁーって」

「ンなの禪院家のジジイで慣れてるだろ」

「それはそう」

「話は終わった?お茶追加でいる?」

「ありがとう奥さん、大丈夫だよ。というか恵は?」

「私の背中で抱っこ紐だよ」

「は?可愛いかよ」

 

 

 チラッと奥さんの背中に張り付いてるウニ頭を見つけて笑った。いや、可愛すぎだろ。恵優勝。

 

 

「やぁ恵。久しぶりだけど覚えてる?」

「…………」ジッ…

「そっか、嬉しいなぁ。俺、恵と遊びたいんだけどいい?」

「 ……んう」

「ふふ、おいで。(クッッソ可愛い。弟ちゃんとは別ベクトルで可愛い最高ありがとう神様)」

 

 

 恵は今2歳。今年で3歳な訳だけど、歳によらず大人しい子だ。可愛いーねぇ!真希・真依と直哉は元気っ子だったからとても新鮮。

 

 

 そんな可愛い恵とキャッキャとじゃれ合っていても時間は残酷である。

 気づいたら任務開始時刻まであと15分になっていた。あぁぁ!!!もっと恵と居たいぃ!!!

 

 

「はぁ……かわいい。これが甚爾の息子とか意味わかんない……」

「任務だろ。さっさと行け」

「征哉くん!いつでも来ていいからね」

「はい、またお邪魔します」

「……ん〜?」

「ん''ん''……恵、俺の手を握ってもダメだよ」

「んん!やら!」

「あ''ぁ''……。きゃわ……きゃわいい……」

「おい、正気を保て」

 

 

 天使だ……天使がいる。恵が可愛すぎる……!はぁ、守る。絶対守る。

 

 

「こんなかわいい子を産んでくれてありがとう奥さん!俺からこれプレゼントしちゃう!!!」

「え、服の中から出てきた!?何この鉾?みたいなの」

「甚爾に聞けばわかるよ。じゃ、またね恵」

 

 

 奥さんにプレゼントしたのってなんだろうね。ひとつ言うなら武倶さんに頼んでたアレがついに完成したって事かな。

 

 

 黒縄の分も含め(パパの)財布がすっからかんだ。あと禪院家の蔵からだいぶ呪具を取られた。

 ま、誰も使わないんで全然持って行っていいですよ。パパも「そのチョイスで作って貰ったんなら仕方あるまい」って承諾してたし。

 

 

「はァ!?!?おい征哉!!!!!」

 

 

 って叫び声が聞こえたけど構わず影に潜って移動した。

 あ、ゴリラの大声で恵が泣いた気がする!!!とーじ!俺の弟ちゃんレーダー舐めんなよ!!

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 さてさて、影に潜った俺は(あらかじ)め下見でマーキングしておいた任務場所へ飛んだ。あー、楽。影の瞬間移動楽すぎる。

 

 

「ここでは3級呪霊が数体、準2級が一体確認されています」

「………。(嘘つけ。実力は別としてこの呪力量は2級、下手したら1級だぞ)」

「4級の貴方でもまぁ、問題ないでしょう」

 

 

 思ってねぇくせによく言うよ。はぁ、今日は単独任務が当たったらしい。

 いい加減俺を単独でつかせるなら4級から昇格させてくれ。規定違反だよ〜。1級とか贅沢言わないからせめて2級でお願いします。もう等級違いに突っ込むのも面倒だわ……。

 

 

「【闇よりい出て闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え】帳の内容はいつもと同じです」

「ハイハイ、分かったよ」

 

 

 何故か専属になったコイツ。家のジジイ共とそれを押した一部上層部の手回しに拍手喝采である。全く……、クソだるいことしてくれちゃってさァ。

 いつもの内容っていうのは、全ての呪霊を祓わないと出られないってヤツだ。撤退を許さないって鬼畜だろ。巫山戯んな。

 

 

「うわ、ボロッ……」

 

 

 中心街から離れたボロい廃墟。多分どっかの会社の跡地であろうそこに足を踏み入れた。ホコリやべぇ。

 

 

「大物は……、見つけた」

 

 

 俺は基本的に呪力感知を使わない。俺くん、呪力操作は得意だけど呪力感知は不得意なのです。

 自分が持ってる呪力量が多すぎて呪霊の呪力が霞んで見えるので感知がザラで当てにならない。原作乙骨憂太みたいな感じだ。

 

 

 けど、やりようはいくらでもある。術式を使用した影での索敵は相性が良かった。

 そこら辺の影を使って薄く展開させて周囲の情報を影に記憶させる。そしてそれを術者である俺に共有させたらちょちょいのちょい!

 もっと正確に言うと情報を影の概念に取り込ませて俺に受け渡す感じである。

 

 

 呪力感知なんかよりよっぽど精密で広範囲な索敵ができるし、戦闘などの情報戦の競争においても非常に役立つ。この術式効果を付与した式神を作っちゃったくらいには役立つ。

 

 

「んー、20はいるか。やっぱあの補助監督クソじゃん」

『ァァァ……シメ、き、リィ……』

「社畜かよ……。(雑魚は概念を吸収させてから呪力を奪うか)」

『ごりぃょウ……アアアリガト』

 

 

 この場合の()()は敵がこちらを攻撃した際の衝撃やエネルギーの事を意味する。

 それを影の概念に吸収、いや、収容しておくことで絶影のカウンター機能や溜めた概念を影から放つことができる。

 あれだ、擬似簡易版のギルガメ○シュみたいなやつ。はいここでも出たパクリ〜!さすが俺。

 

 

 溜めた概念を撃つってのは緊急事とかに役立ちそうなのでこういう雑魚でコツコツ蓄積させてる。いざって時に絨毯爆撃みたいなのできるかなって思ってね。

 

 

「そうと決まればマーキングで雑魚の周回はオート化して……、俺は本命の方に行くか」

『ォカイけェエェ!!こチらァデェ!!』

「………きっしょ」

 

 

 あとから気づいたことだが、マーキングをしたものに対しては任意での囮機能が追加される。

 原理は『概念()に意識を侵食させる』って感じだ。影に触れてマーキング=概念に触れているって解釈である。あんまりパッとこないけど地味に役立つんだよなぁコレが。

 

 

 知能指数が低い雑魚呪霊によくある『呪力が多い方を狙う』って生態をスルーできるので本体である俺が狙われる心配がない。

 ま、等級にもよるので囮機能は雑魚専用だな。でも囲まれて鬱陶しいって状況が発生しないのは助かる。

 

 

「うんうん、ここのボスはポッチャリさんみたいだ」

 

 

 カツ……カツ……、と鉄板入りブーツが鳴る。口元までのコートがひらめいてホコリが舞った。うぇ、ここ煙たい……。

 

 

『オオォオレははハハは、ジョうしぃだア''アァ''』

「パワハラ上司か。しかもデブ。(呪力は多めだな、コイツ)」

『いい……言うコト、ぎけぇエ!!!』

「おー、見た目の割に素早いじゃん。(呪力量で押す感じか?)」

 

 

 腕が6本のデブで顔に目が大量に着いてるブサイク顔の呪霊。

 3mくらいかなぁ、まぁまぁデカい。俺に向けて腕を振り回してきたので後方に飛んで避けた。コイツ、動けるデブだ……!

 

「来い【幻狼(げんろう)】」

『ヨヨけるな''ァ、!!』

「最近殺ってないけど……いけるか?」

 

 

 影に仕舞ってある【(はこ)】から幻狼を取り出して頭を撫でてやる。バウバウッ!と鳴いたのでいけるそうです。尻尾をブンブン振っちゃって可愛い〜!

 

 

『【ぅ、こ''く''なァ!】』

「!……へぇ、束縛系の術式ね。発動条件は目か。(呪力ゴリ押し系の呪霊かと思ったけど違ったかぁ)」

 

 

 予想、パワハラ上司への負の感情が呪霊になったパターンに紅茶3杯賭ける。あとおやつにクッキー。

 

 

「やっぱ見た目キモイな。術式はいい感じなのに……。幻狼、目を見るなよ。そして見られるな」

《ワフッ》

 

 

 幻狼のサイズは1m級にセット。GOサインで幻狼が行動を開始した。

 俺も体は動けないけど術式を発動するのは問題ないみたいなので、影で中距離攻撃しながら幻狼のサポートに徹する。

 

 

 6本も余分にある腕を縛り上げて、幻狼が鉤爪で目を潰す。そっからは視力を奪われてとりあえず暴れるバカを影で釘刺しにして弱らせる。

 途中コンクリートの破片が飛んできたので影に取り込んでガード。こりゃ絶影を使うまでもねぇな。

 

 

「はー……これが準2級か。呪力量は1級並だけど術式の相性が悪かったな」

《クゥン……》

「おつかれ幻狼。次はもっと手応えあるやつの時に出すよ。戻れ」

 

 

 【函】に幻狼を戻して瀕死なパワハラ上司呪霊から呪力を吸い取って祓う。

 最後の最後に暴れ回ってくれた事で概念も吸収できたし雑魚なりには役に立った方なんじゃないかな。

 

 

 別に今回の戦闘で式神を顕現させる必要は無かった。俺からしたら雑魚だったし術式でぺぺってやればすぐ祓えた。けど、雑魚相手にもわざわざ式神を使ったのはちゃんと理由がある。

 

 

「(えーっと次の任務先は……、は?富山……?現在地東京なのに?)」

 

 

 以前、というかずっと前に式神を作り続けているって話をしたでしょ?

 俺からしたらそういう言い回しになるんだけど、式神からしたからほぼ毎日の呪力供給を受けて()()()()()()()()って意味合いになるんだよね。

 

 

 コレが本日の注目ポイント!この式神の成長ってのが大事でね、誕生してから日々更新しているワケだ。

 戦闘知識と経験を学習させて、より強力で聡明な式神を作ろう!って思っての顕現である。

 

 

 え、自意識がある自立型の式神なんてそんなの普通じゃね?って思うじゃん?残念!俺の式神は自立型だけど命令第一で設定してあるから術者が判断をミスるとやばいんだよ。

 ってな訳で判断力を補うために戦わせて()に経験を組み込ませる。ちょっとずつ賢くなっていくのを見ると育成ゲームみたいで楽しい。

 

 

「えーっと、今回は幻狼を使ったから……次は【大海蛇(おおうみへび)】でいっか」

 

 

 そんで今新しい式神の名前が出たね。【大海蛇】がどういうヤツかはまた今度説明するとして……、交代で式神を運用しているのは効率よく学習させるためだ。

 一体だけを一気に成長させるのもいいけど、式神っていうのはやっぱり手数で勝ったりするものだから均等に育てようって思った。ま、今は数体しかいないしこっちの方が合うんだよ。

 

 

「大海蛇のデフォルトってめっちゃでかいんだよなぁ……。ま、いっか」

 

 

 今のところ1番頭がいい式神は初期からのアイドル【幻狼(げんろう)】くん。2番目に【八咫(やた)】って式神。3番目が【大海蛇(おおうみへび)】だ。

 ちなみに先程の幻狼による呪霊の目を潰す行為は幻狼自身の意思だ。俺命令とかしてないの!うぅ〜成長してくれてママは嬉しいです!

 

 

 さて、パチンと指を鳴らして放置していた雑魚のオート周回を解除する。

 呪力を全て奪えば任務完了!帳が消えたのを確認したら補助監督を置いて次の任務へ向かった。ふはは、車より瞬間移動の方が早いので。

 

 

「でもつまらないなぁ……」

 

 

 式神が成長してくれて嬉しいけど、思ったより呪霊が弱くて余興にもならない。いや、俺(と式神)が強くなっただけなのかな。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 5件の任務を終え、報告書をヤガ先に提出したら寮の部屋へ戻った。コートとブーツを脱いでラフになる。今は午後7時、夕飯食べるのめんどいな。

 

 

「はぁ……」

 

 

 昼間も思ったけどちょっと不完全燃焼だ。ほぼ毎回だけど体が温まってきたなぁって時には既に呪霊くんは瀕死だし。

 

 

 人生で初めて呪霊と対峙した時から恐怖も強さも差程感じなかった。

 怖いよりキモイが勝って笑いが出るし、強いより弱いの方が勝った。想像してたのと正反対で背後に宇宙被った(フリーズした)

 

 

「俺って意外と強い?それとも周りが弱いのか?………分かんないなぁ」

 

 

 もはや半年も続けば慣れたものだけどね。普通は命を保護できて喜ぶべきなんだけど現実と想像で大差があってすごく動揺した。

 動揺しすぎてパパに「え、呪霊ってこんなモンなの?」って確認取っちゃったもん。返事には「お前がヤバいだけだ」って返された。

 

 

 コンコン……

 

 

「ん……、どーぞ」

「やぁ、征哉。任務お疲れ」

「サマーじゃん。どーした?」

「……うっわ、エロ」

「は……?」

「私の部屋で一緒に冷やし中華食べよう。悟も硝子も呼んであるから」

「いや、そのまま話続けようとするな。冷やし中華は食べる」

 

 

 サマー大丈夫か?俺には何に対してエロって言ったのか理解できないや。

 いや、理解したくねーな。ただでさえ5件連続の任務で疲れたのに頭を回したくない。

 

 

 ご飯のお誘いは有難く受けます。いや、助かったぁ。ちょうど食べるのめんどいからいいやって思ってたところだったんだよね。

 私服に着替えるのも面倒なので、着の身着のままサマーの部屋に向かう。

 

 

「冷やし中華があるって聞いた。腹減ったから食べよう」

「乙〜!せいy……」

「ちーっす、おつかれー」

「ありがと硝子。悟はなんで固まった?」

「さぁ?箱入り息子のバカには刺激が強すぎたんじゃない?」

「悟、戻っておいで。私も見た時びっくりしたから共感するよ」

「何の話だよ……」

「いーじゃん。私は先に食べるね」

 

 

 なかなか戻って来ない悟をサマーがぶっ叩いたのを横目に冷やし中華を食べた。おー、手作り感満載だな。ちょっと失敗してるけど味はいい感じ。

 

 

「お前さぁ………下そんなの着てたの?」

「うん、動きやすいし」

「けどそのタンクトップはどうかと思うけどね」

「え、似合ってない?」

「違うぞ征哉。このバカ共は目に悪いって言ってるんだよ」

「はは、なにそれ硝子」

 

 

 確かにモブ顔に似合う服装なんて限られてるしな……、調子乗ってごめんなさい。でも密着型のタンクトップって動きやすさが保証されるんですよ。

 

 

「何を勘違いしてるか知らないけど、アンタは自分の顔を自覚した方がいいよ」

「そんなに酷い顔なのか……」

「いやむしろその逆……、はぁーーー」

 

 

 硝子さん、そんな俺の顔面を見ながら深いため息つかなくても……。まぁ、いいさ。この話止めようぜ。

 

 

「携帯鳴ってるよ、誰のだい? 」

「俺じゃねぇ」

「私じゃない〜」

「じゃあ俺か」

 

 

 けっ!みんなで美味しくご飯食べてたのにさぁ。ったく誰だよ、……おっとコレは。

 

 

「ちょっと出てくるね。あ、俺の分は片付けんなよ!」

「早めになー、麺伸びる」

「行ってら〜」

「急がないと私が食べてしまうかもね」

「食べたらその前髪引き抜くぞ」

 

 

 チラッと見たガラケー画面に映るのは上層部の文字。どっこいしょと腰をあげて廊下に出た。なんか気分下がった!ジジイ共なんの用だよ!!

 

 

「……はい禪院です。どうしました?」

『あぁ征哉くん。君の補助監督の件でな』

「あー、気づきましたか」

『我らの目を盗もうとはよっぽど度胸があるらしいな。上層に名をおく者も手を出していたようではないか』

 

 

 そりゃ俺がオキニ認定されて気分が悪い奴も一定数はいるだろうさ。頭が回るジジイ(こちらも一定数)も俺の実力とか媚び売りとかを勘づいてるかもしれないし、きっと俺の邪魔をしたいんだろうよ。

 もしくは俺を上層部に縛り付けたいだとか。ハッ!俺は言いなりになんてならないぞ!!

 

 

「まぁ、ぽっと出の俺がいきなり上層部入りとか許せないんでしょーよ」

『少し思うところがある奴もいるようだな……、だか分かる範囲で既に処罰は下した。それとだ、征哉くんが申請していた等級の件も考えておこう』

「え、いいんですか!ありがとうございます」

『礼は要らん。禪院には忠告の手当を少々送らせてもらった。お父上殿が笑っておられたぞ』

「あはは、ですよね」

 

 

 安易に想像できるのがなんかヤダ。どうせ酒のつまみだーとか言ってるんだろうなぁ。息子が苦労してて面白いか親父!!!

 

 

『平気か?』

「何がです?」

『五条の子だ。あれはとんだ問題児だな』

「あぁ、お爺様方に対して反抗してるらしいですね。本人から聞きました」

『彼奴が京都校に来る訳ないと思っていたが、まさか征哉くんまで東京校になるとは予想外だ。禪院の上は思っていたよりお主のことが目障りなようだ』

「えぇ、俺も京都のつもりでしたのでびっくりですよ」

 

 

 おい、世間話するくらいなら切っていいか?冷やし中華が食べかけなんですけど……。このままじゃサマーに食われるって!!

 

 

『それでひとつお願いしたいことがある』

「はい?」

『五条悟それから夏油傑の監視をお願いできるか?女の方は別にいい』

「……え」

 

 

 は?今なんて言いやがった。

 

 

「……なぜ」

『五条の子は実力も含め厄介だ。五条悟が生まれたことで均衡が崩れた。正しく厄災に等しい存在だ。征哉くんもそう思うだろう?』

「……はっ…」

『夏油傑もだ。一般出身にしては動きが目立つ。情報によれば五条悟と肩を並べるとか……、いずれにしても我らの害になりうる』

 

 

 おい、俺にあいつらを監視させるだと?巫山戯てんのかコイツ。

 

 

『我らは征哉くんに期待を寄せている。次世代の上層部を率いるのは征哉くんであれと思っている』

「……それは、嬉しいですね」

『ヤツらと同期でもある君なら適役であろう。噂では五条悟とは仲が良いと聞く』

「…………。(くそ、噂を逆手に取られたか)」

『だが無理はするな、頼んだぞ』

 

 

 はぁ……、適役?上層部は監視が適役だと言ってんのか?なぁ、無理すんなとか言うくらいならその話を俺に持ちかけんなよ。……あ''ーもう!噂も(あだ)になってやがるし、……こりゃしくったな。

 

 

「あ?随分長かったな」

「何〜彼女?」

「違ぇよ」

「どうしたんだい?顔色が悪いようだけど」

「別に?ちょっと疲れただけ」

「ほら、コイツ連続で5件片付けたからじゃね?」

「あはっ、もしヘマしたら私が治してやるよ」

「じゃあ私は紅茶を奢ってやろう」

 

 

 数言会話を交えた後に電話を切った。上層部は俺に(可能な範囲で)スパイ活動しろって言うのかよ。俺にこいつらを裏切れって……?

 ふーん、ジジイからしたら俺ってそんなに尻軽に見えるんだ。俺が仲間を売るとでも?する訳ねぇに決まってんだろ。死に腐れジジイ共。

 

 

「……なぁ、もし俺がお前たちの敵になったらどうする?」

 

 

 ちょっとだけ、もし俺が裏切ったらどうなるんだろうって考えた。コイツらは悲しむかな。それとも怒る?敵、しかも上層部側に着いたら俺を殺すかな。

 いや、むしろそういう状況になったら俺の中で現状最悪って太鼓判が押される訳だから、殺してくれると有難いかも。

 

 

「は?俺とお前が敵対とかなんの冗談だよ」

「質問攻めにしてからメスを投げるかなぁ。それで怪我しても術式で治せるし」

「経緯によるね。無理やりだったら連れ戻すし自分の意思なら説得するよ」

「随分と絶大な信頼ですね……。照れるじゃん」

 

 

 思ったよりマジレス返答に反応が困る。信頼っていうか信用されてて(くすぐ)ったいな。

 

 

「今の返事を聞かされたらなぁ。多分敵対はしないと思う」

「多分?絶対の間違いだろ」

「いきなり話が飛躍しすぎだと思うよ」

「すみません、実は色々ありまして……」

「ま、そうなったら私たちはストーカーみたいに追いかけるって事でいい?じゃ、話終わったんなら早く食べなよ。私は一服したい〜」

 

 

 うん、メリハリがはっきりしてるのは好きだ。真面目な時はちゃんと話をしてくれるからコイツらに惚れちゃうよ〜。それはそうとして黄金世代全員にストーカーされるのは恐怖でしかない。

 

 

 お爺様方(笑)はどうしようか。監視の件はもう引き受けちゃったから仕方ない(半ば強制)。悟とサマーに問題ないレベルで適当に流すしかねぇな。

 

 

 あ、そうだ。確か高専時代にサマーが闇堕ちするんだっけ。

 ってことは精神に異常を来たしているって報告したら重い任務が割り当てられるのを防げたりする?………俺の立場次第か。となれば末席から上り詰めないとな。

 

 

「ふぅー、頑張れ俺」

「よしよし、征哉クンは疲れてるもんなぁ〜」

「マッサージでもしてあげようか?」

「えー、遠慮しとくよ」

「早く食えバカ3号」

「硝子ひっど」

 

 

 サマーは元から食べるつもりなんて無かったんだろう。だってアイツ大盛り2杯食ってたし。

 みんなで囲んでいた丸いテーブルの俺の席には、ちょっとぬるくなった食べかけの冷やし中華が残っていた。如何にも手作りっぽいこれの温玉はカチカチの茹で玉だし、キュウリとトマトは形が歪だ。しかも麺はちょっと硬い。

 

 

 でも美味しかった。愛の味♡とかじゃなくて、気持ちの籠った味☆みたいなやつ。ちょっと言葉に言い表せないかな。でも心はホカホカでした。

 

 

「……ありがとな、お前ら」

 

 

 食べ終わってない俺を見ながらアイツらは笑っていた。

 

 

 

 





 主人公のチートっぷりが酷すぎて手に追えなくなってきた。術式が暴れ回るせいで手綱を握る手が痛い。


 さて、急ですが話は変わります。次回から懐玉・玉折編に突っ込む予定でございます。直哉とパパとゴリラ(とその家族)は愛しき血縁なので生存率は高いです。でも絶対死なないとは言ってない。
 なのでその命をかけてアンケートを取りましょう。運命は〜?我らの手に〜?大きく分岐しますので慎重にお選びくださいね。作者ワクワクすっぞ!!!
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