御三家に生まれたので生存戦略を遂行する   作:超甘味

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妄想と捏造の産物とご理解ください〜
では行ってらっしゃいませ。




似ても似つかん。それでも兄弟。

 

 

 禪院直哉side

 

 

 俺には腹違いの兄が沢山いる。そやけどたった1人だけ、俺と血ぃ繋がっとって、同じ腹から生まれた()()()()()がおる。

 

 

「……兄ちゃん」

「何?」

「いや、なんでもあらへん!」

「そう?あ、これ食べる?」

 

 

 俺より1歳年上で、多分、生まれた時からずっと傍におってくれてる兄ちゃん。俺が1番大好きで愛してる家族。

 

 

 1番古い記憶は、俺の顔を覗く金色の瞳やった。それが綺麗で、思わず手ぇ伸ばしたんや。伸ばしたそれを握ってくれたのは兄ちゃんやった。俺より少し温度の低い手やったのを覚えてる。

 

 

「俺、兄ちゃんが俺の兄で良かった」

「………え、何、照れるんだけど」

 

 

 物心ついた時から俺の世界は兄ちゃんを基準で回っとった。兄ちゃんの背中を追うかけて、おんなじ物を食べて、常識ってモンを教わった。

 俺の生活には、全部兄ちゃんが関わっとった。でもそれを鬱陶しい思ったことは1度もあらへん。俺たちにとってはそれが普通で、日常やったんや。

 

 

「…………あー、相伝か」

「相伝?ね、これなに?」

「それは術式って言ってね……」

 

 

 俺が4歳のある日、相伝の術式を発現した。兄ちゃんは悲しそうな、なんとも言えへん顔をしとったのを覚えてる。

 やけど、当時の俺は兄ちゃんと同じように術式を持っとったことに嬉しおしてそれに気ぃ付かへんかった。今でもなんであないな顔をしたのかは分からへん。

 

 

 術式を発現したあの日から、俺はこの家をクソやと認識するようになった。詳細は割愛するけど、とりあえず兄ちゃんがクソって言うとったのが理解出来た。

 

 

 俺の術式が『投射呪法』っちゅう禪院家の相伝術式の1つだったせいで、生活の全てが目まぐるしゅう変わった。

 俺の周りには常にジジイ共が湧き出てきたし、部屋も変わった。教育係も付けられて謎の語りを淡々と聞かされた。

 

 

 その謎の語りっちゅうのが禪院に非ずは〜とか、猿がナンタラ〜とか意味わからへんヤツだ。そやけど1番かなんかったのが兄ちゃんと隔離された事だった。

 

 

「兄ちゃんと一緒がいい!!」

「直哉様、いけません。相伝である貴方は半端者の影法術と同じの空間にいるべきではないのです」

「なんで!!!俺の兄ちゃんだぞ!」

「……決まったことです」

 

 

 理解できひんかった。4歳の俺には突然すぎた。

 

 

 俺が相伝やと分かった日から分かりやすう周りの目は変わったんや。

 きしょい、俺をジロジロ見る目や。期待やったり、嫉妬やったり、……懐柔しようとする感情が浮き出た貪欲な眼差し。

 怖かった。ひたすらに怖かったんや。いつも守ってくれる兄ちゃんがおらんくて、俺だけ別世界に飛ばされたかのように体が震えた。

 

 

「帰れ!お前のような出来損ないが、直哉様に会えると思っているのか!!」

「逆になんでお前みたいなジジイが俺の弟に会えるんだよ」

「チッ!口を慎め半端者」

「あ''?お前こそ俺を遮るな老害」

 

 

 兄ちゃんと隔離されてから1週間くらい経った時、俺のために用意された個室の外からそないな言い争いが聞こえた。

 俺は、兄ちゃんが会いに来てくれた!と、それだけで頭がいっぱいになって勢い余って部屋を飛び出したんや。

 

 

「!直哉!」

「兄ちゃん!!」

「お戻りください直哉様!」

「ジジイ、俺に文句言いな……!」

「ですが……」

「おい老害、相伝の言うことは絶対なんだろ?なら従えよ」

「………チッ」

 

 

 ジジイを追い払うた後に「1週間会えなくてごめんね……」と、兄ちゃんは謝った。

 は?なんで兄ちゃんが申し訳なさそうにするんや。悪いのは家のヤツらやろ。と言うたら、兄ちゃんは呆気に取られた顔をしてから笑うた。そないにけったいなこと言うたか?

 

 

「今パパに抗議してるんだけど、ジジイどもが勝手にやった事らしくてな。まだ解決出来そうにないんだ」

「このまま離れ離れになる?」

「そんなの兄ちゃんが許さない。そろそろストレスゲージ爆発しそうだし」

「ストレスゲージ?なにそれ」

 

 

 兄ちゃんはぎょうさん言葉を知っている。頭脳も俺よりええ。術式の解釈では幼いながらもパパを驚かしたって聞いた。俺の兄ちゃんはほんまに凄い!

 

 

「………あぁ、今日はお開きにしよう。五月蝿いのが来た」

「やだ!もっと一緒がええ!!」

「ごめんね直哉……。もう少し待ってくれ」

 

 

 眉を下げ俺の頭を撫でた後、兄ちゃんは去っていった。多分、それから数日後や。屋敷中に汚い叫び声が響き渡ったのは。

 なんやろう?思て部屋から出た。部屋の目の前に甚爾くんがおってびっくりしたけど、俺じゃない遠くを見てニヤニヤ笑うとった。

 

 

「甚爾くん、何があったん?」

「よぉ、弟。お前の回収を兄貴の方に頼まれてな。何が起こってるかは自分で見てみろ」

 

 

 首根っこ掴まれて、野良猫みたいに運ばれた。声の発生源の方に向かったら、そこで見たのは阿吽絶叫と動かへんジジイの屍達。

 叫んでるやつはみんなツルペカになった頭を抱えている。ピクリとも動かへんやつは呪力がミリッカスで指一本も動かせへん状況らしい。

 

 

「な、何これ。兄ちゃんがやったん?」

「おう、ハゲはタワシで擦ったらしいぜ」

 

 

 おもしれぇことするじゃねーか、と甚爾くんは笑うた。え?兄ちゃん、やってる事が狂気なんやけど……。

 

 

「今まで大人しかったやん。急になんで?」

「お前を侮辱されたからって言ってたぜ。あいつブラコンだからなァ」

「ブラコン……?」

 

 

 4歳の俺には分からへん単語だったけど、成長した今なら意味も理解出来る。兄ちゃんは俺のことがえらい好きだったんだ。勿論、俺も兄ちゃんがえらい好きやけど。

 

 

「………次言ってみろ。今度はすり減るのが髪じゃなくて命だと思え」

「ヒッ……」

「俺たち兄弟を離すのもバカバカしい。脳みそ腐ってんの?」

 

 

 影を暴れさせ、片手はタワシ、もう片手はジジイのハゲ頭を鷲掴みする兄ちゃんは誰が見てもキレとった。ガチ怒でブチ切れとった。重たい呪力がダダ漏れで威圧感が凄かった。

 甚爾くんも少し冷や汗をかいとったし、俺もちょい漏らした。なんとか絞り出した制止の声は震えとった気ぃする。

 

 

「……に、にいちゃん」

「あぁ、直哉。ごめんね、ちょっとやりすぎたかな」

「っ、その呪力抑えろ。コイツが耐えきれねぇぞ」

「ジジイどもに反省の色があったらな」

 

 

 そう言う兄ちゃんの顔は、濡れ羽色の髪に隠れて見えへんかった。そやけど、きっと怖い顔をしているんやと思う。

 チラッと見えた俺より明るい金色の目は酷う冷たかったさかい。あないな兄ちゃん、俺は知らへん。

 

 

「おい、弟が怯えてるぞ。いい加減止めとけ」

「………はぁ、命拾いしたなジジイ共。二度と直哉のことを『成功作の道具』だとか言うなよ」

 

 

 最後に一発、どデカい圧をジジイに向けた兄ちゃん。ジジイ共は可哀想なくらい首を縦に降っとった。白目剥いて泡を吹いたやつもいた。

 

 

 兄ちゃんが怒ったところを見たのはそれが最後やった。あれからジジイ共は俺の事をペラペラ喋ってあらへんみたいだし、兄ちゃんが一通り暴れ回ってくれたさかい隔離も解除された。

 俺としては兄ちゃんのことは絶対怒らせへんでおこう……、と心に決めた。ジジイ共は学習してないのか兄ちゃんの事を悪う言うてばかりだ。イラつく!

 

 

「何、俺の顔じっと見て」

「いや?昔、兄ちゃんが暴れたのを思い出しとってん」

「……そうだっけ」

 

 

 10年くらい前の話や、兄ちゃんが覚えてへんのも無理はあらへん。

 兄ちゃんは俺の話を聞き流しながら、高専入学のために荷物を纏めている。言うても(ジジイ共のせいで)あんまり物があらへんさかい早々に切り上げてお茶を飲んでいだけやけど。

 

 

「兄ちゃんって俺の人生の先生やんな」

「まぁ、確かにね。常識や感性を教えたのも俺だし、あと……、なんだろう?」

「家の思想やら、ジジイ共から守ってくれたのも兄ちゃんやで」

 

 

 俺をジジイ共の洗脳から守ってくれたのは兄ちゃんだ。

 『特別だ』『天才だ』『相伝だから当主になる』やら誘惑の言葉を投げてくるジジイ共を静かに蹴り返して守ってくれとった。

 

 

 俺の盾となってくれとった兄ちゃんには感謝や。

 それがなきゃ俺は今頃、調子に乗ってクズ野郎になっとった気しかしぃひん。兄ちゃんがおらへんかったらって考えてったら……、うん、こわいわ。

 

 

「……俺の兄ちゃんでいてくれておおきに」

「はは、こちらこそ俺の弟でいてくれてありがとう直哉」

「うん!そやけどさぁ、兄弟やのに顔があんまり似てへんのはちょい不満やねん」

「……なんでだろうね。パパにもよく言われるよ、それ」

 

 

 俺と兄ちゃんはぜんっぜん似てへん。大袈裟やらちゃうくてホンマに似てへん。

 髪色はおんなじや。禪院によくおる真っ黒な髪。目の色は遠目やとほぼおんなじに見えるけど、兄ちゃんの方が明るい金色で綺麗や。そやけど、俺たちの共通点なんてそれくらいしかあらへん。

 

 

 顔立ちやら全然ちゃう。俺は切れ長なつり目、唇が薄いキツネ顔であることに対して、兄ちゃんは睫毛がちょっと長い大きめな目(ホンマにちょっとほんのりつり目くらい)、唇に艶がある美人とイケメンの比率が5対5の顔。ほぼ正反対って言ってええやろコレ。

 

 

「それに体格もちゃうしなぁ……」

「直哉は鍛えれば鍛えるほどごつくなるよね。体術戦に向いてるじゃん」

「逆に兄ちゃんはあんまり筋肉つかへんな。背も俺より低いし」

「おい、男に背が低いは禁句だぞ」

「あ、口が滑ったんや。許して兄ちゃん♡」

「はぁ……」

 

 

 兄ちゃんの今の身長は170くらいやと思う。15(今年で16)でこれくらいのスタートやったら普通やろうけど、周りがデカいせいで(俺や甚爾くん、パパやら)チビに見える。

 それにプラス、ガチガチの筋肉質でもあらへんし余計小柄に見えるんや。あ、パンピーよりはちゃんとしてんで?

 

 

「俺はいいんだよ。力でゴリ押しより技術で近距離は補うし……」

「それって長期戦に向かへんくない?」

「うん。まぁ、俺の本領は中・遠距離だしそこまで気にすることでもないでしょ?遺伝だよ遺伝」

 

 

 直哉の体格羨ましい〜と言うて兄ちゃんはお茶を啜った。てか今遺伝って言うたか?俺たち兄弟に遺伝なんて存在してへんと同義やない?顔も体も似てへんのに……。

 

 

 あ、そやけどパパとおんなじで足技がエグいヤバいのんは遺伝やな。

 パパの足が術式によって強化されたのが俺たちにも受け継がれたんや。まぁ、普通にええ武器や思う。兄ちゃんの腕力は弱いし。

 

 

「でもねぇ、いくら似てないからって腹違い説はやめて欲しいぜ」

 

 

 腹違い説っちゅうのんは家のジジイ共の間で囁かれてる一説や。

 俺たち兄弟は顔も似てへん、体格も似てへん、感性も、性格も、頭の良さも、なんもかんもが似てへん。

 

 

 術式も、掠った相伝とちゃんとした相伝やし、口調も標準語と京都弁。逆に何が似てるんやって言われて、母親がちゃうんやと噂になっている。はた迷惑やジジイ共。

 

 

「証人はパパなんだけど本人は何も言わないしさぁ……」

「一応聞く、兄ちゃんは俺の兄ちゃんやんな?」

「当たり前だ。俺の弟は直哉だけだし」

「ふふん、なら俺の兄ちゃんも兄ちゃんだけや」

「あれは?腹違いの兄貴たち」

「兄ちゃんと比べたらあないな奴らの方こそ出来損ないや」

「……あはは、本人たちの目の前で言うなよ?」

 

 

 苦笑いしてるけど、ほんまのことなんやで?実際弟である俺たちより知能も術式もザラつきがある。

 術式は禪院家と全く関係あらへんヤツだし、兄ちゃんのようにソレを諦めんで鍛えようともしいひん。

 

 

 向上心の欠片も無おくて、現状維持で満足してる兄たちなんておらん方がええわ。

 それこそ兄ちゃんの代わりにジジイ共に狙われるべきやし、兄ちゃんの代わりに死んだらええ。

 

 

「………ッイテ」

「こーら、変な事考えたでしょ。ダメだよ」

 

 

 腹違いの兄たちに()()()()()をしていたら兄ちゃんにデコピン食ろうた。なんや、事実やん……。

 仮に実の兄弟やとしても兄の才能が弟に全部吸われたとか抜かすんやで、あの兄貴たち。どこ見て言うとんねんあほ共が。目が腐っとるんちゃう?

 

 

「呪術師っていうのはどうせ運なんだ。まぁ、努力しないのはちょっと思うところはあるが」

「その分兄ちゃんは努力しまくったやんな」

「そんなふうに思ってくれてたの?兄ちゃん嬉しいなぁ」

 

 

 はにかみながら笑う兄ちゃんはいい絵になる。はぁ、兄ちゃんが美人なイケメンでかっこええ。流石俺の兄ちゃん。愛しとる。

 

 

「直哉もかっこいいよ」

「………おおきに」

 

 

 久々に頭をぐしゃぐしゃと撫でられた。髪が乱れたけど、別に不快やなかった。やっぱ俺の兄ちゃんはこの世にたった1人や。出来も行儀も悪い兄なんて知らへん。ほんま首括って死んだらええ。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 五条悟side

 

 アイツと初めて会ったのは……、確か御三家が集まる大きな会合だったか?クソつまんねぇオハナシをして、お互いに罵り合うのが半分目的になった会議だ。

 

 

「お前、そういえばなんであの時池の上に立ってたんだよ」

「は?なんの話だよ」

「いや、ほら。出会ったあの日だよ、忘れた?」

「………あー、手繋いで一緒に水面歩行したやつ?」

「そうそう、ソレだ」

 

 

 高専1年生、もうすぐ秋になる昼下がり。校舎の影、芝生がある所に座って征哉と2人で話をしてる。

 さっきまで手合わせしてて、傑は負けたからパシリだ。しょーこは医務室で患者の手当。

 

 

 御三家の会合ってのは、大体が五条家で行われる。なんだっけ、俺が生まれたことで御三家のパワーバランスが変わったとかなんとかだった気がする。覚えてねぇや。

 

 

「悟って俺のことガン見してたよね」

「あぁ、ひと目見た時からコイツやべぇヤツだって思ってな」

「マジ?六眼ってそんなのも見えるのかよ」

 

 

 あの日、黒の正装を纏ったガキは白の正装の俺とは正反対だった。

 使用人に聞けば禪院家当主が気にかけてる息子らしい。でも家のヤツらからの評価は低いって言ってた。だから、矛盾してる変な奴ってのが第一印象だった。

 

 

「もう高専入学したけどよぉ……。あれ、本気ってまだバレてないんだっけ?」

「うん、ジジイ共は変なところで盲目だし。このままバレずにいてくれた方が暗躍とか動きやすい」

「えー、俺と一緒に当主ならねぇの?そしたら御三家のバランスも思想だって変わんじゃん。ついでに上も失脚させようぜ」

「その前にジジイ共をどうにかしなきゃならねーんだよ。早とちりすんな!あと当主は多分直哉だろ」

 

 

 あの日、初めて会うヤツには恒例の、六眼で術式詳細を視る行為を行った。

 アイツを視れば術式は影法術だった。禪院家の相伝に十種影法術って術式がある事は知ってたから、パッと見1歩及ばなかった雑魚かって思った。

 

 

 でもパッと見の感想だ。よく視れば呪力操作の緻密性が凄かった。

 加え、無意識下での呪力の循環を可能にしている。六眼が無いのにすげぇって思ってガン見した。マジすげーんだよ、灘らかな川の水みたいにスーッて体を巡ってんの。

 

 

 ま、それくらいしないと上手く発動できない術式なんだなって理解した。

 現実と概念を行き来するなんて俺の無下限呪術と同レベルの難易度だろ。それを六眼無しで、なんてことないような澄ました顔でいるのがビビった。こいつはやべぇって本能で感じた。

 

 

「お前なら何でも出来そうじゃね?」

「そうかな」

「あぁ、断言できるぞ。だからさっさとジジイ共を片付けてこい!」

「あはは!ウケる。まぁ、頑張るわ」

 

 

 思えば征哉って色々苦労してんだよな。今更挙げることでもねぇけど、コイツが今いる環境はキツい。禪院のジジイとか等級間違いとか、めっちゃある。俺も把握しきれてねぇくらい、征哉は大変そうだ。

 

 

「まず優先すべきは禪院家。革命派の仲間は8割いったけど、残り2割の能無しジジイ共を抑制しなきゃ」

「ンなのすぐイけるだろ。脅して一発!」

「まーな。2、3年生になったらちょっとトラウマ植えてくるわ」

「今じゃダメなのかよ」

「上層部とジジイの嫌がらせで手一杯ですー!」

 

 

 同時に進められるほど俺は器用じゃねぇし、と言って芝生の上に寝転がった。粘着質なジジイだもんな……、落ち着いてから一気にバンってやった方が楽なのか。

 

 

「でもよ、お前が言いたい放題言われるのムカつくンだけど」

「そりゃあ、俺のこと知りもしない外野が勝手に言ってるだけだし」

「禪院のジジイもだけどさ、今年の交流会も京都校のヤツがバカにしてたし!」

「あれは確かどっかの呪術家系出身だったろ?俺が4級だからってナメてんだよ」

「来年は半殺しにしてやろ。いや、瀕死ならセーフだっけ」

「まぁ、待て。等級審査が通って2級になれたし、俺が殺る」

 

 

 征哉はニヤリと笑って俺の顔を見上げてきた。ヒュー、来年の交流会が楽しみだわ。傑、俺、征哉で無双してやろうぜ!

 てか寝転がってもブサイクに見えねぇっていいな。ま、俺の方がイケメンだけど!

 

 

「ん、なに」

「雑草ついてる」

「そう……」

 

 

 目の下の頬に草がついていたから手でなぞって払った。征哉はくすぐったそうに頬を緩めて笑ってる。見惚れるような笑顔だった。

 ボーッとしてたら征哉が声を掛けてきた。そこで気が付いた……なんか俺が頬に手を添えてるみたいじゃねぇか。征哉も征哉で当たり前のようにしてんじゃねぇーよ。なんか心臓ら辺がムズムズするわ。

 

 

「征哉は紅茶、悟はいちごオレで良かったかい?」

「あ、サマーありがと」

「……糖分足りねぇ。早くよこせ」

「後で金は返してもらうよ、悟」

「は?全額俺持ちかよ」

 

 

 ちょっと変な空気に片足突っ込んでいたら傑がパシリから帰ってきた。ナイスタイミング。助かったわ。

 

 

 今更だけど征哉の中では傑=サマーで完結してるんだな。そもそも征哉が傑の名前呼んだことって無くね?俺見た事ねーんだけど。

 

 

 なんの話をしてたんだ?って傑が聞いてきたから1から全部伝えた。

 傑もなんだか納得した顔をして「まぁ、外見がそもそも弱そうだしね」と言っていた。確かにコイツは俺らと比べてちいせぇし細いわ。実力はバケモンだけど。

 

 

「巫山戯んな、身長なんぞこれから伸びるわ」

「ははは、180超えたら奇跡だね」

「無理だろ。コイツあんまり伸びてないし、最大5cmじゃね?」

「悟は俺が175で身長MAXだって言いてぇのか……?」

 

 

 征哉は有り得ねぇ……って顔して俺と傑の顔を交互に見た。2人揃って笑ったわ。笑い疲れたから征哉の隣に寝転がれば傑も征哉を挟んで反対側に転がった。あー、空が青いー。

 

 

「お前ら2人デリカシー学んでこい」

「これが限界です〜」

「反対側に同じ」

「……これだから硝子にクズって言われるんだよ」

 

 

 お前もクズって言われ始めてるぞ、って言ったら足を蹴られた。うわ、めっちゃ痛ってぇ!

 

 

「俺のどこがクズなんだよ!善良100%だろ」

「呪霊とか使い捨ての式神化で戦力にしてるし、非術師を呪力補充って認識してんじゃん」

「え、だって非術師が呪力とか持ってるだけ無駄じゃん?有効活用してるだけだし」

「そういうとこだと思うよ」

「はぁ?」

 

 

 心底わかんねぇって顔してやがる。無自覚かよコイツ。こっわ。

 

 

「そうだ。多忙な夏も乗り越えたことだし、週末出かけようか」

「行く!行きますサマー様!」

「俺遊園地がいい!あとカラオケ!」

 

 

 俺と征哉は御三家だったから家からほぼ出た事ねぇし、外には初めてがいっぱいでワクワクする。遊園地って存在だけしか知らねぇし、カラオケって歌以外にも唐揚げとか出てくんだろ?行ってみてぇ!

 

 

「はいはい順番に行こうね」

「ママじゃん」

「かーちゃんじゃん」

 

 

 そう零したら2人とも傑に殴られた。クソ!ゴリラめ!

 でも征哉が殴られた頭を擦りながらも爆笑してるのを見たら、なんかこれも悪くねぇなって思った。

 

 

「しゃぁ!じゃ今週は遊園地で決定なー!」

「おー!」

「はは、程々にね」

 

 

 あとから聞いた話だけど、寝っ転がって3人でじゃれあっていたのを夜蛾センセーに見られていたらしい。

 「嬉しそうでしたよ!顔じゃなくて雰囲気が!!」って教師も兼任してる補助監督が教えてくれた。

 

 

 

 

 





アンケートの締切だよ。そしてご協力くださった皆様には深く感謝を。選ばれなかった分岐ルートもifとして書かせて頂きます。

好きな地獄(会得する技)を選んでよ。

  • 反転術式、芋ずる式に拡張術式反転と間転
  • 領域展開
  • 新しい式神の登場
  • 現状で頑張る
  • 選べねぇから作者に任せる
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