御三家に生まれたので生存戦略を遂行する   作:超甘味

20 / 41

妄想と捏造の産物とご理解ください。
では行ってらっしゃいませ。




俺、めんそーれ!と叫びたい。

 

 

「はぁ?連絡がつかない?」

「あぁ。2日前に任務に就いてそれきりだ。悟、迎えに行ってこい」

「俺1人で??みんなで行こーぜ。そしたらやる気もでるんだけど」

「……もうそれでいいから行ってこい」

 

 

 どうも、夜蛾センから冥さんと歌姫が行方不明だと伝えられた禪院征哉です。モブクンって呼んでくれ。

 いや〜、遂にやってきましたよ。みんな大好き原作(地獄)の始まり。気張ってこーぜ?

 

 

「冥さんがいるんでしょう?わざわざ私達がですか?」

「センセー!サマーは遠回しに『悟だけでいいでしょ、私達を巻き込むな』って言ってまーす」

「センセー!クズ3号が『俺も面倒だからヤダ』って言ってまーす」

「おい硝子、それは言わないお約束だろ」

 

 

 面倒なのは本当。だって山奥の洋館だぜ?登山とかだるいじゃん!

 そしてそして、硝子さん。正直に俺の本音を暴露のもどうかと思うんですけど……、そこんところどうなんですか硝子さんよォ。

 

 

「酒持ってきたら弁解してやるよ」

「チッ、未成年飲酒だろ。センセー!犯罪者紛れてるよ!ホラ、ココ!」

「1年の歓迎会ではくれたのに?」

「……それはノーカンだ。いや、そもそも歓迎会なんてやった?うん。やってないよ、知らないよ」

「お前ら!!文句なら帰ってから聞いてやるからとりあえず全員行ってこい!!!」

「「「「……はーい」」」」

 

 

 うだうだしてたら夜蛾センにケツ叩かれたので、仕方なーーーく歌姫たちの救出に行ってきます。

 

 

 車で移動してる間に資料をちらっと見たけどすんげぇオンボロ洋館だった。

 確か借金に追われて一家心中したんだっけ。あは、かわいそー。別に思ってないけど。

 

 

「クソ山の中じゃねーか」

「うっわ、悟が山とか言うからあのムカデ呪霊思い出したじゃん……」

「あぁ、せーやが漏らしたヤツね」

「だから漏らしてねーよ!」

 

 

 この白髪(しらが)め、俺の情けない所を永遠に弄ってきやがる!

 おいコラ、サマーとヤニカスも笑ってんじゃねぇよ。前髪引き抜くぞ!!!硝子は禁煙しろ!体に悪い!!

 

 

「術式で治せるから平気〜」

「……チートじゃん」

「誰もお前にだけは言われたくねぇよ」

「ほら、子供()はお口チャックしな。例の建物が見えてきたよ。征哉、偵察を頼めるかい?」

「あ?誰がガキだって?」

「おっけー、来い【八咫(やた)】」

 

 

 悟がサマーに突っかかってるのを横目に式神を顕現させた。いいぞサマー、そのムカつく笑顔でもっと煽ってやれ。

 

 

 式神【八咫(やた)】は以前言っていた影での索敵効果を付与した式神だ。三眼の鴉型で、安全圏()から広範囲を精密に認識出来る索敵特化の式神。

 収集した情報を影に劣る概念として変換し、影を介して俺の脳に直送する仕組みである。

 

 

 額にある第3の瞳は俺が視覚共有をした場合にのみ開眼する。

 ハイ、これは正しく冥さんの黒烏操術を参考にしました。ウーン、パクリって最高!!

 

 

 片目のみの視覚共有なので俺の動作を停止する必要が無いのがこだわりポイントかな。

 俺が止まってる隙に攻撃されるとか全然あるし、できるだけ死角は作りたくなかったので成功作な式神である。因みにこいつ(成功作)は3代目。

 

 

「どう?何か分かったかい?」

「ちょっと待ってね、……んー、異常な程に異常無しだってさ」

「逆に建物の中は異常な程に異常ありという訳か……」

「んじゃ俺、ぶっ壊していい?どーせ中は呪霊が張った結界とかだろ」

「え、クズ1号の目でも見えないの?」

「いや、建物自体の違和感はビンビン。でも洋館の中までは見えねぇ」

 

 

 ガワで邪魔されてるし、と硝子に言った悟。

 六眼でも透き通って視ることは出来ないんだっけ?布くらいなら問題ないけど、流石に洋館全体の透視はできねぇか。もし、そこまで見えたら人の裸も見えそうだしな(笑)。

 

 

「じゃあさっさとやりなよ悟。俺達は離れてるから」

「おー」

 

 

 悟が繰り出す【蒼】に巻き込まれないように後方へ移動した。

 が、蒼の構えをした瞬間、洋館が崩壊した。歌姫っぽいのが見えるな。……なんだ、自力で脱出出来んじゃん。俺たちが来た意味無くね?

 

 

「助けに来たよ〜、歌姫」

「久しぶり、歌姫。泣いてる?」

「泣いてねーよ!敬語!!」

 

 

 瓦礫に埋もれてる歌姫を見て笑った。歌姫ビビりだもんね〜、泣いてないことに俺びっくり!!

 

 

「泣いたら慰めてくれるかな?ぜひお願いしたいね」

 

 

 声がした方向を顔を向けると冥さんがいた。やっぱり歌姫と違って傷1つついてねぇな。流石1級術師。強いね。

 

 

「冥さんは泣かないでしょ。強いもん」

「歌姫は弱いしね、まず冥さんと比べちゃダメでしょ」

「フフフッ、そう?」

「ぐっ、……んんっ!五条、禪院!私はね、助けなんていら──《ぐぉおおお!!!》……あ」

 

 

 ブフッ、タイミングがいいのか悪いのか、丁度地中からハニワみたいな呪霊が出てきた。まぁ、すぐにサマーの呪霊で取り押さえられたけど。

 

 

「飲み込むなよ。後で取り込む」

「ナイスサマー」

「ナイス前髪ー」

「悟、征哉。弱い者いじめはよくないよ」

「強いヤツいじめるバカがどこにいんだよ」

「弱いヤツの面倒は強いヤツがみねぇとな」

「フフフッ。君の方がナチュラルに煽っているよ、夏油君」

「あっ」

 

 

 弱いものいじめ?ノンノン!歌姫って俺たちより弱いし、弱いから強い俺らが助けに来たんだよ。本当のことしか言ってないよな?

 悟のはウケる。確かに強いヤツいじめるのはバカだわ。ってアレ?これ俺ん家(禪院)のジジイに当てはまるじゃん。

 

 

「歌姫センパ〜イ。無事ですか〜?」

「ああ〜、硝子!」

「心配したんですよー。2日も連絡なかったから」

「硝子〜!!」

 

 

 げっ、硝子がいい子ちゃんムーブしてやがる。歌姫も騙されちゃって……。チョロいなこのパイセン。

 

 

「硝子!あんたはあの3人みたいになっちゃダメよ!!」

「あはは。なりませんよ、あんなクズ共」

 

 

 クズ共、即ち俺と悟とサマーのことである。

 ひっでぇー、俺はまだヤサシイだろ!?……ジジイの件は除いて。

 

 

「……ん?2日?」

「ああ〜、やっぱ呪霊の結界で時間ズレてた系?珍しいけどたまにあるよね。冥さんがいるのにおかしいと思ったんだ」

「冥さん程の実力者がいるのに呪霊如きで行方不明(死亡)はないでしょ。進む時間が違かったらそりゃ納得だけど」

「そのようだね。……ん?」

「何か?」

 

 

 冥さん曰く、実質2日働いてるってことだから2日分のギャラを上乗せしてもらわないとね、ってことらしい。流石守銭奴だ!冥さんらしいですね。

 

 

「それはそうと君達、……帳は?」

「「「「あっ……」」」」

「ん?ん?」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

『続いて昨日、静岡県浜松市で起きた爆発事故……』

「この中に『帳は自分で降ろすから』と、補助監督を置きざりにしたヤツがいるな」

 

 

 ……俺達、完璧にやらかした。只今、全員が般若のような夜蛾センの御膳に正座してます。

 

 

「そして帳を忘れた。……名乗り出ろ」

 

 

 スッ……、と悟を指さす俺達(悟以外)。

 

 

「先生!!犯人捜しはやめませんか!?」

「悟だな」

 

 

 以後はお察し、夜蛾センからのあつーい愛ある指導を受けた白髪(しらが)だった。立派なたんこぶを仕上げている。ドンマイ!!

 

 

「そもそもさぁ、帳ってそこまで必要?」

 

 

 場所を変えて体育館に移動した俺達。用具室から1つのバスケットボールを取り出して遊んでいる。

 硝子は悟のグラサンを構ってるけど……、それ特注品だからほぼ真っ黒だよね?かけながら見渡してるけど絶対見えてないでしょ。

 

 

「別にパンピーに見られたってよくね?呪霊も呪術も見えねぇんだし」

「ダメに決まってるだろ。呪霊の発生を抑制するのは何より人々の心の平穏だ」

「……。(平穏ねぇ……)」

「そのために目に見えない脅威は、極力秘匿しなければならないのさ」

 

 

 ……んー、俺としてはどちらの意見にも賛否は出来ないな。

 でもサマーの信義って優しすぎない?知らない誰かを思い浮かべすぎでしょ。呪術師()からしたら真っ当すぎだと思う。

 

 

「それだけじゃない……「分かった分かった」」

「弱いヤツらに気を使うのは疲れるよホント」

「……これは俺の意見だけど、術師と非術師では何もかもが違う。その差異を狭めることはまずできない。それでもサマーみたいに非術師を基準にしたらこっち側が狂う。だから気を使うとかじゃなくて術師の最低限の妥協として秘匿と隠蔽が行われるんでしょ」

 

 

 境界線の見極めは大事だ。見える者と見えない者の差は広がることもないし狭まることもない。何かで埋めて共存とか無理な話だ。

 それでも尚、関わり続ければ、とか言ってる奴は1回過去に時空旅行してこい。

 

 

 時間と気合いでどうにかなる程この問題は簡単じゃない。

 どうにかなってたら、呪術誕生から1000年以上経った今でもコソコソと呪霊祓ってねぇんだよ。

 

 

「……()()()()、それが社会のあるべき姿さ」

「は?弱肉強食の間違いだろ」

「弱きを助け、強きを(くじ)く。いいかい征哉、悟」

「「…………。」」

 

「呪術は非術師を守るためにある」

 

 

 ……何言ってんだこいつ。意味わかんねー。

 守るため?お前は俺達の苦労を知りもしない赤の他人のために命かけるって?……は?他人なのに?俺はそんなの絶対嫌。善人ぶってんじゃねぇよ。

 

 

「それ正論?」

「!」

 

 

 サマーは至って普通の構えをしてゴールにシュートを放った。

 まぁ、外れたけど……。今絶対入ると思ったのにね。

 

 

「俺、正論嫌いなんだよね」

「俺も嫌い。傑のソレ、綺麗事すぎて反吐が出る」

「……何?」

 

 

 険悪な雰囲気を感じ取った硝子は逃げた。文字通り、体育館からそそくさと逃げた。

 仕方ない。硝子から見れば俺と悟vsサマーみたいだもんな。俺と悟の意見は違うから実際は俺vs悟vsサマーだけど。

 

 

呪術()に理由とか責任を乗っけんのはさ、それこそ弱者がやることだろ。ポジショントークで気持ちよくなってんじゃねーよ。オ''ッエー!!」

 

 

 サマーが外したボールが悟の足元に転がった。悟はそれを手に取って適当に投げる。

 投げたものはゴールの縁にぶち当たってたけど結果的にバスケットに入った。……才能かなぁ。サマーは普通にやっても入らなかったのに。

 

 

「傑。俺達はさ、ヒーローじゃねぇんだよ。政府と交わした覚書では社会の平穏を守る義務〜とかナントカ書いてあるけど、あくまでソレは名目上。俺達は呪霊を祓うのが生業で人助けはその副産物なの」

「じゃあ、なんの為に私達は呪霊を祓っている?弱者救済でないのなら何だ」

「……はァぁ''???」

 

 悟が放ったボールが俺の方へ転がってきた。

 傑の言葉が癪に障る。適当に蹴ったら綺麗な放物線を作りバスケットに入った。……対比か。サマーと俺たちじゃあ、考えもポテンシャルも違うのか。……酷い話だな。

 

 

「傑……なんか勘違いしてるだろ。もし俺達の到着が遅れて、パンピーが呪霊のせいで死んでもそれが自然の摂理でそいつの運命だったってことだ。俺達はお咎め無しなんだぜ」

「だが被害者や遺族と関わるだろう。彼らに一瞥もせず、心を殺して任務を遂行しろと?」

「知らねーやつに情も心もないだろ。全員に平等の慈悲と配慮を、とかいうお前の信条は甘ったりぃんだよ!!!気持ち悪い」

「……外で話そうか。悟、征哉」

「寂しんぼか?1人で行けよ」

「いい子ちゃんは止せよ傑。建物()への配慮は要らないだろ」

 

 

 もうバッチバチのバチ。3人とも術式を発動したり呪力を練り上げたりしている。

 いいじゃん。この際3人で大乱闘するのも悪くない。悟とサマーが喧嘩してるのはよく見るけど、俺はあんまりねぇからなぁ。1回ぐらい殴り合いしようか。

 

 

 ガラガラ……

 

 

「ん?いつまで遊んでる。硝子はどうした?」

「さぁ?」

「見てなーい」

「便所でしょ」

 

 

 ヤガ先のご登場で一食触発の空気は消散し、お互い睨み合いから流れるように体操を始めた。あ〜、体操って気持ちいな〜!!

 

 

「まぁいい。この任務はお前たち3人に行ってもらう」

「「「かぁ〜……」」」

「なんだ?その(つら)は」

「「「いや別に」」」

「正直荷が重いと思うが、天元様のご指名だ」

「「「!!!」」」

「依頼は2つ。星漿体、天元様の適合者、その少女の護衛と抹消だ」

 

 

 残念だよ。腹割って喧嘩してた最中なのに。はぁ、来ましたね、この任務。俺もひと肌脱がないとなぁ。甚爾の方は準備出来てるかな……。

 

 

 

「ガキんちょの護衛と抹消ォ?」

「そうだ」

「ついにボケたか」

「春だしね、次期学長ってんで浮かれてるのさ」

「いい歳だもんな。バツイチだし」

「冗談はさておき「冗談で済ますかは俺が決めるからな」……天元様の術式の初期化ですか?」

「?何ソレ」

 

 

 え、うっそ。悟、俺と同じ御三家なのにこんな常識も知らないの?思わず呆れ顔だわ。

 呪術師の風上にも置けない非常識さに周りが微妙な空気になるのも納得。今まで何を勉強してきたのかってヤガ先の強面にも書いてあるくらいだ。

 

 

「なるほど、メタルグレイモンになる分にはいいけど、スカルグレイモンになると困る。だからコロモンからやり直すって話しね」

「えぇ……、まぁいいや」

「ごめん、俺ポケモンやってないから何言ってんのか分かんない」

「ポケモンじゃなくてデジモンね。今度一緒にやろう」

「……ん、やる」

 

 

 やっとこさサマーの説明で悟も理解出来たようだ。結論をデジモンでまとめたようだけど、遊んだことのない俺には理解できない。今度ソフト貸してもらお……。

 

 

「その星漿体の少女の所在が漏れてしまった。今少女の命を狙っている輩は大きく分けて2つ!1つ、天元様の暴走による現呪術界の転覆を目論む「呪詛師集団''Q ''」……征哉、なんで知ってる?」

「御三家権力の情報網でーす」

 

 

 フッ、本当は上層部で得た生きた情報だけどね。いやー権力って素晴らしい!

 

 

「んで、2つ目は天元様を信仰する宗教団体でしょ?盤星教『時の器の会』、こっちはただの非術師集団ね」

「知ってたなら早く言え」

「先生が言うかなって」

「はぁ……」

 

 

 先生!そんな頭痛そうにしなくてもよくないですか!?悟も「うわっ……」って顔すんなよ。

 

 

「……天元様と星漿体の同化は2日後の満月!それまで少女を護衛し、天元様の(もと)まで送り届けるのだ!!」

 

 

 心してかかれ!と言われたので、征哉くんちょっと頑張っちゃいます。

 その前に、1回ゴリラと今後の話を合わせないといけないから、護衛の最初の方は悟とサマーに任せるとしよう。

 

 

「征哉は何飲む?」

「紅茶で」

「お前っていつもそれだよな〜、ほらよ」

「ありがと。コーヒーも好きだよ?でもこっちの方が好きってだけ」

 

 

 夜蛾センとの話が終わった後は自販機へ向かった。悟とサマーの歩き方が独特すぎて笑いを殺すのに必死だったのは秘密だ。

 

 

「ハイハイ。でさ、呪詛師集団''Q''は分かるけど、盤星教の方はなんでガキんちょ殺したいわけ?」

「崇拝しているのは純粋な天元様だ。星漿体……つまりは不純物が混ざるのが許せないのさ」

 

 

 ……いや、混ざるも何も過去にも同化はしてるから既に純粋じゃなくね?あ、非術師はこのこと知らないのか。なら勘違いするのも分かる。

 

 

 悟とサマーは星漿体の少女がいるビルについた。というのも、俺は甚爾

に会うため離脱。以降はグループ電話を繋げて話している。

 

 

『警戒すべきはやはり''Q''』

『まぁ大丈夫でしょ。俺たち最強だし』

「確かに2人は強いもんね」

『はぁ?お前も含めて最強なんだよ。だから天元様も俺たちを指名したんだろ』

「えぇ……」

 

 

 俺って最強の括りに入っていいのか?いや、絶対良くないよね。なんか胃が痛くなってきた……。

 

 

『ハァ……』

『ん?なに?』

『いや悟。前から言おうと思っていたんだが一人称''俺''はやめた方がいい。征哉もね』

「無理」

『あぁ?』

『特に目上の人の前ではね。天元様に会うかもしれないんだし、''私''…最低でも''僕''にしな』

 

 

 俺の場合、時既に遅しじゃない?上層部のジジイ共に対しても『俺』って言っちゃってるし。でも敬ってない敬語は払ってるからゆるちて♡

 

 

『年下にも怖がられにくい』

『へっ!やなこった』

「検討だけなら」

『あのなぁ、君たち……。まぁ、いい。また今度話そう』

「あ、ごめん俺切る」

『え?てか、今どこにいんだよ』

「お前らが居る3個くらい先のビル」

『は?』

 

 

 返事を聞かずにグループ通話を抜けた。ちょっとしたら目線の先のビルの1部が爆発。で、俺の隣にはゴリラ。悟たちと通話をする前に話をつけたので、後は孔時雨との会話で甚爾の演技力が試される。頑張れよ。

 

 

「始まったな」

「……」

「どうだ禪院。前に言った星漿体暗殺の答えを聞くが」

「もう禪院じゃねぇ。婿に入ったんでな、今は伏黒だ」

「!」

「いいぜ、その話受けてやる」

 

 

 実は俺、ゴリラ経由で時雨さんとは面識があったりする。呪詛師殺しとかの依頼をする時に据え置きで俺がいたって感じ。

 

 

 でも今回の2人の逢瀬(笑)に俺がいたら計画がパーになるので呪力を極限まで抑えて壁と一体化します。はい、これで存在感ゼロ。

 本当は影の中に入れば良かったんだけど、俺の解釈だと中に入った瞬間に現実時間が止まっちゃうから無理。まだ簡単に解釈の変更や切り替えも出来ないし、ってことで壁に決め込んでる。

 

 

「行ったか?」

「行ったな」

「呪力を抑えるのっていいね。全然バレないじゃん」

「普通は呪力操作が文句なしのレベルじゃねぇと無理だろ。お前やっぱ呪霊じゃねぇのか?」

「呪力操作が得意なんでね、別に何処もおかしくないさ」

「でも呪力探知はザラだもんなぁ?」

「うるせぇー」

 

 

 時雨さんが建物から去ったのを確認したら悟たちに連絡をする。どうやら『Q』の始末は終わったらしい。仕事が早いねぇ〜!

 

 

「頼んだよ、甚爾。もしものために予備の鈴1個やるよ」

「サンキュー。お前は五条の坊を強くしたいんだっけ?今以上に強くなったら流石の俺も冷や汗かくしな。ちゃんと助けろよ」

「任せとけ、お前を死なせるとか絶対に無いから」

「んじゃ、資金もお前から前払いされてるし。五条悟の体力削り係を雇ってくるわ」

「じゃあまた2・3日後、同化当日に」

「あぁ」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

『で、ガキんちょ保護したけどさぁ。お前マジでなにしてんの?さっきも勝手に電話切りやがって!!』

「え?引越しの手伝い」

『はぁ??』

「いやさぁ、前に俺の家族が狙われたじゃん?ドタバタでセーフハウスに案内したはいいけど、咄嗟に張った結界はユルユルだし、家具とか内装もシンプルなんだよ。だから俺が手伝ってるの」

『それは任務放棄ってことかい?』

「あ?ちげーよ。ただ家族最優先ってだけだわサマー」

『冗談だよ。いない分は私と悟で埋めるから心配しないで』

「さっすがー、ありがとね〜」

 

 

 そう、俺はゴリラと別れたあとに伏黒家に向かったのだ。理由は上のセリフを参照。

 

 

 家具とか内装は甚爾がほぼやってたらしいけど、最近は依頼を遂行するべく忙しくて人手が無いらしい。それに、呪術を扱えない甚爾には結界の貼り直しが出来ないので俺が赴いたって訳。

 

 

 影の概念を使って認識をずらす(侵食させる)結界と普通に防御機能を付与した2枚を重ねて張った。

 これで怖いもの知らずです。てか俺の術式ってまじで応用効くな。ありがてぇ。

 

 

『ぉ、──』

「ん?なんて?」

『あぁ、今は私がガラケーを持っているからね。悟と少し距離があるんだよ』

「なるほど、で?もしかして少女は気を失ってて、目が覚めた感じ?」

『そういうこと。あ、悟が平手打ち食らった』

「ブッ、なにそれ見たいんだけど」

 

 

 伏黒家の結界も張れたし、内装も終わったからそろそろトぶか。何より、悟の殴られた後の顔が見たい!頬っぺに紅葉型の手形とかついてないかな?

 

 

「奥さん!俺帰りますね」

「うん、手伝ってくれてありがとう。任務気をつけてね!」

「ははっ、ありがと。恵にもよろしく言っておいて」

「任せて!今度ご飯食べにおいで」

「はい」

 

 

 恵はお昼寝中らしい。ちょうど今昼頃だしなぁ……、まぁ一緒に遊べなかったのは残念だけど寝顔が見れたので良しとしましよう。

 

 

「よ、サマー」

 

 

 ──パリン!!

 

 

「「!!」」

「え、ブッ……!!!」

 

 

 ……え、は?今何があった?えっと、奥さんに挨拶した後サマーのところにトんで?それから……殴られた……。多分、俺の後ろにいる呪詛師のジジイに体術をかけようとしたのか?んで、俺が絡まって殴られた。

 サマーはジジイに向かってたのに俺が急に出てきた。俺の後ろにジジイがいたから。つまり、ジジイのせいで俺は殴られた?………は?吊るす!!!(この間0.01秒)

 

 

 

「グッ……!な、何者」

「こっちのセリフだクソジジイ。お前のせいで不服にもサマーに殴られたんだけど?この俺のご尊顔にだぜ?どう落とし前つけんだワレェ!!!」

「え、っとごめん征哉。平気……じゃないよね。うん」

「ってかここどこだよ!ジジイも誰だよ!!悟はどこだよ!!!」

「stay!征哉stay!」

「ワン!……じゃねぇんだよ!!!」

 

 

 俺ってネタ枠じゃねぇの!はぁ……なんなんだよマジで!

 

 

「で、状況説明10文字で」

「星漿体の学校、呪詛師襲来」

「りょーかい。11文字で字余り」

「このジジイに質問してから、私は星漿体のメイド(黒井さん)と合流しよう」

「OK。んじゃ、俺は悟の方へ行くよ」

 

 

 そう言って別れた俺は悟の方へトぶ……前に、ガラケーに連絡が来たので見てみる。

 ふむふむ、なるほど、どうやら呪詛師御用達の闇サイトでゴリラが星漿体に対して懸賞金をかけたらしい。

 さっき言っていた『体力削り係』の招集か。……てかなんで呪詛師の闇サイト知ってるんだよアイツ。

 

 

「フッ、失敗!!!」

 

 

 ドカ!!

 

 

「……今どういう状況?」

「あ、征哉やっと来たのかよ。いやー、術式反転しようとしたら失敗したから拳で語ってんの」

「ア、ソウ」

「ムム、誰じゃ!新手の刺客か!?容赦はせぬぞ!!」

「え〜?俺が敵だったら世界滅ぶかもよ?ま、嘘だけどさ」

「こいつは征哉、お前の護衛の1人だ」

 

 

 ふーん、バンダナつけてるこのガキが天内理子ね。

 

 

「よろしく天内。禪院征哉だ」

「妾を知っておるのか。ふふふっ、そう!妾こそ選ばれし星漿体である!!妾は天元様で天元様は妾なのだ!!!」

「……何言ってんのこの子」

「さぁ?俺もさっきも聞いたけどわかんねぇ」

 

 

 変な会話をしてる途中、天内の携帯が鳴ったと思ったらどうやらメイドが攫われたらしい。そのあと直ぐにサマーも合流し、今後の話し合いを行った。

 

 

「相手は次、人質交換的な出方でくるだろ。でも、主導権はコッチだし、取引の場さえ抑えれば後は俺達でどうにでもなる。天内はこのまま高専に……「ま、待て!」」

「取り引き場には妾も行くぞ!まだお前らは信用できん!」

「このガキ、この期に及んでまだ……」

「助けられたとしても!同化までに黒井が帰って来なかったら?……まだ、お別れも言ってないのに」

 

 

 黒井さんって天内からしたら親代わりでもあり、家族のような存在なんだっけ。

 ……うーん、気持ちは分かる。家族は大事だよね。お別れを言えないのは確かに辛い。

 

 

「……その内拉致犯から連絡が来る。もしアッチの頭が予想より回って、天内を連れて行くことで黒井さんの生存率が下がるようなら、やっぱお前は置いていく」

「!!分かった、それでいい」

「逆に言えば途中でビビって帰りたくなってもシカトするからな。覚悟しとけ」

 

 

 はぁ……、悟ってば普段はクソガキだけど根は優しいんだから!旅行準備しといて正解だったな。

 

 

 ってことでその日の夜9時に拉致犯から引取場所の連絡が来たので飛行機に乗り込んだ俺ら。

 パパっと黒井さんを救出&拉致犯の尋問を終えたら〜?……そう!沖縄と言ったら海だ!!!

 

 

「「「めんそーれ!!!」」」

「おぉ!お主どうやって海の上に立っとるんじゃ!?」

「いいでしょ〜、天内もやるか?」

「やる!!」

「俺も俺も!」

 

 

 3人で手を繋いで海上に立つと、浜でサマーと黒井さんが話してるのが見えた。

 えー?海に来てまで難しい話はやめようぜ?水着着た意味ねーから遊ぼう!ほら、ナマコもいるし!!

 

 

「ブハハハハハ、ナマコ!ナマコ!!」

「キモ!キモなのじゃ!!」

「征哉、やるよオラァ」

「ふっざけんな悟テメェ!!投げてくるな!!」

 

 

 ナマコってこんなに気持ち悪いのかよ!なんかヌルヌルするし見た目キモイ!!

 

 

「悟!征哉!時間だよ」

「あ、もうそんな時間か」

「ふむ、残念。そろっと帰るか」

 

 

 帰ろうと陸に上がる時、しゅん……ってした天内を見た悟は「戻るのは明日の朝にしよう」と言った。

 ほら、やっぱり根はいい奴なんだよなぁ〜!クソガキだけど。

 

 

「それに……、東京より沖縄の方が呪詛師(じゅそんちゅ)の数は少ない」

「ククッ、言い方ウケる」

「もう少し真面目に話して」

 

 

 天候は安定してるし〜とか言ってたけど、つまり明日の朝まで滞在ってことでいい?

 でも悟の負担ヤバいだろ。見るからに昨日から術式解いてないみたいだし、加えて一睡もしてないじゃん。

 

 

「本当に高専に戻らなくて大丈夫か?」

「それは俺も心配。ぶっ倒れたらどうする」

「問題ねぇよ。桃鉄99年やった時の方がしんどかったわ。それに、お前らがいる」

「「……はぁ」」

 

 

 その信頼に嬉しく思えばいいのか呆れればいいのか。

 とりあえず、悟の睡眠のために夜の間は交代で護衛しような。明日は例の日だから俺個人も備えないと……。あー、タイヘン!!

 

 

 

 





アニメオリジナルの部分を含めました。ちな作者は単行本派です。
アニメみながら単行本読んで執筆してます。同時進行ウケんね。


……ガラケーでグループ通話ってできたっけ。まぁ、いいか。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。