御三家に生まれたので生存戦略を遂行する   作:超甘味

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妄想と捏造の産物とご理解ください〜
では行ってらっしゃいませ。

閑話みたいなやつ。


俺、喧嘩した事後。

 

 

 Noside

 

 

 落ち込んだ傑は置いておいて、少し時を遡り最強達を見てみよう。

 

 

「満足か?」

「あぁ、スッキリしたよ」

 

 

 依然、空中に浮かんだままの2人は現実逃避をしていた。

 それぞれが繰り出した虚式【茈】と比礼【(うずみび)】の衝突は辺りを更地にするほどの威力だったのだ。

 

 

 なるほど、どうやらここが人外魔境らしい。もう一生喧嘩しないでくれ……、と2人を知る者は胃と頭を抑えるだろう。

 

 

「五条家も……、手を貸すぜ」

「事の発端は悟がハイになったからだけどね」

「征哉だってハイになってたじゃん!」

「……ソウデスネ。禪院家も動かすしかねぇか」

「「あと高専と上層ジジイ」」

 

 

 後始末が面倒なのは二人の間での共通認識だった。

 更地になった盤星教『時の器の会』の敷地……。どうやって揉み消そうかと考え始めたら頭痛がしてきた。

 

 

 草木はひとつも無い。コンクリすら掻き消えた。どっかの国から爆撃を受けたって言われた方が頷ける更地具合だ。

 

 

「それで征哉、天内は……」

「生きてるよ、黒井さんも。影の中にいる」

「ハー、そうか。よかったー」

 

 

 あんだけドンパチ殺っていても影の中に影響はないのだから凄いものだ。まぁ、そんなことはどうでもいいか。

 

 

「天内は同化を拒んだ」

「まじ?ま、そんな気はしてたけどな」

「そうなんだけどさ、……いや、問題ないか」

 

 

 征哉は改めて考えた。天元様と星漿体と六眼の因果。運命とかいうクソ喰らえな巡り会いについて。

 その因果とは天元様と星漿体の同化を六眼の術師が守るというものだと予想できる。少なくとも征哉はそう思っている。

 

 

「俺達にとってイレギュラーはバッチコイ!だもんな」

「まぁ、俺達最強だし。征哉はそういうのも気にしなさそうだしな」

 

 

 ここで原作のように因果の外(伏黒甚爾)によって天内が死んでいないということは、強制的に同化が引き起こされるのが本来の道筋、未来だ。

 因果のシナリオ(運命)に沿ってって感じである。クソが。

 

 

 だが呪力を全く持たない伏黒甚爾はもちろん、征哉の存在も実は因果から外れている。

 何故かと言われれば、原作に存在しないイレギュラーこそが禪院征哉だからだ。だから因果に干渉できる。それこそ甚爾と同じように。

 

 

「俺なら大丈夫。やれるだろ」

「征哉、俺のことも頼れよな。だって俺とお前、一心同体だろ」

「……ぇ、うん。はっ、何急に。えっ?」

「愛してるぜ!って……こと。あー!クソ、あのオッサンのせいだからな!」

「えぇ、確かに俺らって似たもの同士だけど……。甚爾と何話したんだよ」

「別に」

 

 

 征哉と接触したモノは全て本来の道筋から外れている。故に星漿体を生かしたところで問題は無いはずだ、と悟との会話の裏で征哉は考えた。

 実際コレは正しい。禪院征哉という存在が生まれ落ちた瞬間から世界の運命は変わっている。

 

 

 好き勝手やっちゃお!と、なってもそれを止める補正も無いのだ。実力で殴って止めるしか方法はない。

 言い換えれば救済するのにこんなにいい条件は他に無いのである。運がいいドブクズだ。祝杯を上げよう。

 

 

「天内を殺そうとしたイカれた非術師は社会的に死んでもらおう。異論ないね?」

「ねーよ。あのオッサンは?」

「………たぶん、帰った」

「かァー……」

 

 

 悟が変顔するのも理解出来る。

 自分を殺して傑も味見して、共闘して征哉と戦うとかやべぇ戦闘をし終わったらパッと帰るとか有り得ない。

 あのオッサンは暴れるだけ暴れて後の事を自分たちに押し付けやがったのだ。

 

 

 次に会った時は殴ろう、と悟は心に決めた。愛がナンタラとアドバイスもしてきやがって、おかげで悟は征哉に変なものを見る目で見られてしまった。

 征哉の大事な家族だから殺しはしないが100発くらい殴っても文句はないだろう。それだけ暴れたのだから。

 

 

「まぁ、オッサンはいいや。クソ疲れたから帰ろうぜ」

「コレって土下座で許されるかな……」

「無理だろ、現実見ろよ」

「さっきまで悟も逃避してたけど???」

「……どうする?車呼ぶ?」

「いや、瞬間移動の方が早い」

「だよな」

 

 

 2人はこの更地の場に傑がいることに気がついていない。理由は単純、とてもじゃないレベルで疲労しているからだ。周りに気を使っている余裕はない。

 

 

 最近の2人を考えてみてほしい。

 天内の護衛で2日はまともに寝てない上に呪詛師襲撃やらゴリラ襲来、死にかけからの反転術式会得とバッチバチに災害級の戦い。……もう色々疲れすぎて限界なのだ。

 

 

「じゃあ……とりま各自解散。布団にダイブ」

「征哉の部屋行っていい?」

「は?ヤダ」

「俺こそヤダ。一緒に寝ようぜ♡」

「………寝るだけだよ」

 

 

 疲れてろくに頭も回らなくなってきた征哉だった。

 悟が自分の部屋に来ることに対して反論や文句を言いたかったが、疲れてシナシナになった征哉の脳みそは『まぁいいや』の一言で完結してしまった。大分キている。

 

 

 そんな感じで今にも疲労でぶっ倒れそうな2人は瞬間移動で高専へ。愛しのお布団へダイブするべく部屋に篭もった。

 サラッと悟が征哉の手を掴んでくるところを見るに、征哉と寝るのは本気らしい。

 

 

 プルルル……、プルルル……

 

 

「あ''ー、頭に響く。誰だよ……」

「征哉……俺限界」

「うん。先寝とけ」

「ん……」

 

 

 血塗れた制服を着替えて悟は征哉のベッドに倒れた。付着した乾いた血がパラパラと落ちるが文句は言ってやれない。自分も大抵似たような状況であるからだ。

 征哉は3秒でおやすみした悟を起こさないように1度頭を撫でて血を落としてやり、部屋から退出した。それからガラケーに表示された相手の名前を見て顰めっ面で電話に出る。気分は最悪だった。

 

 

「はい、禪院です」

『あぁ、征哉くん……。五条悟と戦ったと情報が入ってきたんだが、これについて何か言うことはあるかね?』

 

 

 お忘れかと思うが禪院征哉は上層部に籍を置く。コレは所謂、お説教電話だ。

 

 

 上層部が持つ情報収集機関は素晴らしい。流石呪術界の中枢と言えるくらいに情報が集まるのだ。

 そして今回の最強同士の喧嘩も上層部の耳に入るのは不思議じゃなかった。

 

 

「……何から話せばいいのか。御前試合()のように相打ちとかではないですよ。戦闘の内容は同じくらいでしょうけど」

『我らは実際に見ていない故なんとも言えんが、ちと頭を抱えておる』

「でしょうね。帳は張ってないし、周辺は更地……。非術師からしたら大混乱ですよ。おまけに術師や呪詛師側には五条悟とタメ張る僕の実力が知れ渡った」

 

 

 周りを気にしない戦闘は周囲への被害が大きすぎた。主に帳を張らなかったのが征哉たちのお叱りポイント。

 一部のパンピーには丸見えだったかもしれないのだ。大事になれば謝罪じゃ許されない。

 

 

 それから征哉が危惧していた実力の漏出。

 まぁ、ここまで来たら仕方ないとしか言えない。上層部にも隠していたのが周知され、上層ジジイ共にネチネチ言われそうだと、今にも寝落ちそうな征哉の目は死んだ。

 

 

「いい事ないですね」

『いや、そうでも無いぞ?五条悟と相反するお主とその実力を見込んで正式に上に立てようと言うのが我らの意見だ』

「はぁ、呪術総監ってことですか?」

『高専を卒業後を期に、な』

 

 

 総監部とは、呪術師を統制する最高機関として日本国政府内に設置されている機関である。

 

 

 その長が呪術総監。呪術総監は禪院家・五条家・加茂家の指名に基づき、内閣総理大臣が任命する。

 呪術高専学長への指揮権を有し、緊急時はすべての呪術師に対して直接指揮監督を行うことが可能。っとまぁ非常に強い権力を有している。

 

 

 また、呪術規定に背いた術師に対しては死刑・封印・拘禁などなど、様々な懲罰を下すこともできる権力の塊。

 そんなやっべぇヤツに自分がなれとジジイに言われたのだ。疲労でシワシワになった征哉の脳は眠気が吹っ飛んだ。

 

 

「なぜ僕なんですか。相応しいとは思えないのですが」

『自覚しておらんのか?お主は禪院次期当主、幼い頃から上層部と関わり、今ではその中堅。実力は五条悟と同等かそれ以上、それでいて五条悟とは反する……、征哉くん以上に適任な者が今後現れると?』

 

 

 ここで征哉は心で異議ありと叫んだ。悟と反する?いやいや、まさか敵同士じゃあるまいし……。と思った。

 征哉からしたら何言ってんだコイツ状態ではあるが、上層部からしたら冗談抜きで真面目に言ってるのだ。

 

 

 思い返せばそういう勘違いをするのも理解できなくはない。

 元々家同士はクッソ仲悪いが本人達は仲がいい、しかしそんな雰囲気にも関わらず五条悟(と夏油傑)の監視を嫌と言わずに遂行、それから次元が違う大喧嘩……。

 

 

 ジジイ共は事の側面しか知らない為、『禪院征哉は監視の件もあり、表面上で革命派の五条悟と仲良くしていたが本当は上層部側だった為に中違いした』と判断したのだ。

 ジジイ共は完璧に、征哉が上層部側であり自分たちの味方だと錯覚しているワケである。実際は全くそんな事ないのだが。

 

 

「なるほど……、縁があればその話受けさせて頂きます」

『征哉くんが上に立った時、五条悟はどう思うのか……。ハッハッ!悔しがる顔が目に浮かぶわい!!』

「アハハー……」

 

 

 どっちかって言うと喜びそうだけどな、というツッコミは飲み込んだ。

 悟は表で革命、征哉も裏で上層を乗っ取って革命したら呪術界がピカピカになるだろう。こんなにいい展開は無い。未来の為に呪術総監に俺はなる!と、征哉は心に宣言したのだった。

 

 

『そうじゃ。忘れておったが征哉くんの等級はどうする』

「あぁ、出来れば特級は避けたいんですけど……、無理ですよね」

『厳しいな。その力は既に特級の条件を満たしている』

「単独での国家転覆が可能、ですか」

『征哉くんなら世界をも手にかけられるだろう?』

「世界滅亡ですか?笑えないですね」

 

 

 国家転覆どころか威力が違えば世界転覆できる、というのは特級らしい理由である。

 なんなら反転術式の会得によって術式の上限が無くなった為、この世から呪力を消滅させることもできるのが征哉だ。

 

 

 流石に征哉の事が大好きな上層部のジジイ(一部を除いて)も2級に留めることは出来なかった。

 それに、呪術総監になるなら最低でも1級レベルでないと認めて貰えない。呪術界は弱肉強食、実力主義なのだ。

 上層部側に禪院征哉(最強)いたら五条悟(最強)も大人しくなりそうだし、とか色々な理由も含めて征哉の特級認定は免れない。実に合掌である。

 

 

『さて、呪術総監と等級については話したな。次は……分かっておるな?』

「……はい」

 

 

 vs悟についてのお説教が始まったのは言うまでもない。小一時間問い詰められた征哉の目には生気が無かった。

 上層ジジイとの通話が終わり、やっと寝れる……、と思ったら今度は禪院(実家)からの電話。

 揉み消し騒動に駆り出され、気がついたら朝日が登っていた。なんならもうお昼である。

 

 

 更地になった場所は宗教関係で実験をしており、その実験所が爆発した。と表向きに処理された。

 強引ではあるがそうするしか他ない。その後盤星教も殺人未遂として告発され、信者全員が捕まった。

 

 

 全ての後始末を終えて、影の中に入れた天内と黒井さんを夜蛾先生に渡してから自室に帰った征哉。

 無事三徹目を迎えた征哉は八つ当たり気味に自分のベッドでグースカ寝ている悟にダイブした。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 禪院征哉side

 

 

 ゴリラ襲来前にサマーに言った通り、僕は3日間気絶するように寝た。

 ってことでどうも。後始末を超頑張った禪院征哉です。モブクンって呼んでくれ。

 

 

 実は一人称変わったんだけど……、気づいた?サマーに一人称『俺』は止めとけって言われたし、なんか覚醒もしちゃったからキリいいかなって思ってさ。呪術総監になるためには礼儀も大事だしね。

 

 

「サマー……」

「ん?なんだい?」

「いや、なんか元気なさそうじゃん。だからデジモンやろう」

「なんでデジモン……?」

「え!天内の任務の時に約束したじゃん。僕との約束忘れちゃったわけ??アリエナーイ、ゲンメツーー」

 

 

 天元様同化の任務から数週間が経った。

 寝こけた僕が数日ぶりにサマーと再会したらすっげぇ落ち込んだ雰囲気で笑ったわ。どうしたのって聞いても別にってはぐらかされるんだよ。

 

 

 あれから元気ないのが継続してるし、なんか惨めなのが見てられないからこうしてデジモンに誘ってるってワケ。

 天内は救済してるから僕にはなんでこうなったのかサッパリなんだよね。

 

 

「一人称、変わったんだね」

「まーね。『私』より『僕』の方が言いやすいし。それでも素が出ると俺って言っちゃうよ」

「私的には違和感あるね」

「ははっ、そのうち慣れるでしょ」

 

 

 ピコピコ、とゲームのコントローラーを握る。

 上層部との電話の際にいきなり一人称を変えたから間違える時はあるよ。でもやっぱり次期当主とか次期呪術総監とかになると『俺』は行儀悪いじゃん。違和感あるけど慣れるしかない。

 

 

「あ、そうだ。そろそろ天内たちが海外に行くってさ」

「へぇ、準備終わったんだ?」

「うん。国籍も用意したらしいし、衣食住とお金もある。2人で幸せに暮らして欲しいよね」

 

 

 デジモンを遊びながらサマーに報告する。

 天内は懸賞金の件で顔バレしてるし、何より呪術が身近な日本じゃ危ないから海外へ逃げよう!ってことになってる。夜蛾先生に準備を頼んだ手筈だ。

 先生って話のわかる大人だからさ〜、僕たちが決めたなら仕方ないって言って手を貸してくれたんだよ。流石夜蛾セン!尊敬するわ。

 

 

「……反転術式ってどんな感じなの?」

「ん?何いきなり」

 

 

 しばらく無言でゲームをしていた。天内達の海外逃亡を聞いてサマーの顔がホッとしてるのはスルーしてあげる。僕優しいからね。

 そうしたらなんか視線を感じたので顔を向けたら目が合った。それから上記のセリフ。話の振り方がいきなりすぎてビックリしたのは内緒な。

 

 

「いや、悟も征哉もあの時会得してたじゃないか。見てたよ」

「え!?僕と悟のハイ見てたの?」

「悟は見てないけど征哉のは見た。というか、征哉が起き上がったくらいから居たけど気づかなかった?」

「え、マジ?全然分からなかった」

 

 

 戦闘中は集中したり新しい解釈で思考回してたし、戦闘後は疲労でそれどころじゃなかったし……。

 マジかぁ……僕のハイ見られてたのか?黒歴史じゃん……。

 

 

「反転術式はねぇ……フワフワキラキラして体が軽くなる感じ?ごめん、言葉だと表せねぇや」

「いや、硝子よりは分かったよ」

「比べるのがひゅーひょいはダメだと思うんだけど……」

 

 

 もしかしてコツとか聞いてる?サマーも反転術式会得したいの?

 ………待って分かった!!僕と悟が反転術式会得したから自分も会得したいってコトだよね!いいよ〜そうならそうと言ってくれればいいのに〜!!この前髪め!!!

 

 

「呪力操作が肝心だよ。掛け合わせるイメージも」

「ん?急になんだい?」

「反転術式習いたいんでしょ?先輩である僕が教えてあげるよ」

「え、いや……」

「まぁまぁ、任せろって!!経験者が語るけど、やっぱり死にかけて呪力の核心を掴むのが手っ取り早いよ。今度死にかけような!!!!」

「えぇ……」

 

 

 手っ取り早く効果的な方法を教えてあげただけなのになんで引いた目で見るんだよ。泣くぞオラ。

 僕がせっかく教えてるんだよ?死ぬ気で覚えろや。じゃないと僕と悟に置いていかれるぞー?前髪君がいいのかそれでー???

 

 

「私が死にかける程の強敵いるかな?」

「いないでしょ。僕たち最強だもん」

「ははっ……。そっか、そうだな……」

 

 

 僕達は『3人で最強』っていうのは変わらない。今も昔もこれからもね!僕と悟が1歩進んだならサマーも1歩進めばいい話だし、3人で呪術界を突っ走る!っていつの日か言った気がする。

 

 

 改めてサマーにその話をしたら泣きそうな顔で笑ってた。

 ちょっと元気になった?サマーが笑ってくれて僕も嬉しいよ。シュンってなってるサマーは見たくねぇし。いつもみたいに胡散臭い笑顔貼り付けとけ!!!

 

 

「そういえば、征哉」

「ん?」

「私の事を名前で呼んでくれないのかい?」

「うーん、なんかサマーで固定されちゃってるし……」

 

 

 元気になったサマーはいつもの軽口が増えた。ウンウン、良かった〜。メンタルが回復したようで安心!

 でもさ、サマーはサマーでしょ。それ以外はありえない。

 

 

「じゃあ私も君の事はあだ名で呼ぼうかな。ずっと考えてたのがあるんだ」

「え、なになに?」

 

 

 サマーが考えてたあだ名?めっちゃ気になるわ。でも待て、お前なんかニヤニヤしてるじゃねーかよ。絶対ろくなあだ名じゃない。

 

 

「パクリ術師」

「おい」

「パクリ野郎でもいいよ?」

「よくねぇよ」

 

 

 いや、確かに僕を表す言葉ではある。だって僕って色んなのパクってるし。パクリで半分くらい形成されてるし。

 

 

「理由聞いていい?」

「征哉ってさ、式神化呪霊を操るじゃないか」

「うん」

「私みたいなデメリットも無しにだよ?丁度いい呪霊操術みたいでイラつくよね」

「完全な当てつけじゃねーか!!!!」

 

 

 確かに認めるよ!僕のソレはサマーのパクリですよ。でも誰もクソ不味い呪霊玉なんて飲み込みたくねぇだろ!!

 ……あ、てか今デメリットって言ったな?問い詰めるチャンスじゃん。

 

 

 ふんっ、僕の前で口を滑らせたのが良かったな!ここで僕が救済のために動いたら、きっと未来じゃ僕に感謝しまくって腰折ってるだろうさ。

 

 

「サマー……デメリットって何。初耳なんだけど」

「……あっ」

「あっ、じゃねぇよ。説明しろ傑」

 

 

 そこから知らされる新たな事実。まぁ、僕は原作で知ってましたけどね!やっぱりリアルで本人から言われると気分悪い内容だな。

 

 

「じゃあ何?お前はずっと吐瀉物を処理した雑巾の味を飲み込んでたってわけ?なんで僕たちに言わなかったんだよ」

「いや、私が弱音を吐くには……」

「これも弱者生存?お前が我慢して全部背負うことが正しいって?」

「……」

「……だから、いい子ちゃんやめろって言ったろ。僕の方でも解決策考えとくよ」

 

 

 現実的に言うなら呪具かなんかで味覚を消すのが一番かな……。僕の影で味覚を侵食させる?あ、でも行き過ぎちゃって五感消しちゃうかもな……。

 

 

「これも非術師を守るためには仕方ないことだろう」

「……サマーがそう思うなら今はいいけど、言っとくよ?この世界じゃ、傑みたいな良い奴から死んでいくんだよ」

 

 

 善人の方が早く死ぬ。結局最後まで残るのはバカな悪人と頭のいい卑怯者。コレはみんなが知る常識。

 この期に及んでまだ『非術師のために〜』って言ってるのを見ると、前の喧嘩みたいに綺麗事すぎて反吐が出そうになる。でも盤星教のトラウマ拍手は見せたくなかったしなぁ。どうやったらクソな現実をわかってくれるのか。

 

 

 サマーは一般家系出身だからか僕や悟と違ってマトモで優しい善人思考だし、呪術センスはあるけど心とか精神がまだまだ弱い。

 だんだんと鍛えられてはいるけど原作闇堕ちの時期には間に合わない。だから原作じゃメンタルがゴリゴリ削られたんだし、偏った思想を持ってしまったんだろう。

 

 

「言っとくけど、一方だけが悪で善っていう思考は止めとけよ」

「……例えば?」

「呪術師にはクソみてぇなヤツもいるし良い奴もいる。それは非術師もそうだ」

「クソ……がいるのか。この界隈にも」

「分かりにくいでしょ、人助けって名目で呪霊祓ってるとヒーロー扱いされがちだもんね。でも、もうちょっと色んなところに目を向けた方がいい。上層部とかヘドロの集まりだよ」

「知らなかったな。てっきり皆、持ちうる力を使って任務に……」

「そんなやつ数えるくらいしかいないよ。残りは働かねぇ老害共と金で適当にやってる術師が占めてる」

 

 

 サマーって術師に夢見すぎてたんじゃないかな。だから原作でも術師が正しい!みたいな思考にイッちゃったんでしょ。

 

 

 サマーの考えは分からなくもない。上層部とズブズブの僕と違って傑は呪術界の闇を知らないんだ。単なる勉強不足だね。仕方ないからら今日は朝まで術師のクソを語ってやろう!

 そうしたら少しはサマーの心構えも変わるでしょ。トラウマ拍手の代用とでも思ってくれ。呪いなんてモンを扱ってるくらいだから、呪術界隈はクズしかいないんだって教えてあげなきゃ。

 

 

「よし、サマー。耳かっぽじってよーく聞けよ!!!」

「何を?」

「第1回!呪術界&呪術師のクソなところ愚痴大会!!お前のために術師のパイセンとして僕が講談を開いてやる」

「……はぁ?」

「ほら座って。ちゃんと聞いてろよ」

 

 

 声が枯れるほど愚痴を言った僕は悪くない。悪いのは不満が沢山あるこの呪術界と呪術師である。

 第1回の愚痴大会はサマーの魂が抜けそうになるまで続いた。言っとくけどこれで終わりじゃないからね。第2回も第3回も開いたらサマーの世間知らずも治るでしょ。これはキミのためなんだぜ、サマー。(肩ポン)

 

 

 

 

 





とりあえず吐瀉物雑巾を解決してサマーを覚醒させなきゃ。
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