妄想と捏造の産物とご理解ください〜。
では行ってらっしゃいませ。
書類を片付ける日々。マシュマロが大量に乗ったココアを手にして、提出された全ての報告書に目を通した。
「………え」
そのうちの1枚に手が止まる。内容は1000年振りの宿儺の器について。
六眼で確認済みのため信憑性は高く、特級術師2名が事実を承認。って書いてある。これ絶対悟とサマーだろ。
「……まーた知らない間に原作始まってやがる」
って事でどうも。去年の百鬼夜行で悟と仲直りした禪院征哉だよ。
御年28歳!数え年は29歳の立派なアラサーだ。
見た目は学生の時からあんまり変わってないし、ついでに身長も172で止まったけどね。チッ!!!
「総監!老大人が皆お呼びです」
「そう。なんの用?」
「宿儺の器について、緊急会議を開くそうです。総監のご参加を願います」
「分かった。……繋げて」
長時間座りっぱなしだった腰を伸ばしてグラサンをかける。
別に僕は悟みたいな眼を持ってるわけじゃないから、保護目的でかけなくたっていい。でも約10年間、これが悟に変わる相棒だったから無いと落ち着かないんだよね。
準備が出来たら秘書に頼んで僕の姿を投影してもらった。
上層部の皆は基本的に別々の場所にいるから、こういうリモート会議は普通に助かる。
ホログラムで辺りを見渡せば既に集まっているようで、僕が上座に座れば恒例の社交辞令と会議が始まった。
「処刑すべきです!あのようなモノは災いを呼びます!!」
「恐ろしく、なんと嘆かわしい事か……。両面宿儺の器など死して浄化するべし」
「……恐ろしくはありますが、すぐに処刑したとして残りの指はどうするのです?次の器が現れるのは何百年先になりましょう」
「器の耐性が低かった場合は暴走も考えられる。新たに指を飲み込ませたとして、瞬きの間には我らの首が飛んでいることもあろう」
「発見したのは五条悟と聞いたぞ」
「夏油傑も絡んでいるとか。あの童共、昨年に続き、何を考えているか分からんな」
頭上で飛び交うジジイの声。中々纏まらないね。
まぁ、それもそっか。両面宿儺の器とかビックニュースすぎるし。僕も動揺して報告書クシャクシャにして思わずペン折っちゃったもん。
一応上層部でも若い人材を採用してるんだけど(最終的に書類にハンコを押すのは僕だからね)、やっぱりこういう会議だと歳若い者の発言権は低いらしい。これは改善すべき点だな。覚えておこう。
「総監はどうお考えか?」
「……そうだね。執行猶予を付けて秘匿死刑に処す。全ての指を飲み込ませる前提で宿儺とその器を諸共俗世から消そう」
「うむ……。禪院様がそう仰るなら……」
「仮に器が暴走して両面宿儺が表に出てきた場合でも僕が自ら手を打とう。ちょっと大変だと思うけど、相手できるからね」
宿儺が暴れたその時はその時だ。僕が戦って責任を負うよ。
よし、処遇が決まった事だし早速高専側に通達しよう!器である虎杖悠仁は今頃地下の隔離部屋にいるはずだし、悟やサマーも判決がどうなったかソワソワしてそうだ。
「これにて会議を終了する。では、解散」
「……あのぅ。禪院さん」
「ん?どうした」
会議を締め、秘書に接続を切ってもらった所で声をかけられた。
振り返ればよく知る顔。数日ぶりに見る
顔色から忙殺されてるのが伺える。補助監督ブラックだね……。ま、術師もそんなもんだ。この界隈だから仕方ない。
「五条さんから早く審議の結果を聞いてこいって言われまして……。上に締め出されたことにイラついてるようです」
「なにそれウケる。ジジイ共は悟に介入させたくなかったんでしょ。
「禪院さんもですか?」
「まさか。若人から青春を取り上げる気は無い」
大人の都合で子供達の青春を邪魔しちゃダメなんだよ。……あの頃の僕のようにはさせないさ。
「宿儺の器、虎杖悠仁は執行猶予付きの秘匿死刑に決定だ。全ての指を取り込んでから処刑……って話は纏まったけど、その後も抑え込める檻となれるなら死刑は取り消すよ」
「え、それってアリなんですか?」
「僕がアリって言ったらアリなの〜」
「……傲慢「伊地知マジビンタね」すみません!!!」
ハー、生意気な後輩だ事。でもそこが伊地知のいい所だ。人間離れした僕や悟、傑に気弱になりながらも怯えないし。
僕にこんな口聞ける部下ってお前くらいだよ。立派な腹心だね。
「禪院さんがご自分で行かれないので?」
「器についての仕事があるから無理〜。あ、僕のおかげで執行猶予付いたんだから感謝しなよって言っといて」
「えぇ……、私が五条さんに怒られるんですけど?」
「ヘーキヘーキ。強く生きてくれ」
これでも僕、呪術総監と特級術師の兼任だからちょーー多忙なのよ。宿儺の器なんかが登場したらもっと忙しい!!
って言っても書類仕事とか任務(距離にもよるけど)は分身体に任せてるから本体はそこまで忙しく無いけどさ。
それはそれとして、去年のメロンパンが言っていた僕の前世関連も調べなきゃだし、前世の
僕的には破壊されてると嬉しいんだけどね。
「禪院総監!報告ッス!頼まれてた呪物の件について結果がきましたッス」
お、噂をすればだ!伊地知と入れ替えに新田が来たね。
口癖が『〜ッス』ってのが可愛い後輩だ。確か京都校出身だっけ。直哉が言ってた。
ちな直哉は今、京都校で先生やってる。僕も聞いた時驚いた。あの原作では生きるゴミクズだった弟ちゃんが先生だと!?!?ってね。人生意外なこともあるもんだ。
「どうだった?」
「例の十種神宝と呼ばれる元呪具は現在呪物となって確認されてるッス。文献にもあるように平安時代の持ち主の死後、強すぎた信仰が呪具に向けられたみたいッス」
「ふーん。それで呪物になって化けたと」
メロンパンの口振りからして僕の前世って優秀らしいし、しかも今の僕より全然強かったでしょ。
やらかしは多いだろうけど僕の事だから上手く隠してそう。
汚いところを隠していい所だけ見せる。呪術師側でも呪詛師側でも……まぁ、どっちでもいいけど。僕ならそうするね。
こりゃパンピーに信仰されるのも頷けるな。なんなら強すぎて仲間内から恨みとか買ってそう。
「10個の内4個は呪物としての機能が失われてガラクタに、1個は破壊されてましたッス。残りの3個は多分封印されているのを確認、2個は行方不明ッス!」
「多分?」
「はいッス!多分ッスけど、封印を認識できる人とできない人がいるようでして、特殊な術と結界が張られてましたッス。悪意ある人には見えない的なやつじゃないッスかね。自分は認識出来ましたッス」
「あぁ〜、そういう事ね。(道理でメロンパンが見つけられないわけだ)」
「どうぞッス」と言って新田が渡してくれた調査報告書に目を通した。
……十種神宝は全部で10個。鏡2種、剣1種、玉4種、比礼3種だ。
そのうち鏡2つと比礼2つはガラクタに成り果てて、
それぞれ別で封印してあるから何がメロンパンに奪われてるのかも分からないのか。
「行方不明の2つはどうしますっか?捜索します?」
「いや、心当たりあるからいいよ。調べてくれてありがとう」
「いえいえ!では自分はこれで失礼するッス!お疲れ様ッス!」
僕が思うにメロンパンが所持してるのは玉2種だね。既存する神話だと下のような内容だ。
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「となれば残りは3つだけど……。前者2つっぽいな」
意味合い的に『願いを託す』と『願いを叶える』って対になるよね。それって愉快大好きストーカーのクソメロンパンの野望にピッタリでしょ。
昔の僕がどういう効果を付与して作ったのかは知らないけど、多分この予想は正しい。
そしてもう1つ、メロンパンは前世の僕がかけた保険に嵌められたって言ってた。
メロンパンにとって何らかの不利があるんだろう。よくやった前世の僕!結構クズだったらしいけど!!!
「ふむ、……目的は、受肉用?」
うん、これが最大の疑問だよね。奪った2つの内1つは受肉してメロンパンの肉体になってる。じゃあもう1個は?
アイツは絶対ろくな事に使わない。これは断言できる。
僕に飲ませて記憶を取り戻させるとかはやめて欲しいな。今の僕が前世に塗り替えられる可能性があるから切実に避けたい。
「はぁ……。(殺したい)」
自己中ストーカーのメロンパンの死に際には
◇◇◇
──2018年7月 西東京市 英集少年院
虎杖悠仁side
俺は正しい死を求めてる。爺ちゃんの遺言でもあるから。
でも、今は猛烈に逃げたい。痛い、辛い!なんで俺が!あの時指なんて飲まなければ!と思った。考えるなと、必死に自分に訴えかけてる。
「自惚れてた……。俺は強いと思ってた。死に時を選べるくらいには強いと思ってたんだ……」
初めは少年院で確認された受胎だった。それが特級になって、今俺と対峙してる。
それで思い知った俺の弱さ。俺はこんなにも弱かったのかと絶望した。
「俺は弱い、全っ然弱すぎる……!あぁ〜!死にたくねぇ!!でも……、死ぬんだ」
『正しい死か?』じゃねぇよ。甘えんな。
学長は呪術師に悔いのない死などないって言ってた。
それでも、この死が正しかったと言えるように、憎悪も、恐怖も、後悔も……全て出し切る!!拳に乗せる!!!
──ワォーーーン!!
力と呪力を振り出して呪霊に向かって拳を入れた。そこから赤く、黒い火花が散ったのが見えたけど、それより俺は伏黒の合図に気を取られた。
この合図は……、俺が宿儺と変われるように伏黒に頼んでいたものだ。脳がそれを理解した瞬間、俺の意識は暗転した。
◇◇◇
宿儺side
散歩が嫌だったらしい呪霊と少し遊んでやった。
そうしたらどうだ?直ぐに死に仰せたぞ。脆いものだなぁ、暇潰しにもならん。現代で言う特級を冠するというのに、少しばかり残念だ。
まぁ、考えてみればそれもそうか。俺も特級に分類されるそうだが、虫けらと俺とでは天地の差だろう。
その分あの
「ッ!!」
「残念だが、
「ぅ……」
「そう怯えるな。今は機嫌がいい。少し話そう」
外に逃げた黒髪は小僧のことを待っているらしい。
生憎、小僧は俺と変わるのに少々手こずっているようだ。なんの縛りもなく俺を利用したツケだな。
だがそれも時間の問題だろう。そこで俺に今できることを考えた。
胸に手を添え、小僧の心臓を抉り出す。
「フフフ……、小僧を人質にする」
「人質……!?」
「あぁ、俺はこれ無しでも生きていられるがな。小僧はそうもいかん」
この状態で小僧が俺と変わること、それは死を意味する。そして更にダメ押しで先程の虫けらが持っていた指を飲み込む。
「さてと、晴れて自由の身だ。もう怯えていいぞ」
「……」
「殺す。特に理由はない」
「分かってないんだな。あいつは……、虎杖は戻ってくる。その結果自分が死んでもな。そういう奴だ」
「買い被りすぎだ。こいつは他の人間より多少頑丈で鈍いだけだ」
先刻も今際の際で怯えに怯え、ごちゃごちゃと御託を並べていた。
見ていて愉快だったがなぁ。……断言する、小僧に自死する度胸はない。
キリが良く会話が終わったところで黒髪が術式を発動し、俺に向かってきた。
「……フッ、面白い。式神使いのくせに術師本人が向かってくるか」
昔は距離を取っての戦闘が主流だった。
何せ、相対する互いとも術式の詳細も威力も知らないのだからなぁ。お互いを警戒した故に中・遠距離からの攻撃だ。今ほど情報が流通する世でもなかった。
故に、ノコノコと近づいてきた奴は近距離系の術式だと知れる。それさえ分かってしまえば後は相手側の有利だ。
考えればあの時代ほど体術が不遇な時はないだろう。
俺に体術を叩き込んだあの男も、きちんと鍛えれば術式と併用して意表を突けるのに勿体ない、とほざいていた。はて、あの男はどうしているだろうか。いつからか俺の前に姿を表さなくなったな。
「フゥッ!ふん!」
「もっとだ……。もっと!」
「なっ」
「もっと呪いを込めて打ってみろ」
弱いなぁ。まだまだ餓鬼だ。全然呪いが篭っていない。
1発殴っただけで怯むのは術師としてどうかと思うぞ?かつての戦場なら決して生き残れない脆弱さだ。これでよく術師を名乗れる。
「大蛇!」
「ん?」
「畳み掛けろ!!」
しかしこいつ、弱いなりに思ったより頭が回るな。少なくとも小僧よりはいい。
足元から顕現した式神はカウンターには十分だ。が、俺にとってはどうって事はない。少々脆い上にすぐ破壊できてしまった。
術者も赤子のような幼さだ。細身だからか俺が少し蹴っただけで遠くに飛んでしまった。まぁ、端からあまり期待はしておらんがな。だが、
「いい術式だ!」
空中で鵺とやらに掴まれている黒髪を地面に叩きつけた。
黒髪が式神を解いたのを見て、先程から思っていたことが明白になったな。
「なるほどな。お前の式神、影を媒体にしているのか」
「……ならなんだ?」
「ふむ……」
そんじょそこらにいる呪符を使う在り来りな術式では無い。応用も効く。何より既視感があるな……。はて、何処だったか。
「分からんな。お前あの時、なぜ逃げた?」
……あぁ、そうか。そうだった。あの男が使っていた術式とよく似ている。
この黒髪が扱うソレは、アイツが作り出した派生の術式では無いか?ククク……、いい事を思い出した。
「フッ、宝の持ち腐れだな」
「うん?」
「まぁ、いい。どの道その程度では
もしかすると、この黒髪はあの男の生まれ変わりかもしれん。いや、だがそれにしては似ても似つかぬ。
アイツならもっと上手く術式を使うだろう。体術も呪力操作も、あの男の力はこの餓鬼とは比べ物にならん。鬼神である俺すら認めざるを得ない猛者だ。
生まれ変わりでないとしても、派生の術式がこれほどまで弱体化しているのをアイツが知れれば憤慨するだろう。
あの男は己の力を遺すことに固執していたからなぁ。結果がこの黒髪とは俺も興醒めだ。
「つまらん事に命を懸けたな。この小僧にそれほどの価値はないというのに」
……んん?黒髪の気配が変わったな。先程までと一変、呪力の質が重く濃い。
その流れに極僅かにアイツの気配を感じる。ほう……?血縁というわけか。だったら余計、その弱さが残念でほかならない。もっと本気になれ。
「いい、いいぞ!!お前が命を燃やすのはここからだったわけだ。なるほど……そうか、それなら魅せてみろ!!伏黒恵!!!」
伏黒恵の呪力が跳ね上がる。ヒヒッ、いいぞ。もっとだ!もっと俺を楽しませろ。戦いはこうでなくてはなぁ!!!あの男の影を味わせろ!!!!!
「布瑠部由良由良八握………」
「……!」
「…………言っておくが俺は、お前を助けた事に論理的な思考を持ち合わせていない。危険だとしてもお前のような善人が死ぬのを見たくなかった」
あ?何故止めた。……チッ、小僧に語りかけているのか。俺が抑え込まれる。
「それなりに迷いはしたが、結局は我儘な感情論。でも……、それでいいんだ」
はぁ、今回はここまでか。折角いい所だったというのに小僧が出てきやがった。もう少し遊びたかったのだがなぁ……。
「俺はヒーローじゃない。呪術師なんだ。だからお前を助けたことを、1度だって後悔した事ない」
次は伏黒恵にアイツのことでも聞いてみるか。知っているかは知らんが、大方ヤツの血縁の子孫だろう。あの男は妻も子もいなかったからな。
それかアレだ。転生体か、俺の器のような存在の親族だ。うむ、そうだと良いなぁ。あの男の傍にいたあの頃は夢見心地だった。
「ケヒッ、懐かしい」
小僧に抑え込まれた生得領域内で言葉を零す。はぁ……、これからは楽しくなりそうだ。
◇◇◇
禪院征哉side
ギィ……、と重たい金属のドアを開ける。
悟に呼ばれて僕が向かったのは死体安置室だ。どうやら宿儺の器、虎杖悠仁が死んだらしい。
……まーた知らないうちに原作が進んでるよ。
ねぇ、何。何なの?僕総監だよ?情報回ってきてないんだけど??
誰だよ勝手に任務降ろしたジジイは!殺してやろうか!?
「ムカつく。誰のおかげで今も息できてると思ってんだろ」
「ちょっと深呼吸しよう征哉。殺してもいいけどバレないようにね?」
「なんだ、サマーも殺しには賛成なんだね」
「もちろん。教え子が死んだんだよ?」
この場に集まったのは僕の同期と伊地知だ。悟はさっきからキレてるし、伊地知は可哀想なくらい冷や汗を流してる。
サマーも青筋を浮かばせて静かに心を煮えたげている様子。僕もそうだ。
「わざとでしょ」
「……と、仰いますと?」
「僕の居ぬ間に特級を利用して宿儺の器を始末、他2人が死んでも僕らに嫌がらせができて一石二鳥とか思ってたんじゃない?上のジジイが考えそうな事だね。征哉は知ってた?」
「知ってたらこんなに怒ってないよ。今誰がやったか調べてるところ」
「だよね。犯人探しも面倒だ。いっその事、上の連中全員殺してしまおうか」
「それはダメだよ悟。征哉が反面教師を残すって言ったんだ。上層部の事は任せよう」
こういう不幸な話が上がると上層部内の裏切り者が匂うね。ほら、原作でもいたじゃん?メカ丸のやつでさ。
だから今はその裏切り者を特定中だ。動向を監視、メカ丸の事件を対処出来れば尚良。こりゃまた溜飲が下がる大仕事だね。
「随分と感情的だな。彼の事、随分とお気に入りだったんだな」
「お疲れ様です!家入さん」
「僕らはいつだって生徒思いのナイスガイさ」
「悟はともかく、私は教師らしいだろう?」
「あ?それどういう意味で言ってんだ傑」
「別に?」
僕が近い未来を見据えていたら、目の下にはっきりしたクマをこさえた白衣姿の硝子が登場してきた。
どうやら今から解剖をするらしい。マスクとゴム手袋、その他道具を用意している。
……まぁ、僕、この後に虎杖悠仁が生き返るのは知ってるんですけどね。
その裏で起きる宿儺の一方的な縛りの件は僕も防げようにないしなぁ。困ったもんだね。考え始めたら頭が痛くなってきた。
「ちょっと君達、もう始めるけどそこで見てるつもりか?」
「「「「あっ」」」」
「うん?……え''っ」
わ〜、思ったりヌルって起き上がったからびっくりしちゃった。
なにその寝起きみたいな表情。こっちは驚きで心臓止まるかと思ったんだけど……。
「おわっ、フルチンじゃん」
「ごごごご、ご、五条さん!!!」
「ククク」
「サマー、これって幻覚かな」
「だったら私も同じ幻覚を見てることになるね」
「い、生き……生きっ!!!!!」
「「「伊地知うるさい」」」
アハハ、伊地知の焦り方新鮮でいいね。
取り敢えず、虎杖悠仁がちゃんと生き返ってくれて良かったよ。紙越しに見るのとリアルで体験するのは違うね。
「あぁ、ちょっと残念……」
「見て、征哉。硝子ってば解剖に乗り気だったんだね」
「あらヤダ、サマー。呪物の器なんて希少価値高いからさ。きっと僕たちが死んでも笑顔で解剖するよ」
「おいそこの2人聞こえてんぞ!!」
「悠仁。おかえり」
「おっす、ただいま!!!」
手を上げた悟は虎杖悠仁と軽快な音を立ててハイタッチをした。その横で僕とサマーは硝子からメスを投げ飛ばされるのを軽快に躱す。
いいなぁ……、僕も先生になればよかった。悟みたいに子供達と仲良くしたい〜!!硝子に実験台にされるより余っ程楽しそうじゃん。
「報告、修正しないとね」
「このままでいいよ。また狙われる前に悠仁に最低限の力をつける時間が欲しい」
「じゃあ、がっつり匿う感じ?」
「いや、交流会までには復学させる。征哉も上層部ではそういう話で通してくれ」
「おっけーサマー。僕に任せろ」
フフフ、上手くやるさ。だから悟とサマーはちゃんと扱くことだね!
交流会の日は休み取るって秘書にも言っておこう。
何気に存在しない記憶のブラザーが見れるのが楽しみだ。あと、出来れば始末したいサイドテール呪詛師がいるしね。
今後の展開どーしよっかなぁ。