御三家に生まれたので生存戦略を遂行する   作:超甘味

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妄想と捏造の産物とご理解ください〜。
では行ってらっしゃいませ。



僕、特別講談を開催する。

 

 

 はいどうも、宿儺と一言だけ会話をした禪院征哉だよ。

 

 

 いやーまさかね、宿儺の魂に感化されてちょっとだけ前世が出てくるとは思わなかった。

 その後は頭痛が酷いし体調はゴミ。真人を祓いたかったけど七海に迷惑かけちゃったなぁ……。

 

 

「おっまた〜!!」

「チッ、五条悟。禪院征哉と夏油傑もいるのかよ」

「なぁに歌姫、僕に会いたかったの?」

「おや、照れるね。嬉しくはないけど」

「ちっげーよ!!!!ナメんな!!」

「おー怖いね歌姫先生は」

「冗談だってキレんなよ。交流会を見に来たの」

 

 

 まぁ、反省はここまでにしよう。

 昨日、僕はどーしても交流会が見たかったから秘書に土下座した。だけど最近頻発してる未確認の特級やらで休みをもぎ取ることが出来なかった。

 

 

 だがしかし、そこで諦める征哉さんではない!!!分身に仕事を任せて本体の僕は交流会に顔を出しているのだ!!やっぱ分身って最高。

 こうして、頭の片隅で必死に書類を捌いている分身を感じ取りながら、大きな台車を持ってきた悟を見やる。

 

 

「やぁやぁ皆さんお揃いで。私、出張で海外に行ってましてね。これからお土産を配ろうと思いまーす!!」

「「(しょうもないヤツ買ってそう……)」」

「京都校の皆さんにはとある部族のお守りを。あ、歌姫のは無いよ!」

「いらねーよ!!!」

 

 

 はぁ、キレ症だなぁ歌姫。僕ら3人に弄られてて可哀想に。

 ……え、なになに?お土産は僕とサマーの分もあるって?いや要らねー……。あ、お菓子ね。それは欲しい。

 

 

「東京校の皆さんにはこちら!」

「はい!オッパッピー!!!」

「故人の虎杖悠仁君でっす!!」

「「「「「………」」」」」

「えっ、……え''っ!?ぜんっぜん嬉しそうじゃない!!!う、うっそぉ……」

「ククッ、サマー今の撮れた?」

「うん、バッチリ」

 

 

 皆いい顔してるね。野薔薇はちょっと泣きそうになってる。

 それはそうと僕からは新入生を紹介します!!この間、僕が真人戦で救済した吉野順平君15歳です!!!

 

 

「東京校だから仲良くしてあげてね〜。これで1年生も4人だよ」

「よ、よろしくお願いします」

「恵、順平も式神使いだから色々教えてやって」

「……まぁ、兄さんの頼みなら。伏黒恵だ。よろしくな吉野」

「うん。よろしくね、伏黒君」

「ん?見た事ない人ね。伏黒の兄弟?」

「いや、血縁なんだってさ。あの人総監なんだよ。五条先生の同期」

「マジ?あの呪術総監?」

「マジマジ。見た目だけだと五条先生と同じ変人に見えるけど」

 

 

 すっかりいつも通りに会話してる悠仁に笑いながらも恵に順平の事を頼んだ。

 

 

 恵は総監になる前の一時期ではあるけど僕に師事していた。体術に関してはあのフィジギフゴリラね。

 僕が教えたことで恵は式神使いの基礎も応用も分かってる。だから順平の面倒を見るのは適任だと思う。

 

 

 とはいえ、順平は数日前までパンピーだったから今回の交流会は不参加だ。

 交流会後にでも様子を見て欲しい。それと悠仁、『変人』って言ったの聞こえてるからな。

 

 

「楽巌寺学長〜!いやー、よかったよかった。びっくりして死んじゃったらどうしようかと心配しましたよ」

「クソガキが」

「これは審議の決定に反してないよ。死んだらそこまで、生きてたら引き続き器として働いてもらうのが僕の意見だ」

「総監殿!」

「今日の(総監)フリー(休み)だ。だから好きな方に付くよ」

 

 

 ククッ、悔しそうだね。目を開いてワナワナ震えてるのウケる。

 でも勝手に悠仁を陥れたのはジジイの方じゃん。裏切り者もいるみたいだし、そんな奴らに器が生きてる事を言うわけがないんだよな。

 

 

「……それで、話って?」

「ん?なんでキレてんの?」

「別にキレてないけど」

「だよね。僕なにもしてないもん」

「チッ!!!!」

 

 

 さて、僕と悟とサマー、それから歌姫は教師が待機する部屋に移動した。

 待機室っていうより交流会の鑑賞室かな。そこで最近の出来事を話す。

 

 

 交流会とは反対に結構暗い話だけどね。歌姫も頭は悪くないから雰囲気で感じ取ってそうだ。

 

 

「高専に呪詛師、或いは呪霊と通じてるヤツがいる」

「はっ?ありえない!!呪詛師ならまだしも呪霊と?」

「そういうレベルのが最近ゴロゴロでてきたんだ。実際、悟と征哉は徒党を組んだ特級呪霊と1度戦ってる」

「僕調べだと上層部にも裏切り者がいるよ。特定はしたけど、目的と証拠が明白にならない限りは手を出せないね」

 

 

 上層部については僕が始末してもいいが、裏切りは生徒にとっても大きな教訓となる。

 学べることは学んで、吸収できることは吸収させるのが僕の持ち前だ。そのために反面教師としてジジイを残したんだよ。

 

 

「京都側の調査を歌姫に頼みたい」

「私が内通者だったらどうすんの」

「無い無い」

「歌姫は弱いしね」

「そんな度胸ないでしょ」

「アンタらねェ!!私の!方が!!先輩なんだよ!!!」

 

 

 おーこっわ。湯呑みを僕らに投げてくるなんて……。

 ヒスはモテないよ?だから歌姫って三十路になっても浮いた話の1つも無いんだよ。クズな僕達でさえ軽く100回はナンパされてるってのに。

 

 

「開始1分前でーす。ではここで庵歌姫先生にありがたーい激励の言葉を頂きまーす」

「は?え、……えーっと。ある程度の怪我は仕方ないですが、えー……時々は?助け合い的なアレが……「時間でぇす」ちょっと五条!あんたねぇ!!!」

「それでは姉妹校交流会、スタ〜〜〜ト!!!」

「先輩を敬え!!!!」

 

 

 アハハ!歌姫に敬うもクソないだろ〜。

 僕らはクズ三人衆なんだからね。硝子ですらお手上げ状態なのに他者を尊敬とか出来ないよ!

 

 

「ふふ」

「楽しそうだね」

「まーね、サマー」

 

 

 笑いながら冥さんの術式で映し出された液晶画面を見た。

 悠仁は葵の足止め、悠仁を除く東京校側はパンダ班と恵班に別れたらしい。

 けど悠仁があんまり映ってないな。映っても画面が乱れてるから冥さんは買収済みらしい。

 

 

「【八咫(やた)】、好きに飛んでこい」

「どうしたんだい?征哉」

「ほら、悠仁の画面乱れてるじゃん」

「……ほんとだ。冥さん?」

「フフ、何かな?」

 

 

 白々しいね。でも僕が視てるからいっか。

 他の子達の戦いも面白いし、悟が言ってた仲間が順調に育ってて嬉しいよ。特に真希の戦いはいい。さすが僕が面倒見てただけある。

 

 

「面白い子じゃないか。さっさと2級にでも上げてやればいいのに」

「僕もそう思ってるんだけど、禪院家が邪魔してるくさいんだよねー」

「征哉は当主でしょ。どうなってるの?」

「年寄り共じゃないよ。もうみんな死んだし。強いて言うなら僕の異母兄達とか」

「あーそっちか。なるほどね」

「素直に手のひら返して認めてやればいいのにさ」

「フフッ。金以外のしがらみは理解できないな」

「相変わらずの守銭奴だね」

 

 

 僕に言わせれば金の柵の方が理解できないよ。

 特級と呪術総監、当主ともなれば金なんて腐るほどあるし。逆に使う時間が無いから貯まる一方。

 

 

「それよりさっきからよく悠仁周りの映像切れるね」

「動物は気まぐれだからね。視覚共有は疲れるし」

「え〜?本当かなぁ。ぶっちゃけ冥さんってどっち側?」

「どっち?私は金の味方だよ。金に換えられない物に価値は無いからね。何せ、金に換えられないからね」

「へへっ、いくら積んだんだか」

 

 

 もう冥さんのそれ、買収されてますって言ってるようなもんじゃん。

 楽巌寺学長も必死だよね〜。そんなに器が怖いのかな?ま、おじいちゃんだから仕方ないか!

 

 

「真希と真依、姉妹仲は良好。でも戦いでは別ってね」

「真依は遠距離のサポート。真希は近距離で主力。どっちも特化した戦い方があるけど今回は真希の勝ちだね。真依は近距離ダメダメだし」

「禪院家なのによく育ってるじゃないか。征哉かい?」

「そっ。小さい頃に保護したの。彼女らの父親、僕の叔父は死んだし」

「ハハッ、そんなに嫌いだったのか」

「あぁ、大っ嫌いさ」

 

 

 扇おじさんは何年か前に死んだ。僕が仕掛けた小細工でね。

 思い返すとあの人、最後の最後まで僕のことを目の敵にしてたな。

 

 

 自分に無かった僕のような才能と術式。当主に成りたかったのに僕に取られちゃってお怒りプンプンだった。

 きっと好感度はマイナス1億点だろう。僕もあの人は好きになれないけど。……あ。

 

 

「……悟、傑」

「なに?」

「お客が来たようだ。八咫がそう言ってる」

 

 

 ──ボワッ。

 

 

「ん?」

「え」

 

 

 はぁ、八咫の報告は正しいな。交流会で放っていた呪霊に付いている呪符と対になってるのが全て燃えた。

 さてと、僕は先に移動しよう。帳が下ろされると面倒だし行動は早い方がいい。

 

 

「先に行く」

「は?禪院!」

「放っておこう。征哉なら大丈夫だ」

 

 

 早速マーキングした恵の元へトぶ。

 これでもし帳が下ろされても僕が侵入済みであるから締め出される心配が無い。あと、何気に花御と戦ってみたい。……お!帳降りたな。

 

 

「恵。状況は」

「兄さん!五条先生が言ってた未確認の特級呪霊だ」

「ツナマヨ」

「そうですね。一応五条先生にも連絡しましょう」

「ちょっと待て。君は彼が何を言っているのか分かるのか」

「はいはい。憲紀、今はその話は置いておこう。アイツは僕が相手する」

 

 

 どーすっかなぁ……。真人みたいに手こずることは無いだろうしさっさと払った方が後が楽なんだけど、黒閃連チャンをキメさせて悠仁の成長を促したいね。

 

 

「ッ【動くな】」

「……ちょっと、呪霊くん。そこは僕に向かうところでしょ」

 

 

 速いな。流石特級と言うべきか。恵が持ってたスマホを弾き壊しやがった。

 

 

 棘に呪言を使わせちゃったのはゴメン。相手が悪いからできるだけ使わせなくなかったのに。

 相手は特級、体への負荷が大きいはずだ。動くな、って軽い呪言でも喉にキてるでしょ。

 

 

『時間さえあれば星はまた青く輝く。人間のいない時間……。死して賢者となりなさい』

「……ッ」

 

 

 特級相手に棘や恵は冷や汗かいてるね。そりゃ普通だとその反応の方が正しいか。そう考えると僕の方が麻痺ってるのかも。慣れって怖い〜。

 

 

「で、言いたい事はそれだけ?」

「おかかッ」

「……兄さん」

「だいじょーぶ。アイツ弱いし」

「は?弱いってどこが……」

 

 

 え〜?弱いでしょ。僕よりね。

 丁度いいから悠仁の下へ陽動でもしようかな。皆にも絶影は張っておこう。

 

 

「少し移動しよう。君達は僕に着いてこい。ヤツの攻撃から守ってやるから後ろは気にするな」

「前にいては後ろは守れませんよ?」

「加茂さん、兄さんの言う通りにしましょう。俺らが勝手に行動すると兄さんの足枷になります」

「しゃけ」

 

 

 恵はよく分かってるじゃないか。ここで反抗されても陽動に時間が掛かる。適当に痛めつけて悠仁と葵に引き継がせよう。

 

 

 黒閃を経験してるかしてないかだと天地の差が生まれる。

 1度キメてからその日のうちにまたキメるか、連チャンとかしたらもっとだ。悠仁には期待してるんだよ。

 

 

「走るぞ」

『逃がしませんよ』

 

 

 とか言って木の根っこみたいなので攻撃してくるけど僕の絶影によって防がれてる。

 ハッ、ざまぁ!活きがいいだけの植物(呪霊)風情が。

 

 

 取り敢えず、今いる路地みたいなところから建物内に移動する。

 後ろで破壊音がすごいけど気にしない!修理費と報告書で未来の僕は大変だろうけどね!

 

 

「凄まじいな。ヤツの攻撃が全て弾かれている……。これが特級術師、禪院征哉か」

「考えてる場合ですか。追い付くのに精一杯でしょう」

「すじこ」

 

 

 そりゃあ、呪力強化に加えて模倣した赤鱗躍動だしね。スピードもパワーも君らとは桁違いさ。

 

 

 でもこういうのを見て感心して終わるんじゃなくて「やってみよう!」って真似て欲しいよね。

 最強だから届かないって考えはやめて向上心を燃やしてくれ。

 

 

「疲れたならスピード落とそうか?まだ2割も出してないけど」

「おかか」

「いや、このままで」

「まだいける」

「ククッ、そうか。なら遅れるなよ」

 

 

 意地っ張りめ。でも好きだよ、そういうの。

 

 

 あっという間に建物を登りきった僕らは向かい側の建物の屋根に飛び出す。

 今いる場所は塀に囲まれた建物群だ。本当は塀の外に出て悠仁達の元へ誘導したかったけど、呪霊の登場と共に入口を封鎖されちゃったから無理。

 

 

「消耗させてぶっ飛ばす。これで行こう」

「兄さんが祓わないのか?」

「何でも経験は大事だ。葵といい感じになってる悠仁に任せよう」

「それって押し付けでは……」

 

 

 しっ!思っても言っちゃダメでしょーが!でも経験が大事なのは本当。特に今の悠仁にはね。

 

 

 かと言って余力がある元気100倍の呪霊を押し付ける訳にはいかない。

 痛めつけて、消費させてからぶっ飛ばす。うん、さっきの陽動するって言葉は取り消そう。綺麗にかっ飛ばしてやるよ。

 

 

「来い【戒鯨(かいきょう)】。離れた所で3人を守れ。あ、待って真希も入れてあげて」

「デカっ」

「しゃけ……」

「なんだ、兄貴気付いてたのか」

「もちろん♡増援に来たの?」

「そのつもりだったけど必要なさそうだな」

 

 

 式神の顕現サイズは5m。皆には戦闘の余波が届かないように、それでいて僕の戦いが見えるように少し遠くに居てもらう。

 本来、特級なんて会敵するほうが珍しいから見て学んで欲しいって魂胆だ。

 

 

 そんなこんなで彼らが移動した後、途中参加した真希も含めた4人を守るために【戒鯨】は半径15.7mの結界を展開した。

 

 

「さ、もういいよ。待っててくれてありがとう」

『それくらいの心はあります』

「呪霊のくせに面白い事を言うね」

『私達こそ真の人間ですから』

「へ〜」

 

 

 何言ってんのか分かんねーのに意味は伝わる。ホント気色悪いな。

 でも子供達が見てるからカッコつけたい。特級vs特級のいい機会だから呪術の心得って奴を教えてやろう。これぞ上から目線!!

 

 

「4人とも、僕が言うことをきっちり頭に入れろよ。特別授業だ」

『よそ見ですか』

「呪術の心得その1、体術」

 

 

 自らに張っていた【絶影】を解き、少しの呪力強化のみの状態にする。

 肉薄してくる呪霊の腕を掴んで投げて、向かってくる拳も受け流してからカウンターをした。

 

 

「体術は戦闘においての基盤だ。体術が出来なければ何も出来ない」

『避けるか受け流すばかり……攻めないと私は祓えませんよ』

「分かってないなぁ。体術は何も攻めるだけじゃない。僕がやった避けも受け流してからのカウンターも立派な体術だ。体術と呪具だけで呪霊を祓うヤツもいるだろ?」

 

 

 天与呪縛はさて置き、甚爾や真希がいい例だ。力の強さ、筋肉の多さ云々より体の動かし方が体術が上手いソレである。

 天与呪縛でバフはかかってるかもしれないけど、それは今はスルーしようね!

 

 

 体の動かし方に加えて体術に呪力が篭ればイッツァパーフェクト!!

 天与呪縛の肉体を再現することはほぼ不可能。だから並の術師は体術を補うために呪力を込める。そのための呪力操作だ。

 

 

「術式と併用するとベリーグット。意表も付けるし相手を引っ掛けて騙し討ちもできる。体術が出来て損は無いよ。では次に呪術の心得その2、呪力」

 

 

 しっかり呪力を流して今度は僕から呪霊に攻める。

 呪力操作は身体能力もあげられる上に、斬撃、圧縮、加速、破裂など様々な応用が存在する。

 

 

 京都校の三輪霞は刀身を呪力で覆い鞘の中で加速させて放つ【抜刀】を扱うと聞く。

 シン・陰流【簡易領域】の技ではあるけど、分解するとやってるのは呪力操作の応用だって分かるよね。

 

 

 だから僕は盗み見でシン・陰流を会得しちゃったんだよ。

 今の考えを見るとなんか誰でも出来そうでしょ?門下じゃなくても会得してる人がいるのはこういう事だよ。

 

 

 まぁ、僕が今回やるのはそれじゃないけど、呪力操作の応用ではある。

 呪力の感覚を確認してから目に追えない速さで呪霊の懐に入った。驚いている呪霊の腹に手を当てて僕の呪力を存分に流す。

 

 

 バキバキ!!

 

 

「あの強度の体を割った!?」

「……恵、今の何か分かるか?」

「体術では無いですね。多分……呪力操作、だと思います」

「しゃけ、明太子」

「やべぇな兄貴」

 

 

 呪力には人それぞれ性質がある。いや、性質とまでは言わないかもしれないけど多少の違いはある。

 文献にも乗ってない超基本的な内容。呪術を扱う以前にそういうモノだと認識しているんだ。『呪力』という同じ括りでも十人十色だね。

 

 

 そもそも、人それぞれじゃないと呪力感知すら出来ない。

 みんな同じ呪力だったら索敵をするのも大変だし、何より呪力の供給(流れ)が交通事故を起こしちゃう。

 例えば、呪力が共有されるせいで呪霊が一生祓えないとかね。

 

 

『グッ……ガハッ!』

「そういう訳で、僕が対象に流した呪力がその対象の呪力と混じり合うことは無い。お前の中に入った僕の呪力を僕が操作する。今のは呪力を圧縮して爆裂させただけだよ」

『そんなことを呪力操作だけで……!?』

「できるよ、僕ならね。でも遠隔での呪力操作は無理だ。そういう術式ならまだしも僕のはただの基本的な要素でしかない」

 

 

 だから手で触れて直接呪力を操作してる。お前、外が硬くても中はボチボチだろ。中から爆裂されたら結構痛いんじゃない?

 まぁ、普通の呪霊なら今ので粉々になってるはずだから、外だけじゃなくて中も少しは硬いのか。でも僕の呪力操作なら問題無いね。

 

 

「精度を上げればこういうことも出来る。基礎をナメちゃダメだ」

『クソッ』

 

 

 これを機にあの子達には自分の呪力操作を見直してくれるとありがたい。

 意外と基礎ほどアナが多いんだよね。これは座学とかでもそう。

 

 

「最後。呪力の心得その3、解釈」

 

 

 呪術を扱う上で最も大事なのが解釈だ。

 僕を見てもらえればわかるから詳細は省くけど、解釈を広げたら可能性の幅が大きく広がる。

 今の呪力の爆裂だってそうだ。結局は解釈と精度次第で誰でも出来る。よっぽど呪力操作が下手すぎるやつじゃなければね。

 

 

「僕の技のひとつ、拡張術式の順転は影を通して呪力を奪う事が出来る。それは()()()()に触れることで任意で発動する」

『……術式の開示ですか』

「いや?お前相手に開示するまでもない。ただの説明だよ」

 

 

 で、話を続けるけど、僕が何度かやったように解釈の変更や派生もできる。これが俗に言う拡張術式だ。

 

 

 今僕は解釈の変更をした。『現実の影』に触れて発動するものを『影』に触れる事で発動させるようにしたんだ。

 結論から言えば、影に触れてマーキングされたモノにいつでもどこでも拡張術式を発動させられるってこと。

 

 

 『現実の影』だと対人は問題ない。しかし対呪霊だと操った影に接触していないと発動不可能だ。

 コレ、はっきり言って面倒。呪霊に影が無いのが地味にイラつく。

 

 

 だから解釈の変更をして発動条件を『現実の影』から『影』にする。

 そうしたら概念の影か現実の影に触れているモノ、もしくは触れたモノが発動の条件にすげ替わるんだ。

 

 

『!?呪力が無くなっていく……!何をしたのですか!』

「ちょっと解釈を広げただけだよ♡」

『クッ……、アナタ等級は』

「特級だよ。お前の呪力もスカスカでしょ。ちょっと空中散歩ランデブー行ってきな?本日の特別授業は終了です!」

『チッ!!』

 

 

 呪霊……花御だっけ?そいつの呪力が少なくなった頃合を見て悠仁と葵がいる方にぶん投げた。僕じゃなくて影がね。

 4人への講談も終わったことだし、あとは悠仁達でどうにかしてくれ。悠仁ならいける!何より葵がいるから大丈夫!!頑張れよ〜!!!

 

 

 ……ズドーン!!

 

 

「おー飛んだ飛んだ。君らはちゃんと見てた?」

 

 

 空中ランデブーで華麗に吹っ飛んだ花御から生徒達に視線を移した。傍に寄っては【戒鯨】の顕現を解く。

 

 

 僕が言った心得3選はクソ大事だからね。

 僕は教師じゃないから教鞭を執ることは出来ないけど、その分外観からの影響を受けさせる事はできる。いい刺激になってると嬉しいな。

 

 

「ツナマヨ」

「そうですね。別に大それた事をやってないのにこの強さですよ」

「学べる事が多いな。京都校(こっち)の禪院先生が言っていただけある」

「へー、直哉が?まぁ、考える事とお勉強は大事だしね。君らも伸び代あるよ」

「こんぶ!」

「私にはあんまり意味無いけどな」

「まぁまぁ、そんなこと言わずにさ?真希は強いよ。後で真依にでも教えてやりなさい」

「わっ、おい兄貴!頭撫でるな!」

 

 

 ふふ、真希、そんなに視えないことを悲観しないでね。フィジギフゴリラ、あれになれる可能性が充分にあるんだから。

 覚醒してないけど、そろそろ事を進めた方がいいよね。もう原作の地獄に突っ込んだし。

 

 

 ……お願いだから、皆強くなってよね。僕ら(最強)に置いていかれないくらいにさ。

 

 

「そうだ、恵」

「……?」

「簡単に魔虚羅を出そうとするのは止めなさい。さっきもそうだけど、少年院の時も出そうとしたんでしょ」

「え、なんで知って……」

「そりゃあ、僕が恵のお兄ちゃんだからね!魔虚羅はポンポン出していいモノじゃない。お前がもっと強くなってから、ね?」

「……グッ、分かっ、た」

 

 

 は、お前ぜってぇ分かってねーだろ。目を逸らしながら言われても説得力ねぇよ。これは後でお説教確定ね。

 

 

 それより今は皆を帳の外に避難させよう。魔虚羅の話はこの事態が終わってからだ。悟みたいに口五月蝿い大人にはなりたくないからね。

 

 

 

 





弄ばれた花御。
ハイペースの主人公に押されてろくに対抗出来ずに空の彼方へ。

好きな地獄を選んでよ。(今後の展開……)注意、キャラは誰も死なないです。

  • 呪術師‪√‬、悟封印、征哉戦闘不能
  • 呪術師‪√‬、征哉封印、悟と傑に後任せる
  • 呪詛師‪√‬、色々あって征哉闇堕ち
  • 選べねぇから作者に任せる
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