妄想と捏造の産物とご理解ください〜。
では行ってらっしゃいませ。
本編で書けなかった第3弾!
【反転術式】さしすせ組(覚醒前)
「硝子ー!反転術式教えろ〜」
「硝子ー!アドバイスくれ〜」
「君ら頼み方って知ってる?夏油を見習いなよ」
「「え〜?」」
教えを乞う側だとは1ミリも思えない態度で硝子に近づいたのは悟と征哉だった。
サマーは2人の後に続いて薄ら笑いを浮かべている。笑いを耐えているのがバレバレだ。肩の振動がすごい。
「まぁ、クズに性格を説いたって仕方ないか。そんなに知りたいの?」
「すっげぇ知りたい!」
「めっちゃ知りたい!」
「私も知りたいかな」
「へぇ……。ならいいよ」
普段突っ走るばかりのクズ三人衆が硝子を頼りにすることは珍しい。自分しか出来ない反転術式のために頭を下げる3人に調子を良くした硝子だった。
「だからぁ、ヒューってやってヒョイだよ」
「「「………」」」
「分かんない?センスね〜」
反転術式を教えてくれると言った硝子に喜んだ3人は早速後悔した。
硝子は反転術式を感覚で使うやべーヤツだったのだ。そのため、説明も擬音のみで分かるわけが無い。3人の頭上にはハテナが飛んだ。
「分かったか?」
「いや全く」
「全っ然」
サマーの質問に即答で返す悟と征哉。むしろヒューってやってヒョイで理解しろと言う方が鬼畜というものだ。
これには解釈で優秀な征哉の頭でさえ理解するのを放棄した。考えるだけ無駄と判断したらしい。
「なに?折角教えてやってるんだから分かりなよ」
「……感覚派って怖いね。硝子がすごいって改めたよ」
「マジで何言ってんのか分かんねぇ。現状硝子しかアウトプット使えないってやばいよな?」
「アウトプットじゃなくても使える奴ほぼいねーだろ。いつか硝子が弟子取った時が心配だわ」
こんな調子じゃ会得出来ねーな!なんて言う悟は笑っていた。
この数ヵ月後に悟は滅多刺し、征哉は肉体欠損、サマーは圧迫死直前で会得するのを今の彼らは知らない。命懸けすぎて硝子が呆れながら心配するのは目に見えていた。
【新しい妹】征哉in伏黒家
「んで、こいつが津美紀だ。年齢的に恵の姉だな」
「……Could you say that again?」
退学してから数年後、征哉は気まぐれに伏黒家に訪れていた。
気まぐれとは言うが伏黒家に赴くのは半年ぶりだろう。呪術総監として多忙なのもあるが、自分の立場で周りが巻き込まれないように接触を減らした事も理由の1つである。
縁を切った訳では無いため、最低でも半年に1回は顔を出して恵の様子を見ると征哉は決めていた。
そして今日がその日である。手に持った土産を奥さんに渡した所で甚爾は新しい家族を紹介してきた。
「なるほど……?つまり津美紀は奥さんの親戚の子供なんだね。でもその夫婦が両方浮気して蒸発と?うん、子供を置いていくクズ人間だね」
「でしょ!?征哉君もそう思うよね!!だから私も怒っちゃって無理やり引き取ったのよ」
「ナイス奥さん!!じゃあ津美紀に鈴あげるね。見た目は普通だけど役立つから肌身離さず持っててね」
「あ、ありがとうございます!」
まだ子供なのに敬語使えるなんて偉い〜!と征哉は新しく出来た妹をよしよしした。うん、家族へのデレデレが存分に発揮されている。
「よし、結界の張り直し終了!ところで甚爾、お前恵に体術教え始めたろ」
「おう、よく分かったな?」
「最近恵にあげた鈴がチリンチリン五月蝿いんだよ。絶対甚爾が力加減間違ったんでしょ」
「あぁ……、何度かやべって思ったことはあったな。あいつの鈴もぶっ壊れたし」
「恵はお前の息子でしょ?まずは優しくしなさい」
「してるっての……」
してたら鈴は発動しねーんだよ!と言ってゴリラのケツを蹴った征哉。
バチくそ痛い蹴りを受けたゴリラはケツを擦りながら、替えはいくらでもあんだろ、と返した。
「いや、その事なんだけどもう作るのは辞めようかなって。もし落としたのが流出したら大変でしょ?使い捨てだけど登録したら即特級認定は貰える呪具だ。余程の事がない限りは控えようと思ってる」
「勿体ねぇな……、だが納得だ。俺も気を付ける」
「そうしてくれると助かるよ」
「征哉お兄ちゃん!ちょっと来てー!」
「はいはい!待ってねー!!」
「なんだ、早速好かれてるじゃねぇか」
「ふふ、さすが僕」
この後、征哉は津美紀が頑張って作った
【良い人】征哉
最近、上層部のお偉いさんがポツポツ死んでいるらしい。察しがいい人は分かるだろう。征哉がジジイ共の内臓を弄った効果が出始めているのだ。
「✕✕が亡くなったらしい」
「そうなのか……。○○も最近は不調と聞く」
「……■■は今日が山だとか」
「我らも歳には抗えんな」
ジジイ共が話す声が征哉の耳に届く。
お爺ちゃんが死ぬ事で少々仕事量が増えた征哉は2徹目であった。クソジジイが死んだって心底どうでもいいから寝たいところである。
「はぁ……」
「どうなされました?」
「別に」
冷静に考えてこれは人殺しなのだろう。間接的ではあれ、征哉が小細工を仕掛けたことでジジイ共は死に向かっているのだ。
良心に刺さる訳では無い。ジジイが死んだって悲しみどころか喜びの方が大きいのだ。まぁ、腐ったミカンと言われれば納得である。
征哉が辛いのは心ではなく事実である。人を殺した事実だ。殺した対象では無い。
総監になった征哉は呪術界のトップとして指揮を執る。呪術師や呪詛師の命は征哉の手のひらなのだ。実にクソ重い役職である。
「僕、呪術師辞めよっかな」
「そこは総監を辞める、でお願いします。貴方強いんですから呪霊は祓ってくださいよ」
「……秘書君言うねぇ」
征哉は目を伏せて、赤に汚れた己の手を見た。そんな征哉を秘書は悲しそうに見ている。
「灰原、俺のどこが良い人だって言うんだよ」
「………」
「これ見ても言えないだろ」
独り言なのは分かっていたため秘書は黙っていた。
上層部には保守派ばかりで征哉が気を許せる人物が秘書程度しかいない。そんな中で数年も過ごしている征哉は結構しんどい。ストレスと地雷の中で泳いでるようなものだ。
「総監!■■家から通達が!」
「貴方、まずは秘書の私を通してください。どうされました?」
「現当主が……」
「あぁ……。いいですよ、それ以上言わなくて。で、そういう事らしいですけどどうしますか?総監」
「……今すぐ伺うと伝えてくれ」
「はい!」
また死んだ。人が自分の手によって。もう何人目かも覚えていない征哉だった。と言うより、単純に興味が無いだけなのであるが寝不足の頭は上手く回ってくれなかった。
取り敢えずネガティブを消すために1回寝た方がいい。睡眠は大事なんだと秘書は思った。
「……秘書君はさ、灰原がまだ俺の隣に座ってくれると思う?」
「それは本人に聞いてください。……ですが、私なら迷わずお側に」
「ふふ、そっか」
今度は返事を返した秘書だった。だがシトシトしてる総監の扱いは面倒なのでさっさとベットに放り込みたい所存である。
「それと、一人称戻ってますよ」
「やべっ」
【出会い】征哉in狗巻家
「禪院様、此度はお越しくださり誠にお礼申し上げます」
「あぁ、うん。僕に用だって?」
「はい。どうぞ此方に」
ある日、緩い私服に身を包んだ征哉の姿が狗巻家にあった。
狗巻家は現代で唯一永続している呪言師の一族である。対呪霊では大活躍の呪言を相伝に持つが、今では家から呪術師を絶やす方針を取っている珍しい家系だ。
「術師、しかも呪言持ちの子がいるって聞いたけど」
「……狗巻家は呪術界ではアウトローですので、私達も動揺しております」
「何十年ぶりだよね。呪言師って」
「はい、漸く術師が減ってきたといった所だったので……」
狗巻家では稀にパッとしない術師がポンッ、と生まれては内輪でちょっとした騒ぎになるのだが、今回ばかりは騒ぎどころでは無かった。数年前に相伝の呪言を持つ呪言師が生まれたことで狗巻家はどんちゃん騒ぎで絶叫だったのだ。
対呪霊では鬼ツヨ、対人も防がれることがなれば奇襲もできるあの強力な呪言である。
呪術師を減らそうと掲げているのにそんなものを持ってしまった子供に狗巻家は頭を抱えた。そこで助っ人の立場よし、権力よし、(外から見たら)人柄よしの禪院征哉である。
「常時発動型の術式は厄介だね。子供の内は特に」
「例の子は無意識の内に言葉に呪いが篭ってしまいます。故に幼い内は囲っていたのですが、そろそろ厳しくなりまして」
「狗巻は仲間想いのいい人が沢山いるしね。その子と自分達の安全とはいえ、隔離させるのは心が痛いだろう」
「お心遣い痛み入ります。禪院様、この奥でございます。どうか……」
「あぁ、呪術界での立場も、呪言も僕がなんとかする。態々僕に頭下げてお願いしてきたんだからね」
「ありがとうございます……!」
征哉は案内された部屋に足を踏み入れた。そこに居たのは口元に蛇の目の呪印を持つ子供、狗巻棘である。手には玩具を持つが所持するだけで興味もなさげにしている。つまらなそうな瞳は征哉を見つめたまま、閉ざされた口は何も発さない。
「初めまして棘。僕は禪院征哉だよ」
「………」
「棘は言葉は分かるんだよね?」
「ん」
「話せたりする?」
「……んーん」
棘と言う子供は征哉の問いに首を振った。その姿は幼いながらも己が持つ力を理解しているようだ。
本来は友達とお喋りをして外で遊ぶ年頃である。そのはずなのに誰も傷つけないために口を閉ざし、狭い部屋に閉じこもっている子供を見ると征哉の残り僅かな善性はダメージを負った。
「大丈夫、僕に呪言は通じない。僕の【絶影】って言う絶対防御の壁が呪言の効果を消してくれるからね」
「……ほんと?」
「ほんとだよ。試しに何か言ってみる?」
「と、【止まれ】」
棘に向かって手を伸ばしたところで呪言を放たれる。それでも征哉の手は動きを止めることなく棘の頭を撫でた。
絶影はきちんと呪言の術式効果を相殺していた。実は根拠も無く試したのだが成功して一安心だ。当たって砕けろの精神は偉大である。
「ほら、大丈夫でしょ?」
「うん……!」
これが狗巻棘と禪院征哉の初邂逅である。兄弟のような長い付き合いがここで始まったのだ。
余談だが、棘の悪ノリは征哉から移ったものらしい。変な所が似るのはやめて欲しいところだ。
【個人として】征哉in禪院家
「お前がいたから、私は当主になれなかった」
目の前で血の気を失って寝そべる人物を征哉は見た。ボソボソと口から溢れる
「兄は相伝を持ち、天性の才があった。私には無いものだ」
征哉は返事を返さず、ただ目の前の人物を見据える。一応血縁ではあるが家族に向けるはずのその目はなんの感情も浮かんでいなかった。
「だから私では無く兄が当主になった。だが、兄の次は私だと信じてやまなかった。……なのに、なのにお前が生まれた!!」
八つ当たりにも度が過ぎる。征哉はこの人物を叔父と呼びはするが、認めることは終始無かった。何故なら禪院扇は禪院家でもトップレベルのゴミクズだから。
「落ちこぼれのくせに、出来損ないのくせに!!お前は相伝を、十種影法術を持っていた!!!何故だ!何百年も現れなかったというのに!!!」
先程の青白い肌とは一変し、扇は顔を赤くしながら叫んでいた。予想外の声音に思わず征哉は耳を塞ぐ。
「お前が相伝の成り損ないだと知って歓喜した。私が当主に成れるとな。なのにお前は、自慢の息子と兄に認められ、十種の亜種として家に歓迎された」
全て事実である。扇は死にかけだというのに声には生気が篭っていた。全く、しぶといジジイである。
「上位互換だとほざきおって!お前の弟も投射呪法だった。私は地に落とされたぞ!!だがまだ光はあったのだ。私の子が相伝を受け継いでくれさえすれば!!!」
自分の力不足を他人に押し付けるクズを征哉は見つめるだけだ。無言を貫き、聞き流す。
扇が零すその怨嗟を受け入れてしまえば呪われる危険性があった。誰でも死に際とは恐ろしいのだ。格の差があれど、火事場の馬鹿力というやつである。
「双子、女の忌み子だぞ!!!方や呪力が少なく術式もままならない!!姉の方は天与呪縛で呪霊すら見えない!!!どうしてだ!!!」
そんなに当主になりたかったのかと征哉はぼーっと考えた。
どうして、など己が1番よく知っているだろう。笑わせてくれる叫びである。それでも征哉の顔に表情は浮かばなかった。
「だが元を返せば全てお前のせいだ。恨む、恨むぞ征哉。若造が……ッ」
次第に小さくなっていく声。振り絞った怒声に気を持っていかれたのだろう。そろそろだと伺える。
「何も言わんのだな……。呪うと、言っているのに」
扇はそう言っているが、言うだけ無駄だと征哉は知っている。
扇が死ぬ理由はかつて仕掛けた小細工によるものだ。
術師は死後呪いに転ずるのを防ぐため呪術で殺す必要がある。もちろん征哉はそれを考慮していた。故に術式を使った小細工である。
だが扇は自分が弱っている理由を知らない。だから死に際で征哉を呪える、もしくは呪霊に転じて征哉を殺せると思っているのだ。
呪われる可能性があるから返事を返さない?あぁ、先程語ったそれは征哉の建前である。それっぽい言い訳をしているが、ただ無駄な会話をしたくないだけだ。禪院扇はクズ中のクズだが、征哉も人のことを言えない。
「禪院征哉を好きになれん。お前の父も、我が子も、それを産んだ妻も、
奇遇である。征哉も扇のことは好きになれない。めちゃんこ大っ嫌いだ。
目をつぶり始めた扇を見た征哉は使用人を呼んだ。扇の息は浅く、緩くなっている。
「生きづらいね、扇叔父さん」
「ふん、……お前にだけは、言われたくない」
生まれてこの方征哉を認めはしなかった扇。しかし、生まれてからの成長をずっと見てきた。その扱いの変わり様や征哉個人の強さに、さぞかし嫉妬と自己嫌悪を育んだことだろう。まぁ、それも1人の生き様ではあるから否定はしないのだ。
最期の会話を交わした後、征哉は息もなく静まり返った部屋を出たのだった。
【我らが当主】禪院家
我らが当主、禪院征哉の評価は高い。禪院の皆は一様にして彼の事を慕っているのだ。
ある時は使用人にお土産を。
「当主様、お帰りなさいませ!」
「あぁ、ただいま。これお土産ね」
「わぁ!ありがとうございます!今回はいつまでご滞在なさりますか?」
「大体2週間くらいかな。皆元気にしてた?」
「はい!」
また、ある時は指導を。
「もっと腰を下げろ!そんなんじゃ雑魚にも負けるぞ!」
「はい!もう一本お願いします!!」
「そこの君は素振り1000回追加だ!」
「え''!!」
「ほら、真希を見習え」
「征哉さんそんな酷いこと言わないでくださいよ……!!」
「アハハ!頑張れ頑張れ〜」
またまた、ある時は弟と妹と。
「兄ちゃん!会いたかったわぁ!」
「あ〜!僕の直哉〜!」
「おい兄貴、んな奴とベタベタするなよ」
「真希は私にも構え、だって。お兄ちゃんにはツンツンみたいよ」
「そうなの?真依はよく分かるね」
「うふふ、まぁ姉妹だから!」
またまたまた、ある時は目上の人と。
「甚壱にぃはどう思う?」
「いいんじゃないか?あぁ、そうだ。西側に少し厄介な呪霊がいるらしい」
「マジか。早めに対処しないとね」
「いい奴を知ってる。補助には蘭太が最適だろう」
「OK〜、じゃあ蘭太ともう1人のツーマンセルで。パパもそれでいい?」
「おう、いいぞ。それより今期の新アニメ見たか!?」
「パパ!今はそういう話じゃねーだろ!!」
と、老害ジジイがいなくなった禪院家は比較的平和である。どれもこれも征哉が地道にお家改革を進めてきた賜物だ。
ドブクズでクソオブクソの禪院家がこうなるとは征哉も思わなかったが、初歩的な第1歩は踏みしめることができた。あとは長年染み付いていまった思想を剥がしていくだけである。
「呪術界の革新頑張ろー」
えいえいおー!天に向けて腕を上げる。
まだまだやる事は沢山あるが、ひとまず禪院家が変わったのは大きい。長年の苦労が報われて嬉しい征哉だった。
【終わらぬ戦争】さしすせ組(2018年)
「昨日、生徒にお菓子貰ってさ。食べきれないから皆で食べよう」
「悟と征哉が甘党とはいえ、流石に量が多くてね。消費するの手伝ってくれるかい?」
「「今から?」」
硝子と何やら資料を持っている征哉は保健室にいた。二人とも絶賛仕事中の様だ。
そんな中で保健室のドアをバーン!と開けたのは大人子供の28歳児と前髪ニキの28歳児だった。
「菓子パだよ!久しぶりにやろうよ」
「悟はテンション上がってるんだ。征哉も糖分足りないでしょ?やるよね?」
「やる!!!」
「おい禪院。仕事はどうする」
「そんなの後でいいじゃーん。征哉もやるって言ってるし硝子もやろう」
「私が甘いもの嫌いって知ってて言ってるだろ五条」
「ん?そうだっけ〜?」
はぁ……、と溜息をつきながらも付き合う硝子はなんだかんだいい人だ。早速悟とサマーはビニール袋に入っている大量のお菓子を取り出した。
「そうだ、戦争しようよ。何派とか分かれるの面白いじゃん」
「おぉ、いいね!」
「んじゃ硝子は司会者ね!」
「ふふ。面白そうだ」
硝子が思いついたように言うと皆ノってきた。
終わらない戦争のゴングが鳴ったのを硝子は感じたが愉快なのは変わりないので様子見である。大人になっても青春は大事なのだ。
「第1項、プリッツorポッキー」
「プリッツ!」
「ポッキー!」
「トッポ!」
「ブフッ」
見事に分かれている3人を見て硝子は吹いた。発言の順番としては征哉、悟、サマーの順である。これは戦争が長引きそうだ。
「第2項、たけのこの里orきのこの山」
「たけのこの里!」
「きのこの山!」
「たけのこの里!」
「え''!傑、昔はきのこ派だったよね?」
「年取って変わったんだよ」
「うわ、アラサーじゃん」
「征哉も同い年でしょ……」
仲の良い同期である。大人になっても巫山戯た会話ができるのは実に微笑ましい事だ。お菓子を食べながら駄弁るのも日頃のストレス解消になる。
「第3項、アイスは?」
「牧場しぼり!」
「ハーゲンダッツ!」
「Lady Borden!」
「征哉って意外と普通のアイスが好きなんだね。てっきりセラートかと思ってた」
「悟は僕をなんだと思ってんだよ……。んな高いの食べる訳ないじゃん」
「いや?案外知らないうちに献上品として食べてるかもよ?」
「いやいや、サマー。悟じゃあるまいし……あ''」
「……なんだ、五条当たってるらしいぞ?」
「マジか!!」
「うわっ、お坊ちゃんめ」
数年前にめっちゃ美味しいアイスを食べた記憶がある征哉は口を引き攣らせた。やっちまった……って顔である。
さて、まだまだ戦争は終わらないが今回はここまでとしよう。3人が意見の違いで暴れだしそうだ。硝子はそっと保健室を離れ、学長を呼びに行った。
セラートの『白夜』はお値段なんと88万円。
たっっっけぇ!!!