東方無貌神〜Find love and enjoy the journey〜   作:文才の無い本の虫

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作者「ヤバい、ストックが無い」

作者「あと、この東方無貌神は黒雲録とかよりも一話の文字数が少なめな気がする(汗)」




第壱章「昔々、そのまた昔」
1「大地」


 

 

何も無い・・・・・否、植物しか(・・・・)存在しない草原を銀髪の青年が歩いていた。

 

 

「・・・・・此処等も随分変わったな」

 

 

龍神と出会い、龍神が世界を創造して――その間に龍神が産み出した神々が大地を創ったりと色々あったが――からかなりの時間が経った。

 

俺はその星々の一つ、後の地球を旅している。

 

旅しているとは言っても未だ植物しか地上に上がっておらず、他の生命は海で過酷な生存競争をしていることだろう。

 

 

「何も無いが、この重力は心地良いな」

 

 

『星の縛りが心地良いとは・・・・・貴様も物好きだな』

 

 

「お前を受け入れている時点で俺は物好きの部類だろうな」

 

 

そうやってコイツと雑談をしながら――外から見たら一人で喋っている様にしか見えないだろうが――未だ穢れていない地上を歩く。

 

この穢れていない自然ともあと数千年でお別れだ。

 

スケッチでもしてみようか。

 

幸い、『観測者』である俺には時間があるのだから。

 

敷物を広げ、鞄から旅の記録を書いている大きめな手帳を取り出す。

 

この手帳はエディ姉さんに貰ったモノで軽くて薄いが無限にページがある特殊な手帳だ。

 

これでかれこれ一億ページ位は書いたんじゃ無いだろうか?

 

そんな事を考えながら羽根ペンを取り出し、今居る場所と大体の時間軸を端に記し、風景を写し取っていく。

 

穢れなき青い空、流れる白い雲、靡く緑の自然。

 

ああ、美しい景色だ。

 

 

『相変わらず多才だな』

 

 

「そうか?」

 

 

『その絵、写真にしか見えんぞ』

 

 

「自身では絵の良し悪しなぞ判らん。俺の絵は上手く描くというより写すだからな」

 

 

『まさに写真(真を写す)というわけか・・・・・概念でも宿りそう(概念礼装)だな』

 

 

「よし、完成だ・・・・・天気も良いし寝るか」

 

 

当分の間はすることが無いからな・・・・・。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

「・・・・・はぁ。結局こうなったか」

 

 

俺は隠者のルーン――隠形、認識阻害のルーンとも云う――で自身の存在を隠蔽し、上空から過酷な生存競争によって穢れ切った地上を見下ろしていた。

 

 

『人・・・・・いや、生にしがみ付く醜い生命は等しく同じ過ちを繰り返す。それが生にしがみ付くということだからだ』

 

 

・・・・・ん?

 

 

『どうした?』

 

 

「何か、上昇して無いか?」

 

 

大地がゆっくりと浮上している?

 

少し気になるな。

 

俺は大地を探索のルーンで軽く調べる。

 

――・・・・・成程、要石が抜かれたか。

 

 

「・・・・・何処かの馬鹿が要石を抜いたみたいだな」

 

 

――要石、神々が創った大地を星に繋ぎ止める要。

 

星にもとから在った訳では無い神々が創った大地は要石が無ければ、神の位相にズレていく。

 

・・・・・指図め天界と言ったところか。

 

 

『成程、P-T境界の真相か』

 

 

「確か此処の基盤は前の世界と同じだったな」

 

 

大地の位相がズレたせいで生物の大半が死滅していく。

 

まさに大絶滅だな。

 

 

暫くすると大地は完全に位相がズレて生物の死骸は海に落ち、星は再び海だけになった。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

「ナイア、頼みがある」

 

 

「・・・・・龍神か。頼みとは?」

 

 

「大地を創って欲しい」

 

 

「は?・・・・・百歩譲って手伝うのは良いが、俺が創るのは断る」

 

 

「そこを何とか頼めないか?私が創るには時間が掛かり過ぎる」

 

 

「・・・・・報酬は?流石にタダ働きは御免被る」

 

 

「私の躰」

 

 

「・・・・・エディ姉さんの入れ知恵か?」

 

 

「ああ、こういう時はそう言え、と」

 

 

「普通の男なら大変魅力的な報酬なんだろうが、俺にはそう云う機能はあるが欲は無いから却下」

 

 

『つまらんな』

 

 

「・・・・・お前(■■■)は黙ってろ」

 

 

「ふむ、ならば寝床はどうだ?」

 

 

「寝床?」

 

 

「ああ。ナイアが前に寝るか絵を描く事以外にやることがないと言っていたからな。対価として暇を潰すための最高の寝床を用意しよう」

 

 

「最高の、か。少し気になるな・・・・・ったく、やるよ。代わりに早めに用意してくれよ?」

 

 

「エディ殿が私にナイアの報酬として私の躰を差し出してみてはと提案された時に睦み合う為に創ったからもうあるが?」

 

 

「・・・・・もう少し恥じらいを持て。部下が泣くぞ?」

 

 

「?・・・・・この様な態度を取るのはナイアだけだぞ?」

 

 

『くくっ・・・・・良かったじゃないかルイン。好かれている様だぞ?』

 

 

「・・・・・(嬉しいと答えて良いのだろうか?)」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

・・・・・と、いう訳で龍神に頼まれてから一日。

 

俺はその一日でひたすら増幅させていた神秘(アニマ)を使い、大陸を編み上げ始める。

 

 

―――先ず、大量の土を創造

 

 

―――次に土から大陸の土台(プレート)を成形

 

 

―――残った土を土台に乗せ、形を整える

 

 

・・・・・形は昔見たパンゲアを参考にするか。

 

土の成分などの微調整は龍神がするらしいので出来るだけ綿密に編み上げる。

 

神秘の総量が多いほうがやりやすいらしいからな。

 

 

「・・・・・よし、完全だ」

 

 

そう言うと横の空間から依頼主である龍神が出て来た。

 

深い緑の長髪に、透き通った白い肌、金色の瞳、豊満で均衡の取れた肉体美。

 

・・・・・確かに美しいんだろう。

 

見慣れたからなんとも無いが。

 

 

「ありがとう、助かったぞナイア。後は此方の仕事だ。この向こうに寝床は用意してある。ゆっくりと休むと良い」

 

 

「ああ、そうさてもらおう」

 

 

龍神が軽く手を振り、空間を繋げる。

 

俺はその空間を通り抜けた。

 

さて、寝るか。

 

 

 

 




『ルイン/ナイア』
名付け親はエディ・トルロックダウン。由来は前任者の名前から。ナイアルラトホテップは2つ目の名前でルインもナイアもどちらも本名。龍神とは世界創造からの付き合い。

『龍神』
創造神。深い緑の長髪に金色の瞳の長身の美女。角を2本持つ。ルインとは世界創造からの付き合い。エディとは知り合い程度。ルインをナイアと愛称で呼ぶ。
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