憑依in実験体のアビドス生徒   作:改名

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ようやく構想が出来上がってきましたよ……。
取り敢えず、大体のアビドス対策委員会編の流れは整理出来ました。
後はこれをキリのいい所で終わるように、話数で分けるのみ!!


7.開戦前

 

 

 

 ヘルメット団の前哨基地を襲撃するというホシノの計画。

 『顔無し(ノーネーム)』が状況を確認すると、シロコ、ノノミ、先生がその計画に賛同の意を示していることが分かった。

 

 

「それ、実質攻める一択だろ? ……やるよ」

 

 

 そもそも『顔無し』は『斑目の意思を引き継ぐ』という立ち位置だ。即ち、アビドスを救うことを目的としている。

 よって、その元凶に襲撃を掛けることを断るわけがなかった。

 

 だが『顔無し』の心中は複雑だ。

 

 

「……どうしたの『顔無し』。心なしか、どんよりしてるように思えるけど」

 

 

 先生も『顔無し』の様子がおかしいことに気が付いたらしい。恐る恐るといった様子で問いかける。

 『顔無し』は仮面の中で微かに渋い表情を浮かべ、先生を見た。

 

 

「気まずいんだよ……」

 

「気まずい……ですか?」

 

 

 話を聞いていたアヤネが首を傾げる。それだけでなく、この場の『顔無し』を除く全員が頭に疑問符を浮かべた。

 それを最初に消したのはシロコだ。何かを思い出したのか、『顔無し』に顔を向ける。

 

 

「そういえば『顔無し』、さっきヘルメット団に会いに行ってたっけ」

 

「まさかその時、愛の告白をしたんですか〜! それは気まずいのも納得です☆」

 

「何丁もの銃器を持って愛の告白をしてたまるか」

 

 

 そうじゃなくて、と溜息を吐く『顔無し』。

 

 

「二度と攻め込んでくるなよな。って追い返した奴等の前に、攻め込む側になって現れるんだぞ、俺は。これを聞いてどう思う」

 

 

 場が静まる。『顔無し』が言いたいことを全員が理解したのだ。

 沈黙を破ったのは、遠慮を知らないセリカと『顔無し』と最も長い付き合い故に遠慮がない先生である。

 

 

「『どの口が』って思うわ」

 

「当たり屋だなって思う」

 

「その反応が正しいよ。はぁ〜あ……」

 

 

 憂鬱だ。セリカと先生がそう思うのだから、きっとヘルメット団もそのように思うだろう。

 そういった目を向けられながら戦うことを考えると、『顔無し』は気が進まなかった。

 一度俯いて、彼は顔を上げる。

 

 

「ま、それでもやるけどな」

 

「ん。切り替えが早い」

 

「争いが日常茶飯事のここでは便利だぞ。切り替えの早さはよ」

 

 

 仮面の中でニッと笑う『顔無し』。

 

 斑目ユウが経験した、常人では耐えられない痛みと孤独。

 それによって得た『感情の起伏の乏しさ』を、『切り替えの早さ』として『顔無し』はコントロールしていた。

 

 これによって、切り抜けた窮地も少なくない。それ以外に武器もある。故に、『顔無し』にとって前哨基地の襲撃は問題なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先生を一番後ろに置き、アビドスの面々と共にカタカタヘルメット団のアジトに向かう『顔無し』。その装備は相変わらずで、両手には何も持たれていない。

 ぷらぷらと揺れる彼の両手に視線を移し、シロコは『顔無し』に近付いて話しかけた。

 

 

「やっぱり武器があった方がいいと思う。私達がまず一人倒すから、そいつの武器を奪って……」

 

「大丈夫だって。言ったろ? 俺の場合、銃より殴る蹴るの方が早い」

 

「う〜ん。射撃が下手なことを隠す言い訳にも聞こえますね☆ 負けず嫌いな男の子らしくて、可愛いですっ」

 

「……」

 

 

 そのノノミの一言に黙る『顔無し』。

 急に静かになった彼を見て、怒らせたかと思いノノミは慌てて謝ろうとする。いくら何でも、距離感が近過ぎだし失礼だと反省した。

 

 

「待ってノノミ。……ねぇ、『顔無し』」

 

 

 それを制止したのはシロコだ。『顔無し』の隣から、その仮面を覗き込む。

 

 

「もしかして……図星?」

 

「……悪いか」

 

 

 そっぽを向いて『顔無し』が肯定した。自分が銃器を使わないのは、射撃の腕がクソだからだと。

 

 

「うっそ! その筋肉は飾りなの!?」

 

「セリカ、駄目! それを言ったら、気にした『顔無し』がムキムキになっちゃう! 今ぐらいが丁度良いのに!」

 

「飾りじゃないし、気にしねえよ。先生に至ってはこんな形で性癖を開示するな」

 

 

 『顔無し』は溜息を吐く。自分でも、結構気にしているようだった。

 

 

「反動は何てことないんだけどな。元々この身体に『才能が備わってないのか、狙って撃っても的に当たった試しがない』んだよ。ゲームのようにはいかねぇんだなって、少しだけ落ち込んだもんさ」

 

 

 まあ、弾数を気にする必要もないし、手や足を放つ方が速いしで、今はもう気にしてないけどな。と『顔無し』は続ける。

 だがその続きは、ホシノにだけ聞こえていなかった。

 

 

 

 

『銃を握らせて貰っても、筋肉が足りないのか才能がないのか、まともに的に当てられやしない……』

 

 

 

 

 一瞬のノイズと共に、鮮明に今はいない同級生との記憶が流れたからだ。目の前の男と違い、悔しそうに俯くその姿が。

 ポツリと呟いたホシノの一言は誰にも拾われず、アビドスに溶けて消えていく。

 

 

 

 

 

 

「……なーんで。そんなところまで、斑目に似てるかなぁ」

 

 

 瞳に色を無くし、ホシノは皮肉な笑みを浮かべる。俯いているからか、誰にもそれは見られない。

 

 自分が追い出したのに。

 目の前の肉体に恵まれた男と違い、斑目は肉体と才能に恵まれなかったことを誰よりも分かっているのに。

 

 執着している。

 そんな自分が嫌いだ。

 

 目の前の男と斑目を重ねている。

 斑目を汚しているようで、そんな自分が嫌いだ。

 

 

『カタカタヘルメット団のアジトがあるとされるエリアに入りました。半径15km圏内に、敵のシグナルを多数検知。恐らく敵もこちらが来たことに気付いているでしょう。ここからは実力行使です!!』

 

「ホシノ先輩……大丈夫?」

 

「っ……うへ。おじさんは大丈夫だよー、シロコちゃん」

 

 

 アヤネの無線と、シロコに肩を叩かれたことで、ホシノは黒い泥の渦から抜け出した。

 先輩として後輩達を守るために、折り畳み式の盾を展開し、ホシノは片手にショットガンを構える。

 

 

 

 

 

 

 

「さあ皆〜……やろうか?」

 

 

 ヘルメット団、前哨基地襲撃戦。

 作戦開始。

 




次回、終戦です。
アビドス対策委員会は強いんだ!!

一つのイベントにつき、話数を使い過ぎ? 文字数とか内容を削った方がいい?

  • 使い過ぎ
  • 丁度良い
  • 寧ろ少ない!!
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