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初のコラボをさせて頂きまして、私は感無量です!
お陰様で筆が乗ってしまいました!!!
周囲を固められて帰っていたからか、『
なので、アビドス高等学校に到着して、包囲を解かれた瞬間に『顔無し』は気付かれないように、ゆっくりと息を吐く。
そのお陰で、対策委員会の部室前に着いたときには、身体の重さは無くなっていた。
「お帰りなさい。皆さん、お疲れ様でした」
「ただいま〜」
「アヤネちゃんも、オペレーターお疲れ」
部室に入る対策委員会の仲間達を、アヤネは笑顔で出迎える。が、次に入ってきた『顔無し』を見つけると眉を下げた。
「『顔無し』さんも、お疲れ様でした。先程はその、冷たい態度を取ってしまってごめんなさい。私達のために尽力してくれるのは、嬉しいです。でも、あまり無茶をしてほしくなくて……つい」
「ああ、いや……こっちこそ悪かった。これからは気を付けるよ」
謝りはするものの、決してしないとは言わない。無茶しなきゃいけないときが訪れれば、『顔無し』は必ず同じことを繰り返すだろう。
そのことを突かれる前に、この話は終わりだと、定位置となっている壁に背をつける『顔無し』。何を言われても答えないという意思表明のように。
その心中を感じ取ったのか、はたまた偶然か。
部室内の話題が変わる。
「火急の事案だったカタカタヘルメット団の件が片付きましたね。これで一息つけそうです」
「そうだね。これでやっと、重要な問題に集中できる」
「うん! 二人のお陰だね、これで心置きなく全力で借金返済に取り掛かれるわ!」
セリカの言葉に、『顔無し』は反応する。勿論、それを身体に出すことはなかった。
遂に自分も知る話題が来た。まだ借金が返済出来ていないことも知れた。『顔無し』は黙って、流れを見守る。
「ありがとう! この恩は一生忘れないから!!」
「借金返済って?」
『顔無し』と違い、先生はストレートにその話題に踏み込んだ。
セリカは、しまったとばかりに慌てる。
「……あ、わわ!」
「そ、それは……」
「ま、待って! アヤネちゃん、それ以上は!!」
迷いながらも口を開こうとするアヤネを、セリカは止めた。
『顔無し』は背中を壁から離し、親指で先生と自分を交互に指す。
「……そんなに隠すことないだろ。俺達がそれに付け込んで、何かするような奴に見えるか?」
「『顔無し』くんの言う通りだよ。いいんじゃないセリカちゃん、隠すようなことじゃあるまいし」
同じ立場である筈のホシノが、『顔無し』と先生側に回ったことに目を剥いたセリカが咄嗟に言い返す。
「か、かといって、わざわざ話すようなことでもないでしょ!」
ヒートアップするセリカと対照的に、『顔無し』は冷静だった。
「俺としては話してほしいけどな。でないと、何が問題なのか。どうすればこの学校が救われるのか。それが一生分からない。だろ? 先生」
「そうだね、『顔無し』。あのねセリカ……私は皆を……いや、アビドス高等学校を救うために来たんだ。だから、教えてほしい。皆が抱えている問題について」
この二人は本気で自分達を想って、言葉を重ねている。『顔無し』はともかく、先生の表情からそれは簡単に理解出来た。
だからこそ、セリカは素直に助けを求められない。
「やめてよ! 今まで大人達が、この学校がどうなるかなんて気に留めたことなんてなかった! この学校の問題はずっと私達でどうにかしてきたの! なのに、今更……大人が首を突っ込んでくるなんてっ」
「どうしてもっと早く来てくれなかったの!? 私は認めないから!!」
涙を流しながら、部室から走り去るセリカ。
「セリカちゃん!?」
「私、様子を見てきます」
アヤネの呼び掛けにも、その足は止まらなかった。
ノノミは先輩として、迷うことなく大切な後輩の後を追いかける。沈黙が降りる部室内で、ホシノが口を開いた。
「いや〜……ははは。ごめんね? 変な空気にさせちゃって」
「ホシノが謝ることじゃないよ。それで、借金って……?」
先生の問いに、うーん、とホシノは視線を逸らして。
「えーと、簡単に説明すると……この学校、借金があるんだー。まあ、ありふれた話なんだけどさ」
「問題はその金額で…… 4億8117万5千円あるんだよねー」
斑目の貢献があっても、その額か。
『顔無し』は仮面の中で渋い表情をする。
「4億8117万5千円……ね」
「凄い額だと思うでしょー? でもね、昔はもっとあったんだよ。9億6235万円だった」
「きゅっ!?」
「……それは、随分と減らしたんだな」
締め殺されたような声を上げる先生と対照的に、『顔無し』は静かに呟いた。
半分も借金が減らされている。先程は渋い表情を見せたが、以前の額を聞くと今の4億8117万5千円は安く感じた。
それは、斑目ユウの犠牲があったからに他ならない。
「随分と……減らしたんだなぁ」
なあ。斑目。
心の中でそう呟き、『顔無し』は瞳を閉じる。
こうすることで、この身体にその事実をよく染み渡らせているような気持ちになれた。
『顔無し』は斑目が、生前に自身の働きを知っていたのか分からない。具体的な数値を聞かされず死んだのかもしれないし、黒服によって聞いたのかもしれない。
だが、母校そして同級生を前に自身の貢献を知る機会はなかった筈だ。だからこうしている。
お前の活躍もあって、今この場所はあるのだと。この身体に染み込ませるように。
「とはいえ、アビドス……いえ、私達『対策委員会』が返済しなくてはならない金額がまだこれぐらい残っています。返済出来ないと、学校は銀行の手に渡り、廃校手続きを取らざるを得なくなります。ですが、事実完済できる可能性は0%に近く……。殆どの生徒は諦めて、この学校と街を捨てて、去ってしまいました……」
「そして私達だけが残った」
しかし崖っぷちであることに変わりはない。沈んだ表情を見せる、アヤネとシロコを見て、『顔無し』は気を引き締め直した。
「学校が廃校の危機に追い詰められているのも、生徒がいなくなったのも、街がゴーストタウンになりつつあるのも、全てこの借金のせいです」
「そして借金をした理由が、この砂漠化。認識はこれで合ってるか?」
『顔無し』の確認に、アヤネは頷く。
数十年前、この学区の郊外の砂漠で砂嵐が起きた。この地域では以前から砂嵐が起きていたが、その時の砂嵐は想像を絶する規模の砂嵐であったようだ。
学区の至るところが砂に埋もれ、砂嵐が去ってからも、砂が溜まり続けてしまい、その自然災害を克服する為に、アビドス高等学校は多額の資金を投入せざるを得なかったが、巨額の融資をしてくれる銀行は中々見つからなかったようだ。
ここまで説明し、アヤネは続く言葉を中々言えなかった。
先輩として、その役を担ったシロコが口を開く。
「結局、悪徳金融業者に頼るしかなかった」
「……はい。最初のうちは、すぐに返済できる算段だったと思います。しかし砂嵐はその後も、毎年更に巨大な規模で発生し……学校の努力も虚しく、学区の状況は手が付けられない程悪化の一途をたどりました。そして遂にアビドスの半分以上が砂漠に呑まれ、借金はみるみる膨れ上がっていきました」
「借金が減ったとはいえ、私達の力だけでは毎月の利息を返済するだけで精一杯でさー。弾薬も補給品も、底をついちゃってるんだよねー」
「セリカがあそこまで神経質になっているのは、これまで誰もこの問題にまともに向き合わなかったから。話を聞いてくれたのは先生、あなたが初めて」
話が終わり、部室内のメンバーの視線は先生と『顔無し』に集まる。
「そっか……皆、頑張ったんだね。ごめんね、今まで助けられなくて……!!」
「うへぇ……アヤネちゃん、ティッシュ先生に渡してあげてー? すっごいぐしょぐしょだから」
「は、はいっ」
アヤネはホシノの言葉に頷き、ティッシュ箱を持って先生に歩み寄る。
その瞳から大量の涙を流しながら。
「先生……うぅっ。どうぞっ……うぇぇ」
「書記ちゃん。人に渡す前にまず自分の涙拭け?」
アヤネの涙が彼女の手にあるティッシュ箱に落ちる前に、『顔無し』が自分の近くにあったティッシュ箱から紙を取り、その目元に置いてやる。
そしてアヤネからその手に持つ箱を受け取り、彼女の代わりに先生に渡した。
「す、すいません。つい、嬉しくてっ。先生が私達のために、本気で泣いてくれていることが分かって、今まで、頼りになる大人はいなかったからっ……!!」
「もう大丈夫っ……!! 私に出来ることなら、何でもしてあげるからね!!!」
「いやいや。もう十分、先生はやってくれたよー。先生のお陰でヘルメット団っていう厄介な問題が解決したから、これからは借金返済に全力投球出来るしね」
「そうだね、先生は十分力になってくれた。これ以上迷惑はかけられない」
「……だとさ。どうする? 先生」
その答えを、『顔無し』は分かりきっているが。
先生は涙を拭き、キリッとした顔で握り拳を作り宣言した。
「私も対策委員会の一人として、一緒に頑張る! 対策委員会のみんなを見捨てるなんて出来ない! 『顔無し』もそうだよね!?」
「まあ、そうだな。ここまで事情を聞いておいて、背を向けるのはどうかと思うし、最後まで首を突っ込ませて貰うよ」
今まで知らなかった借金に至るまでの背景も知り、その意欲は高まる。やはり、ただ単に借金があると知っている状態で戦うのと、その背景を知ってるのではモチベーションが違った。
先生と『顔無し』の言葉に、アヤネは表情を輝かせる。
「それって……。はいっ!よろしくお願いします、先生! 『顔無し』さん!」
「へぇ、二人は変わり者だねー、こんな面倒な事に自分から首を突っ込もうなんて」
「良かった……。『シャーレ』が力になってくれるなんて。これで私達も希望を持って良いんですよね?」
「そうだね。希望が見えてくるかもしれない」
アヤネを元気付けるように、シロコが頷く。
ここで、『顔無し』が手を挙げた。
「委員長。質問いいか?」
「んー?」
「書記ちゃんが言ってたことで、気になった点がある」
「私が、ですか?」
アヤネがきょとん、として目を瞬かせる。
『顔無し』はこれを機に、自分の働きがどうなっているのか確認したかった。
「今まで頼りになる大人がいないって話だったが、支援されたりもしなかったのか? 例えば借金を肩代わりしてくれたり、送り主不明で現金を送ってきたりする奴は」
「いないよ、そんな大人」
低い声がホシノから溢れる。俯いていたが、一瞬だけ『顔無し』はその目を確認出来た。
斑目の部屋で見た、刃のように鋭いホシノの目付き。それを自分に向けていた。
「少なくとも、おじさん達のために尽力してくれた大人はいない。いつだって、何とかしてきたのは生徒達だよ。大人じゃない」
「借金を減らしたのもそう。直接払ったわけじゃないけど、どこの学校の生徒か未だに分からないけれど、その子がこの学校の借金を半分肩代わりしてくれたようなものだよ。会えるものなら、会って感謝の気持ちを伝えて、叱って、謝って、うちに引き入れたい……」
(……斑目だな。黒服か斑目、どっちが言い出しっぺか分からんが、隠すことにしたか。二人にとって、隠すメリットの方が大きいからな)
斑目はホシノが自分のために傷付かず、借金の半分を減らせること。
黒服は実験体を失わず、襲撃された場合に出るホシノからの被害も出ない。
お互いの目的が一致している以上、実験体である斑目を正体不明の生徒とした方が良いだろう。
「現金を送るんじゃなくて、直接投げてくる奴はいるけど……正直、分からない。味方なのか、敵なのか。だからまだ、使わないで保管してる。そのお金を使ったら、変なイチャモンをつけられて借金が増える可能性もあるから」
ここで、ホシノの勢いにブレーキがかかった。
全員が注目していることに気が付いたようだ。だからか少し迷いながら……しかしゆっくりと、話し続ける。
『顔無し』は、ホシノの話すスピードが遅くなったのは場の空気だけが影響じゃないと推測した。
きっと、気持ちの整理が出来ていないのだ。
正体不明の生徒だと信じたい気持ちもあるが、利益のために自分達を陥れようとする大人の可能性もあるため、判断出来ずにいるのだろう。
『顔無し』は心の中で、溜息を吐く。
(アプローチの仕方。完全に外したな……)
もっと手段を考えるんだったと、人知れず後悔するのであった。
一つのイベントにつき、話数を使い過ぎ? 文字数とか内容を削った方がいい?
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使い過ぎ
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丁度良い
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寧ろ少ない!!