感想、お気に入り登録、高評価ありがとうございます!
大変励みになっております! 今後もよろしくお願い致します!
最近、仕事が忙しくなってまいりました。
更新の頻度を4日以内に収めるよう努めてきましたが、もしかしたら5日超えることになるかも……申し訳ない。
くっ。遂に新入社員の肩書が薄れてくることになるのか……!!!
結論から言うと、先に合流したのはアビドスの面々だった。
まず『
『セリカちゃんと『顔無し』さんを発見! 生存確認し、な、何で裸なんですかっ!?』
「こちらも確認した、泣いた跡のあるセリカと上裸の『顔無し』発見!」
「やめろ。その並びは悪意がある」
「な、泣いてないわよ! 全然、平気だったんだから!」
「ツインテちゃんもやめろ。強がって大人ぶってるようにも聞こえるから」
誤解が加速しかねない状況だ。
ただ年下の少女を助けた筈が、彼女に迫る若しくは手を出した性犯罪者と見られるのは勘弁して欲しかった。
だがこれは通信であり、他の者も聞いているわけで。
「なにぃー!? うちの可愛いセリカちゃんに手を出したのかー!」
「これはもう責任を取ってもらわないとですね!」
「だぁかぁら! 泣いてないし、手を出されてもないってーの!!」
「……」
続いて現れた、ホシノとノノミが迷いなく悪ノリしてきたことに、『顔無し』は溜息を吐いた。
すると、こちらに先生が走ってくる姿が見える。彼女はセリカを見つけると、安心したように息を吐いた。
「セリカが無事でよかった……今、凄く安心してる」
「な、何で先生まで!? ……あ、そっか。先生が『顔無し』に私の居場所を教えてくれたんだっけ。その、ありがとう」
「セリカ……!」
先生は涙ぐむ。態度をツンツンさせていた生徒が、恥ずかしそうにお礼の言葉を言ったのだ。絆が深まった気がして、先生としての喜びを感じた。
「でも、よく場所が分かったわね? まさか特殊な能力を持ってたりするの、先生って」
「え」
先生は言葉に詰まった。自分の権限でセントラルネットワークにアクセスし、最後の端末の反応を探りましたとは言い辛い。
緊急事態とはいえ、やってることはストーカーである。絆が芽生え始めたのに、また振り出しに戻ってしまうのは嫌だった。
助け舟を出したのは、この中で先生と最も付き合いの長い『顔無し』だ。
「そこはまあ、大人の力ってことでいいだろ」
「『顔無し』……! 流石だよ、色々と」
フォローした点を褒めたのかと『顔無し』は最初思った。
だが先生の視線が自分の顔より下を、行ったり来たりしていることに気付き、『色々と』にフォロー以外の事柄が含まれているのを察する。
状況が状況なので、『顔無し』は気付かないふりをした。
「……それに俺が言える立場じゃないが、呑気に話してる場合じゃなさそうだし」
「ん、『顔無し』の言う通り。無事セリカを確保したとはいえ、ここは敵陣ど真ん中。油断出来ない」
「だねー。人質を乗せた車両が破壊されたって知ったら、敵さん怒り狂って攻撃してくるよー」
そう言って、ちらりと『顔無し』を見るホシノ。追い打ちをかけるように、アヤネの通信が行われる。
『前方にカタカタヘルメット団の兵力、多数確認!! さらに巨大な重火器も多数確認しました! 徐々に包囲網を構築しています!』
「悪かったよ……。だから俺が言える立場じゃないって言ったんだ」
居た堪れなさを感じ、『顔無し』がポツリと謝った。
兵力が多数確認されることは予想していたが、まさか巨大な重火器まであるとは。
(ただのチンピラ集団って思ってたけど、その割には値段も威力もヤバそうなの持ってきたな。資金力が意外とあるのか……?)
「気にしなくていいですよ☆ きっと私達もセリカちゃんを攫われた仕返しに、トラック破壊してたでしょうし」
「満面の笑みで凄いこと言うな……」
ノノミの見た目に似合わない発言に、思考を止める『顔無し』。
アヤネだけが温厚なのかもしれない。それ以外は全員が好戦的な印象だ。『顔無し』は乾いた笑いを浮かべる。
「敵ながらあっぱれ……それじゃー、せっかくだから包囲網を突破して帰りますかね〜」
「……気を付けて。奴ら、改造した重戦車を持ってるわよ」
「知ってる。Flak41改良型」
しかしこれ以上、頼もしく思える人達はいない。
ホシノがいつもの気だるげな表情を、少し張った。
「それじゃ……行こうか?」
号令と共に、いくつもの砂を弾く音が鳴る。
『顔無し』は吹き飛んだトラックの車輪二本を手に持ち、前を走るアビドス組を追った。
戦う場所としては最高だ。砂で視界を塞ぐことも可能だし、足場が安定しないため相手の移動速度は落ちるだろうが、『顔無し』は問題としない。
だから一番手っ取り早いのは、蹴り上げるように一面に砂を舞わせ、その隙に持っている車輪で殴り倒していくことだ。
(でも、この方法は無しだな……)
『顔無し』は自分一人なら迷わずこの方法を取った。しかし、対策委員会と共にいるのなら話は違う。
(まずあいつらの視界も潰すことになる。デッカい戦車が砲撃してるのに、視界を潰しちゃ不味いだろ)
ならばどうするか。『顔無し』は結論を出す。
「正面から殴りに行くか」
結局いつもと変わらなかった。体勢を低くし、車輪を引き摺るように駆け出し、ヘルメット団に飛び込んでいく。
「ぷぎゃ!?」
「ぎゃん!」
「ごふぅ!?」
両手で持つ車輪で、一人一人殴り倒し。
「喰らえ!!」
「お前がな」
「ぶふ!?」
撃たれそうになったら、車輪を投げてぶつける。それを即座に回収。
「もらった!」
「残念」
「上に……!? うぐぅ!」
投げても間に合わなそうなら、車輪を踏み台に上空へ飛び、鳩尾に膝を落として気絶させた。
アビドスの面々と『顔無し』により、ヘルメット団は数を減らしていく。
そして遂に、残すは重戦車のみとなった。その砲口が自分に向いていることに気付き、『顔無し』は車輪を手放す。
仮面の中で、ギリィと軋む音が鳴る程に歯を食いしばると。
バゴォ!!!!
それを砲口目掛け、勢いよく蹴った。
サッカーボールのように飛んでいった車輪が砲口に当たる。砲口を歪ませることで弾を発射不能にすることが目的だった。
「チッ」
しかし、それは叶わず砲口を上に向かせることが限界のようだ。『顔無し』は舌打ちした。
とはいえ、隙が生じたのも確かだ。この状態での砲撃は、ヘルメット団もしない筈だ。自分達にも当たるリスクを考えてるだろう。
『顔無し』は一気に距離を詰めて、もう片方の車輪で殴りつける。戦車を壊すつもりで、何度も何度も。
「……くそっ、そりゃこうなるか」
だが先に壊れたのは車輪の方だった。固いゴムはボコボコと歪んでいる。
それならばと、『顔無し』はアビドスの面々や先生から見えない戦車の後方に回り込んだ。そして残った車輪のホイールを、戦車の車体に密着させた。
鉄越しに自分の力で殴ればその車体を歪ませ、完全とまではいかないが損壊させて動きを止められると思ったからだ。
「……」
骨にヒビが入り、そして拳が砕ける。だがすぐに元通りに再生する。
そしてまた砕ける。また再生する。それを作業のように繰り返した。
(そろそろ限界、だな)
ホイールの状態を見て、そう判断する。
これが絶対に壊れない代物なら、車体が損壊するまで殴り続けるのにと、『顔無し』は仮面の中で顔を顰めた。
出し惜しみなく、力一杯殴りつける。ホイールは完全に壊れたものの、車体は少し歪んだだけで走行に問題はなさそうだ。後進してくる戦車に轢かれないよう、その車体に飛び乗った。
鬱陶しい虫を払うように、『顔無し』を乗せた戦車が暴れる。振り落とされないように車体に掴まるものの、付着した自分の血で手を滑らせてしまった。
「っ」
野球ボールを打つように、宙に浮いた『顔無し』の胴体を砲塔が捉えた。肋骨の辺りからボキボキボキッと骨が砕ける音が聞こえる。
吹き飛ばされ、『顔無し』は地面を転がった。
「ゔ……ゴホゴホッ」
内臓に骨が突き刺さっているようで、息苦しさと共に出た咳と共に血を吹き出してしまう。
仮面から血が零れ落ちた。
(しくったな……。ホイールの時もそうだが、壊れない武器の捜索と装備もそろそろ検討するべきかもな)
そこら辺の物を拾って戦うのは、常識に囚われない自由な戦いで相手を翻弄できるメリットがある。
だがデメリットもある。今回のように、広大な砂漠等では使える武器が限られる点と、『顔無し』の力によりすぐに壊れてしまう点だ。
もし彼が壊れない武器を手に入れていれば、戦車を完全に破壊し、砲塔による攻撃も防げていたかもしれない。
「『顔無し』! 早くそこから逃げて!!」
「……ははっ。迫力が凄いな」
先生の悲鳴が聞こえる。後悔して周りに目が向いていなかったようだ。
『顔無し』の目の前には、こちらに猛進してくる戦車が広がっている。
脚に力を込めて、跳んで避けようと思ったがそれには及ばなかった。
「んっ……!! 世話が焼けるなぁ、もう」
「……マジか委員長。戦車を止めるとか」
そこには両手で盾を構えて、戦車を単体で受け止めるホシノの姿があった。
彼女は半身になって体重を預ける姿勢に変え、盾から覗かせるように片手で愛銃を構える。
「皆今だよ〜。総攻撃!!」
「ん。任せて」
「お仕置きの時間ですよ〜☆」
「私の弾丸を喰らいなさい!!」
ヘルメット団の戦車を、アビドスの弾丸が襲った。まるで嵐のようだ。
『『顔無し』さん! これを!!』
「書記ちゃん。助かるよ」
ドローンから落とされた回復薬を口に含み、ズレた仮面の内側に付いた血を拭ってから付け直す。
目の前で銃撃音と共に、段々と戦車が損傷していき……そして爆発した。
セリカを奪還し、包囲網も突破した。完全なるアビドスの勝利に終わったのだ。
アビドス高等学校に帰った後、ホシノは先生を連れて空き教室に来ていた。セリカは保健室で寝ており、他の生徒達と『顔無し』は部室で待機をしている。
「まずは先生。セリカちゃんを助けてくれて、ありがとう」
「いいのいいの! 私は先生で大人なんだから、当たり前のことをしただけだよ」
「うへ。そう言ってもらえると、おじさんも気が楽だよー」
にへら、と笑うホシノに先生は周囲を見渡して、話し掛ける。
「それで、どうして私一人だけを連れてここに……?」
「……先生には悪いけど、おじさん、あまり大人を信用していなかったんだよね」
「え」
目を見開いて固まる先生に、ホシノは両手を振る。
「今は違うよ? 少なくとも、先生は信頼できるって思ってる……。セリカちゃんを助けるのに一生懸命だったしね」
「いやぁ、えへへ」
次は照れたように笑う先生。このように正直に感情が出るのも、信用できる要因なのかもしれない。
ホシノは和む雰囲気に流されないように、咳をした。
「うん。それでね、セリカちゃんの最後の端末反応を判明させたことを見込んで、先生にお願いがあるんだ」
「お願い……?」
ホシノはすぅと息を吸い込む。
その名前を他人の前で言うことに対し、緊張しているらしい。
だが。
『……ははっ。迫力が凄いな』
『……マジか委員長。戦車を止めるとか』
掠れた声と共に耳に入った、『聞き覚えのある声』。合成音声ではない、紛れもない彼の肉声。
『反動は何てことないんだけどな。元々この身体に「才能が備わってないのか、狙って撃っても的に当たった試しがない」んだよ。ゲームのようにはいかねぇんだなって、少しだけ落ち込んだもんさ』
以前、彼が言ったことだ。
それは奇しくも斑目と同様で、ホシノにとって大切な同期を思い起こさせる。
しかし、かけ離れた要素が多いことも事実であった。
だからはっきりさせたい。あの男の仮面の中が、自分の知る顔なのか。
「シャーレの権限で調べてほしいんだ。二年前、キヴォトスで退学して行方不明になった子がいるかどうかをさ」
信頼の証として、ホシノは自分から先生の力を頼ることにしたのだった。
一つのイベントにつき、話数を使い過ぎ? 文字数とか内容を削った方がいい?
-
使い過ぎ
-
丁度良い
-
寧ろ少ない!!